2009年7月~9月分のバックナンバー

更新日:2022年02月11日

2009年9月30日(水曜日)

交通事故の防止は一人ひとりの意識向上から

警察庁が発表した、75歳以上の高齢ドライバーが運転免許更新時に義務付けられている「認知機能検査」の結果によると、免許取り消しの可能性のある「記憶力、判断力が低い人」は全体の約3%だったそうです。

高齢者(65歳以上)の事故は年々増えており、死亡事故で全体の3割を占めていて、その大半が薄暗くなる時間帯の歩行中・自転車乗用中の事故です。また、高齢ドライバーの事故も10年前の約2倍に増えています。昨年の小野市の人身事故の約25%は、高齢者が関わっています。

スクリーンで交通安全についての映像を流しているいきいき愉快スタンプ講習の写真

そのような中で、小野市では兵庫県警本部の協力を得て、高齢者を対象とした交通安全教室「いきいき愉快スタンプ講習」を実施しております。県下で初めて当市の小野地区をモデルとした、参加・体験・実践型の講習会で、2回受講すれば「白雲谷温泉ゆぴか」の入浴料が3回分半額になる特典もあり、これまで6回の講習で約650人の方が受講されておられます。

講習は、兵庫県警察本部高齢者交通安全教育隊(スタウス)による「交通事故に遭わないための講義」をはじめ、正しい道路の横断方法を学ぶ「歩行シミュレーション」や、小野自動車教習所内で自家用車を使って実技講習を行う「シルバーリーダースクール」など、楽しくわかりやすい内容となっています。皆さんが真剣に講習を受講されたためでしょうか、今年の小野市での人身事故件数は8月末で223件と昨年より20件減少しております。

また、小野市では市内の人身事故多発地点を調査・分析し、「一目でわかる交通事故多発交差点」を昨年より広報やホームページで紹介して市民の皆さんに呼びかけております。人身事故では交差点での出合い頭の衝突が全体の約6割を占めており、安全不確認や前方不注意などドライバーの不注意によるものがほとんどであります。ドライバーの皆さんだけでなく、歩行者・自転車の皆さんも「事故を起こさない、事故に遭わない」よう心掛けていただきたいと思います。

交通事故に気を付けなければならないのは、高齢者だけではありません。一人ひとりが基本的な交通ルールを守り、交通マナーを高めていくことが必要不可欠であります。
交通事故が1件でも減少するように、更なる交通事故防止の徹底を図り、「安全安心のまちづくり」に取り組んでまいりたいと考えています。

2009年9月23日(水曜日)

保護が必ずしも地元業者の育成ではない

 先週の市議会本会議で、ある議員より小野市の入札制度について質問があった。景気低迷により民間投資や公共工事が大幅に減少しているので、市内建設業者を育成し支援するために、優先的に受注の機会を確保すべきではないかという内容であった。数年前のバブル崩壊後の不況のときにも、建設業界から同様の要望が出され、小野商工会議所の建設業部会の役員さんと同会議所の会議室で座談会をもったことがある。

当時も全国的に公共事業が激減していたが、小野市では「不景気の時こそ積極投資を」という思いで、市単独事業費の一般会計予算に占める割合が全国第7位、近畿で第1位にランクされるという積極予算を編成し、多くの公共事業を実施した。近隣市の中ではいち早く下水道整備を進め、また、市道舗装も積極的に進めてきた。下水道整備率は60%から今では99%とほぼ終了し、市道舗装率は72%から95%にまで高めた。

工事発注にあたっては、公募型一般競争入札とされる大規模な工事や特殊な工事を除き、分割可能な工事は分割発注するなど可能な限り市内業者が参入しやすいようにしてきた。その状況を具体的に表わすと、最近5年間における市内業者の受注件数の割合は約97%であり、受注金額ベースでも約83%を占めている。市の発注する工事の大部分を市内業者が受注されていることは、データが示しており、正しい事実をしっかりと認識いただきたいことを説明したところである。

小野市の市長応接室には退任された歴代市長の肖像画が飾られている。だが、本来5枚あるべきはずの肖像画は2枚しかない。3人の市長が汚職や背任で失脚するという大変不名誉な歴史を物語っている。その汚名を返上すべく、「変えよう小野、変わろう小野市」という決意で市長に就任した11年前、真っ先に取り組んだのが汚職の温床といわれた公共工事の入札制度改革であった。

「『行政も経営』であり、『より高度でより高品質なサービスをいかに低コストで提供するか』が行政の使命である」という基本理念のもと、「QCD+CSR」(品質、コスト、納期+企業の社会的責任)重視の入札制度を構築し、指名業者の事前公表の廃止や庁舎内での名刺受けの撤廃、指名審査会の委員の増員など15項目に及ぶ改善を行なった。その結果、平均落札率は90%台から70%台にまで下がり、結果を残すことができた。

