2010年4月~6月分のバックナンバー

更新日:2022年02月11日

2010年6月30日(水曜日)

手紙でまちづくりに参加しませんか~「市長への手紙」

毎年恒例となりました「市長への手紙」が、いよいよ明日から始まります。この「市長への手紙」は、7,8月はご意見・ご提案の「強化月間」として実施しており、今年で12年目を迎えます。昨年度は166件ものお手紙をいただき、重要なご意見として市政に反映いたしました。

ご意見ご提案の方法は、専用の郵便はがき(切手不要)に記入しポストに投函していただくだけです。このはがきは、7月1日から8月31日までの間、これまでの市内の公共施設やJA兵庫みらい市内支所、コンビニ、スーパーに加え、今年から新たに伝統産業会館や市内簡易郵便局を含む計53箇所に設置いたします。日頃の生活の中でお気づきになられたことをお気軽にお寄せいただきたいと思っています。

小野市では、「市民=顧客」の考えから、皆様からの要望や苦情、そして様々なご提案などをお聞きする窓口を一本化するため、「市民サービス課」を設置しました。顧客満足度志向の一環として「情報は市民の財産」という認識のもと「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を構築しています。

市役所にお越しになって直接お話をお聞きする場合のほか、この「市長への手紙」や「市長へのメール」などでお聴きしたご意見は、全てにコードナンバーを付けて受付カードに登録します。そして、まず私が拝見させていただいたうえで全庁的に検討し、すぐに対応するものや長期的に検討するもの、対応できないものなどに分類をいたします。

そして、全て文書で回答を作成し、私が内容をチェックしたうえで皆様にお返事をしています。また、いつ受付していつ回答したか、どのような回答をしたのかなど、回答までの期間を含め、全てデータベースで管理して情報の一元化を図っております。ちなみに、手紙をいただいてからの平均処理日数は、3.2日と前年度より1.5日短縮しており、処理スピードも年々上がってきております。

このように全庁的な仕組み、システムとして対応しておりますので、議員や自治会長さんの要望であっても、小学生や保育所の子どもさんからの要望であっても、すべて平等に「市民の皆様からの意見」として取り扱っております。また、このことが市民の皆さんに浸透してきているのか、これまでにお寄せいただいたご意見は約7,800件にものぼっています。

この広聴の仕組みには、2つの目的がございます。1つには、言うまでもなく、「市民の皆様からの意見を市政へ反映」させることであります。2つには、「職員の問題解決能力の醸成」であります。様々なご意見に文書で回答するということは、アカウンタビリティ(説明責任)を果たすと共に、きっちり対応する能力を養うことであります。

皆さんから寄せられたご意見により小野市はどんどん変わっていきます。より多くの方々からご提案をいただき、市民参加のまちづくりを進めてまいりたいと思っています。

2010年6月23日(水曜日)

都市経営セミナーで「小野市の財政健全化の取組み」をプレゼン

大きなモニターを2つ用いて発表している経営セミナーの写真

先週の6月18日、東京の全国都市会館で「都市経営セミナー」が開催されました。これは、全国の市長や議員などを対象としたセミナーで、毎年、自治体が抱える課題や問題点等をテーマに開催されます。今回は「都市自治体の財政健全化」をテーマに、全国から200名近くの方々が参加されました。そこで私は、「小野市の行財政改革への取組み」について事例発表をさせていただきました。

財政健全化法により自治体財政の健全性は誰でも確認できますが、小野市の財政健全化の指標が兵庫県下で上位にあることや、また、最近ではテレビ東京「カンブリア宮殿」で小野市の行財政改革について放映され、時事通信社の時事ドットコム「トップインタビュー」などでも紹介されたため、それをご覧になられた主催者の財団法人日本都市センターから、民間ノウハウを活かした経営戦略で成果を上げている「小野市の行政経営」について是非発表いただきたいとの依頼があり参加しました。

小西砂千夫 関西学院大学大学院教授の基調講演のあとの事例発表では、財政健全化の取組みについて約30分にわたりご説明させていただきました。入札制度改革では、ものを買うことに対する職員の意識改革を徹底し、人事制度改革では、期限付嘱託職員制度の導入や能力成果主義の本格実施により成果と報酬が連動する仕組みを構築しました。ところで、私と同様に事例発表をされた千葉県浦安市の松崎市長は、先日の新聞にもありました臨時職員の派遣会社への転籍計画について、「官民の役割を考えるPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)の方向性が間違っており、またコスト面でも疑問を感じる」と申されました。全く同感であります。

