2008年7月~9月分のバックナンバー

更新日:2022年02月12日

2008年9月24日(水曜日)

活気溢れる農産物直売所

様々な農産物を販売しているサンパティオおのの農産物直売所で沢山の人が買い物で賑わっている写真

 ひまわりの丘公園にある「サンパティオおの」が、ますます活気に溢れています。年間来場者数は約25万人にも上り、土曜日、日曜日、祝日ともなれば、レジには長蛇の列ができています。

 会員となっている生産者は220人。店内に生産者の写真が掲示されており、消費者から生産者の顔が見える形になっています。直売所では、地元で採れた新鮮な野菜のほかに果物や花、地元産のお米、漬物や乳製品などの加工品も販売されており、年間の売上高は約2億6千万円になります。なお、昨年の売り上げを見ると、「サンパティオおの」は三木みらい館、かさい愛菜館の約2倍の売上を誇っています。

 しかし、直売所といえども競争は大変厳しいです。夕方、売れ残りが出るとその分は出荷した人が引き取らなければなりません。生産者は市場やスーパーの値段の動向などにもかなり気を配っています。まさにQCD(Quality:品質、Cost:コスト、Delivery:納期・流通)がポイントであります。

 そして、最も重要なのが「安全・安心」です。全出荷農家は無登録農薬を使用せず、安全使用基準に基づいた農薬使用を徹底しています。また、使用した肥料・農薬を記入した作業日誌を義務づけるなど、JA兵庫みらいにより適切な指導・管理が行われております。

 原油や物価が高騰した時には、通常、販売単価を値上げするところを、一切値上げしないという独自の方針により販売してきたこともありました。いつ来ても新鮮な野菜がいつもの値段で買えるという「安心感」を消費者の方に与えることが、顧客満足度につながり、リピーターが増えている要因ではないかと考えます。

 さて、農産物直売所を設置して以来、小野市の農業の考え方はずいぶん変わりました。一つは、農家の「やりがい」の創出であり、二つには、農業経営に対する意識改革です。これまで知り合いの人にあげていた野菜が直売所で売れることで栽培への自信となり、収益があがることで経営感覚が身につきます。その意識改革が新たな特産物の開発や栽培方法の工夫などの意欲向上につながっています。

 今年の5月には、白雲谷温泉ゆぴかの「観光交流センター」に新しく「ゆぴか店」もオープンし、サンパティオおの同様多くの方で賑わっており、来店する皆様方には大変好評を得ています。この2つの直売所を起点に、ますます生産者の方々が活発な出荷販売を展開されると共に、市内外から多くの方が訪れることで、地域の活性化や賑わいづくりにつながることを期待しています。

2008年9月17日(水曜日)

オーストリアで開催した「青野原俘虜収容所の里帰り展」

青野原俘虜収容所の里帰り展で市長がスピーチしている写真

9月2日から1週間、オーストリアのウィーンで開催した「青野原俘虜収容所の里帰り展」に市議会議長や市民団とともに出席した。この催しは、小野市、神戸大学そしてオーストリア国家文書館の共同開催である。

青野原俘虜収容所の里帰り展へ参加している沢山の人が椅子に座っている写真

今から約90年前の第1次世界大戦時、当市の青野原台地に俘虜収容施設がおかれていた。そこには、多いときで500名近くのオーストリア=ハンガリーそれにドイツ兵が4年4ヶ月にわたり収容されていた。当時の日本では、国際法規に則った俘虜としての権利が保障され、収容所内ではサッカーの試合や演劇、演奏会などでしばしば地元住民との交流もあったようである。ちなみに第二次世界大戦までは「捕虜」ではなく「俘虜」(ふりょ)と呼ばれる。

俘虜収容所に係る調査研究は、小野市史の編纂を通じて16年前の平成4年から始まった。平成17年からは神戸大学との連携事業により、地元住民も一緒になって掘下げを行い、小野市及びその周辺で当時の様子を推し量ることのできる作品や新聞、写真など様々な品物が発見された。その成果は、平成17年10月小野市の歴史博物館「好古館」において「青野原俘虜収容所の世界展」を開催し市民に披露したところである。

オーストリア国家文書館館長と市長が握手をしている写真

大学、自治体、それに地元住民が連携したこのような取組みは、地域の歴史文化を高める新たな手法として、日本の文化庁やオーストリア国家文書館からも高い評価を得たと伺っている。そのようなことがきっかけで、オーストリアでの「里帰り展」が実現した。

刺繍作品などの展示品を眺めている人たちの写真

 日本から展示したものは、当時の俘虜が製作したビリヤード台、煙草道具、刺繍作品などのほか、農作業を通じて交流を深めた人が俘虜から贈られた油採画である。「里帰り展」では、参加者は熱心に見入っていた。

