2007年10月~12月分のバックナンバー

更新日:2022年02月12日

2007年12月26日(水曜日)

行政手法のイノベーションへのチャレンジ

今年の正月明け、1月10日の市長の部屋で、今期方針として「行政手法のイノベーションへのチャレンジ」を打ち出した。その後、企業の世界では『イノベーション』が盛んに言われ始めた。「イノベーションが続く事業は業界リーダーとしての地位を確立し、イノベーションの止まった事業は淘汰される」と。

イノベーションとは、本来、技術革新のことであるが、技術だけにとどまらず、医療、福祉、介護、教育など、あらゆる分野での改革が必要である。世の中は、ドッグイヤーからマウスイヤーといわれるスピードで変化している。ITの普及による超高度情報化社会の到来、人の生活様式や価値観の多様化、それに伴う様々な社会問題の発生。そのような時代の変化、市民ニーズに対してフレキシブルかつスピーディーに対応することが行政にも求められている。

イノベーションを「変化する能力」と定義した人がいる。「今まではこうであったという前例を踏襲することなかれ。かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」「画一的横並びの仲良しクラブから脱却」し、「ゼロベースの発想で創造と変革にチャレンジ」する。市長就任後何百回と言い続けている。

今年、従来から教育委員会にあった人権教育課を廃止し、「いじめ」という行為に焦点を当てながら人権問題全体に取り組むヒューマンライフGという新たな組織を市長部局の市民安全部に設置した。

また、先週、市議会において全国初の「小野市いじめ等防止条例」も可決された。いじめ解消へ向けて、組織の再構築、そして市民も巻き込んで行動に移すための条例制定へと、全国的な先駆者としての行政手法のイノベーションへのチャレンジである。

ただ残念なことに、条例案は全会一致では承認されなかった。一人の議員が、市民の良識に任せるべきだと反対された。何か新しいことをやろうとすれば反対者が出るのが世の常である。今までのやり方では成果が出ないからこそ新しい発想でチャレンジしようとしているのに。

いじめ根絶は市民誰もが願うテーマであり、いじめのない明るい社会の実現を目指したいわば出発点となる条例だけに、全会一致で承認いただきたかったというのが本音である。いうまでもなく最初から完璧なものはなかなかできない。条例を制定したからといって直ちに「いじめ等」がなくなるわけではない。

しかし、「まずはやってみなはれ」という前向きな考え方、すなわち、ネガティブではなくポジティブシンキングに取り組まなければ物事は進歩しない。まさに、これからがスタートである。「誰もが安心して、活き活きと暮らせる社会の実現」を目指し、来年は、市民とともに実践に移していく年であると考えている。

企業が生き続けるためには、変化し続け、成長し続ける会社にしなければならない。地方自治体においても自治体間競争が避けて通れなくなっている。生き残りではなく勝ち残りを目指して『更なる進化と変革』に向け、今後も「行政手法のイノベーションにチャレンジ」し続ける思いである。

さて、いよいよ年の瀬も押し迫り、今年も残すところあと僅かとなりました。皆様にはくれぐれも健康にご留意され、輝かしい新年をお迎えいただきますことをご祈念申し上げ、年末のご挨拶と致します。

2007年12月19日(水曜日)

日本テレビ「NEWS ZERO」の取材を受けました

先週、日本テレビ系列の「NEWS ZERO」(午後11時29分~)という番組の取材を受けました。12日から3日間にわたり放送されご覧になられた方もあるかと思います。“「WATCH!TAX」地方公務員の給与はなぜ高い?”という特集で、「特殊勤務手当」や「職員互助会への公金支出問題」など一般市民の目線からみて疑問に思われる税金の無駄遣いにスポットをあてたものでした。

小野市では、新聞テレビなどでこういった問題が大きく取り上げられる以前から特殊勤務手当の見直しを行い、21項目あった特殊勤務手当をほぼ全廃し、また、全国に先駆けて職員互助会への公金支出も廃止してまいりました。

そのような情報をどこで入手されたのかわかりませんが、他の自治体では改革が進まない中で先進的に取り組まれている小野市の考えを是非聞かせてほしいと、日本テレビから取材があったものです。取材は行財政改革全般にわたって約2時間程度ありましたが、放送は約1分程でした。

私は市長就任以来「誰が考えても理屈に合わないお金は出すべきでない」という考えのもと“あたり前のこと”として様々な改革に取り組んでまいりました。この思いをインタビューの中で申し上げたところ、その日のうちに「小野市の住民の皆さんがうらやましいです」「テレビを通じて大変いいお話が聞けました」「小野市の取り組みが日本を変える一歩になると思います」など全国から大変多くの激励のメールをいただき、その反響の大きさに驚いているところであります。

小野市では、特殊勤務手当の見直しや、職員互助会への公金支出全廃のほかにも、旅費制度の見直し、時間外勤務の目標設定、調整手当の全面廃止、職員の退職者不補充、全国初のONPM計画(期限付嘱託職員制度の構築)…など数々の人事制度改革を行ってまいりました。徹底した業務の見直しを行い、職員数も大きく削減し(平成11年度から19.2%減)、市民100人当たりの正職員数は、0.62人と県下29市中最少の職員数で業務を遂行いたしております。しかも、その事業量は以前よりも更に増えております。

人件費の削減効果は、平成12年から7年間で約25億円にもなり、人口5万人規模の小野市職員の年間総人件費に匹敵しています。又、その他の行財政改革を含め、年間市税の約2倍にあたる130億円の削減も行いました。

ただ、私はなんでもかんでも削減することが望ましいと言っているのではありません。単なる小手先のコストカッターではなく、職員のモチベーションを高めながら、様々な創造性のある事業を行い、その成果を出し続けていく仕組み、システムを作っていくことが重要であると考えています。