私は、民間の良さ、官の良さをどう行政経営に反映させ、見える成果を出す仕組みづくりとトップのリーダーシップが不可欠ということを、引き続き行われた、東北公益文科大学大学院教授の出井信夫氏、NHKプロデューサーの伯野卓彦氏、監査法人トーマツの森田祐司氏、そして浦安市長の松崎秀樹氏と私の5人によるパネルディスカッションで発言したところです。

時間に限りがあり全てをお話しすることができませんでしたが、それでも参加された方々に大変熱心に聞いていただき、沢山のご質問をいただきました。愛知県豊橋市の議員さんからは、どうすれば市民の意識改革が進むのかという質問でした。これには、行政と市民の役割分担を明確にすると共に、議会と市民の役割も明らかにすることが重要であるとの考えを示しました。

一方、鹿児島県阿久根市の竹原市長からも「議会対策で苦労されていることは」と質問されました。やはり議員の方々を説得するのではなく、納得していただくように、情報を包み隠さず提供することです。迎合する必要はありませんが、議員協議会などでトップ自らがきっちり説明する。こんな話をする場では無かったのですがそうお答えしたところです。

こんなはずではなかった21世紀。従来の価値観が全く変わっており、意識改革は必須であります。厳しい競争に打ち勝って入庁してきた公務員をいかにしてやる気のある集団にしていくか、そして、いかに成果と報酬が連動する仕組み、システムを構築していくかということが最も重要であると申し上げ、かつリーダーとは「構想力」と「決断力」に尽きるとも申し述べたところであります。

2010年6月16日(水曜日)

「短歌、詩歌のまちおの」を全国に発信

ステージの上に12名ほどの人が横並びで座っている短歌フォーラムの写真

12日の土曜日、第2回「小野市詩歌文学賞」授賞式と第21回上田三四二記念「小野市短歌フォーラム」表彰式を開催いたしました。昨年は新型インフルエンザにより中止になりましたので、今回の開催は皆さん待ちに待たれたご様子で、会場のエクラホールは立ち見になるなど来場者でいっぱいとなりました。

「小野市詩歌文学賞」は、小野市が生んだ歌人 故上田三四二氏の功績を称えて20年前に制定した「短歌フォーラム」をさらに発展させ、短歌だけではなく、日本文学の原点ともいえる短文詩の良さを見直そうという趣旨で昨年創設しました。

ステージの上で着物を着た女性が市長から表彰されている写真

第2回の受賞は、短歌部門は河野裕子(かわのゆうこ)さんの「葦舟」(あしふね)、俳句部門は金子兜太(かねことうた)さんの「日常」、そして、詩部門は山本楡美子(やまもとゆみこ)さんの「森へ行(ゆ)く道」であります。2009年に全国で刊行された歌集、句集、詩集を対象に、全国の著名な歌人、俳人、詩人各々200名から推薦をいただいた短歌15、俳句25、詩35の候補の中から、最も優れた作品として選ばれました。

選考委員は、現代歌人協会理事の馬場あき子さん、宮中歌会始詠進歌選者の永田和宏さん、日本ペンクラブ理事の詩人辻井喬さん、現代俳句協会会長の宇多喜代子さんと、日本の詩歌を代表する方々に努めていただいています。専門分野を超えて委員全員で幅広い視点から評価・選考していただいており、これが詩歌文学賞の特徴でもあります。

一方、「小野市短歌フォーラム」においては、今年も大変多くの投稿をいただきました。一般の部では、国内及び海外からも合せまして1,471首ものご投稿をいただき、小・中・高校生の部では、全国各地の学校から3,870首の作品が寄せられ、合わせて5,341首ものご投稿をいただきました。有難うございました。

第1回詩歌文学賞受賞者の岡井隆先生の講演では、生前の上田三四二氏が医師として忙しい日々の中で短歌を作っていたエピソードを踏まえて「生活に苦労があるところに面白い作品ができる」など、詩歌の奥深さを語っていただき、また、短歌フォーラム入選歌の選評では、選者の馬場先生、永田先生による作者の心情や短歌の技術等の分かりやすい解説があり、来場者の中にはメモをとられる方も沢山おられました。

そして、選者の馬場先生、宇多先生、永田先生によるパネルディスカッションでは、「詩歌、言葉の楽しみ」をテーマに、「人間」「自然」を歌った様々な詩歌を題材に取り上げ、各先生による解説や考え方など普段聞くことのできない本音の論評が繰り広げられました。俳句の宇多先生が「短歌を見ると2つに切りたくなる」と言われると、短歌の馬場先生は「俳句をみると下の句を作りたくなる」ときり返されるなど、テレビなどの特別番組より見応えがありました。