加えて、入札に関する権限の全てを市長の手から副市長に委任した。市長はその仕組みづくりについては関与するが、予定価格の設定をはじめ指名業者の選定や随意契約に関する業務など、その執行については一切口を出さない、口を挟めないという仕組みを構築して、透明性、公平性を確保している。

確かに、中小建設業者を取り巻く経営環境は、市内外を問わず公共事業の減少、民間事業の低迷などきわめて厳しい現状にある。地方自治体を取り巻く環境も、三位一体改革による交付税の削減や大幅な税収不足等、非常に厳しい財政状況である。そのような中ではあるが、小野市では約60億円かけた学校耐震化工事や大規模改修など必要な公共事業は進めている。とはいうものの今後、インフラ整備の進捗とともに公共工事の総量は減っていく。

市内の建設業者さんは公共工事を通じて地域に貢献され、また、災害時には真っ先に現場で復旧復興にあたるなど、地域経済の振興発展に大きく寄与していただいている。がゆえに、このような大不況ではあるが、小野市の業者さんは「生き残りではなく、勝ち残りを目指す」という思いで、自らの経営努力により企業体質の強化を図り更なる発展を遂げてもらいたい。地元業者の育成も行政の役割だという声があるが、保護が必ずしも地元業者の育成だとは思わない。「競争のないところに、力のある企業は育たない」との信念からである。

2009年9月16日(水曜日)

まちづくりの主役は市民

先週の11日から14日までの4日間、うるおい交流館エクラにおいて、「科学体験ひろば~めざせ!エネルギー博士~」を開催いたしました。

うるおい交流館エクラで開催された科学体験ひろばが来場者でにぎわっている写真

このイベントは、資源エネルギー庁が全国の青少年を対象として、エネルギー、とりわけ原子力について理解を深めるために開催されています。大型実験装置で実演する「エネルギークイズ&実験ショー」や、ジョギングによる発電、発電所の模型工作教室などの様々な科学体験ができ、多くの親子や子どもたちで賑わいました。

この科学体験ひろばは、小野市をはじめ北播磨の市民の方々などで組織されたNPO法人北播磨市民活動支援センターが誘致されたものです。めずらしい移動型の科学館をぜひ体験してもらおうと、一昨年から資源エネルギー庁へ申し入れをされていましたが、広い展示面積の確保や4日間の連続開催、5千人以上の集客能力など開催要件を満たすことに大変苦労もされました。

ラーメンの屋台に沢山の人が並んでいる北播磨ファンファンカーニバルの写真

1年間に3ヶ所しか開催されず、今年は人口100万人の福岡県の北九州市、15万人の栃木県の小山市が開催地となる中、小野市のように5万人クラスの都市では集客面から開催されることがありませんでした。そこでNPOでは1人でも多くの方に来ていただこうと「北播磨ファンファンカーニバル」を同時開催したところ、土曜日は雨であったにもかかわらず、4日間で想定していた2倍以上の1万人を超える来場者がありました。まさに市民のアイデアと実行力が成功に導いたイベントであったと思っています。

最近、北播磨市民活動支援センターは、北播磨県民局からの委託も受けられ、加古川駅前商店街に「北はりまステーション」を開設し、北播磨の特産品販売のアンテナショップとして、また観光やイベント等の情報発信拠点として小野市をはじめとする北播磨の魅力を都市部に発信されています。他のNPOなど多くの団体とのネットワークも充実して、活動範囲も拡大されております。

市民活動の拠点である「うるおい交流館エクラ」を建設して4年半が経ちましたが、年々、その活動が活発になっていることを誇りに思います。

2009年9月9日(水曜日)

歴史的政権交代にあたって

先日実施された衆院選の結果、自民党が大敗し、日本の選挙史に残る政権交代となった。今年の1月、海の向こうの米国で『Change』を掲げたオバマ大統領が誕生したが、我が国でも100年に1度といわれる大不況の中、雇用がない、夢がもてない、国の将来像が見えない、という閉塞感から国民が大きな変化を望んだ結果だと思う。

私は、11年前の市長就任の当初から、『変えよう小野、変わろう小野市』を掲げ、「行政も経営」であり、「より高度でより高品質なサービスをいかに低コストで提供するか」を追求することが行政の使命である、との基本理念を掲げ、「行政経営4つの柱」を基軸に様々な政策を展開してきた。

今まさに日本の政治が変わり、そしてまた、国の行政も変わろうとするときを迎えている。評論家の松本健一さんは「第三の開国の時」と言われている。地方の小さな自治体からの発信であるが、政治のチェンジ、行政のチェンジ、そして、市民意識のチェンジという、当初から確信していた方向性は間違ってはいなかった、と感じたところである。