公務員の世界は、「仕事の成果と報酬が連動しない社会」であります。これは日経BPの“民間市長鼎談”(平成16年3月29日号掲載)や“ひと劇場”(平成17年12月19日号掲載)などでも申し上げたことですが、一生懸命仕事をする者と仕事をしない者とが同じ給料では、やる気などは生まれません。長年にわたり、「画一的横並びの仲良しクラブ」「前例踏襲型の施策遂行」「顧客満足度志向の欠如」が続いてきた最たる原因のひとつであると考えています。

本来報酬というものは、仕事の成果に応じて上がるときもあれば下がるときもあることは民間の世界では当たり前のことであります。そのような中において、小野市では平成13年度には管理職を対象に、成果を上げた職員にはそのボーナスに5万円又は3万円を上乗せするという「インセンティブ給(刺激給)制度」を、平成17年度から一般職も含めた新たな人事評価制度の導入を行いました。そして今年度からは、「能力成果主義」を県内で先行して実践し、勤務成績等による積極的な任用と、管理職には昇給幅に差をつける「査定昇給制度」も本格的に導入致しております。

番組の中では、全国の自治体の借金が200兆円を越える中で、いまだに2,062億円もの特殊勤務手当てが支払われていることが紹介されました。また、総務省の調査によると、昨年度全国の都道府県や政令指定都市で、職員の互助会に対して公費を支出したのは37都道府県14市あり、金額にして約196億円にも及んでいます。職員一人当たりにして約3万円もの公費が支払われているところもあるようです。

問題はこのような実態が今まであまり市民に公開されてこなかったことだと思っています。行財政改革の第1歩は、まず、市民に対しアカウンタビリティ(説明責任)を果たし、行政が持つ情報を明確に開示していくことであります。そして「理念なくして意識改革なし、意識改革なくして行動なし」であります。強い信念をもって絶えず先頭に立ってそのリーダーシップを発揮し更なる改革を進めてまいりたいと考えています。

2007年12月12日(水曜日)

今年の小野市10大ニュース決定

  1. 県下で最も充実した小学6年生までの医療費完全無料化!
    平成17年に小学就学前まで、平成18年には小学3年生まで、そして、今年は小学6年生までの医療費の完全無料化を県下の市で先駆けて実施してまいりました。県でも今年度から小学3年生までの乳幼児医療費の助成制度を始められたところですが、危機的な財政状況により僅か1年で見直しをされようとしています。これに伴い、今後、市独自で現行の制度を継続できるところとできないところが出るなど、自治体間格差はますます開いていくことが予想されます。小野市では、県が小学3年生までの助成制度を始める前から市単独で取組もうとしていたことであり、県がどうであれ小野市独自の子育て支援策として小学6年生までの医療費の完全無料化を継続してまいります。
  2. 「いじめを絶対に許さない!」いじめ担当課の創設と全国初のいじめ防止条例の制定
    今年の市長方針は「行政手法のイノベーションへのチャレンジ」であります。その取り組みの一つとして、今まで何十年と続いてきた教育委員会の「人権教育課」を廃止するとともに、市を挙げていじめなどの人権問題に総合的に取組むために市長部局に「ヒューマンライフグループ」を創設いたしました。また、全国初となる「いじめ等防止条例」を制定し“いじめ”こそ、人権侵害の最大の根源であるとの観点に立ち、行政、市民、企業などが連携して、市民総ぐるみであらゆる人権侵害に真剣に取り組み、「ハートフルシティおの」の実現を目指してまいります。
  3. 小野市の2チームが優勝と準優勝飾る! 第20回兵庫県ジュニア軟式野球選手権大会
    県下第1位、2位を小野市のチームが独占(河合スポーツ少年団が優勝、下東条スポーツ少年団が準優勝)しました。他の地域から野球の上手な選手を集めたわけではありません。しかも土曜と日曜の限られた練習時間しかない中での大会史上初めてとなる快挙であります。市民に元気と感動を与えてくれた子どもたちの活躍にエールを送ります。
  4. 今年はすごかった!夜空を彩る3,000発の花火~小野まつり~
    市民が主体となって「小野まつり」に取り組むようになって7年。人口の約3倍となる約15万人が参加する北播磨地域最大のイベントとなるとともに、「おの恋おどり」は県下最大の105チーム2400人が参加するまつりとなっています。また、今回は初めて花火の打上げ業者をコンペ方式で選定を行いました。結果、花火にかかった費用は昨年より安価に抑えることができ、かつ、花火の数は昨年より500発も増えて、3000発になりました。しかも、コンペにより市民が選んだ業者は今年の土浦全国花火大会で、見事に最高の賞である“内閣総理大臣賞”を受賞されるなど市民の見る目、その力量は着実にレベルアップしています。
  5. 医療品質のレベルアップ!難関の機能評価Ver.5受審、無条件で認定
    小児救急、眼科は神戸大学や県などから北播磨地域の拠点病院に認定されています。地域医療の中核を担う病院として、医療の質や安全性の確保、待ち時間やプライバシーなどの療養環境、患者へのサービスが一定の水準以上となっているというお墨付きを財団法人日本医療機能評価機構からいただきました。
  6. 粟生駅に新たな生涯学習の拠点 みんなで陶芸を楽しもう!
    JR、神戸電鉄、北条鉄道が結節する北播磨の基幹駅である粟生駅に陶遊館“アルテ”がほぼ完成し、いよいよ来年4月にオープンします。既に市内の他のJR加古川線4駅の駅舎の改修やその周辺整備も完了しています。これで市内JR全ての駅の改修が終わることになります。今では、改修前に比べ年間約3万人の利用者の増加(加古川線全体の増加の60%)に繋がっています。
  7. 5万人規模では県下最少の定数(市議会議員)
    「行政もまさに経営」であり「より高度でより高品質なサービスをいかに低コストで提供するか」ということが重要です。小野市では市民100人当たりの正職員数は、県下29市中最少でその質を落とすことなく多くの業務をこなしているところです。議員におかれても自ら主体性をもって定数の削減を決定され、5万人規模の市では県下最少数で取り組まれています。行政と市議会がまさに両輪で、「21世紀に雄飛するエクセレントシティおの」を目指してまいります。
  8. 3台の“らんらんバス”に加え、予約制(デマンド)バス運行開始へ
    定期的なバス停の見直しや、小学生以下と65歳以上を無料としたことで利用者数は運行開始当初に比べ約1.5倍増加いたしました。電話などでの予約に応じて運行する県下初の予約制(デマンド)バスも好評で、いよいよ来年から本格運行(土曜日、日曜日も含め毎日運行)を開始する予定です。
  9. 3年の歳月をかけて、加古川沿いに4キロメートルにわたる「おの桜づつみ」完成!
    ソメイヨシノ、シダレ桜など5種類、約650本の桜を植えております。桜の木は1本2万円で販売しオーナーとなっていただいています。市民をはじめ、広く阪神や姫路方面の方も買われていて、ほぼ完売いたしました。
  10. 北播磨・丹波初の形成外科開設(小野市民病院)
    全国的に医師不足や診療科の閉鎖が相次いでいる中で、新しい診療科を開設いたしました。やけど跡やあざなど皮膚表面の外科治療を行っています。2名の常勤医により手術等にも対応できるようになりました。今後も特色を生かした小野市独自の病院運営を行ってまいります。

