2010年7月~9月分のバックナンバー

更新日:2022年02月11日

2010年9月29日(水曜日)

河川環境整備は安全性の確保から

25日(土曜日)と26日(日曜日)、「第19回全国川サミット」が加古川市で開催されました。このサミットは、全国の市区町名に「川」のつく自治体等で構成され、川を利用したイベント等を行い、川と地域の関わりや川との共生について全国に向けて理解を広めていこうと、年1回、開催されています。

この2日間で、一級河川の加古川を舞台にレガッタ(ボート競技)や川をテーマにした記念講演、加古川流域の小中学校の研究発表など、様々なイベントが行われました。そのような中、今年は加古川市の開催ということで、加古川流域の加古川改修促進期成同盟会も特別参加することとなり、25日(土曜日)の総会及び首長サミットに出席してまいりました。

首長サミットでは、新潟県長岡市(信濃川)や東京都江戸川区(江戸川)など全国14の市区町が参加し、各自治体からは河川敷を利用した親水公園の整備や花火大会の実施、渡し船を活用した観光振興、また、ラフテング等のスポーツの取り組みなど、川を生かしたまちづくりの紹介がありました。

小野市からは、西日本最大級の「おの桜づつみ回廊」の整備とオーナー制度を取り入れた参画と協働による河川環境づくりや、小学校児童の「水辺の楽校」による環境保全への取り組みなどを紹介すると共に、加古川改修促進期成同盟会の会長という立場から、河川の安全の重要性についても申し上げました。川の環境、保全、親水も大事なことですが、河川の安全があってはじめて身近なものになり、川が生きてくるものと考えます。

加古川の河川改修においては、台風23号の被害などを教訓に期成同盟会の会長として国への要望を継続して行ってまいりました。国土交通省姫路河川国道事務所のご尽力により、西脇市では河川激甚災害対策特別緊急事業が終了し、小野市では万願寺川と粟生川の合流部に念願の「粟生樋門」が完成し、また、護岸工事や土砂の除去、樹木の伐採などを実施していただきました。

サミットの中で、国土交通省の中嶋河川環境課長様から平成23年度予算要求の概要説明として、予防的な治水対策に最も多く予算配分を行うと申されましたが、このPM(予防保全)が大変重要と考えております。一級河川の加古川には無提地区があるなかで、後手から先手管理を基本に予防にもっと力を入れてほしいと、お願い申し上げたところです。

これからも市民の安全安心を確保することを第一としながら、地域の特色を活かして河川環境の整備を進めていきたいと思っています。

2010年9月22日(水曜日)

人口誘致もこれからの自治体行政の戦略

小野市周辺では最近、新たな企業や工場が操業されようとしています。多くの従業員の方とその家族が転入されてくると見込まれます。それらの人を対象に、1人でも多くの方に小野市に住んでいただこうと、小野市では、市の魅力を掲載したパンフレットを作成し、総務部長を企業の総務や人事部門へ派遣して、人口誘致の営業活動をはじめました。もちろん市外の新規操業される企業だけではなく、市内企業へも売り込みにまわります。

「住むなら!やっぱり おの」のパンフレット

主なセールスポイントは、

  • 中学3年生までの医療費が所得制限なしの完全無料(兵庫県内では小野市のみ)
  • 北播磨で一番安い上下水道料金
  • 神戸、大阪まで1時間の距離
  • 市内はコミュニティバスが運行
  • 警察官OBのパトロール隊が市内を巡回
  • 脳科学研究の第一人者東北大学川島隆太教授の脳科学理論に基づく教育を実践
  • 三木市との統合病院「北播磨総合医療センター」が3年後にオープン

などです。

営業活動から帰ってきた総務部長の報告によれば、企業の反応は「こんなパンフレット市役所で作られたんですか?!まさか行政が民間のように、このような営業活動をされるとは思いませんでした」と大変驚かれたようですが、「社員食堂で場所を提供しますので、社員に配っていただいて結構です」と好意的な対応であったようです。

以前、私が勤務していた企業でも、従業員の多くがお隣の市に家を購入して定住されていました。通勤に支障がなければ、住むならやっぱり、子育てや教育環境が充実し、治安が良く、そして公共料金の安いまちを選ばれると思います。