新たに政権政党となった民主党のマニフェスト(政権公約)には、年間16兆8千億円もの巨額の支出計画が挙げられている。ところが国の借金残高は、6月末時点で、国債その他の借金等を入れて過去最高の860兆円という巨額に膨れあがっている。

その内普通国債残高は554兆円にものぼるが、年間の税収は44兆円しかない。これをわかりやすくいえば、年収400万円のサラリーマンが実に5,000万円の借金を抱えて、その返済に追われながら生活していくのと同じ計算になる。

このような多額の借金を抱えながら、年収の約4割相当を支出しようとすれば、徹底した無駄の排除だけではなく、大胆な政策の転換、公務員制度改革をはじめとした国の組織や制度、仕組みを根本的に変えていかなければならない。常々私が言っているリストラクチャリング、すなわち再構築が避けて通れないわけである。

また一方で、国民は『変革』と『安定』という相容れない願望を抱くものである。これは、市の行政でも同じである。ずっと同じことが続けば変えたいと思うし、変えようとすればそれまで恩恵を受けていた人は反対する。いうまでもなく変革というのは当然痛みを伴う。国民の意識自体も変えていかなければならない。これをどう新政権が裁くか、まさにそれが問われることになる。

政治に求められるのは、見える結果、見える成果を出すことである。「未知なる与党」の大きな未来図への期待をもって、国政の動向に注視したい。と同時に、地方においても混乱が生じることは十分予想されるが、我々は、『新たな創造と変革にチャレンジする』という一貫した理念のもと、国がどう変わろうと、小野市は小野市らしさを持った政策を実行していくと、その決意を新たにしたところである。

2009年9月2日(水曜日)

女性議会議員が決まりました

8月30日は衆議院議員総選挙があり、国政を担う新たな議員が選ばれましたが、そのうち女性当選者は54人と過去最多であったようです。小野市では、11月に「女性議会」を開催しますが、先日、出席されます19名の女性議員の皆さんに任命書の交付を行いました。

女性議員の皆さんは、各地域の地域づくり協議会等の団体から推薦された方々と、小野市政に興味関心があり、自ら進んで応募いただいた方々に参加いただいております。女性議会は平成13年度に第1回目、平成17年度に第2回目を開催しており、今年度が第3回目となります。この女性議会には2つの目的があり、一つには、市政への関心を高めていただくことです。当日までの間に数回の学習会をされると聞いていますが、この機会に小野市の市政について理解を深めていただき、市政への参画のきっかけとなればと思っています。

二つには、女性の視点からまちづくり等に関する意見や提案をしていただくことです。議員さんの自己紹介では、全ての方が自分の経歴に加え、行政に関して興味のあることや学びたいことなどを語られ、女性議会への強い意気込みが感じられました。議会当日は、これまでにも増して鋭い質問や提言が出てくるのではないかと期待しているところです。

小野市では、平成14年9月に県下でもいち早く“小野市はーと・シップ(男女共同参画)社会推進条例”を作り、その条例に基づき「はーと・シップ プラン」を策定し、男女共同参画の視点に立つ豊かなまちづくりを推し進めてまいりました。

そのような中で、小野市の教育委員や児童委員など審議会等への女性登用率は、目標を30%として推進しており、昨年度は目標を超え、今年度も29.9%とほぼ達成しております。また、小野市の女性管理職も、平成21年度は21%で県下第3位となっていますが、市議会議員に関しては、現在のところ女性はいらっしゃいません。

自己紹介の中で、ある女性議員の方が、「私の市外の友達から、『小野市は最近元気やな。中学3年まで医療費無料やし、学校はきれいになるし』といわれ、小野市民として鼻が高かった」と話されました。小野市は市民の皆さんが「住んでいることを誇りに思えるまち」を目指しておりますが、この議会では女性議員の皆さんがその実現のために女性の能力や個性を存分に発揮していただきたいと申し上げました。

そして、この女性議会を通じて市政への関心と参画が一層高まり、この中から市議会議員が誕生すればと願っております。

2009年8月26日(水曜日)

効率的な財政運営により、健全財政を維持~平成20年度決算~

平成20年度決算がまとまりました。徹底した経費節減により、健全な財政を維持しながら、「福祉の充実」、「安全・安心社会の推進」、「教育・文化の充実」、「地域活性化の推進」を重点項目として様々な事業に取り組んでまいりました。