この他にも、安全安心パトロールの充実、脳科学の理論を取り入れた小野市独自の16ヶ年教育の展開もあります。先月、小野市での様々な取り組みを、市内全地区で開催した市政懇話会を通して市民の皆様にもご説明させていただいたことも今年の大きなニュースの一つであります。また、小野市独自の方針管理制度や人事制度についても、内閣府社会経済研究所をはじめ、北海道(旭川市)や愛知県(岩倉市・豊川市)など全国各地からの視察が相次いでいて、その数は年間約90団体にも及んでいます。

今後も更に多くのニュースを小野市から市民の皆様に、そして全国へ発信できるように、「今まではこうであったという前例を踏襲する事なかれ、かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」という強い信念をもって行政運営に取り組んでまいりたいと考えています。

2007年12月5日(水曜日)

ようこそ光の世界へ 北播磨地域最大 市民手作りのイルミネーション

市役所前に飾られているクリスマスツリーなどのクリスマスイルミネーションの写真

今年も市役所前の広場では、北播磨最大となる約15万個のクリスマスイルミネーションが点灯しています。12月1日(土曜日)から25日(火曜日)までの間、毎晩夕方5時半から9時30分まで点灯していますので、是非皆さんにもご覧いただきたいと思います。

このイルミネーションは、毎年小野地区地域づくり協議会が行っているもので、今年で4年目を迎えました。内容も年々発展しています。高さ約14メートルのツリー以外にも、今年は小野地区の小・中・高校の児童生徒さんも一緒になって製作した雪だるまやトナカイなどのオブジェも多数飾られています。
「小野市役所前のイルミネーションがとても綺麗と聞いたので…」と近隣市からも多くの方が来られるようになっています。12月8日(土曜日)・22日(土曜日)には午後6時30分から側のコミセンおので市民手作りのコンサートも開催されますのでお楽しみいただきたいと思います。

省エネにも配慮されていて、一般の電球よりも約1/7も電気代が安いといわれる青や白、赤の発光ダイオードを中心にデザインが考えられています。ちなみに、1日あたりの電気代は約170円で安価に抑えられています。

地域づくり協議会は平成16年に市内6つの地域で発足しました。地域住民の方々によって運営され、それぞれの地域の活性化を目指して自主的に様々な事業を展開されています。小野市では、その仕組みづくりとして、平成12年から各地域のコミュニティセンターを順次リニューアルして地域における市民活動の拠点施設として整備をしてまいりました。そして、そこを拠点に意欲ある活動をされている各地域づくり協議会に対して、用途を規制せずにその活動費の助成を行ってまいりました。平成16年度には1地区100万円、平成17年度には200万円へ、そして平成18年度には300万円に増額いたしました。

小野地区以外にも、河合、来住、市場、大部、下東条それぞれの地区で文化祭やスポーツ大会など、地域を挙げた取り組みが次々と展開されています。また、イベントだけにとどまらず、地域にある駅や公園を花で飾る花いっぱい運動や、防犯パトロール、広報誌の発行など、自ら考え、活動されているその取り組みの数は発足当初は24事業だったのが、今では50もの事業行われています。延べ参加人数も平成16年度は約24,000人だったのが、昨年は3倍以上となる7万人以上の方が参加されるようになっています。

地域づくり協議会の発足から4年が経ち、その活動も年を経るごとにその経験やノウハウも蓄積され、大人だけでなく子どもたちも一緒になって、まさに地域を挙げた活動へと発展しています。
それぞれの地域や小野市に対する熱き思い、そして、“市民力”に改めて敬意を表したいと思います。このクリスマスイルミネーションの一つひとつの光のようにこれからの小野市が光輝き、ますます元気な小野市を目指して市民の皆様とともに歩んでいく決意を改めて強くした次第であります。

2007年11月28日(水曜日)

全国初「いじめ等防止条例」の制定へ向けて

小野市では、今年5月、小学4年生から中学3年生までの児童生徒約3,100人を対象に市独自のアンケート調査を実施し、その結果をマスコミに公表した。全ての子どもに無記名で書いてもらい、先生や大人に見られないように、ひとり一人封筒の封をして提出させた。「前の学年でいじめられ、今も続いている」と答えた子どもは全体の14%、約400件にものぼり、うち早急に対応が必要と思われるものが約240件もあった。前の年に文科省の基準で教育委員会が県に報告したのが27件。その差は9倍近いひらきである。