神戸大学交響楽団が様々な楽器を演奏している写真

 また、展示会のほか、神戸大学交響楽団により俘虜たちが演奏していた曲の再現演奏会もオーストリア国家文書館及びオーストリア軍事博物館で行われ好評を博した。特に印象的だったのは、アンコール演奏で「隅田川」や「春の小川」など日本の童謡がメドレーで披露され、日本を離れて30年という通訳さんの涙を誘ったことである。オーストリアの人にとっても、日本人にとってもまさに心の「里帰り展」であったといえる。

在オーストリア日本大使館で田中大使と市長が握手をしている写真

自治体、大学、そして外国の公立機関が協働で開催するこのような取組みは、おそらく日本国内では例のないことである。来年は、日本とオーストリアの国交樹立140周年の記念すべき年を迎える。在オーストリア日本大使もこのような取組みを大いに評価された。人口5万人の小さな都市であるが、日本を超えてグローバルに情報発信ができたのではないかと思っている。

2008年9月10日(水曜日)

「あお陶遊館アルテ」も賑わっています

赤い屋根に白い壁のあお陶遊館アルテの外観の写真

「あお陶遊館アルテ」が、オープン5ヶ月で来館者数5000人を超え、ますます賑わいを見せております。「あお陶遊館アルテ」は、JR加古川線、神戸電鉄、そして北条鉄道が結節する駅であり、北播磨の基幹駅である粟生駅前に、陶芸を通じた新しい地域の交流拠点として市が独自に整備しました。

「陶芸って、むずかしいのでは?」と思っている方もいらっしゃると思いますが、アルテでは1日それも2時間程度で湯のみや茶碗などの作品を作る陶芸体験ができます。それが、利用者に好評の「1日体験コース」であります。4月の開館以来、実に1000人以上(うち市外4割)の方が受講され、土日は親子での利用も多く、近隣市はもちろん、神戸市や県外からもいらっしゃいます。

また、本格的に陶芸を学びたいという方には、全12回からなる陶芸教室も用意しております。ほとんどの方は、初回受講を対象とした基礎からはじめる「初心者コース」から始められます。土練りから始まり成形、素焼、釉薬(ゆうやく)かけ、本焼に至るまで、親切で丁寧な先生や地元ボランティアの方々の指導のもと、焼き物作りの基礎的な技術をマスターしていただきます。

9人の人がエプロンを着て陶芸をつくっている写真

そして、ある程度陶芸の経験のある方には、ワンランク上のコースもございます。コースの選択については、担当の先生と相談により選択することができ、初心者から上級者まで気軽に講座を受けていただくことができます。

現在、粟生駅周辺では、駅舎新設を含め駅前ロータリーや駐輪場、公園を整備し、西側からの利用も可能にするなどの粟生駅周辺整備を進めております。また、駅舎横にコミュニティ施設の建設も予定しており、平成20年度中にはJR加古川線における市内の駅周辺整備がすべて完了します。

小野市では「3つの川(3R)構想」により地域活性化を進めています。その一つがJR加古川線の“レールウェイ(Railway)”です。加古川線沿線には、この粟生駅「あお陶遊館アルテ」をはじめ、市場駅「白雲谷温泉ゆぴか」や小野町駅「ぷらっときすみの」、河合西駅「太閤の渡し」などそれぞれの独自性ある取り組みにより賑わいを見せております。是非、小野市の地域ブランドを発見していただきお楽しみください。ガソリン高騰のなか、電車で各駅下車の旅はいかがでしょうか。

あお陶芸館アルテホームページ

2008年9月3日(水曜日)

平成19年度決算まとまる ~徹底した経費節減、投資事業の抑制により、健全財政を確保!~

平成19年度決算がまとまりました。昨年度は、これまでの健全な財政を引続き維持しながら「子育て支援など福祉・教育の充実」、「都市機能と生活空間の充実」、「安全・安心社会の推進」、「ガーデニングシティおのの推進」、「協働と参画の実践」を重点項目として多様な事業に取り組んでまいりました。

「子育て支援など福祉・教育の充実」では、県下で最も充実した制度となっております乳幼児・小児医療費の無料化を小学3年生から小学6年生までに拡大しました。また、自治会などの公園整備をサポートする“子育てひろば”整備(15か所)への助成や、妊婦全員に健康診査費を助成しました。教育の充実では、学校の耐震化事業に着手しており、平成28年度までに60億円を投資して大規模改修など実施し、市内全学校の整備を完了します。