平成20年度の主な事業を振り返ってみますと、まず子育て支援など「福祉の充実」では、県下で唯一の取り組みである小学校6年生までの医療費の完全無料化を継続いたしました(21年度は中3まで拡大)。また、予約制バス「デマンドバス」の毎日運行の開始や、自治会などの公園整備をサポートする子育て広場の整備(11か所)への助成、妊婦健診費用の助成の拡大等により子育て環境の充実を図りました。

「安全・安心社会の推進」では、地域の安全を守るため、警察官OBなどの専門員が地域を巡回する安全安心パトロールについて、更に青色回転灯付きパトロールカーを1台増やして、6台11名体制に拡充しました(21年度は8台15人体制)。また、町境の通学路に31基と自治会からの要望により74基の防犯灯を設置したほか、県の住宅再建共済制度(フェニックス共済)への加入促進のために市独自の助成を3年間実施し、3月末で県の目標である15%を達成いたしました。(北播磨の加入率は9.6%、県全体では7.3%と伸び悩んでいます。)

「教育・文化の充実」では、河合、旭丘、小野南中学校の耐震補強工事、及び中番、市場、小野東小学校のプールの改修が終了し、小野中学校の校舎の建て替え工事も1年前倒しにより着工いたしました。平成21年度は、市場小学校の大規模改修や特別支援学校の体育館新築工事も始まり、平成28年度までに約60億を投資して、市内全学校の耐震補強や大規模改修などの整備を完了します。また、小学校ではパソコンを更新し、図書館や体育施設では予約が携帯電話からでもできるようになりました。

「地域活性化の推進」としては、照明設置で夜でもテニスが出来るようになった河合運動広場をはじめ、樫山駅やJR粟生駅の周辺整備、大池総合公園周辺道路整備など行いました。先日14万人近い来場があった小野まつりでは、道路整備により多くの歩行者が安心してスムーズに通行できるようになりました。また、浄谷・黒川丘陵地(旧KDDI用地)の先行取得については、将来小野市の発展のために貴重な財産となるものと考えています。

このように積極的な事業展開を行いながらも一般会計では約2億4千万円の黒字となりました。市債残高は5億4千万円減少し約144億円、基金残高は一部取り崩したものの約76億円を確保し、財政の健全性を維持しました。ちなみに、人口1人当たりで見てみますと、貯金は1人当たり15万3千円で県下6番目、借金は28万9千円で少ない方から2番目であります。

小野市の財政健全化判断指標の表組

また、昨年度から全国すべての自治体において、財政状況をチェックする「財政健全化判断比率(4指標)及び資金不足比率」を公表しなければならないことになっております。(右図参照)

毎年度の収支の健全度を表す「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」は黒字のため指数の表示はなく、極めて良好であります。そして、実質的な借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は14.2%と起債許可基準の18%を下回り、「将来負担比率」は健全化基準を大きく上回り、昨年度に引き続き財政の健全性が高いこと示しております。

このように、自治体の財政状況は数値により明確にされ、良いか悪いか一目瞭然となっております。小野市は健全な財政を維持いたしているものの、地方財政を取り巻く環境は、依然厳しい状況が続くことが予想されます。限られた財源と、小野市の持つあらゆる可能性を最大限活用しながら、見えるマネジメントによる更なる行財政改革に取り組んでまいりたいと考えております。

2009年8月19日(水曜日)

今回で最後の「そろばん甲子園」

本日8月19日、これで最後となる「全国高等学校珠算競技大会」を小野市立総合体育館アルゴで開催します。この大会は、そろばんの振興を目的に、市制施行の翌年の昭和30年、そろばんの産地である当小野市でスタートし、毎年この時期に開催してきました。その後、参加者の交通の便に配慮して、昭和47年に会場を神戸に移しました。

参加者が一番多かったときには、北は北海道、南は沖縄まで全国から93校、561人もの生徒が出場しました。毎年、大変ハイレベルの熱戦が繰り広げられていましたので、多くの市民に実際に自分の目で見て耳で聞き、張りつめた会場の雰囲気を味わっていただきたいという思いと、そろばんの産地小野市をもっと積極的にPRするため、5年前の第50回大会を契機に会場を小野市へ戻しました。出場者の宿泊費や交通費の補助なども市が負担してきたところです。

しかし残念ながら、同時期にほかの団体が主催する全国大会が東京や三重などで開催されるようになり、また、出場する生徒は商業高校が多いわけですが、その商業高校が統廃合等により減少したことなどから年々参加者が減り、ピーク時に比べて約半分程度にまで落ち込んでしまいました。

この大会の競技内容がどれだけすごいか、ぜひ見に来ていただきたいと広報紙等を通じて積極的にPRもし、この市長の部屋のホームページでも読み上げ暗算の音声をご紹介したこともありますが、市民の関心を得るには至りませんでした。高校日本一を競う「そろばん甲子園」として親しまれてきた本大会ですが、そろばんの普及をめざす以上、そろばん業界の主体的な関わりや市民の盛り上がりが不可欠であります。この種の行事を行政が主催する時期はもう終わったと思います。