今月、文部科学省がいじめの実態調査の結果を公表した。昨年度の件数は、全国の小中高校などを合わせて12万5000件にのぼり前年度の約6倍にはねあがったと新聞各紙は大きくとりあげた。文科省のいじめの定義が広がったとはいえ、全国調査はまだまだ氷山の一角ではないか。

大事なことは、いじめに対する子どもと学校側の認識の違いを踏まえ、徹底したいじめの掘り起しである。いじめかどうかの判断を教師一人に委ねるのではなく、学校、家庭、地域ぐるみで取り組まなければならない。しかも、いち早く発見し、深刻になる前に食い止める早期対応が求められる。

現在、学校でのいじめ、地域でのいじめ、家庭や施設等での虐待、家庭等でのDV、職場等でのセクシュアル・ハラスメントなど様々な人権侵害が生じている。ほとんどの自治体では、これら人権侵害に対して、教育委員会、福祉部門、男女共同参画推進部門などそれぞれの組織が独自に対応している。

しかし、今までのやり方が果たして十分な成果を出し得たのか。行政も経営であり、求められるのは見える成果を出すことである。幸いなことに現在のところ小野市では深刻ないじめ等は発生していない。だが、起こってからでは遅い。小野市では、「顧客満足度志向」「成果主義」「オンリーワン」「後手から先手管理への転換」の4つを行政経営の柱として掲げている。その「先手管理」の1つが、いじめ等の解消へ向けた取り組みである。

自治体どこも同じの「画一的横並びの仲良しクラブ」から脱却し、「今まではこうであったという前例を踏襲する事なかれ、かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」という信念で、小野市では、本年4月、教育委員会の「人権教育課」を廃止し、新たにヒューマンライフグループを創設した。
いじめ、児童虐待、高齢者虐待、DV、セクハラなどあらゆる人権侵害に関する情報を一元管理し、迅速に対応する新たな組織である。「いじめこそ、人権侵害の最大の根源である」という観点に立たって、いじめに焦点を当てながらあらゆる人権侵害を無くそうという逆転の発想であり、その実施に向けた組織の再構築である。

いじめ撲滅のためには、教師や保護者だけではなく市民も含めた、いじめに対する意識改革と社会全体の盛り上がりが欠かせない。行政、市民、企業などが連携して、市民総ぐるみで「いじめ問題」に取り組まなければならない。小野市では、この12月市議会に、おそらく全国初となる「いじめ等防止条例」を上程する。

この条例のポイントは4つである。1つは、学校におけるいじめだけではなく、あらゆるいじめについて網羅したこと。2つは、行政だけではなく、市民、家庭、学校、社会福祉施設、企業、公的機関、地域社会の責務と役割を明記したこと。3つは、いじめ等の防止に向けた市民会議を設置し、市民運動としていじめ等の防止活動を展開していくこと。4つは、いじめ解消に向けて庁内の関係部署や関係機関との連携ネットワークの強化を図ることである。

「いじめ」という行為に焦点を当てながら、あらゆる人権問題を解消するための出発点となる条例だけに様々な専門家の意見も取り入れた。市内小、中、高の学校関係者、県教育委員会、県人権啓発協会、そして県警本部などの関係機関に加え、弁護士や大学教授などの学識経験者である。市民からのパブリックコメントも求めた。

「いじめ等防止条例」は、市議会の承認を得られれば、来年4月から施行する。今後、(仮称)いじめ等追放都市宣言を行い、市民会議への諮問を経て具体的な行動指針を決定し、市民運動へと展開する予定である。

いじめ根絶へ向けて、組織の再構築、そして市民も巻き込んで行動に移すための条例制定と、全国的な先駆者としての行政手法のイノベーション(技術革新)である。いじめ等の解決に向けた取り組みにより、家庭、職場、地域社会で誰もが活き活きと暮らせる「ハートフルシティおの」の実現を目指し、更なるチャレンジをし続けたいと考えている。

2007年11月21日(水曜日)

県の行革に望むことは、県民への主体的な説明責任と見える成果だ

「10%の歳入減(交付税減)くらいで予算が組めないというような泣き言を言うな!」
4年前、小泉政権下の三位一体改革において、民間出身市長座談会で発言した内容が日経BPに掲載され大きな反響を呼びました。他の自治体の首長さんからはご批判を、一方、民間の方からは当り前だ…と。確かに交付税が減らされると苦しいことには違いなく、私も市長として減らされることには大いに反対もしました。

しかし、民間企業であれば、毎期毎期、経費削減が求められます。様々な試練を企業経営者は克服し、利益を出して社員やその家族を守っているわけです。「収入が減って経営が苦しい」と言うのであればわかります。しかし、民間企業でリストラクチャリング(事業の再構築)を身をもって体験した者として、「収入が減ったから予算が組めない」というような泣き言を言うのは、行政経営者としてはいかがなものかという意味で発言した次第です。

ところが、今度は兵庫県が、突然、危機的な財政状況を公開され、それを打開するための行革推進プランが示されました。私も、急に、今、なぜ?。事前にシミュレーションすれば分かっていたはずなのに…という疑問を抱きました。

特に、その改革の中身が、福祉・医療・教育といったサービスの切り詰めであるため、県下の多くの市町がその負担転嫁にかかる県の行革プランの見直しを要望されています。例えば、小学3年生までの乳幼児医療費の助成制度は県が今年から始めたばかりなのに、僅か1年で見直しをされるということに反対されています。小野市においても、県の行革プランが実施されればその影響はかなり大きいものがあります。

しかし、県も切羽詰まって思い切った改革への強い意志を打ち出されたものであり、厳しい行財政改革は、県も市もやらざるを得ない状況です。いずれこうなるだろうということは予想できたことです。リストラ(事業の再構築)というものは、当然大きな痛みを伴うものであるということを身をもって体験しているだけに、先般の行革懇談会では「腹をくくって改革を進められるべきである」と知事に対して、敢えて申し上げました。