「都市機能と生活空間の充実」では、年間40万人が利用する白雲谷温泉ゆぴかに温浴(岩盤浴)機能を備えた交流施設を建設したほか、市街地では3つの児童公園(中町、垂井町、大島区画第1号公園)を整備しました。本格的な陶芸が体験できる地域の交流拠点として、「あお陶遊館アルテ」が完成し、多くの利用者で賑わっております。なお、20年度に粟生駅周辺整備が完成することで、JR加古川線の市内5つの駅の全ての改修が終わることになります。

「安全・安心社会の推進」では、地域の安全を守るため、警察官OBなど専門員により地域を巡回する安全安心パトロールについて、車両を2台増車して、5台11人体制に拡充しました。また、市街地の防災拠点となる防災公園を整備し、町境の通学路には防犯灯を33基新設したほか、県の住宅再建共済制度(フェニックス共済)への加入促進のため、小野市独自の助成制度を実施しました。なお、小野市の加入率は、県が目標としている15%を達成しております。(今年7月1日現在で北播磨地域の加入率は、9.4%、県全体では未だ8.7%と他の市町では伸び悩んでいる。)

「ガーデニングシティおのの推進」では、花と緑あふれるまちづくりをめざして、ガーデニングまちづくりの拠点である「ひまわりの丘公園」周辺の観光アクセス道路整備に加え、長さ4キロメートルにわたる西日本最大級の桜づつみ回廊も完成いたしました。

「協働と参画の実践」でありますが、地域の自主的なコミュニティ活動への支援(各地区300万円)を継続したほか、核となるコミュニティセンターの改修整備も行いました。
また、NPOによる施設の管理、企画運営をお願いしている「うるおい交流館エクラ」は、今や北播磨地域の市民活動の拠点として定着し、年間約27万人が利用する状況になっております。

その他、昨年度は、新たな機構としてヒューマンライフグループを創設して、全国初となる「いじめ等防止条例」を制定し、専門の相談員を配置して、いじめ、虐待、DVなど様々な相談に迅速に対応できる体制を整備いたしました。

このように、積極的に事業展開をしておりますが、小野市の財政は本当に大丈夫?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。財政運営面においては、引き続き経費節減に努めたことにより、一般会計で約3億円の黒字となりました。市債残高は10億円(3年間で約30億)減少し、平成9年度以降10年ぶりに150億円を下回り、基金残高は一部取り崩しをしたものの、約80億円を確保し、財政の健全性を維持しました。県下29市中、人口1人当たりで比較してみますと、貯金は1人あたり15万8千円で多いほうから4番目、借金は30万1千円で少ないほうから2番目となっています。

小野市の財政健全化判断指標の表組

また、今年度から自治体財政健全化法によりすべての自治体において、財政健全化判断比率及び資金不足比率を公表しなければならないことになりました。(右表参照)
毎年度の収支の健全度をチェックする「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」は黒字であるため指数の表示はなく、極めて良好であります。
次に借金負担の重さをチェックする「実質公債費比率」は14.2%と起債許可基準とされる18%を下回り、「将来負担比率」は1.3%(早期健全化基準は350%)と健全化基準を大きく上回っており、財政の健全度が高いことを示しています。

新しい制度のスタートにより好むと好まざるにかかわらず、地方自治体の財政状況は他市町に比べて良いのか悪いのか、白日のもとに市民の目にさらされることになったわけです。小野市は健全な財政を維持しているものの、地方財政を取り巻く環境は、依然厳しい状況が続くことが予想されます。「行政も経営」という基本理念のもと、限られた財源と、小野市の持つあらゆる可能性を最大限活用しながら、行財政改革における「新たな進化と変革」に向けてチャレンジし続けてまいりたいと考えております。

2008年8月27日(水曜日)

更なる進化と発展へ 活性化の起爆剤となるホテル誘致が決定

5階建てのビジネスホテルの完成イメージ

8月21日(木曜日)、小野市へのホテル誘致が決定した。客室125室に大浴場とレストランを備えた5階建てのビジネスホテルが、「うるおい交流館エクラ」の西隣の市有地に来年完成する。都市機能には宿泊施設が欠かせない。以前より多くの市民や地元企業からホテルの立地について強い要望が寄せられていた。

ようやくその夢が実現する。今まで宿泊先を神戸や西脇に求められていた地元企業へのビジネス客の要望にも応えることができた。お盆やお正月、また冠婚葬祭で故郷へ帰って来られる方の宿泊先も確保できる。

ホテルの誘致は3年程前から様々な事業者と交渉を行ってきた。しかし、5万人の市では採算性が疑わしいと辞退されたり、反対に、資金調達などの信用面に問題があるとお断りしたケースなど、実現には至らなかった。そのような中、手を挙げていただいたのは国内外に200店舗以上のホテル経営を展開されているルートインジャパン株式会社である。「やっぱり最後は市長の熱意だわ」と社長自ら決断されたようである。