昨年来、その存続について関係団体とも協議し、また、市議会にも意見を聞きましたが、議員からは存続すべきだという声は出ませんでした。名残惜しさと、この大会に期待している高校生たちには申し訳ない気持ちですが、今日の55回大会をもって「全国高等学校珠算競技大会」の幕を下ろすことに致しました。どうかご理解をいただきたいと思います。なお、そろばんを使った教育については、小野市は学校教育の中で積極的に取り組んでおり、これにより何ら変ることはありません。

半世紀にわたり、この大会にご尽力、ご協力いただいた兵庫県珠算連盟、兵庫県高等学校商業教育協会の皆様をはじめ、関係者の方々に深く感謝申し上げたいと思います。最後となる本日の大会には、北は青森から南は沖縄まで、60校、301名が出場します。ぜひ、その熱戦を見に来てご記憶に留めていただきたいと思っています。

2009年8月12日(水曜日)

心の豊かさを取り戻すために「小野市詩歌文学賞」

東京のホテルで行われた第1回小野市詩歌文学賞で市長が前で発言している写真

今年新たに創設した「第1回 小野市詩歌文学賞」の授賞式を、一昨日の8月10日、選考委員の先生方を交えて東京のホテルで行ないました。本来ですと5月23日に小野市のエクラでその授賞式を開催する予定でしたが、5月16日に神戸で発生した新型インフルエンザの感染防止のため延期いたしておりました。

市長から男性に表彰状を渡している写真

記念すべき第1回目の受賞は、短歌部門は岡井隆さんの「ネフスキイ」、俳句部門は廣瀬直人さんの「風の空」、詩部門は三井葉子さんの「句まじり詩集 花」です。2008年の作品を対象に、全国の著名な歌人、俳人、詩人それぞれ200名の方からアンケートにより推薦をいただいた短歌21、俳句23、そして詩42の候補の中から、最も優れた作品として選ばれました。

選考委員は、すでにご案内のとおり、現代歌人協会理事の馬場あき子さん、短歌結社「塔」主宰の永田和宏さん、日本ペンクラブ理事の詩人辻井喬さん、現在俳句協会会長の宇多喜代子さんです。それぞれの分野の第一人者による評価ですので、大変レベルの高い作品だとお察しいただけると思います。選考のポイントは、短歌が専門であれば短歌だけというのではなく、専門分野を超えて委員全員で評価されることです。これが、この詩歌文学賞の特徴であり、今までとは違った幅広い文学面からの選考方法です。

小野市詩歌文学賞は、小野市が生んだ歌人 故上田三四二氏の功績を称えて20年前に制定した「短歌フォーラム」をさらに発展させ、短歌だけではなく、日本文学の原点ともいえる短文詩の良さを見直そうという思いで創設しました。我々はどうしても物質的な豊かさを求めがちです。今のような経済不況になればなおさらです。このような時だからこそ、心の豊かさの感性を取り戻したいものです。

この小野市詩歌文学賞には、日刊5紙(讀賣、朝日、産経、毎日、日経)をはじめ、地元紙(神戸新聞社)のご後援をいただきました。詩歌文学の最高峰をめざし、全国に発信してまいりたいと思っています。第2回目の「小野市詩歌文学賞」授賞式は、来年6月12日、土曜日、エクラで開催します。来年こそ、その年の受賞者を小野市にお迎えして、詩歌の真髄を皆さんと共に堪能したいと考えています。是非お楽しみに。

2009年8月5日(水曜日)

元気の源は何と言っても夏の祭りです

2日の日曜日の晩、育ヶ丘町と下東条地区の祭りにお招きいただきました。長く続く梅雨の影響により土曜日から日曜日に順延されましたが、皆さん祭りを心待ちにされていたようで、例年にも増して多くの方が集まり、そして盛大に行われました。私も踊の輪に入って地域の皆さんと一緒に祭りを楽しみ、地域の活力をいただきました。来週には市場地区の祭りもございます。

さて、今年の小野まつりは8月22日(土曜日)、23日(日曜日)に開催いたします。10年前、行政主導から市民主導の祭りに変わって以来、それまで3~4万人であった来場者が、回数を重ねるごとに来場者数も年々増加し、前回には12万人近い来場者数を迎えるなど、小野市のみならず北播磨地域を代表する催しとなりました。

小野まつりは単なる夏祭りではありません。「まつりを変えよう」という市民の熱き思いが、市民自らの意識を変え、行動を変え、まちの姿までも変えます。賑わいづくりが誇りづくりとなり、その誇りづくりが郷土を愛する愛着づくりとなり、まさに、小野まつりこそ、「小野市を変える」という一つの象徴であると捉えています。