今回の行革プランによって影響を受けるのは、高齢者や母子家庭、妊婦、乳幼児、障害者など、多くが弱い立場の県民であります。重要なことは、県自ら、行革プランの中身を県民に十分説明するとともに、行革の進捗状況を情報開示し、結果としてその成果が見える形として現れるようにすることです。

財政が苦しい中、どこの市町においても早くから行財政改革を進めています。今後、県の行革に沿って、事業や補助金の見直しをされるところと、市町単独で負担してでも市民サービス(市民満足度)を継続するところなど、市町間においてもますます格差が生じることになろうと思います。ますます自治体間競争、自治体間格差に一層の拍車がかかり、その競争に耐えられるところと耐えられないところが出てくることが予想されます。ある意味では「当たり前の世界」に入ったともいえます。

県の行革は、好むと好まざるとにかかわらず、市町の更なる行革を求められることになります。県からの補助があるから実施するのではなく、必要なことは経費を削って市単独ででも主体的に実施しなければなりません。例えば、小野市では小学6年生までの乳幼児医療費の完全無料化を実施していますが、少子化対策の市の重要施策の1つとして、もともと県が小学3年生までの助成制度を始める前から市単独で取組もうとしていたことですから、県がどうであれ小野市は継続いたします。

行政も経営であります。自治体間競争に、生き残りではなく、勝ち残りを目指して、更なる行財政改革をし続ける機会とポジティブに捉えることが肝要だと思っています。

2007年11月14日(水曜日)

地区別市政懇話会 開催!

大きなスクリーンに映っているパワーポイントを座って見ている沢山の人たちの写真

現在、市内全6地区において「あんなこと言ってみたい、こんなこと聞いてみたい」と題し、市政懇話会を順次開催いたしております。私が市長に就任してからこれまで平成11年と平成15年に開催していて、今回で3回目の開催であります。

この市政懇話会は、市民の方に小野市の様々な取り組みや課題、財政状況など市政に関する情報を発信するとともに、市民の皆様から広く率直なご意見やご提案をいただき今後の施策に反映していくことを目的としております。市民と行政は良きパートナーであり、そういった思いから、まず私自らがパソコンのパワーポイントを使って市民の皆さんに直接ご説明をさせていただき、また、皆さんからのご意見、ご質問に対してお答えしております。平日の夜7時半から9時という遅い時間帯での開催でありますが、各地区とも多くの方に集まっていただいています。

「市長への手紙」などでは、全国各地の自治体の危機的な財政状況などが頻繁に報道されていることもあって、「小野市にはひまわりの丘公園や、うるおい交流館エクラ、白雲谷温泉ゆぴか、龍翔ドームなどが次々と整備されて街が賑わってきて嬉しいけど、財政は大丈夫なの?」といったご意見が多く寄せられるようになってまいりました。
これまで広報などを通して健全財政を維持していることはお伝えしてきたつもりでありましたが、まだまだ、市民の皆さんには伝わっていないなというのが実感であり、この市政懇話会を通して出来るだけ多くの方に小野市の現状を知っていただきたいと思っています。

小野市の財政状況については、収入に占める借金の返済割合を示す実質公債費比率は、平成18年度決算では、16.7%(18%を超えると借金である起債が制限されます)で、北播磨地域5市の中では一番低く良好な状況にあります。そして、市の借金である市債残高は約160億円、貯金にあたる基金残高は約81億円で、県下29市中、人口1人当たりで比較すると、貯金は16万3千円で多いほうから4番目、借金は32万1千円で少ないほうから3番目となっていることなどを説明させていただきました。

また、小野市では財政状況の推移をシミュレーションを立てて分析し、計画的に事業を行っています。現在、整備中のJR粟生駅に隣接した陶芸館や、よりおいしい水を供給するための船木浄水場の改築、また、今後予定している小野中学校や、小野東小学校の改築といった大きな事業を進めていった中でも健全な財政を維持できることもお伝えさせていただきました。

この他にも、北播磨地域をとりまく医師不足の現状や、小野市民病院の経営状況、おの検定や小中連携教育をはじめとした小野市独自の特色ある教育費の推移(10年間で4倍の伸び)、市内の地区別市道舗装率の公表など市政全般にわたってグラフや図、写真を多く使いできるだけ解りやすい説明を心がけております。また、その説明に使用したプレゼンテーションの資料は事前に全戸配布もいたしております。

市民の方からは、駅や空き店舗などを利用して地域の活性化に取り組む計画をたてているといった前向きなご意見やご提案も多くあり、時には終了時刻を延長する地区もあります。この市政懇話会で皆様からいただいたご意見等は、後日、市の広報にも掲載させていただく予定です。

市政の概要や取り組みについて共通の認識を持っていただくことが「参画と協働によるまちづくり」更には「行財政改革」への第一歩と考えています。そのためには、まず市民に対しアカウンタビリティ(説明責任)を果たし、行政が持つ情報を明確に開示していくことが行政に課せられた使命であります。これからますます自治体間の格差が開いていく中で、これに耐えられる市と耐えられない市が出てくることが予想されます。小野市が単に生き残りではなく勝ち残っていくためにも、市民の皆様とともに小野市の更なる飛躍を目指してまいる決意を改めて強くした次第であります。

2007年11月7日(水曜日)

加古川改修の要望と合わせ小野市の情報発信も行なってまいりました

先週10月30日、加古川改修促進期成同盟会の会長として、東京の国土交通省、財務省へ加古川の早期改修の要望に行ってまいりました。冬柴国土交通大臣とも面会することができました。

冬柴国土交通大臣と市長が握手をして正面を向いている写真

また、今回初めて、国土交通省河川局長ほか幹部職員との意見交換会も開催していただきました。自治体側からの出席者は、熊野川、紀の川、木津川、琵琶湖水系など近畿地区の河川改修・治水対策同盟会などの代表市町長のみであります。