また、3名の受賞者にごあいさつをいただきましたが、病をおしてご出席いただいた河野さんは、「自分を支え生きさせてくれたものは歌を作ることです」と、また、金子さん(ビデオレター)は、地元から生まれた文学者を讃え、さらに発展させていこうという当市の取組みに共感され、「この文学賞を皆で育て大切にしていきたい」と応援していただきました。

選者の4人の先生はもちろん、受賞された3人の方々もそれぞれ第1人者です。日本を代表する7人もの先生方がここ小野市で一同に会され、詩歌の真髄を熱っぽく語られるようなことは、全国にも例がないと思います。

これからもこの感動を忘れず、「短歌、詩歌のまちおの」をさらに全国へ発信し、皆さんと一緒に「小野市詩歌文学賞」を権威ある文学賞に育ててまいりたいと思っています。そして、来年度の短歌のご投稿を楽しみにしております。

2010年6月9日(水曜日)

フェニックス共済の加入率は「地域力」を測る1つのバロメーター

「市長の、市民の生命と財産を守りたいという熱意はわかるが、フェニックス共済への加入促進を市行政と関連づけて進めるのは行き過ぎではないか。フェニックス共済は、あくまで任意保険なのだから加入するかどうかは個人の問題だ」という声を耳にしました。

事実従来より、各種集会など機会あるごとにフェニックス共済への加入を呼びかけてきました。特に、区長(自治会長)さんに対しては、町ごとの加入率を一覧表にした資料も配り、町民に対して積極的に加入促進していただくよう強く要請をしています。

平成18年度からは、3年間限定ではありましたが、自治会が加入を取りまとめると1件につき掛け金の半額をその自治会に対して助成する小野市独自の制度も設けて加入を促しました。

確かに、フェニックス共済は、阪神淡路大震災を教訓に県が創設された任意の保険であります。掛け金は年間5千円で、自然災害で全半壊した住宅の再建に最大600万円が給付されます。県は加入率15%を目標に掲げ、積極的に推進されていますが伸び悩んでいます。

阪神淡路大震災、そして、昨年の県西北部豪雨から学んだことは、災害に対する基本は何といっても、自分の身は自分で守るという「自助」であり、住民同士お互いが助け合うという「共助」であります。フェニックス共済は、万が一のとき県民同士がお互いに支援し合うという「共助」の精神に基づく制度であります。

先月も、県下各地で記録的な豪雨がありました。幸いに小野市では大事に至りませんでしたが、ゲリラ豪雨などいつ大災害が発生するかわかりません。山崎断層でもし地震が起こると、当市の大部分は震度6強以上の揺れに襲われるおそれもあります。

そのような現状をしっかり認識していただき、市民一人ひとりに普段から危機意識をもっていただきたいのはいうまでもありませんが、それ以上に、各町のリーダーである区長(自治会長)さんには、町民の意識改革といざというときには町民同士お互い助け合いができるよう防災に関する気運を高めていただきたいと願っています。

その取組みは、防災に関することだけにとどまりません。要援護者に対する支援など福祉の向上やその地域の活性化など、いわば、「地域力」を高めることにもつながっています。

フェニックス共済の加入率は、ある意味でその「地域力」の1つのバロメーターであり、住民の危機意識はもとより、町のリーダーとしての区長(自治会長)さんの意識のレベルを物語っているともいえます。

現在、市内で加入率最高の町は、61.5%(75戸/122戸)、最低の町は7.8%(25戸/320戸)であります。機会あるごとに加入を勧めてきたのは、市民の生命財産を守ると共に、区長(自治会長)さんへ各町のリーダーとしての奮起を促す思いからであります。

3月末の小野市全体の加入率は17.1%、北播磨5市1町の10.6%、県全体の7.7%は大きく上回っているものの、目標の30%にはまだ届いていません。目標とする30%は、100戸中30戸の加入です。耐震化された新築住宅ではその必要はないでしょうが、決して達成不可能な数字ではないと思います。

大洪水の被害に遭われ、フェニックス共済から再建費用を給付された佐用町の方は、「突然住まいを失いショックだったが、落胆はしなかった。災害はいつまた起こるかわからない。お守りだと思って継続する」(讀賣新聞より)と言われていました。

年間5千円、日額にしてわずか13円余りであります。決して高いとはいえないと思います。未加入の方はぜひ加入していただくと共に、更なる加入促進に向けて区長(自治会長)さんの頑張りに期待しています。

2010年6月2日(水曜日)

市民主体の取り組みを全国へ発信~全国ハーブサミット小野大会~

ステージの上で5人の人がテーブルにつき話し合っている写真

先週の29日、30日の2日間にわたり「全国ハーブサミット小野大会」を開催しました。「ハーブでエコな暮らし、食と健康」をテーマに、うるおい交流館エクラとひまわりの丘公園で、多くの市民や企業の参画のもと、ハーブにまつわる様々な催しが行われました。小野市では、色と香りのまちづくりをテーマとした「ガーデニングシティおの」を進めてまいりましたが、この大会では、自分たちのまちは自分たちで変えるという、まさに市民が主体となったまちづくりの一つの集大成であったと思います。