まちの活力は何といっても人口です。ところが、少子高齢化の進展とともに今後、人口減少社会を迎え、好むと好まざるとにかかわらず、人口誘致のための自治体間競争も避けて通れなくなっています。もっとも、市の施策を充実させるためには、財政面での裏付けもないと実現できません。

「行政もまさに経営」であります。「より高度でより高品質なサービスを低コストで提供する」ことが小野市の一貫した基本理念であり、人口増を目指して、充実させたサービスを売り込んでいくことも、今後の自治体行政の戦略だと確信しています。「住むなら、やっぱり小野ですよ!」お待ちしています。

2010年9月15日(水曜日)

地域ぐるみで食と農の絆づくり

9日に小野市の伝統産業会館で「摂津東播生活研究グループ実績交換大会」が開かれました。この大会は、阪神・神戸・加古川・加西農業改良普及センター管内の7地区の持ち回りで開催されており、当日は、生活研究グループの皆さん約160名が集まり、実績発表などが行われました。

ブースで様々な加工品を販売し、買い物客でにぎわっている摂津東播生活研究グループ実績交換大会の写真

生活研究グループの皆さんは、特に加工品等の開発による商品づくりに力を入れ、農業生産(1次産業)に加工(2次産業)、販売(3次産業)を取り入れた、いわゆる6次産業(1次+2次+3次)の先駆者として活躍されています。なかでも、女性の割合が圧倒的に多く、改めて女性パワーを感じたところです。

また、地元農産物を食材に取り入れる地産地消の推進や、直売所、農園レストランを拠点とした都市交流など、農業に携わるものならではの感性、技、知恵を活かした活動に取り組まれています。会場には、皆さんが持ち寄られた自慢の加工品が並べられ、昼休みに販売されました。私も何か買おうと思いましたら、すでに完売状態でした。

現在、小野市、加西市、加東市の起業グループが集まる「はりま中央げんきネット」には、小野市から7つのグループが入っておられ、食育活動を中心に取り組んでおられます。夏休みを利用して巻きずしやジャム、お菓子づくりを親子で体験する教室を開催し、地域の農産物を使った加工品の良さや自分たちのグループの活動を子どもたちに教えておられます。

この大会のはじめに来住小学校の6年生の環境劇がありましたが、自分たちの住む地域の農業や環境のことを、よく理解して演技されていたことに感心しました。そして、将来はこれらの子どもたちが地域を担っていくものと期待するところです。大切なことは、これまで培ってきたものを地域ぐるみで次世代に伝えることです。

小野市でも、小野町駅前のそば処「ぷらっときすみの」のように、営農組合が生産したそばを加工し、手打ちそばとして付加価値をつけて販売する6次産業に取り組んでおられます。また、今年度は神戸電鉄樫山駅前や下東条地区において、新たなグループが地域コミュニティの拠点づくりを進めています。

地域が活性化するには、「ことおこし」「ものおこし」それらを支える「ひとおこし」の「3つのおこし」が不可欠と考えます。市内の各地区では、食や農を起点に地域の活性化のために地域自らが考え、地域が主体となって進めておられるところが増えております。そのような地域力がまちを変えていくものと思っています。

2010年9月8日(水曜日)

効率的な行政運営により健全財政を維持~平成21年度決算~

平成21年の決算がまとまりました。長引く不況により、経済状況は依然低迷が続いておりますが、徹底した経費削減により、健全な財政を維持しながら、(1)「教育・文化の充実」、(2)「安全安心社会の推進」、(3)「子育て支援など福祉の充実」、(4)「雇用対策・地域活性化の推進」を重点項目として様々な事業に取り組んできました。

平成21年度の主な事業を挙げますと、「教育・文化の充実」では、市場小学校の大規模改修や特別支援学校の体育館新築工事を行いました。現在、建て替え中の小野中学校、改修予定の小野東小学校を除き、全ての小中学校の耐震化工事が完了しました。また、ICT教育の推進として、全小中学校にプロジェクターを導入するなど、情報通信機器を用いた教育を授業に取り入れております。