今年の小野まつりのテーマは「洸夢(こうむ)」であります。水のように湧きでる夢、皆の想い描いた夢を実現しようとの思いが込められています。そのような中で、この不況を吹き飛ばそうと、花火は昨年より1500発多い5000発を打ち上げます。また、おの恋おどりの新しい総踊り曲や小野の太鼓の公式曲も完成し、祭りを大いに盛り上げてくれるものと期待しています。

9年目を迎える「おの恋おどり」は、出場チーム数も昨年より更に増え、過去最高の112チーム、2,300人と県下最大の出場チーム数となりました。また、伝統的な盆おどりを披露する「市民夏の夢舞台」も大変好評で、本年も市内6地区代表や小野市文化連盟による演舞と市民参加型の総おどりが盛大に行われる予定です。

市民一人ひとりが創り上げる「小野まつり」が、小野市に元気をもたらすものと確信しております。
「第32回小野まつり」の2日間、是非ともご家族皆さんでお越しください。

2009年7月29日(水曜日)

枠を超えた「16か年教育」

先日、うるおい交流館エクラにおいて東播磨地区の保育園長さんや保育士さんなど約500名が集まり「東播磨地区保育研究大会」が開催され、開催地の市長として式典に出席致しました。

はじめに、主催者である東播磨地区長の片山園長からご挨拶がありました。保育所の役割として、保護者の多様なニーズに対応するための更なる資質の向上や、地域への指導、保護者への関わり方など、行政においても参考となるお話でありました。保育所もまさに経営であり、今後も最も身近な子育て支援施設として、質の高い保育の提供を期待するところです。

さて、その日は、本市の教育行政顧問でもある川島隆太東北大学教授の講演もあることから、私の挨拶の中で川島先生の脳科学に基づく小野市の「16か年教育」ついて少しご紹介させていただきました。「16か年教育」とは、お母さんに赤ちゃんが授かった時から就学前までの6年間、そして小中学校の9年間を合わせた16か年にわたり、成長期に合わせて脳を鍛え、心と学力を育む教育であります。

妊娠中から乳幼児までの間は「親子のふれあい期」として、教育委員会と保健センターが連携して、「だっこ」や「あやし」、「語りかけ」などの子育て講座を開き、親子のコミュニケーションを楽しんでいただく取り組みを行っています。また、小野市の保育所(園)は全て民間が運営されておりますけれども、そこへ教育委員会が出向き、「いきいき子育て教室」を実施し、「じゃんけん遊び」や「まねっこ遊び」

などの「脳トレあそび」を通じて、言葉や数を学び、子供たちの健全な育成に努めています。幼児期は、脳が爆発的に発達するので、子供の成長の基礎を培う重要な時期だそうです。だからこそ、教育委員会では幼稚園や義務教育の枠にとらわれることなく、お子さんが生まれる前から子育て教室などの講座を開いています。

 そして、小学校からは小野市独自で作成した「おの検定」により基礎的な学力と体力を身につけていきます。義務教育9カ年のなかで、漢字や計算、縄跳びなど20級から1級まで段階別に検定を行い、教育委員会で採点し、合格すると「認定証」がもらえるようになっています。間違えた子どもには学習支援員による個別指導も行っており、子どもたちの能力が見える形でレベルアップしているところです。

このように、コミュニケーション、確かな学力、健やかな体、豊かな心を育む16か年にわたる取り組みは、未来を担う子どもたちの「生きる力」を養うものと思っております。そのためにも、保育所や幼稚園、小中学校、行政、地域が一体となって、取り組んでいく必要があると考えています。

2009年7月22日(水曜日)

災害対策の心構えは「治に居て乱を忘れず」

四角く並べられたテーブルにつき、資料などを見ながら話し合っている会議の写真

先週の月曜日に「小野市防災会議・水防協議会・国民保護協議会」を開催しました。これは、自衛隊、警察、企業、国、県、市、市議会などの各防災担当の代表者にお集まりいただき、防災計画の見直しや再確認、また、災害時の情報伝達の円滑化や迅速化を図るための会議であります。

災害と一言でいいましても、地震や風水害などの自然災害をはじめ、新型インフルエンザなどの感染症の大流行、テロによる災害など多岐にわたります。災害に対する考え方は「治に居て乱を忘れず」であり、普段から災害に備えて、後手から先手管理を実践することであります。

新型インフルエンザにおいて小野市では、市内小中学校、特別支援学校、幼稚園全てを1週間休校、休園し、市立の公共施設も休業するなどの措置を講じました。市民の皆さんにもご迷惑をおかけしましたが、結果として大きな被害に至らなかったことを考えると、これで良かったなという思いです。