2人の女性講師によるハーブ教室を受講している人たちの写真

そのような中、1日目に行われました全国ハーブサミット連絡協議会総会には、前回開催地の別府市を始め、ハッカの産地である北海道北見市やオリーブで有名な小豆島町など、ハーブにゆかりのある自治体から参加いただきました。総会の中で、これからのハーブサミットのあり方は、今回の小野大会のように、市民が主体となった活動に繋げていくことが重要であると、会員の皆さんから高い評価をいただきました。

今回のハーブサミットでは、まず、市民の皆さんにもっとハーブに触れていただくため、講師の先生による「ハーブセミナー」や「ハーブ寄せ植え教室」、ハーブを使ってリースなどを作る「ハーブクラフト」、ハーブピザを石窯で焼く「ハーブクッキング」などの体験コーナーを設置いたしました。待ち時間が出来るほどの盛況ぶりで、多くの方にハーブの良さを知っていただいたと思います。

一方、ビジネスにつなげるため、「ハーブビジネスサロン」ではハーブ製品の企業PRを行ったり、「おののごはんコンテスト」では市民グループに料理を提案してもらうなど、商品化も視野に入れた新たな試みも行われました。

2日目の晩には、ハーブサミットに参加いただいた皆さんとの交流会が開かれ、そこで、「ぷらっときすみの」や「太閤の渡し」などの市民グループからなる「食育部会」により、地元産の食材を使ったオリジナルの料理が振舞われました。心のこもった手作り料理を見て、次回開催地の富士河口湖町の渡辺町長さんは、『小野市の「食と健康のまちづくり」は、市民の方々の「心」の健康づくりにもつながっているようですね。それに、小野市はごみ一つ落ちていないまちですね』と感心されていました。

言われてみて改めてまちにゴミが少ないということを認識しましたが、それは、これまでガーデニングボランティアの方々をはじめ、市民総ぐるみで美しいまちづくりを進めてきたことが、まさに見える成果として表れたものと実感しているところです。

このハーブサミット小野大会では、2日間で5万5千人もの方々が来場され、大変賑わいました。参画いただいた皆様方に感謝を申し上げます。今後も、この市民が主体となった「美しいまちづくり」が、更に市域を超えた取組として広っていくことを期待しております。

2010年5月26日(水曜日)

全国ハーブサミットまもなく開催

道の脇にラベンダーが咲いているひまわりの丘公園の道路の写真

いよいよ小野市で開催します「全国ハーブサミット」まで、あと3日となりました。5月29日(土曜日)、30日(日曜日)の2日間、市民活動の拠点「うるおい交流館エクラ」と国道175号沿いにある道のオアシス「ひまわりの丘公園」で行います。

「全国ハーブサミット」は、北は北海道から、南は沖縄まで全国21自治体と、企業など11団体で構成される、「全国ハーブサミット連絡協議会」を中心に、ハーブの特色を生かした魅力あるまちづくりを推進することを目的として、年に1回持ち回りで開催されています。小野市は、平成17年の第14回神戸大会の際、ひまわりの丘公園がハーブ施設見学会会場として選ばれたのを機に、協議会に加盟しました。

ハーブを手にしているガーデングボランティアの方たちの写真

小野市では、平成14年の「ひまわりの丘公園」のオープン以来、「ガーデニングシティおの」を目指し、多くのガーデニングボランティアの参画と協働のもと、ローズマリー、ラベンダーなどの花やハーブを使った、“美しいまちづくり”を展開しております。これは全国的にも珍しく、この取り組みを全国へ発信していくため、小野市において「全国ハーブサミット」を開催することとなりました。実は、市の花「ひまわり」もハーブの一種であります。

ハーブは色や香りだけでなく我々の食生活にも欠かすことのできない植物であります。今回の全国ハーブサミットでは、「食と健康」つまり、「食育」もテーマに掲げ、「ハーブを観て、育て、食す」の観点から、他のハーブサミットでは見られないような、小野市らしいオンリーワンのハーブサミット開催を目指します。

テーブルに並べられたハーブを使ったピザの写真

29日は「小野市うるおい交流館エクラ」で、市民によるハーブの取組み発表や、まちかど緑化の写真コンクール、企業や団体による展示、北播磨特産品物産市、専門講師によるハーブセミナーなど、観て、聴いて、学んでいただけます。
30日は「ひまわりの丘公園」で、ハーブクラフトやハーブ料理体験をはじめ、各国のハーブ料理を食す「世界のハーブ屋台」、北播磨を食べつくす「北播磨マルシェ(市場)」など、触れて、作って、食していただく50に及ぶブースが並びます。