「安全安心社会の推進」では、地域の安全を守るため、青色回転灯付きパトロール車を2台、警察官OBなどの専門パトロール員を4名増やし、8台15人体制とし、地域防犯、不法投棄、交通安全対策など更に強化したところです。また、平成25年10月オープンを目指した三木市との統合病院「北播磨総合医療センター」の事業に着手いたしました。一部事務組合の「北播磨総合医療センター企業団」が発足し、現在は建築工事や造成工事の設計など予定どおり進捗しております。

「子育て支援など福祉の充実」では、子育て世代の経済的負担を軽減するため県下で初となる中学3年生までの医療費の完全無料化を実施しました(22年度も継続)。また、自治会などの公園整備をサポートする子育て広場の整備(12か所)への助成や、5回分から14回分まで拡大した妊婦健診費用助成、人気が高い3人乗り自転車のレンタル事業など子育て環境の充実を図りました。

「雇用対策・地域活性化の推進」では、事業の民間委託や臨時職員採用などの失業者等の雇用機会を創出する緊急雇用創出事業や、新病院建設に関連した国道175号市場交差点から工業団地までの新都市中央線の整備着手、粟生駅の周辺整備等を行いました。また、小野まつりにおいては、市民の皆さんに元気になっていただこうと花火を5000発にするなど充実を図り、13万人を超える多くの方々で賑わいました。

このように積極的な事業展開を行いながらも一般会計では約2億2千万円の黒字となりました。市債残高は更に4億7千万円減少し約139億円、基金残高は一部取り崩したものの約74億円を確保し、財政の健全性を維持しました。ちなみに、人口1人当たりで見てみますと、貯金は1人当たり14万9千円で県下29市中7番目、借金は28万で少ない方から2番目であります。

平成21年度の小野市の財政健全化判断指標の表組

また、全国一律の財政状況の基準「財政健全化判断比率(4指標)及び資金不足比率」を公表しなければならないことになっております。(右図参照)
毎年度の収支の健全度を表す「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」は赤字が出ることなく極めて良好であります。そして、実質的な借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は13.7%と起債許可基準の18%を下回り、「将来負担比率」は健全化基準を大きく下回り、昨年度に引き続き財政の健全性が高いこと示しております。

このように、小野市は健全な財政を維持しているものの、地方財政を取り巻く環境は、依然厳しい状況が続くことが予想されます。国や社会の最新の動向を注視し、限られた財源と小野市の持つあらゆる可能性を最大限活用しながら、「更なるMM(見えるマネジメント)の実践」による行財政改革を進めてまいりたいと考えております。

2010年9月1日(水曜日)

防災体制の再点検

近年、局所に100ミリを越えるような雨が降るゲリラ豪雨が全国各地で発生し、大きな被害が出ています。今年に入っても、5月に県内で1900世帯に避難勧告が出される大雨がありました。小野市では、東条川、加古川等の水位が上昇したことにより、いち早く災害対策本部を設置し、避難勧告を発令しました。幸いに、大きな被害はありませんでしたが、4月に完成した粟生樋門や加古川の河道掘削、樹木の伐採など、国に働きかけ積極的に取組んでいただいた効果があったものと感じています。

小野市の防災に対する基本的な考え方は「治に居て乱を忘れず」、「悲観的に準備をし、楽観的に行動する」とし、普段から災害に備え、後手から先手管理を基本に、災害が起きる前から対策を行うことです。既に地域防災計画や避難判断マニュアル(水害編、土砂災害編、ため池災害編)を独自で作成し、防災訓練の実施、ハザードマップの全戸配布も行いました。

しかし、市独自で作成した今のマニュアルは過去からの気象資料や災害を検証して作成したものでありますが、昨年の兵庫県北西部での豪雨のように今までの予想を遥かに超える災害も発生しており、専門家による検証を行っていただき水害対策を早急に強化していく必要があると考えました。