しかし、このことによる課題もありました。この秋以降に予想されます第2波に向けて、これまでの対策を検証するとともに、全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えています。

一方、市長へのおたよりで発熱相談センター(県健康福祉事務所)に電話がつながらないとのご意見が多く寄せられました。以前から県には申しあげていましたが、会議の中でも相談窓口等の充実について再度依頼したところです。

ところで、小野市では職員の緊急連絡網に基づき、先日朝6時に抜き打ちで「情報伝達訓練」を実施しました。一部で伝達内容が正しく伝わっていなかったり、末端まで届くのに時間がかかりすぎたりと、いくつかの問題点が明らかになりました。早急に、連絡体制の更なる強化を図るよう、各部署には指示したところであります。

 災害は、いつ、どこで、どのように発生するか分かりません。「悲観的に準備をし、楽観的に行動する」というリスクマネジメントの基本を徹底し、防災体制の充実強化を図ってまいりたいと考えております。

2009年7月15日(水曜日)

皆さんの元気の秘訣は?

今月のはじめに毎年恒例の「市長杯ゲートボール大会」が小野八ヶ池自然公園の「龍翔ドーム」で、その前の週には「市長杯グラウンドゴルフ大会」が「こだまの森グラウンドゴルフ場」で開催されました。いずれも、小野市老人クラブ連合会の主催の大会であります。

どちらの大会においても、市内各地域で勝ち抜かれた皆さんによる熱戦が繰り広げられました。元気の秘訣を皆さんに聞いてみると、「外に出てゲートボールやグラウンドゴルフなどのスポーツや運動をし続けることですね」と声を揃えて話されました。

小野市では、平成18年から「らんらんバス」の運賃を小学生以下と65歳以上は無料にしており、乗客数も改正前の1.7倍となる年間約6万7千人もの方々が利用されています。このコミュニティバスを利用され、「白雲谷温泉ゆぴか」に行かれたり、買い物に出かけられたり、外に出かけられる元気な高齢者が増えてきました。

「らんらんバス」は、地域の交通手段を確保する為だけのものではありません。家にこもりがちな高齢の方々が、外へ出かけることによって、健康でいきいきと暮らせるようになることもその目的の1つであります。

ところで、6月30日にうるおい交流館エクラで「健康ひょうご21県民運動北播磨会議」が開催されました。そのなかで、北京オリンピック男子400メートルリレーの銅メダリストで、陸上100メートルのトップアスリートとして活躍された朝原宣治(あさはらのぶはる)氏の講演がございました。

朝原氏は講演のなかで、30歳を過ぎても選手としてやってこられたのは、バランスのある食事や生活習慣と話されました。緊張は限界を超えるとストレスとなり、食事もとりすぎると肥満の原因となるというように、生活のバランスが崩れると体のバランスも崩れるということです。

私も中学時代と小野高校陸上部で6年間、短距離種目の100メートルと走り幅跳びの選手として青春を謳歌(?)しておりましたが、今では当時の面影もなく、メタボリックを大変気にしているところです。改めて、自分の健康管理に気をつけたいと思いました。(本当かな?この件に関しては意志が弱い!)

日々の運動やスポーツ等を通じて市民ぐるみの健康づくりを進め、1人でも多くの市民が健康で、「市民が元気な小野市」となることを願っています。

2009年7月8日(水曜日)

消防の広域化 重要なことは透明性とコスト意識

小野市には県警本部の現役の警視が市民安全部長として赴任している。3代目である。その部長の案内で県警本部の通信司令室を見学したことがある。県下全域にわたって、例えばパトロールカーが今どこにいるのか、一目で分るようになっていた。事件事故が起こると直ちに指令が下される。

消防の広域化も、そのような通信指令や総務といった本部機能の統合を目指すものである。今ある消防署をなくしてしまうというものではない。総務や通信指令の職員を減らし、その分だけ現場職員を増やすことで救急搬送や火事に対応できる。1台1億円以上もするハシゴ車などの資機材の導入も、広域でやれば市の負担は少なくてすむ。利点ばかりではないが、スケールメリットは大きい。

昨年の7月、北播磨5市1町の市町長が集まり、消防の広域化についての第1回目の会議が開かれた。国が進める広域化方針にもとづく県の素案を受けて、北播磨を一本化していくという合意形成は一応できた。同年11月、第2回目の会議が開催され、新設された三木市の消防施設を活用する案や新たに建設した場合などの案が事務局から示されたが、経費面などを更に精査していくという結論になった。