加古川改修促進期成同盟会としても、従前からの要望事項の早期実施に加え、河川を取り巻く様々な問題について発言いたしました。加古川流域では、平成16年の台風23号による大災害に対して、いち早く西脇市域から上流部において河川激甚災害対策特別緊急事業を適用し、約150億円かけて整備が進められています。

この10年間、行財政改革の一環で、国の治水関連予算は40%も削減されました。全国的な異常気象の中で水害は頻発し、減らされた予算総額の中で、災害復旧関連予算は約4倍も増加しています。加古川流域でも治水予算の約50~60%が災害関連経費で占めています。

災害が起こってはじめて、多額の金額が投与され災害復旧にあたるということは避けるべきであります。昔から「水を治めるものは国を治める」といわれます。上流部が整備されると当然に中流部、下流部のリスクの増大が懸念されます。後手管理ではなく先手管理、すなわちPM(Preventive Maintenance)が重要であり、治水本来の十分な予防対策が必要であることも申し上げてきました。

一方で、治水対策を進めるためには、地域住民の川への関心が不可欠であります。小野市では、国土交通省の協力を得て、加古川の左岸約4キロメートルにわたる西日本最大級の「桜づつみ回廊」事業を実施していることをご紹介しました。堤防に植えられた桜の木はオーナー制で公募し、市民が末永く川に親しめるようにしております。何年か後には、西日本有数の桜の名所として、ニュース等で取り上げられることを大いに期待しています。国土交通省河川局からも高い評価を頂きました。加古川改修促進の要望と合わせて、しっかりと小野市の情報発信も行なってきたところであります。

2007年10月31日(水曜日)

2年後 平成21年「全国ハーブサミット 小野大会」開催!

2年後の平成21年5月30日(土曜日)と31日(日曜日)に、小野市で「第18回全国ハーブサミット」を開催いたします。

この「全国ハーブサミット」は、ハーブを活かした特色あるまちづくりを行っている自治体や関係団体との連携、交流を通して魅力あるまちづくりを推進していくことを目的として毎年開催されています。ハーブを使った様々な展示会や物産展、ハーブに関するフォーラム、花めぐりのツアーなどが行われています。現在、全国で32の自治体や団体が会員となっていて、これまでにラベンダーで有名な北海道の上富良野町やハッカの産地である北見市、県内では神戸市や淡路市などでも開催されてきました。そして、来年はオリーブで有名な香川県小豆島町で開催されます。

壇上に一人の人が立ち発言をしている発起人会の写真

先日、この「全国ハーブサミット小野大会」の開催に向けて“発起人会”を開催いたしました。発起人には兵庫県北播磨県民局をはじめ、小野市商工会議所、JA兵庫みらい、自治会長、小野市観光協会、更には市内の食育などに取り組んでおられる市民団体や、淡路の景観園芸学校にも加わっていただいております。
また、“発起人会”には神戸布引ハーブ園の安土園長さんや星川副園長さん、須磨離宮公園の高畑園長さんなど、県内のガーデニングやハーブに関係のあるグループの方にも多数お越しいただきました。

でも、「なぜ小野市で全国ハーブサミットが開催されるの?」「小野市とハーブはどのような関係があるの?」と思われている方も多いと思います。小野市の市花は「ひまわり」ですが、実はこのひまわりもハーブの一種であります。また、小野市では「ガーデニングシティおの」を目指し、ひまわりをはじめ、ローズマリーやオリーブなど100種類以上もの花やハーブを使った“色と香り”による“美しいまちづくり”を推進しています。

ボランティアの人たちがハーブなどを植栽している様子の写真

これまでに何度かご紹介をしてまいりましたが、市内では約200名の「ガーデニングボランティア」の方が、「ひまわりの丘公園」や市民活動の拠点施設である「うるおい交流館エクラ」周辺、市内の主要交差点や市境等に設置したポケットパークなどで活動を展開しています。今では、市内を彩る、花やハーブなどは、ほとんどが種からボランティアの手で育てられています。花や苗は、自治会や地域づくり協議会にも配られていて、各地域の公民館や公園、駅周辺に植えられるなど、市民が主体となった“美しいまちづくり”の実践が進んでまいりました。昨年1年間で市内に植えられた花の苗はなんと約13万本にもなっています。こういった取り組みは全国的にも珍しく、平成17年に行われた第14回全国ハーブサミット神戸大会で紹介され好評を得たこともあって、今回この大会を小野市で行うこととなりました。

市内各地にある、ラベンダーやハーブなどが植えられたポケットパークの写真

ハーブは鑑賞するだけでなく、我々の食生活に欠かせないものであります。普段は意識していませんが、よもぎや、薬味として使うねぎやしょうがなどもハーブの一種だそうです。こういったことから、この度、小野市で開催する全国ハーブサミットでは初めて、“食育”といったこともテーマとして捉え、農業振興や地産地消、健康な食生活、健康な暮らしづくりといった面からも、小野市全体が、健康で活力あふれる街となるような取り組みへと繋げてまいりたいと考えております。

具体的な内容はこれから検討していくことになりますが、多くの団体とも協力しながら、あの昨年の国体の民泊にも負けない、小野市でしか成し得ないオンリーワンの「全国ハーブサミット」として、全国からお越しになる皆さんをおもてなししたいと思います。お楽しみに!

2007年10月24日(水曜日)

大きく成長した市民力 更なる活躍に期待!