一例として、水害の際の避難勧告は、国土交通省等が定める「避難判断水位」をもとに出しています。小野市の場合、加古川上流の西脇市板波観測所の水位が基準となっております。今年5月の大雨の際には、市内の加古川の水位は台風23号時の74%にまで上昇し、一部あふれかけた支流もありました。一方、西脇市では2004年の台風23号の災害を受けて「河川激甚災害対策特別緊急事業」で河川改修が行われ、同観測所の水位は台風23号時の半分以下になったとのことです。

通常、河川改修は下流から順次行われ、現在、加古川の小野市域部分も改修が行われています。緊急により上流が先に改修されたことで、その下流の小野市では避難勧告の基準水位を見直さなければなりません。
専門家のアドバイスを取り入れ、地域防災計画や避難判断マニュアルを更にしっかりしたものにしていきたいと思っております。

そのような中で、29日には小野市自主防災組織リーダー研修会を開催し、各地域から約420人に参加いただきました。防災講演に引き続き、消防職員の指導のもと初期消火や心肺蘇生法、避難所設営などの防災訓練を受けていただきました。大切なことは、災害時の対処を学ぶことに加え、防災への意識を高めていただくことであります。災害時の被害を最小限に止めるため、地域における自主的・組織的な防災活動に期待するところです。

9月1日は「防災の日」です。今一度、市民の皆さんも災害の備えなど再点検をされてはいかがでしょうか。

2010年8月25日(水曜日)

13万人が感動した2日間

小野まつりで打ち上げられた「ファイヤーファンタジア」の花火の写真

8月21日(土曜日)、22日(日曜日)の「第33回小野まつり」は楽しんでいただけたでしょうか。気温35度を超す猛暑にもかかわらず、今年も13万人を超す方々で賑わいました。いまだこの2日間の感動がさめやまずという気持ちであります。

初日は、グラウンドゴルフ大会やのど自慢、市内各地区の皆さんが踊りを披露する「夏の夢舞台」など、まさに市民が主役となる数々の催しが行われました。そして、この日の見どころは、何と言っても夜の花火「ファイヤーファンタジア」です。昨年から5,000発に増やしましたが、この不景気の折、花火を盛大に打ち上げることで、皆さんに感動を与え、元気になっていただきたいという思いを込めております。

ステージの上で半被を着ておの恋おどりを踊っている人たちの写真

2日目は、今年で10年目を迎えますダンスイベント「おの恋おどり」がメインです。兵庫県内外(福井、岡山、京都、大阪など)から過去最多の123チーム、総勢約2,600人の踊り子の皆さんが会場の大池総合公園とうるおい交流館エクラに集まりました。ステージやパレードでの華麗で躍動感あふれるおどりの競演に、多くの方々が魅了されたと思います。ちなみに、演舞が終わってから自主的にチームの皆さんがゴミ拾いをするのも「おの恋おどり」の特徴であります。

「まつりを通して小野市を変えよう」という熱い思いを持たれた小野まつり実行委員会の皆様が、11年前から小野まつりの改革に取組んでこられました。それまで3~4万人であった来場者が、回数を重ねるごとに年々増加し、例年10万人を超える来場者を迎えるなど、播磨地域を代表する祭りへと成長してまいりました。賑わいづくりが誇りづくりとなり、その誇りづくりが郷土を愛する愛着づくりとなり、まさに、小野まつりこそ、「小野市を変える」という一つの象徴であると捉えています。市民力で創り上げたこの「小野まつり」を誇りに思います。

この2日間、実行委員会の皆様をはじめ参画いただいた多くの市民や団体の方々には、多大なるご支援ご協力をいただいたことに深く感謝を申し上げます。

2010年8月18日(水曜日)

33人の若き力が全国へ

先週、コミュニティセンターおので、全国大会に出場する小中学生への激励会を行いました。陸上や柔道をはじめとして、総勢33人の生徒・児童が全国の舞台で戦います。

全国大会に出場する学生たちの激励会で、市長と生徒たちが拳を挙げている写真

まず、陸上競技では、全国標準記録を突破して全国大会出場権を獲得された旭丘中学校の長谷川隼君(1500メートル・4分9秒75)と小野中学校の田中千晴さん(100メートルハードル・14秒87)が、そして、水泳競技では2種目出場される小野中学校の藤原秀朗君(200メートル3位、400メートル個人メドレー3位)が全国中学校体育大会への出場を決めました。