企業誘致に関しては、どの自治体も競うように優遇策を講じている。規模や中身は違うが、兵庫県は尼崎市に進出したプラズマテレビ用パネル工場に約170億円、建設が進む姫路市の液晶パネル工場へは90億円の補助金を出している。姫路市もその誘致に約100億円もの投資をされるようである。工業用水道料金を30年間も補助する制度を設けられた近隣自治体もある。小野市では、市独自に開発した130ヘクタールの工業団地は、特段の優遇策は講ぜず100%完売した。

ホテルの誘致条件は、市有地の賃借料、建物の固定資産税、都市計画税、そして下水道料金のそれぞれ10年間の減免である。事業者に対する補助金は一切出さない。土地の賃借料や固定資産税等は、従来どおりのままでは発生しないわけであるから、減免しても市にとってマイナスにはならない。

下水道料金は年間約200万円程度になる見込みである。上水道料金は、水の出しっ放しなどを防ぐという事業者自身の経営上の管理により節水に努められるべきであり、下水道料金のみの減免とした。なお、事業者の審査にあたっては、公正を期するため市民など外部委員を多用した宿泊施設誘致企業審査委員会に諮って決定した。

ホテルができることにより隣接する市民活動拠点施設「うるおい交流館エクラ」との賑わいの相乗効果が期待できる。また、市内の工業団地、「国宝浄土寺」「ひまわりの丘公園」「白雲谷温泉ゆぴか」などの観光施設、市内6ヶ所のゴルフ場、さらには周辺自治体へと、ホテルを拠点として新たな人の流れが生まれ地域活性化の起爆剤になるものと確信している。

とはいうものの、人口5万人規模の市でホテル経営がうまくいくかどうかは、民間企業の経験からすれば厳しいことは否めない。がゆえに、市民を挙げてホテルを育てようという思いでみなさんもぜひ協力していただきたい。来年の「小野まつり」の花火の眺めは、ホテルがお勧めスポットですよ。

2008年8月20日(水曜日)

市内の若き力が大活躍!

 今、北京オリンピックが世界のスポーツの祭典として盛り上がっております。女子陸上競技5000メートル五輪代表である小野市出身の小林祐梨子選手は、惜しくも決勝進出になりませんでしたが、世界の強豪の中で決して見劣りしない走りを見せてくれました。4年後のロンドンオリンピックでの活躍を期待したいです。

 一方、市内の小・中学生たちも素晴らしい活躍を見せております。8月に入って、陸上、柔道、野球など、様々なところから多数の入賞の報告をうけました。

 兵庫県中学校総合体育大会の陸上では、小野南中学校の田中新也君(四種目競技優勝、110メートルハードル優勝)と小野中学校の森本新菜さん(800メートル優勝、1500メートル第2位)が近畿・全国大会に、小野南中学校の山本大志君(800メートル第4位)は全国大会に、そして、旭丘中学校の長谷川隼君(1500メートル第3位)は近畿大会に出場を決めました。

 柔道では、小野中学校の柔道部が県大会で4年ぶりの団体優勝を果たし、また個人戦においても-81キログラム級の下岡大輝君、+90キログラム級の蓮池慎吾君の二人が全国大会出場し、河端祥也君、中井勇輔君が近畿大会に出場します。あらためて、小野中学校柔道部の層の厚さを感じました。
 このように小野市から近畿・全国大会に出場者が11名と、北播地区で群を抜いて多くの選手が出場します。

 小学生も負けておりません。小野東スポーツ少年団が、あかふじ米・第21回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会で準優勝、そして第22回近畿ろうきん杯学童軟式野球大会では優勝し、秋の近畿大会に出場されます。小野東スポーツ少年団は、他のチームに比べると平均身長も低いが、他の大柄の選手に引けを取らないチームプレーをしたと聞いております。

 入賞された皆さんに共通して言えることは、見える形で結果を残すまでに、誰にも負けないくらい努力をされてきたということです。「努力は自分を裏切らない」。努力した分だけ、自分も強く大きくなれます。そして、このような快挙が成し遂げられたのも、顧問の先生や監督の熱心な指導、また家族や学校、地域の方々の支援があるからこそであります。

 選手の皆さんには、その感謝の気持ちを忘れることなく、これからの試合で自分の力を十分発揮していただくようにエールを送りました。選手の皆さんには、スポーツを愛し、チャレンジし続けていただきたいと思います。
 小野市から第2、第3のオリンピック選手が出てくることを期待しています。

2008年8月13日(水曜日)