この2日間、多くの方にハーブの素晴らしさを知っていただくと共に、小野市発の「美しいまちづくり」がますます広がることを期待しています。
皆様のご来場お待ちしています。

2010年5月19日(水曜日)

近畿市長会会長という大役を仰せつかりました

第113回近畿市長会総会で市長が壇上で発言している写真

先週、和歌山市において開催された第113回近畿市長会総会で、その会長という大役を仰せつかりました。輝かしい歴史と伝統を誇る近畿市長会の会長に就任させていただきましたことは、誠に光栄でありますとともに、その責任の重大さを痛感いたしているところであります。

近畿市長会は近畿2府4県の全ての市、111市で構成され、主に各府県の市長会から提案された国への要望などを審議、決定するとともに、人権問題や都市が抱える共通の課題について、情報交換や調査研究を行なっています。

現在、行財政改革や社会福祉施策の充実、環境問題など、都市が抱える重要課題は山積しており、こうした中で、ますます多様化する市民ニーズに的確に対応していくためには、地域の特性を踏まえた自主的、自立的な行財政運営がより一層求められています。

地域主権というキーワードに象徴されるように、今ほど地方行政が注視されているときはありません。近畿の111市がより一層緊密な連携を図りつつ、地方行政を積極的に推進してまいりたいと考えています。と同時に、近畿市長会のあり方も進化させていかなければなりません。

3年前、近畿市長会の副会長を仰せつかりましたが、当時、税務事務に携わった職員に対して永年勤続表彰という制度がありました。成果によって表彰するならともかく、長くその仕事をしたということだけを捉えて表彰するということは、能力成果主義からすれば見直すべきではないかと提案し、役員会の賛同を得てその表彰制度は廃止されたことがありました。

些細なことでありますが、やはり「今まではこうであったという前例を踏襲することなかれ、かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」、何事にも絶えず、変革し続けることが重要であります。

私は現在、小野市長という職責だけではなく、県下19市12町などで構成する兵庫県市町村職員退職手当組合の組合長や加古川周辺6市で構成する加古川改修促進期成同盟会の会長なども務めております。

忙しくて市長職をこなすのが精一杯だと、歴代の市長が務めてこられたある団体の長を突然辞された市長さんもありましたが、団体といえどもそれが広域におよび、また、大多数の市民の利益に資することであれば、その職責を全うしなければならないことは市長として当然のことでありますし、歴代の市長さんがその職を務めてこられたのもそのためであります。

加えて、市長職というのは、幅広い視野で市政を運営することが求められます。「経験こそ我が最良の教訓なり」というのが私の信条でありますので、自分自身の勉強のためにも、微力ではありますが、110市の市長さん方のご支援、ご協力を賜りながら、近畿の発展のために一つでも見える成果を残したいと思っております。

2010年5月12日(水曜日)

「小野向日葵ホテル・食事処ひまわり」匠台にオープン!

4月29日に匠台テクノプラザにおいて「小野向日葵ホテル・食事処ひまわり」がリニューアルオープンしました。GW期間中、既に行楽予定が入っていると思われるなかで、連日100名を超す多くの方々にお越しいただきました。

匠台テクノプラザは、小野工業団地及び小野流通等業務団地の立地企業で構成される小野匠工業会の利便施設として小野市が平成4年に建設しました。施設は約100人を収容する多目的ホールや各会議室など利用できるようになっています。そして、開設当初からあるホテル・レストランについては、匠工業会の福利厚生事業の一環として、館内のテナント事業により運営されてきましたが、事業内容の見直し行うため昨年から一時休業となっておりました。

そのような中、匠工業会にはホテル・レストラン事業の必要性や匠台テクノプラザの存続について、立地企業全体で考えていただくよう要請しました。市も会議に加わり度重なる協議を行い、最終的に匠工業会が活性化を図るためホテル・レストラン機能を復活させると決定されました。そして、市としても、匠工業会自身が積極的に取り組まれようとしている事業を支援するため、施設の空調設備等の改修工事をオープンに間に合うように行ってまいりました。

この小野向日葵ホテルは、匠工業会のみならず地域の皆さんから長く愛されるアメニティ施設を目指しており、事業運営は会社創立40周年を迎え、多角的な飲食チェーンを展開されている「ナガサワ食品株式会社」が行います。その特徴は、一つには落ち着きと親しみやすさを提供するためレストランメニューを和食中心にし、二つには宿泊料金プランの見直しにより、シングルルーム1泊5000円(朝食付き)とリーズナブルな価格であることです。