柔道では、全日本選抜少年柔道近畿大会(団体戦)において、兵庫県代表として出場した小野中学校が大会2連覇を果たしました。選手達は、全国大会でも2連覇を目指すと意気込みを語ってくれました。また、個人戦でも73キログラム級で岡田大希君が全国中学校体育大会に出場するなど、団体・個人戦ともに小野中学校柔道部の活躍が期待されるところです。

また、河合中学校野球部は県大会と近畿大会の激戦を勝ち抜き、全国大会の切符を手に入れました。野球の全国大会出場は小野市初の快挙であります。私としても母校でもある地元の学校が出場することは、大変うれしく誇りに思っております。地元では応援団が結成され応援に駆けつけると聞いておりますが、遠方の地で試合をする選手にとって大変励みになることでしょう。

そして、小学生も負けていません。全国小学生陸上競技交流大会の県予選会で、小野小学校の冨田雅之君(80メートルハードル・12秒58)と博之君(走高跳・1メートル38)が兄弟揃って優勝、そして小野東小学校の久保優輝君(ソフトボール投・67メートル39)が中学生顔負けの記録で優勝し、全国大会に挑みます。

小野市始まって以来のこの快挙は、言うまでも無く選手自身が誰にも負けないほどの努力をしてきたことが見える形で表れたものであります。そして、皆さんの日ごろの練習や顧問の先生方の熱心な指導、また、家族や学校、地域の方々の暖かい支援を忘れてはなりません。

全国大会で自分の力を思う存分に発揮して優勝できるように、最後に選手全員で「ガンバロー」と気合を入れました。選手の皆さんには、スポーツを通して多くのことを学び、大きな夢をつかんでいただきたいと思います。そして、近い将来、小野市からオリンピック選手が出てくることを期待するところです。

2010年8月11日(水曜日)

「おのウィメンズ・チャレンジ塾」白井市長が講演

おのウィメンズ・チャレンジ塾で白井市長が前で発言している写真

先週の金曜日、尼崎市の白井市長さんをお招きし、うるおい交流館エクラで「女性首長のエール!立ち上がれ 小野市の女性たち」と題して講演をしていただきました。小野市の女性の方々に、市政や地域、職場などあらゆる意思決定の場へ参画していただこうと、市で取組んでいる「おのウィメンズ・チャレンジ塾」の公開講座として、公募等による参加者約100名(うち女性が87名)が熱心に話を聞かれました。

このたび白井市長に講演いただくことになったのは、5月の近畿市長会でお出会いした時に「小野市には女性の市議会議員さんが1人もいません。是非来ていただき小野市の女性たちが元気になる講演をやっていただけませんか」と申し上げたのがきっかけでした。現在、尼崎市46万人のトップに立たれ、市議会議員の経験もある白井市長さんのご自身の体験談などをお話しいただけたら、よい勉強となるのではないかと、白井市長さんにお願いしたところであります。ちなみに、私が民間会社にいた若いころ、尼崎にある社宅に住んでいたこともあり、そういう意味では尼崎市は私にとって大変身近なまちでもあります。

白井市長は、尼崎市のカラ出張問題をきっかけに、市民の感覚を市政に反映するため市議会議員になられたこと、無党派での議員活動の苦労話、市政を動かすことが出来なかったため市長に立候補したことなど、市議や市長の経験を熱っぽく語っていただきました。

一方、参加者からは「議会や市、自治会が行う難しそうな会議の場に、どうやって臨めばよいか」など、女性の政治参画に対して前向きな質問が出ました。白井市長は、「とにかくその場に慣れていくことが大事。議会を何度も傍聴したり、出来るだけ会議に参加したりするなど、日々勉強していくことが重要です」とアドバイスされました。

小野市には、女性の市議会議員さんはおろか、女性の自治会長さんもいらっしゃいません。小野市は市の審議会等への女性登用を積極的に進め、登用率は約30%(県下29市中で4位)でありますが、なかなか女性の参画は見える形で表れていないのが現状です。講演会での参加者の熱心な様子を拝見し、この中から地域のリーダーや政治家(市議会議員など)として、市民を引っ張っていかれる人が出てくるのではないかと期待しているところです。