県の目標に達したフェニックス共済の加入率

 小野市の住宅再建共済制度(フェニックス共済)への加入率が15.04%と、県が目標としている15%を達成した。掛け金の半額を助成する小野市独自の制度が功を奏したと思われる。フェニックス共済は、阪神・淡路大震災を教訓として、平成17年9月に兵庫県が創設した。掛け金は年間5000円で、自然災害で全半壊した住宅の再建に最大600万円が給付される。県は「加入率15%」を目標に掲げられたが、平成20年7月10日現在、北播磨地域の加入率は9.4%、県全体では未だ8.7%と伸び悩んでいる。

 小野市では、自治会が加入を取りまとめると、1件につき掛け金の半額をその自治会に対して助成する市独自の制度を設けている。一部の助成を行っている自治体はあるものの、半額まで拡大しているところはないようである。ただし、その助成期間は今年度までの3年間としている。

 小野市は、県下29市中、市民100人当りの正職員数は0.595人(平成20年4月1日現在)と最も少ない人数で業務を遂行するなど徹底した行財政改革を進めてきた。平成19年度決算見込みベースでは、借金にあたる地方債残高は前年より10億円減り、10年ぶりに150億円を切った。預金にあたる基金残高は、約80億円とほぼ横ばいを維持できた。地方債残高、基金残高とも市民1人当りに換算すれば県下29市中いずれも良い方から5位以内の水準である。

 実質公債費比率は、14.2%と起債許可基準とされる18%を下回り、新たな財政指標に加わった連結実質赤字比率は、マイナス74.85%(早期健全化基準は+18%)、将来負担比率は1.3%(早期健全化基準は350%)とそれなりの健全財政を維持している。3年間だけと限定せず、半額助成を継続することも市の財政上不可能なことではない。

 しかし、フェニックス共済は、万が一のとき県民同士がお互いに支援し合うという「共助」の精神に基づく制度である。災害への備えは、自分の身は自分で守るということが基本であり、行政の役割はそれを支援することだと考えている。3年間に限って助成するとしたのは、市民に対する加入促進の動機づけのためである。

 6月の岩手宮城内陸地震の後、7月には震度6強の岩手北部地震も起こった。「天災は忘れたころにやってくる」といわれるが、最近は「忘れる間もなく」やってくる。当地域には、山崎断層も走っている。小野市のフェニックス共済への加入目標は「当初から30%」、その目標に少しでも近づけたい思いである。万が一の時に備えて、未だ加入されていない市民は、半額助成があるこの期間中に是非加入していただきたい。

2008年8月6日(水曜日)

進化し続ける「小野まつり」

小野まつりで打ち上げられた花火の写真

国内最大規模といわれるPL教団の花火は、今年、10万発から2万発に修正された。打ち上げの数が減ったわけではない。上空で炸裂した数ではなく、打上げ1回を1発とカウントしたものである。

今年の第31回小野まつりの花火は、昨年より500発多い3,500発。その数は、上空で炸裂する数ではない。地上に置かれた花火玉の数である。よさこいの出場チームも昨年より更に増え、108チーム、約2,400人がエントリーされている。まさに県下最大規模のダンスイベントである。

平成12年、「まつりを通して小野市を変えよう」と、それまでマンネリ傾向のあった小野まつりを見直した。そのためには、行政主体ではなく、市民が中心となってやっていただきたい。その思いに多くの市民が賛同していただき計画立案から運営まで市民自らの力で実行されてきた。

以来、年々来場者が増え、一昨年は2日間で14万人、昨年は2日目雨天にもかかわらず11万人の人出で賑わった。10年前まで3~4万人であった来場者が、2日間になったとはいえ、実に10万人を超えるまつりへと成長した。

市民自ら毎年毎年、改善を繰り返しながら「小野市のまつりは違うんだ!」とアグレッシブに、前向きにチャレンジされてきた賜である。協賛金についても全市民のご協力をいただいている。行政の下請けだと思われていたらこうはいかない。改めて、市民の方々に感謝申し上げたい。

「小野まつり」は、単なる夏のまつりではない。「まつりを変えよう」という市民の熱き思いが、市民自らの意識を変え行動を変え、まちの姿までも変える。賑わいづくりが誇りづくりとなり、その誇りづくりが郷土を愛する愛着づくりとなる。まさに「小野まつり」こそ「小野市を変える」という一つの象徴であると捉えている。絶えず進化し続け、成長し続ける「小野まつり」を誇りに思う。

今年の「小野まつり」のテーマは「童夢(どうむ)」である。童(わらべ)に返って、老いも若きも世代を超えてでっかい夢をみよう、そしてその夢を実現しようとの思いが込められている。ぜひ8月16日(土曜日)、17日(日曜日)の「第31回小野まつり」へご家族お揃いでおこし下さい。

2008年7月30日(水曜日)