小野まつりで打ち上げられた色とりどりの花火の写真

今年、市長への手紙やメールなどで、市民の皆様から「今年の小野まつりの花火がとてもよかった」「感動しました、また来年も見にきたい」といったご意見を大変多くいただきました。

花火の打上げ当日は、これまでで最も多い約8万人の方にお越しいただきました。あの大阪のPL花火大会で穴場のスポットとして紹介されたこともあって、神戸や大阪などからも多くの方が来られ、会場周辺の道路も車や、人であふれかえりました。周辺の方にはご迷惑をおかけしたと思いますが、年に一度、小野市を広く情報発信できるという意味で、どうかご理解をいただきたいと思います。

この花火をはじめ県下最大の出場チーム数を誇る「おの恋おどり」など、「小野まつり」の事務局を、平成17年にこれまでの小野市役所からNPO法人の手に移しました。そして、企画から業者の選定、運営にいたるまで事務局とともに、公募による23名のボランティアで組織する「小野まつり検討委員会」の方々が中心となって行われています。この検討委員会のメンバーには、小野市以外にも加東市や西脇市、三木市などからも参加されています。

昨年までと違うのは、これまでは、花火の打上業者の選定はイベント会社に任せていたのを、初めてコンペ方式による競争を行い8社もの業者の中から選定したことであります。このような、花火のコンペを行うのは大変珍しいそうです。また、選定する側も、全員花火に関して知識のないボランティアの方ばかりであります。全て一からのスタートでした。花火の仕様書の作成からはじまり、業者の検討・審査、そして選定業者との打ち合わせなど会議の回数は約70回にも及んだそうです。

その結果、花火にかかった費用は昨年より安価に抑えることができ、かつ、花火の数は昨年より500発も増え、5万人規模の市としてはかなり多い3000発の花火大会となりました。しかも、花火の演出は大変素晴らしく、花火と音楽が一体となった幻想的な雰囲気を多くの人に楽しんでいただくことができました。

そして、この度、その花火を手がけた業者さんがなんと、歴史も権威もある茨城県の土浦全国花火大会で、見事に最高の賞である“内閣総理大臣賞”を受賞されました。いわば、今年の小野まつりで内閣総理大臣賞の花火をご覧いただいたようなものです。

このような業者を選んだ検討委員会は、見る目があったと思います。これまでの取り組みの中でその力量がかなりバージョンアップしたことを感じました。事務局や検討委員会の方々の小野まつりに対する熱き思い、そして、“市民力”に改めて敬意を表するとともに、これからの小野市にとって、大きな財産となることを確信した次第であります。

2007年10月17日(水曜日)

「白雲谷温泉ゆぴか」に岩盤浴施設を増設

白雲谷温泉ゆぴかの新たな岩盤浴施設の完成イメージ

「白雲谷温泉ゆぴか」で新たな岩盤浴施設の増築工事が始まっています。来年の5月には、いよいよ天然サンゴや、麦飯石(ばくはんせき)、溶岩石など、18種類もの天然石を使った岩盤浴施設がオープンします。

岩盤浴は、45~50度位に温めた天然の石の上にバスタオルなどを敷いて横たわることで、サウナ以上の発汗作用が得られ、「お湯を使わないお風呂」とも言われています。西洋や中国などで古代から伝わる健康法の一つとされていて、もともとは、火山の活動など地熱で熱せられた岩の上で寝ころび体を温めることから始まったようです。溶岩石などの天然石を温めることによって、遠赤外線が放出され、血行促進や保温、リラクゼーション効果など石の種類によって様々に違った効能があるとも言われています。

このように一度に18種類もの天然石を備えた岩盤浴施設は全国的にもめずらしいようで、民間施設でも一般的には5種類前後のところが多いようです。

この他にも、床暖房などにより高温に保った室内でヨガのポーズを行い、大量の汗を流して体内の老廃物を排出する今流行の“ホットヨガ”ができるスペースなども併設いたします。

ご存知のとおり、「白雲谷温泉ゆぴか」は、平成16年3月にオープンしました。そのお湯は、地下1,000~1,300メートルあたりの今から約1億年前ごろの地層から湧出したまさに太古からの贈り物であります。兵庫県衛生研究所の分析によりますと、太古の海水の塩分とともに断層深くからのナトリウムやカルシウムなどのミネラル分を温泉基準の10倍以上含んでいて成分の濃い優れた療養泉であるという評価を得ています。また、浴後には皮膚に塩分が付着して、汗の蒸発を防ぎ、保温効果がよく、「よく温まる温泉」でもあります。

このような優れた泉質が好評を得て、近隣に次々と新たな温泉施設がオープンする中でも、市内や北播磨地域はもとより、神戸、姫路、加古川方面などから来られる方も多く、オープン以来約140万人、年間約40万人以上もの方に楽しんでいただいています。

この「白雲谷温泉ゆぴか」に新たな付加価値が加わることで、人口の約50倍もの年間250万人以上が訪れるようになった小野市の観光拠点の一つとして、更なる魅力アップに繋げてまいりたいと考えております。

いよいよ秋の行楽シーズン到来です。ハイキングに秋祭り、運動会やスポーツなど、その後には是非「白雲谷温泉ゆぴか」へもお立ち寄りいただきたいと思います。

2007年10月10日(水曜日)

多くのご意見、ご要望ありがとうございました

今年も大変多くの「市長への手紙」をいただきありがとうございました。毎年、7月と8月はご意見、ご要望の強化月間としてこの「市長への手紙」を実施いたしておりますが、全部で210通、250件ものご意見をいただきました。

この「市長への手紙」は市長が単に皆さんからご意見を聞くだけの聞きっぱなしの目安箱ではありません。ねらいは2つあります。まず1つ目は、いうまでもなく、市民の皆様からの意見を市政へ反映させること、そして2つ目は、職員の問題解決能力の醸成であります。いわば、市民の皆さんから添削問題をいただき、それに対して、文書で回答するということは、アカウンタビリティ、つまり説明責任を果たし、そして、きちんと対応する能力を養うことであります。