ご講演いただいた尼崎市長さんに感謝を申し上げると共に、これをきっかけに小野市の女性が益々元気になることを願っています。

2010年8月4日(水曜日)

姉妹都市親善訪問団が来庁

7月29日、小野市の姉妹都市であるカリフォルニア州リンゼイ市の訪問団が、小野市役所に訪ねて来られました。今回の訪問団は、15、16歳のリンゼイ高校の生徒、男女合わせて7名です。
リンゼイ市との国際交流は1973年から始まり、今回の訪問団の受け入れは実に21回目となります。

リンゼイ高校の生徒男女7名と市長との記念写真

皆さん若いためか、飛行機での長旅の疲れや時差ぼけなどもなく元気な様子でした。私との面談は最初の行事ということで少し緊張気味でしたが、すぐに和やかな雰囲気になりました。訪問団の皆さんの自己紹介では、兄姉が一度小野市に来て大変良かったから私も来たという方もおり、小野市にとっては大変嬉しいことだと感じました。私も小野市の魅力を伝えたり、普段の市長の仕事内容を説明したりしていると、あっという間に時間が過ぎました。

夜にはコミセンおのコミュニティホールで訪問団「歓迎会」を行いました。受け入れをされるホストファミリーや世話役の国際交流協会の方々が持ち寄った料理をテーブルに並べ、ホームパーティのような雰囲気で皆さんを出迎えました。訪問団の皆さんは、上手に箸も使われ、お寿司や日本の家庭料理を楽しまれたようです。

また、西脇町獅子舞保存会による獅子舞の披露では、初めて見る舞に大変興味を持たれたようで、真剣に見ていらっしゃいました。「獅子に頭を噛まれると魔よけになりご利益がある」という説明を聞いて、ぜひとも獅子に噛んでもらおうと、前には行列が出来ていました。このように、日本の伝統的な文化を体験していただき交流が進むことは大変素晴らしいことだと思いました。

訪問団の皆さんは、8月6日まで市内のホストファミリー宅にホームステイし、市内各施設の見学や、十二単・鎧の試着体験、陶遊館アルテでの陶芸体験などを予定されています。そこで大事なことはSTA(See and Touch and Ask)であります。実際に自分の目で見て、手で触れて、そして体験して日本の文化を大いに学んでいただき、小野市とリンゼイ市の交流が益々深まることを期待しています。

2010年7月28日(水曜日)

子育て支援で豊かなまちづくり

卵の形をした、頭の上にひまわりがあるチャイちゃんと頭の上にどんぐりがあるコムくんのイラスト

児童館チャイコムのマスコットキャラクター“チャイちゃん、コムくん”を、開館8周年を迎える8月2日にお披露目をいたします。このマスコットキャラクター人形は、市内外、また県外からも応募を頂き、184名の中から審査により選ばれたものです。“チャイちゃん、コムくん”は、児童館で生まれた卵に見立て、これから大きく育つ子ども達の可能性を秘めています。

児童館チャイコムで児童たちと遊びをしている写真

児童館チャイコムでは、水あそびや砂あそび、本の読み聞かせや工作など様々な楽しい遊びや行事がいっぱいあります。また、親同士の情報交換や子育て相談など子育て支援の拠点施設として、年間8万人近くの方々で賑わっています。ひまわりの丘公園にも隣接するところにあり利用料金も無料ですので、気軽にお立ち寄りください。

小野市では、「次世代を担う子どもたちの育成支援」を重点施策とし、児童館をはじめ積極的に事業に取組んでおります。県下で最も充実している「中学校3年生までの医療費完全無料化」、年間10万円を上限に県の制度に上乗せして支給する「特定不妊治療費助成」、全妊娠期間の14回分に拡大した「妊婦健診費助成の充実」など、幅広い支援策を実施しています。また、今年度は3種類の新しいワクチン接種補助や保育所の施設改修補助など市民の声を反映した施策を展開しています。