姉妹都市のリンゼイ市訪問団が来庁

リンゼイ市からの生徒8名と教諭2名と市長との記念写真

 7月24日、小野市の姉妹都市である米国カリフォルニア州リンゼイ市の訪問団が、小野市役所を訪ねて来られました。
 15歳から17歳の高校生男女8名と引率の教諭2名の計10名で、いずれも日本に大変興味を持った皆さんです。リンゼイ市との国際交流は1973年から始まり、同市からの訪問団は実に20回目であります。

 前日の飛行機での長旅の疲れを少しも感じさせないくらい皆さん元気で、たくさんの質問を受けました。私も小野市の魅力の紹介から普段の市長の仕事内容まで説明するなど、和やかな雰囲気の中で会話も弾み、時間を忘れるくらいでありました。

 そして、小野市から訪問団へのプレゼントとして「鯉のぼり」を贈りました。姉妹都市の提携の時にもお渡ししており、これで3代目であります。小野市から親善訪問団がリンゼイ市を訪れた時などには、この鯉のぼりがリンゼイ市役所の前に高々と掲揚されております。日本では、端午(たんご)の節句に立身出世を願って鯉を空に泳がせますが、これからも「両市が共に発展していく」という願いを込めてお渡ししました。

 夜にはエクラで訪問団の「歓迎会」を行いました。受け入れをされるホストファミリーや世話役の国際交流協会の方々を含め、夏祭りを思わせる浴衣や半被姿の方々が出迎えました。訪問団の皆さんは、浴衣がかわいいと気に入られ、子どもたちと写真を撮られていました。やはり、日本にしかない着物文化に興味を持たれたようです。

 また、小野児童・市民合唱団によるコーラスでは、訪問団の引率をされている先生が飛び入りで参加されて一緒に歌い、獅子舞の披露では、女子学生が獅子舞保存会の方に笛の吹き方を教わるなど、音楽を通して自然に文化交流が行われることは大変素晴らしいことと感じました。

 訪問団の皆さんは、8月1日まで市内のホストファミリー宅にホームステイし、市内各施設の見学や、十二単・鎧の試着、そば打ち体験などが予定されています。そこで大事なのは、STA(see and touch and ask)であります。実際に自分の目で見て、自分の手で触れて、そして体験するなかで、日本の文化を学んでいただき、ついては、小野市・リンゼイ市において相互に交流が深まることを期待しております。

 最後に国際交流協会及びホストファミリー等関係者の皆様には、受け入れに際しご尽力賜りましたことに深く敬意を表します。

2008年7月23日(水曜日)

新しいまちが誕生しました-王子南に「ハッピータウン王子」がオープン-

ハッピータウン王子のオープンを記念するテープカットの写真

 王子南地区は、市役所のすぐ西側、近隣に商業施設や公共施設が立地する利便性の高い地域であります。そのようなポテンシャルを生かして、地域自ら主体的に土地区画整理事業を進められ、約7.6ヘクタールの区域内に214区画の新たな宅地が生まれました。王子町のみならず、小野市にとっても「まちづくり」の基幹となるものと考えております。

 小野市では、これまで神戸電鉄小野駅周辺や黒川、大島など計7地区、約170ヘクタールもの土地区画整理事業を行ってまいりました。宅地の販売も順調に終了し、多くの方がお住まいになっています。王子南では、すでに保留地は42区画中40区画も売れており、うちその約7割が市外の方が購入されています。最近、姫路市で松下電器産業の大きな液晶パネル工場が建設されるなど、周辺市で工場の立地が進んでおりますが、そこで勤務される方には、ぜひ小野市に家を建てて住んでいただきたい思いです。

 小野市では、市民の皆様がよりよい環境で生活できるよう、さまざまな施策を展開しております。「子育て支援」では、県下の市では初めて「小学校6年生までの医療費の完全無料化」を実施し、市民病院では、北播磨地域の小児科救急の拠点病院として7名の小児科医を配置、小児医療の充実も図っております。

小学生たちが太鼓などを持ってパレードを行進している写真

 また、教育面では、全国から注目されている県下初の小中一貫の「おの検定」や、小野市教育行政顧問の川島隆太教授の脳科学理論に基づく教育を実施するなど、小野市独自の取り組みを展開しております。さらに、市民の「安全安心」では、警察官OBを任用して5台のパトロールカーで市内を巡回する「安全安心パトロール」を充実させているところです。

 そして、普段の生活に欠かせない上下水道料金は北播磨で一番安いなど、市民=顧客と捉えた「顧客満足度志向」の徹底により、行政経営を進めております。
 このような取り組みの結果、近隣市町の人口がどこも減少しているなかで、小野市はわずかながらも増加し続けているのではないかと思っています。

 新たに住居を構えられるのでしたら、ぜひ小野市へ。お待ちしています

2008年7月16日(水曜日)