小野向日葵ホテルのツインルームの写真と、和食中心の食事例の写真

また、山陽自動車道三木小野インターチェンジから車で約5分と利用しやすく、ビジネスでの出張をはじめ、ゴルフなどのレジャー、お祝いやご法要、周辺観光などにも最適であります。5月29日、30日には「全国ハーブサミット小野大会」、6月12日には「小野市短歌フォーラム・小野詩歌文学賞」を開催しますので、小野市に滞在の際には、是非ともご利用ください。

新しく出来た「小野向日葵ホテル・食事処ひまわり」が多くの利用者で賑わい、小野工業団地及び小野流通等業務団地がますます活性化することを願うところです。(小野向日葵ホテルホームページ

2010年5月5日(水曜日)

まちづくりに不可欠なのはアカウンタビリティ

先週、市内78町の区長さんがお集まりになる「小野市連合区長会総会」に今年も来賓としてお招きいただきました。年に1回、市内すべての区長さんが一堂に会されるせっかくの機会ですので、現在の小野市政の概要について、私自らがパソコンのパワーポイントを使って、プレゼンテーションをさせていただきました。例年、1月から3月に区長さんが交代されますが、新しく区長になられた方に、まず一番最初に小野市の取組を知っていただくことが目的であります。

基金残高の推移のグラフ

この度、説明させていただいた主な内容。

  • 「行政も経営」という基本理念と経営戦略4つの柱
  • 今期方針は、「更なるMM(見えるマネジメント)の実践」
  • 22年度予算は、2年連続積極型(実質7.4%増)
  • 財政状況は健全性を維持
    • 市民一人当たりの借金は県下で少ない方から2番目、預金は多い方から4番目(平成20年)
    • 財政健全化基準による連結実質公債費比率、将来負担比率は県下29市中1番目(平成20年)
    • 安全確実な資金運用(仕組み債等なし)
  • 少数精鋭で業務を遂行(人口100人当り0.57人で10万人未満の市で最小)(平成21年)
  • 北播磨総合医療センターの建設
    • 27診療科(新設7科)、病床数450床(県内6番目の規模)
    • 建設費用は約200億円で国の財政支援制度等で市の実質負担は約30億円
安全安心パトロールについて書かれた画像
  • 安心して暮らせる地域社会の構築
    • 福祉組織の再編による「小野市福祉総合支援センター」の整備(ワンストップサービスの展開)
    • 安全安心パトロール開始から刑法犯認知件数は半減(目標管理の徹底)
    • フェニックス共済は加入率30%を目標とし市民防災意識を向上。(平成21年:18.4%)
  • 次代を担う子どもたちの育成支援
    • 県下で先駆けて実施した中学3年生まで医療費完全無料化を継続
    • 子育て支援策の充実(保育所施設整備助成、子ども手当ての支給、妊婦健康検査費助成など)
  • 豊かな人間性を育む教育環境の整備
    • オンリーワン教育(おの検定、脳科学、16ヵ年教育、ICT教育)
    • 教育関連経費は10年度の約4倍の伸び
    • 総額60億円の学校整備事業中期(10か年)計画
      (21年度で耐震補強は全て完了。22年度小野中学校の体育館・プールを整備)
  • 環境にやさしいまちづくりの推進
    • 小野市の「色と香りのまちづくり」と「食育」を全国発信する「全国ハーブサミット」
市道舗装率のグラフ
  • 地域活性化の推進
    • 5年間で約10億円をかけ生活道路等を舗装する「道路舗装整備5ヶ年計画」
      (市道舗装率:平成11年 70.8%→平成20年 94.4%→更に99%へ)
    • 下水道普及率は7年前にほぼ完了
      (平成11年 70.8%→平成21年 98.6%)
    • 地域自らが計画した下東条地区まちづくり事業の推進
  • 広報広聴の多様な展開とシステムづくり

市としては説明責任(アカウンタビリティ)を果たし、市政の現状と課題について皆さんに知っていただくことが大事であると考えております。そのような思いで、この日の私はひどい熱と咳に悩まされていましたが、皆さんにご説明させていただきました。(ひどい声で申し訳ございませんでした。)

行政の取組を積極的に市民に情報発信すると同時に、市民からも市政に対しご意見をどんどんいただくことで、参画と協働によるまちづくりが進むものと思っています。今後も、自治会と行政が連携をとりあい、小野市の「更なる飛躍と変革」に向けポジティブシンキングでチャレンジし続けてまいりたいと存じます。

2010年4月28日(水曜日)