更には、「子育て応援メール配信システム」を構築し10月1日から情報提供を開始します。児童館のイベントや子育て情報などを配信する「児童館チャイコムねっと」、母子健診や予防接種情報などを配信する「保健センター育児ねっと」、障がい者(児童)の支援情報などを配信する「おのし しょうがいねっと」、そして、防犯・交通・災害などの情報を配信する「小野市安全安心メール」の4つのサイトです。(9月初旬から試行配信いたします。)

ところで子育て支援には地域の力も重要です。アフタースクール(学童保育)では民生委員などの役員さんがボランティアで子ども達と触れ合ったり、通学中の児童の安全を守るため児童見守り隊を発足したり、各地域で子ども達の健全育成や安全確保に取組まれています。このような子どもを中心とした市民ぐるみの取り組みが、家族や地域の絆を深め、豊かな地域づくりにつながっていくものと考えます。

住むなら子育て支援が充実した、ぜひ小野市へ。お待ちしています。

2010年7月21日(水曜日)

予防接種助成のポイントは先手管理と市民啓発

先月の議会で「ヒブワクチン」「小児肺炎球菌ワクチン」そして、「子宮頸がんワクチン」の接種費用の半額を助成することが決まりました。対象者には助成券を6月末に送付しておりますので、接種の際、医療機関の窓口にお渡し願います。

小児細菌性髄膜炎は、脳や脊髄を包んでいる髄膜に細菌やウイルスが感染して起こる病気で、全国で年間600人以上の乳幼児がかかっています。中でも0歳から1歳児の発症が多く、治療を受けても、年間で約5%の約30人が死亡し、約25%の約150人が知的障害などの後遺症が残るという大変怖い病気であります。この病気の原因となる菌の60%が「ヒブ菌」、30%が「肺炎球菌」であります。

子宮頸がんにおいては、予防できるがんという認識が世界的に定着しつつあります。原因となるウイルスの70%は、「ヒトパピローマウイルス」の16型または18型です。昨年、このウイルスに有効なワクチンが国内で販売されるようになり、11歳から14歳(小学6年生から中学3年生)の間に、予防接種をすることが効果的であるとされています。しかしながら、ワクチンを接種しても、すべての子宮頸がんの予防が出来るわけではなく、定期的にがん検診をうけることも必要です。

この3種の予防接種助成のねらいは、1つには「先手管理」であります。病気から市民を守るという小野市の行政経営の一つであり、言われてからやるのではなく、言われる前にやるという「後手から先手管理の実践」による市独自の取組みです。ちなみに、3種類のワクチン接種の全てに助成制度を設ける自治体は県下では小野市だけのようです。2つには、市民に対しての啓発であります。これらの予防接種に対して理解を深め、市民ぐるみで考えていこうというものです。

県下29市で唯一実施している「中学3年生までの医療費完全無料化」は2年目となります。当初はコンビニ受診などの心配もありましたが、皆さんの理解と協力により大きな問題も無く運用されております。このようにあらゆる施策を行う上で市民の意識改革が大変重要であると考えています。

今後も市民の皆さんが健康で元気に暮らせるように、社会環境に対応した様々な施策を展開してまいります。

2010年7月14日(水曜日)

深化し続けるPTA活動

ステージの上に15名ほどの人が並び、十二単を演じている写真

7月11日、うるおい交流館エクラで「北播磨地区PTA指導者研究集会」に出席しました。この集会は、将来を担うこどもたちの健全育成のため、地域社会・家庭の教育力の向上を目指し、毎年北播磨地域(西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市、多可町)の各市町で開催されており、会場のエクラホールはPTA指導者の方々でいっぱいでした。

今年は小野市開催でしたので、小野市PTAの実践発表や小野市連合PTAの役員さんで構成する「十二単(じゅうにひとえ)」の創作劇が上演されました。劇のテーマは「モラルって何?マナーって何?大人を見て育つ子どもたち」で、学校での参観日の私語、運動会でのマナー、給食費問題、医療問題などの実態を表現され、学校の先生の意見やアンケート結果などスライドでの解説もあり、大変わかりやすい内容でありました。