その後、日をおいて突然、加東市から滝野庁舎も本部として利用可能であり、改造費用もそれほどかからないという申し出があった。県警本部と同様に、通信指令所の位置がどこにあろうとその機能が損なわれることはない。要は、機能を損なわず、コストがより少なければいいわけである。それほどかからないといわれた滝野庁舎の改造費用の金額とその根拠を提示されるよう求めたところである。

ところが、その金額も根拠も明確に示されないまま、先日7月1日、第3回目の会議が西脇市で開催された。しかも、加東市の滝野庁舎を本部にする案を中心とした内容であった。求めていた改造費用は示されないばかりか、現在3庁舎体制をとられている加東市は市庁舎統合整備等検討委員会を設置し、将来の市庁舎のあり方について検討を始められたばかりである。

加東市長ご自身も、検討委員会で新庁舎の構想が明確になり滝野庁舎のあるべき姿が決まった時点でその改修計画を示すことができると発言されていたはずである。にもかかわらず、滝野庁舎本部案が出てきた背景が何なのか、不透明感が拭えない。いずれにしても、わずか3回の会議で、西脇市、加東市、加西市、多可町の3市1町で協議会を設置して広域化が進められることになった。

平成24年度までに広域化が実現できれば国の財政支援が受けられるメリットがあるということで、お急ぎなのかもしれない。どの市も厳しい財政事情の中で、老朽化した建物や耐用年数を過ぎた設備を多く抱え、その更新が課題となっている。小野市や加東市も通信指令システムが老朽化し、その更新が喫緊の課題であった。

ところが、加東市は広域化に対する国の支援を待たず、今年度の当初予算に通信システムの更新を予算化された。予算化したということは、自前でシステムを更新し広域化については急がないと判断されたものと推察できる。そのため小野市は、老朽化した通信システムを更新すべく、急きょ臨時交付金を活用して6月に補正予算を組み、議会の承認を得て改修に着手することになった。

その結果、小野市としては、平成24年度までに急いで広域化に加わるメリットは、現時点でなくなった。小野市は消防の広域化に反対しているのではない。当面は3市1町の協議会には加わらないが、不透明な部分が明確にされ、コスト面でも効率化が図られると判断したときには、その協議会に参加させていただくこととした。

なお、このことにより小野市の消防の機能が低下するおそれがないことはいうまでもない。これが、この度の合意に至らなかった「事の本質」である。

2009年7月1日(水曜日)

皆さんからのお便りをお待ちしています~「市長への手紙」

今年も、「市長への手紙」が本日からスタートします。この「市長への手紙」を始めてから11年目を迎えますが、7,8月はご意見・ご提案の「強化月間」として実施しており、毎年多数のお便りをいただいております。

ご意見ご提案を記入していただく“はがき”は、7月1日から8月31日までの間、これまでの市内の公共施設や郵便局、コンビニ、スーパーに加え、今年から新たに商工会議所や市内JA兵庫みらいの各支店を含む計51箇所に設置しました。切手は不要ですので、日常生活でお気づきになられたことをお気軽にお寄せいただきたいと思っています。

小野市では、皆様からの要望や苦情、そして様々なご提案などをお聞きする窓口を一本化するため、「市民サービス課」を設置しました。「市民=顧客」と捉えた顧客満足度志向の一環として「情報は市民の財産」という認識のもと「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を構築しています。

この「市長への手紙」や「市長へのメール」などでお聴きした意見は、全てにコードナンバーを付けて受付カードに登録します。そして、まず私が拝見させていただいたうえで全庁的に検討し、全て文書で回答しております。

また、すぐに対応するものや長期的に検討するもの、対応できないものなどに分類をし、いつ受付していつ回答したか、どのような回答をしたのかなど、回答までの期間を含め、全てデータベースで管理して情報の一元化を図っております。ちなみに、手紙をいただいてから処理するまでに要した日数は、4.7日と前年度よりさらに0.4日短縮しており、年々処理スピードが上がってきております。

また、この広聴の仕組みには、2つの目的がございます。1つ目は、言うまでもなく、「市民の皆様からの意見を市政へ反映」させることであります。2つ目、「職員の問題解決能力の醸成」であります。様々なご意見に文書で回答するということは、アカウンタビリティ(説明責任)を果たし、そして、きちんと対応する能力を養うことであります。

このように全庁的な仕組み、システムとして対応しておりますので、自治会長さんからの要望であっても、小学生からの要望であっても、すべて平等に「市民の皆様からの意見」として取り扱っております。議員の要望も同じ一つの意見です。そして、これまでに皆さんからお寄せいただいたご意見は約7,000件にものぼりました。

情報は市民の財産であります。是非、日ごろ思ったことなどをご提案いただき、手紙を通してまちづくりに参加していただければと思っています。

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