台風23号による災害対策 念願の「粟生樋門」完成

粟生樋門の前で国土交通省姫路河川国道事務所の人と市長が握手をしている写真

小野市でも大きな災害をもたらしたあの台風23号から5年、国土交通省姫路河川国道事務所のご尽力により、万願寺川と粟生川の合流部に念願の「粟生樋門」が完成しました。洪水時には、万願寺川は加古川の影響を受けますので、加古川の水位を下げるための河道掘削もしていただきました。樋門の設置により、あの台風23号相当の洪水がもう一度起こった場合、マイナス1.6メートルの水位低減効果があり、浸水面積を約半分に抑えることができるそうです。これでまずは、ひと安心です。

ふり返ってみると、平成16年の台風23号では、加古川や東条川周辺で半壊や床上床下浸水の被害が多数発生しました。特に、加古川に接した粟生町では、過去に例のない急激な水位上昇により、加古川へ流れ込む万願寺川から粟生川へ水が逆流して、浸水面積100ヘクタール、浸水戸数89戸という大変大きな被害が発生しました。

取り残された住民を救出するため、自衛隊青野原駐屯地の司令に直接要請して救助活動を行なっていただきました。自衛隊の派遣要請は、もちろん小野市始まって以来のことでありますし、当時のルールでは知事を経由して要請することになっていましたが、そのようなことを言っている場合ではありませんでした。警察署や消防団など関係機関のご活躍もあり、1人の死傷者も出すことなく無事救出できてよかったと今でも感謝しています。

あの災害を受け、私は、加古川周辺6市で構成する加古川改修促進期成同盟会の会長も致しておりますので、直ちに国土交通省や財務省へ赴いて早期の復旧復興を訴え、国土交通省では大臣に直接出合ってお願いをしました。そのような中、国の方では、特に被害の大きかった西脇市域から上流部において河川激甚災害対策特別緊急事業を適用し、約150億円かけて整備が進められました。

小野市域においても、護岸工事や土砂の除去、樹木の伐採などを実施していただき、また、懸案の無堤地区での築堤工事も始まりました。姫路河川国道事務所長の説明によれば、加古川の河底を下げ流量を増やすために搬出された土砂の量は、ダンプカーを並べたとすれば小野市から青森までの距離に匹敵するそうです。なお、昨年も上京して、前原国土交通大臣や野田財務副大臣に直接お目にかかり「県下最大の河川であるにもかかわらず、今でも無堤地区が残されており早急に解消して欲しい」と要望したところでもあります。

前原国土交通大臣と市長が資料を一緒に持っている写真と、野田財務副大臣と市長が資料を見ながら話し合っている写真

樋門の設置によって100%浸水を防ぐことはできませんが、避難に要する時間を確保できることは確かです。その管理は、地元の人たちにお願いしております。「地域の安全は地域で守る」という自主防災の基本を踏まえ、行政と地域が一体となって防災体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。

2010年4月21日(水曜日)

岩盤浴新料金スタート

4月1日より白雲谷温泉ゆぴかの「岩盤浴」の利用料金が変わりました。ゆぴか自慢の「岩盤浴」をもっと多くの方にご利用いただこうと、以前より300円値下げをして、60分間600円(入浴料込み1200円)といたしました。

白雲谷温泉ゆぴかは、平成16年3月にオープンして以来、年間40万人の方々に利用され、3月末には入浴者数が230万人を超えました。また、平成20年5月にオープンした「岩盤浴」もこれまで3万人近い利用があり、リピーターの方も多く、市内や近隣市はもとより、大阪や岡山など県外からもお越しになられています。

白雲谷温泉ゆぴかの暁月庵と風月庵と華月庵の3枚組の写真

ゆぴかの岩盤浴は、予約により女性専用の「暁月庵(あかつきあん)」、男女供用の「風月庵(ふうげつあん)」、2~4名で利用できる個室の「華月庵(かづきあん)」から選んでいただけます。地面に寝るタイプではなく全て単独の岩盤ベッドとなっており、それぞれの薬石が異なる18種類の岩盤浴を楽しめるのが大変好評です。

ご利用いただいた皆様からは、肩こりや冷え性、腰痛、むくみの解消などの効果があったとの声も聞いており、健康増進に役立てていただいております。最近では、岩盤浴が免疫力を高める効果があるとも言われております。是非とも様々な岩盤浴の効能を確かめていただきたいと思います。

また、子どもから高齢者まで気軽にご利用いただくため高すぎない温度に調整し、ゆったりとリラックスできるよう間接照明や穏やかな音楽などにより落ち着いた空間づくりに努めています。そして、「利用中に水分があれば」との声から、4月から小野市のおいしい水道水「安心しておのみ~ず」も無料配布し、大変喜ばれております。このように「白雲谷温泉ゆぴか」は、皆様のご意見により日々成長しているところです。