毎年恒例となりましたこの創作劇は、平成18年度の食育劇「子どもの笑顔は食卓から」にはじまり、19年度のエコ啓発劇「もったいない!は地球を救う」、20年度のネットいじめを考える劇「考えよう!ネットとケータイ」に続く4作目となります。役員の皆さんは本当に素人かと思われるほど上手く表現されておられましたが、今では他市から多くのオファーがあり県や市町でのフォーラムなどで披露されるなど、その活動も進化しているところです。

数年前に、毎年同じことが繰り返し行われていたPTA活動を見て、会長さんに「PTA活動を見直す時期では」と申し上げました。「必ず変えて見せます」と当時の会長さんが決意され、それから小野市のPTAは大きく変わりました。平成17年度には教育委員会から自立して、県下初の連合PTAの事務局を作られ、活動も一年一課題を掲げて行事等を実施されるようになりました。

中でも創作劇にはこだわり続けられ、いまの社会問題や学校の問題などを取り上げ「保護者が出来ることは何か」を真剣に考えて、子どもたちのためまず大人から意識改革をしていこうという独自の取り組みに対し敬意を表するところです。

PTAも行政も「今まではこうであったという前例を踏襲することなかれ、かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」という信念を持って、常に変わっていくことが重要であります。今後、子どもたちが夢を持てるような社会づくりのため、PTA活動の更なる深化(深く掘り下げる)と進化を期待しています。

2010年7月7日(水曜日)

地域の足を守るためには

沢山の小学生達が田植えをしている写真

神戸電鉄粟生駅近くの田んぼにたくさんの子どもたちが集まりました。神戸市内の小学校児童(8校650人)が神戸電鉄に乗って、田植えの農業体験に来ました。地元の方々にも協力いただく中、初めての経験に子どもたちは大はしゃぎでした。

神戸電鉄粟生線の市内5駅における利用者は、平成17年度が約3500人で平成21年度は約3%減少し約3400人となっています。中でも通学定期による利用者が約60%を占め、ほとんどが高校生の通学によるものであります。その高校の生徒数も年々減少傾向にあり、ここ5年間で約10%減少しています。少子化に伴い利用者数に影響を及ぼしている現状です。

そのような中、神戸電鉄粟生線の乗客数の増加を図り活性化させるため、これまで市内の各駅で周辺整備を進めてきました。神戸電鉄、JR加古川線、北条鉄道が結束する粟生駅では年間1万人以上の方々が陶芸を楽しまれる「あお陶遊館アルテ」を設置し、また、市の南の玄関口である樫山駅では駅舎と車での送迎を容易にするロータリー等を整備し、市場駅では屋根付きの駐輪場を設置するなど、市独自の施策として取り組んできたところです。

鉄道の利用者減少は小野市だけではなく近隣市にとっても共通の課題であります。そこで、鉄道事業者、小野市、三木市、神戸市、学識経験者、そして、自治会等の代表者が集まる「神戸電鉄粟生線活性化協議会」を昨年に設置し、利用者負担や事業者の経費削減、運行の適正化、利用者の確保など検討しております。

縦1.8メートル、横7.2メートルある、雲谷温泉ゆぴかや小野アルプスなどの観光案内板の写真

多くの方々に電車に乗って小野市へお越しいただこうと「白雲谷温泉ゆぴか」「小野アルプス」「ひまわりの丘公園、浄土寺」「あお陶遊館アルテ」の縦1.8メートル、横7.2メートルの観光案内板を、神戸電鉄西鈴蘭台駅のホームに設置しました。そして、通学で利用する小野高校生も、神戸電鉄のイメージキャラクターをデザインするなど、一役を買っていただきました。

また、樫山駅では併設したコミュニティ施設で地域の住民による特産品(うどん等)を販売する計画をしたり、市場駅では「北播磨総合医療センター」の平成25年の開業に合わせて最寄り駅(市場駅)からのシャトルバスの運行なども検討中です。現在、沿線の幼稚園、保育所の子どもたちが書き込んだ短冊や七夕飾りを装飾した「七夕列車」を、今月19日まで運行しておりますので、是非ともご乗車いただきたいと思います。

地域の足として神戸電鉄粟生線を残していくためにも、沿線自治体や市民の方と一体となって、その利用促進を図ってまいりたいと考えています。

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