小野市では、「情報は市民の財産」という認識のもと平成11年から「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を実施し、皆様からのご意見やご要望は、年間を通して市民サービス課で受付けております。今回の「市長への手紙」や、メール、電話など様々な方法でお聴きし、その都度コードナンバーを付けて内容をカードに記入しています。当然、私が直接お聞きしたものも、「受付者 市長」として登録しています。

そして、まず私が全て拝見させていただいたうえで、全庁的に検討して、「長期的に検討するもの」「短期的に実施するもの」、「直ちに対応するもの」、「国や県に権限があり市ではできないもの」、「住民自らが行なっていただくもの」、「対応できないもの」などに分類して対応しております。また、回答については、記名であろうと匿名であろうと、全てに文書で回答を作成し、私が全て内容をチェックしたうえで皆様にお返事するという仕組みを構築しています。

今回、「道路に歩道を設置してほしい」「街灯や防犯灯をもっとつけてほしい」といった交通安全や防犯など安全安心に関することや、「近くに子どもが遊べる公園を整備してほしい」といった子育て支援に関するご意見が多く寄せられました。この他にも、「小野まつりの花火はとても感動したけれども、いつもよりかなり多くの費用がかかったのでは?」「小野市にはいっぱい施設が増えて便利になったけれども財政は大丈夫なの?」といったご意見もありました。小野市がどんどん元気になってきたのを実感していただいている一方で、財政状況を心配されるご意見が目立ったのが今年の特徴でありました。

市の財政状況や取り組みなどは、広報や、このホームページなどを通して、その都度十分にご紹介させていただいていたと思っていました。しかし、まだまだ多くの市民の方に小野市の状況を理解していただけておらず、今後、もっと情報発信をして、我々の説明責任を果たしていかなければならないと感じた次第であります。

来月には「こんなこと言ってみたい こんなこと聞いてみたい!!」と題して地区別市政懇話会を開催いたします。小野市のことをもっと知っていただきたいと思いますし、聞いてみたいことや、ご提案があればどんどんと言っていただきたいと思います。明確な仕組みシステムが確立しているからこそ、ご意見の一つひとつが市民の大きな財産となります。皆さんのご参加をお待ちいたしております。

地区別市政懇談会の日程表

お問い合わせ

 小野市総務部市民サービス課
 電話番号 0794-63-1013

2007年10月3日(水曜日)

職務遂行能力の向上を目指した研究発表会開催!

先日、毎年恒例となっている「小野市職員研究発表会」を開催いたしました。平成16年から行っていて今年で4回目となります。職員が自主研修で市政に関して研究したことをパソコンのパワーポイントというプレゼンテーション用ソフトを使ってスクリーンに映し出し、多くの職員の前で発表して、その内容、技能を競うものです。

大きなスクリーンに映っているパワーポイントを沢山の人が見ている小野市職員研究発表会の写真

仕事が終わってからの勤務時間外で自主参加という形で行っていますが、年々参加者は増え、今年は昨年より約30人多い約300人の参加がありました。当初は職員や市議会議員さんだけでしたが、今では、NPOの職員や商工会議所などからも見に来られています。また、今年は以前小野市に視察に来られたことがある愛知県岩倉市の市議会議員さん4名も「小野市の取り組みをもっと参考にしたい」と遠くからお越しになりました。この他にも、加古川市、加東市、西脇市など近隣市の職員の方や、一般市民の方も来られていて、市役所や小野市の枠を越えた発表会に発展しています。

この研究発表会のねらいは3つあります。まず1つ目は職員の仕事に対するモチベーションを高めることであります。課題を深く掘下げ研究し、またその発表を聞くことにより、各自の仕事を今一度見直し、自己啓発への取組みや、仕事に対する動機付けを行っていくことであります。2つ目は市民に対して理解してもらうためにいかに解りやすい説明を行うかという職員の説明能力・プレゼンテーション能力の向上であります。そして、3つ目は、発表者のみならず参加した職員の知識の習得や公務遂行能力の向上であります。

発表は全部で5件ありました。(1)農業共済制度の仕組み、(2)小野市独自の取り組みである脳科学を取り入れた教育、(3)コミュニティバス“らんらんバス”についての検証、(4)小野市を取り巻く観光資源の活用、(5)消防における予防業務など、主に各自の仕事に関する内容でした。それぞれ絵や写真、グラフなどを用いて創意工夫を凝らし、いつでも市民に向けて説明やアピールをしていくのに使えるような大変解りやすい発表であったと思います。

こういった研究発表では、聞いている人たちにどう解りやすく説明するかということに加え、それぞれのテーマに関して問題点を見つけ出し、いかに深く掘り下げていくかということが重要です。困難な問題に対して、課題がどこにあるのか、その解決方法を探り、今後どうやってチャレンジしていくのかといったことを提案、アピールしていくことに研究発表の意義があると思います。

採点については、発表内容やパワーポイントの使い方、話し方や進行の仕方など、全部で15項目にわたるきちっとした採点基準を設けて採点しています。審査は私を含めた4名の特別職と市議会議長、そしてコミュニティセンターのパソコン教室の先生にも入っていただき専門家としての立場から技術的な面も採点しています。6名による採点の結果、教育委員会の職員による「脳を鍛え、人生を楽しく」についての発表が最優秀賞となりました。

毎年行ってきたことで、これまでの多くの発表が参考となり、職員のプレゼンテーション能力も驚くほどあがっています。見学に来られた市民の方からは、「こんなに立派な発表会を職員の前だけでやるのはもったいない」「もっと多くの市民の方にも見て欲しい」といった感想をいただきました。

顧客満足度志向を追求するうえで、市民に対し、解りやすく説明し、説得ではなく納得してもらうことは最も重要なことであります。この研究発表会がきっかけとなり、職員のモチベーションが高まるとともに、市民に信頼される職員となり、更なる市民サービスの向上へと繋がっていくことを期待しています。

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