こんにちは市長です

2026年4月22日(水曜日)
都市計画区域における区域区分制度は存続すべき?
加西市では、この4月から都市計画のルールを変更し、開発や建築がしやすく計画的に市街化を促進するエリアである「市街化区域」と、建築を制限することで市街化を抑制するエリアである「市街化調整区域」の区域区分を廃止されました。加東市でも令和10年度末での廃止を見込まれています。「区域区分制度」は、昭和40年代の高度経済成長期において無秩序な市街化を防止するために導入された制度ですので、現在の人口減少が進行していく社会情勢においては、地域によって時代に合わなくなっていることが背景にあります。
そのため、従前の「市街化区域」と「市街化調整区域」の「区域区分」を廃止し、「市街化調整区域」であっても、開発を抑制するよりは、宅地開発などを行いやすくし、人口流入を後押ししようとする狙いがあります。ただ、加西市においては、この「区域区分」が廃止されたとは言え、旧市街化調整区域において建築できる用途を定めた「特定用途制限地域」が指定されているため、全く規制なく自由な開発ができるようになるというものではありません。

さらに、ここで注意が必要なのが、都市計画のルールとは別に、農業を守るための「農振法(農業振興地域の整備に関する法律)」、「農地法」などの非常に厳しい規制はそのまま残るということであります。住宅等の建物を建築する際には、区域区分を廃止してもこれらの規制をクリアする必要があることから、農地の宅地化が容易になるということはなく、仮に小野市が区域区分を廃止した場合に置き換えると、開発ニーズが高い市役所周辺の“シビックゾーン”や“国道175号沿道”の農地も同様に規制されるわけであります。
では、小野市の都市計画のルールはどうなっているかと言いますと、線引きによる「市街化区域」と「市街化調整区域」を設定し、市街化を促進する区域とそうでない区域において建築等のメリハリをつけております。そのなかで、市街化調整区域においては「特別指定区域制度」を導入し、一定の条件を満たせば、地縁者の住宅区域などの建築制限を緩和できる制度を導入しております。つまり、全体の規制を設けつつ必要に応じて緩和する秩序ある開発を促すまちづくりを進めているところです。
次に、「区域区分」の廃止の影響として「市街化区域」を廃止することで都市計画税をどうするのかという問題も生じます。区域区分を廃止したからと言って、同時に「旧市街化区域」の都市計画税が廃止されるというものではありませんが、区域区分が廃止されているにもかかわらず、従前のとおり「旧市街化区域」に都市計画税を賦課し続けるというのは、住民の納得は得られないでしょう。この点、加西市では、この「区域区分」の廃止を見据えて、令和6年度から都市計画税を廃止されております。小野市の年間都市計画税額は約3億3,000万円ほどですので、この歳入減は、決して軽いものではありません。
さらに、「区域区分」の廃止により、理論上は「旧市街化調整区域」の宅地供給量が増えるため、「旧市街化区域」の地価が下がると見込まれます。では、「旧市街化調整区域」の地価が上がるのかと言えば、市全体の宅地供給量が増えることにつながるため、逆に「価値が下がる可能性」も出てきます。市にとっても、人口減少が加速度的に進んでいく過程において、コンパクトシティを目指すべきところ、上水道や下水道などの生活インフラを整備するエリアを広げてしまい、維持管理コストが膨らむことにもなりかねません。
「区域区分」制度が設けられた約50年前とは、社会経済情勢が変わっているとは言え、人口減少が加速していく中で、その制度を廃止することの目的は、旧市街化調整区域において宅地開発を容易にし、農村地域ににぎわいを戻すということだと考えられます。しかしながら、厳しい農業関連の法律である農振法、農地法という規制はそのまま残り、簡単には農地を宅地に転換できないこと、人は利便性のより高いところに住みたいと思われることからすれば、現時点においては現状を維持するほうが望ましいと考えております。
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