小野市初の快挙 小林祐梨子さん五輪出場おめでとうございます

5年前、千葉で行われた全国中学校女子駅伝大会へ旭丘中学校の応援に行ったとき、「将来はオリンピック選手に」と激励したことが本当になってしまった。
6月29日に行われた日本選手権、女子5000メートルで、「3強」といわれる日本の実力選手を置き去りにしたラストスパートに思わず興奮した。小野市始まって以来のオリンピック選手の誕生である。

高校時代には、女子1500メートルで2度も日本新記録を樹立。スーパー女子高生といわれた彼女だが、昨年は、故障や実業団登録問題でさぞや辛かっただろうと想像する。それらを克服しての五輪切符である。

一昨年のセイコー・スーパー陸上で自己の持つ女子1500メートル日本記録を塗り替えたとき、彼女は、「速いランナーではなく、強いランナー」を目指したいと語った。まさに「強いランナー」として大きく成長したと思う。彼女の努力と忍耐に心から祝福したい。

先週、母校の旭丘中学校でささやかな壮行会をもたせていただいた。「人間性も学んだ原点のグラウンド」と彼女がいう旭丘中学校で、恩師や後輩の陸上部員らとともに喜びを分かち合った。小野市初の快挙に市民総出で祝福したかったが、彼女のプレッシャーにならないようにと配慮させていただいた。

「祝 小林祐梨子  北京オリンピック女子5000メートル出場」と書かれた旗を持った学生と教師たちの集合写真

「北京オリンピックでは、世界は強かったという言葉で終わるのではなくて、その経験が次につながるように肌で感じ勝負したい」常に次の目標を意識している前向きな姿勢に、彼女はすごいなと改めて感激した。

と同時に、オリンピックという大舞台で彼女はもっともっと成長することだろうと確信した。オリンピックでは自分のことだけを考えて、レースを存分に楽しんできてください。5万市民とともにご健闘をお祈りしています。

2008年7月9日(水曜日)

皆様の貴重な意見をお待ちしております-「市長への手紙」-

 今年も7月1日より、市民の皆様のご意見・ご提案をはがきで投書していただく「市長への手紙」がスタートしました。皆様からのご意見は、年間を通していつでも受け付けておりますが、特に7月、8月は「強化月間」として、毎年多くのお便りをいただいております。ちなみに、昨年度は250件ものお便りをいただき、市政への貴重なご意見として活用させていただきました。

 小野市では、「市民=顧客」ととらえた「市役所は市内最大のサービス産業の拠点」という考えから、皆様からの要望や苦情、様々なご提案などを組織として1箇所で集約してお聴きするため、平成11年に「市民サービス課」を設置いたしました。顧客満足度志向の一環として「情報は市民の財産」という認識のもと「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を実施してきております。

 市役所へお越しになって直接お話をお聞きする場合のほか、今回の「市長への手紙」や「市長へのメール」などでお聴きした内容は、その都度コードナンバーを付けて内容をカードに記入します。そして、まず私が全て拝見させていただいたうえで、全庁的に検討し、「長期的に検討するもの」「短期的に実施するもの」、「直ちに対応するもの」、「国や県に権限があり市ではできないもの」、「住民自らが行なっていただくもの」、「対応できないもの」などに分類して対応しております。

 そして、記名の意見であるか匿名意見であるかにかかわらず、全てに文書で回答文を作成し、私が全て内容をチェックしたうえで皆様にお返事をしています。
 ただし、匿名の場合は、返送できませんので、プライバシーに関係することを除いては、可能な限りホームページや広報等に掲載してお知らせするようにいたします。加えて、いつ受付していつ回答したか、どのような回答をしたのかなど、回答までの期間の管理を含め、全てデータベースで管理するシステムにしております。

 このように全庁的な仕組み、システムとして対応しておりますので、市民の誰の意見であるかといったことや、担当者レベルでの判断に左右されることがないことは言うまでもありません。議員の皆様や自治会長さんからの要望であっても、小学生や保育園の子どもさんからの要望であってもすべて平等に「市民の皆様からの意見」として取り扱っているわけであります。

 また、この「市長への手紙」は単なる聞きっぱなしの目安箱ではありません。その目的は2つあります。1つ目は、言うまでもなく、「市民の皆様からの意見を市政へ反映」させることであります。2つ目は、「職員の問題解決能力の醸成」であります。いわば、市民の皆さんから添削問題をいただき、それに対して、文書で回答するということは、アカウンタビリティ(説明責任)を果たし、そして、きちんと対応する能力を養うことであります。

 この仕組みを初めてから今年で10年目になります。お寄せいただいた皆さんからのご意見は約6,600件にものぼり、多くの方に、手紙を通してまちづくりに参加していただいております。それらのご意見は、小野市にとって貴重な財産であります。「住んで良かったと思えるまち、住んでいることを誇りに思えるまち」を実現するために、多くのご提案をお待ちいたしております。