この度の料金改定を契機に、この岩盤浴の良さをもっと広く知っていただき、更には利用される皆様が健康で元気になっていただくことを期待しております。28日まで、人気ゲーム機Wiiやプロ野球観戦チケットが当たる2周年記念イベントも行っています。皆様のご来館を心よりお待ち申し上げます。

2010年4月14日(水曜日)

桜の成長と共に広がる地域活動

先日、「おの桜づつみ回廊」の桜が満開のなか、大部地区の地域づくり協議会主催の「桜づつみウォーク」が開催され、同時に河合地区でも多くのイベントが行われました。天気も大変よかったので、私もお花見も兼ねて参加いたしました。

洋風の建物のあお陶遊館アルテの入り口の写真

まず、青野ヶ原駅からJR加古川線に乗って粟生駅に着きました。そこでは「あお陶遊館アルテ」で2周年の記念行事が行われ、ロクロ体験などで賑わっていました。昨年11月にオープンした「シルキーウェイあわの里」では、定番のカレーライスは売り切れていたので、アツアツのたこやきをいただきました。地域の方々が集って実に生き生きと活動されており、「あわの里」も地域コミュニティの拠点として定着してきた感じでした。

おの桜づつみ回廊の桜並木の下をウォーキングしている人たちの写真

次に粟田橋から加古川を渡り、全長約4キロメートルにも及ぶ桜並木が続く西日本最大級の「おの桜づつみ回廊」に向かいました。

「桜づつみウォーク」には、約700名の方々が参加され、桜並木の下をウォーキングされていました。私もその輪に加わり普段の運動不足とメタボ解消のために歩きましたが、満開の桜と心地よい風に加え、みなさんの元気さにふれ大変すがすがしい気分になりました。

太閤の渡しで手打ちうどんや地鶏卵かけご飯を出店で販売している様子の写真

そして、桜づつみからふたたび加古川にかかる新大河橋を渡って、最後に「太閤の渡し」へ立ち寄りました。こちらも地域の人たちの熱心な呼び込みにつられ、小野産小麦「ふくほのか」の手打ちうどんと、地鶏卵かけご飯をつい頂いてしまい、もう動けないほど満腹になりました。メタボ解消の日はいつになることやら…。

「駅は切符を売るところではなく、地域コミュニティの拠点である」という理念に基づき整備したJR加古川線の各駅と、この桜づつみ回廊が市民の手によりまさに点が線となって大いに賑わいをもたらせた春の一日でした。

2010年4月7日(水曜日)

ハンガリーから俘虜収容所跡を訪ねて

タマーシ・バログ氏と市長を含めた4人で並んでいる記念写真

先日、突然ハンガリー大使館より一通の手紙が届きました。差出人は、陸軍歴史博物館のホロー・ヨージェフ・フェレンツ氏で、内容は、ハンガリー兵士が収容されていた青野原俘虜収容所跡に、記念となるプレートを設置させていただきたいというものでした。あまりに急なことだったので、日本の外務省を通じてハンガリー大使館に連絡を取っていただき、結局、ちょうど日本とハンガリーの社会安全条約の交渉のため来日されていた保健省局長のタマーシ・バログ氏と出会うことになりました。

バログ氏は、個人的に青野原俘虜収容所の研究をされており、2年前にオーストリアで開催した「青野原俘虜収容所の里帰り展」のこともご存知でした。第1次世界大戦時は、オーストリアとハンガリーは一つの国で、収容所にはハンガリー人も収容されていました。バログ氏は、同大戦時にチンタオ付近で沈んだオーストリア・ハンガリー軍の軍艦エリーザベト号の調査もされ、その乗組員が収容されていた「青野原俘虜収容所」の貴重な写真や、これまでの研究の成果を記された本も執筆されています。

そして、記念プレートを収容所跡付近に設置出来ればという申し出がありましたが、そこは個人の所有地のため、小野市歴史博物館「好古館」、もしくは、ハンガリー兵士が俘虜収容所に来た時に降り立った「青野ヶ原駅」に設置されてはどうかとご提案申し上げたところ、バログ氏も大変喜ばれたところであります。

なお、小野市に来られたので、お土産に伝統工芸品である「そろばん」をプレゼントしたところ、ハンガリーでは脳の活性化のため多くの方がそろばんを利用されており、バログ氏もすでにお持ちでした。小野市はそろばんのまちとして栄え、全国の70%を生産していることもお伝えしたところであります。

会談後、バログ夫妻には収容所跡や青野ヶ原駅を見学いただくと共に、国宝「浄土寺」や「ひまわりの丘公園」にも立ち寄っていただきました。約1世紀前の縁が契機となって、また国際的なお付き合いが広がりました。

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