「市長への手紙」設置場所

市役所玄関ホール、市民病院、図書館、コミュニティセンター(おの・かわい・きすみの・いちば・おおべ・下東条)、あお陶遊館アルテ、総合体育館(アルゴ)、匠台公園体育館(おのアクト)、匠台テクノプラザ、ひまわりの丘公園、こだまの森公園、児童館チャイコム、白雲谷温泉ゆぴか、観光交流センター、うるおい交流館エクラ、福祉公社、市内郵便局、市内コンビニエンスストアー、大型小売店の計47か所に設置されています。はがきを利用していただければ郵送料は無料です。

2008年7月2日(水曜日)

走り続けるコミュニティバス-デマンドバス(予約制バス)の本格運行開始!-

青地にひまわりがデザインされたらんらんバスの写真

 近年、地方では、公共交通機関である路線バスの路線縮小・廃止が目立ちます。その空白地帯を埋め、地域住民の交通手段を確保するために、各地方自治体はコミュニティバスを運行されていますが、小野市ではコミュニティバスは交通施策ではなく、福祉施策として位置付けて事業を展開しております。

 「らんらんバス」は、10路線、141ヶ所のバス停を設置し、市内すみずみまでくまなく回るように運行しています。運行経費は年間約4,000万円かかっており、市民一人当たりにすれば年間約800円の負担となります。平成18年から「らんらんバス」は小学生以下、65歳以上の方、障害のある方は無料にしたこともあって、総乗客数は約1.5倍に膨れ上がり、平成19年度には6万5千人を超え、市民の“足”として定着してまいりました。

 加えて、ルート変更やダイヤ改正等の市民からの要望については、運行状況や利用状況及び安全性を把握しながら、運行計画にフィードバックしています。そして、市民の方も加わった検討会議にて、フレキシブルに運行計画の見直しを行っています。

 また、平成19年には、「らんらんバス」の全車両に県下で始めてAED(自動体外式除細動器)や筆談ボードを設置いたしました。コミュニティバスは、「動く公共施設」と見立て、決め細やかなサービスに取り組んでいるところです。

全車両の椅子の後ろに設置されたAEDの写真

 このように、地域の意見を反映し、PDCAのマネジメントサイクルにより運行を行っておりますが、コミュニティバスも万能ではありません。新しいルート、新しいバス停、便数など市民ニーズは多種多様であり、3台で運行する「らんらんバス」にも限界がございました。そして、「有料でも好きな時間に好きな場所へ行ける交通手段があるなら利用したい」という要望も多数ありました。

 そのようななかで、昨日、7月1日(火曜日)より、新しくワゴンタイプの車両を1台追加し、「小型デマンドバス」の毎日運行を開始しました。利用料金は、大人1人1回(片道)100円、小学生50円、小学生未満無料であります。

「デマンドバス」とは、団体を対象として電話で事前予約していただき、「らんらんバス」のバス停から希望する公共施設までを運行する、予約制のバスです。これにより、需要に応じて運行を行うことができ、「らんらんバス」の便数と経路の問題を補う役割を担います。「最短距離で目的地へ。待ち時間なし。」であります。

青地にひまわりがデザインされた小型デマンドバスの写真

 行き先は、市内のスポーツ施設やレジャー施設、コミュニティ施設が対象となっています。これまで、「らんらんバス」のルート(路線)になかった「こだまの森」や「おのアクト」へも行くことができるようになりました。
 例えば、6~9人のグループや家族が集まって、こだまの森でグラウンドゴルフを楽しみ、その後、ゆぴかへ行って温泉や岩盤浴でくつろいでいただくプランなど、一日楽しく利用していただくことも可能であります。

 昨年度に試行運行として、空き日の「らんらんバス」を利用して「大型デマンドバス」を火曜日限定で実施したところ、延べ23件539名もの方々にご利用いただき、利用者からは「自分の好きな時間に利用できる」など好評を得ております。利用される団体を聞いてみると、老人クラブなど地域で仲の良い仲間が集まり、ゲートボールやグラウンドゴルフ、また白雲谷温泉ゆぴかへ行かれるケースがほとんどでありました。

 既に、小野市におきましても高齢者人口が1万人を超え、高齢化率は20%を突破し、高齢者社会から超高齢社会になるのは必至であります。交通手段を持たないお年寄りたちが家にこもらず外出していただき、元気で健康な高齢者がますます増えていけばと考えております。
 「らんらんバス」に加え、新たに走り出した「デマンドバス」が、市民の“足”として親しまれることを願っております。

 早速予約される方は次のリンクをご覧ください

小野市デマンドバスのホームページ

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