2006年10月~12月分のバックナンバー

更新日:2022年02月12日

2006年12月27日(水曜日)

今年を振り返って

小野市では、「行政も経営」という基本理念のもと、「行政経営4つの柱」を基軸として行政運営を進めてまいりました。1つには、「市民=顧客」と捉えた「顧客満足度志向」であり、2つには、何をやっているのかではなく、何をもたらしたかという「成果主義」であり、3つには、ここしかないという小野らしさ追求する「オンリーワン」であり、そして、4つには、言われてからやるのではなく、言われる前にやる「後手から先手管理」への転換であります。

7年間で年間市税の約1.8倍に当たる約120億円の経費節減という徹底した行財政改革を実現し、市道舗装、下水道整備などの生活基盤の整備、「うるおい交流館エクラ」の建設や市内全地区のコミュニティセンターの改築など市民活動拠点施設の整備を進めてきました。今後は、市道の舗装だけでなく生活道路の完全舗装へ拡大を図っていきたいと考えています。

また、リバー(River)としての加古川、レールウェイ(Railway)としてのJR加古川線、ロード(Road)としての国道175号の「3R」を、あの毛利元就の「3本の矢」にちなんで「3本の川(3R)構想」と名付け、その周辺整備を進めてきました。西日本最大級の「桜づつみ回廊」の完成。小野八ヶ池自然公園「龍翔ドーム」の建設。オープン2年半で100万人の入湯者を達成した「白雲谷温泉ゆぴか」では、新たな温浴施設の増築にも着手します。

また、来年度に着手する粟生駅を含め市内JR5駅の改築と周辺整備も実施しました。JR加古川線の利用者数は年間5万人増加しましたが増加した60%は市内の駅からであります。今後、神戸電鉄樫山駅の整備も行う予定です。そして、国道175号沿いの「ひまわりの丘公園」は年間100万人以上の来園者で賑わい、ガーデニングボランティアによる美しい沿道づくりが進められています。

一方、安全安心のまちづくりのために全国に先駆けた「市民安全部」の創設。県下初の「小学3年生までの医療費の完全無料化」。市民病院の小児科医の充実。小中一貫教育「おの検定」などの先進的な教育。地域づくり協議会や各種ボランティア活動への活動支援。とりわけ、市民、観客、選手が一体となった「小野市流の感動国体」は、まさに「参画と協働」の大きな成果でありました。

また、今年は、全国各地から市長や町長さん議員さんの視察団が相次いで小野市へ来られました。平成16年度は16団体でしたが、平成17年度は45団体、今年度は12月までで55団体にも達しております。視察に来られる目的も、入札制度改革や方針管理制度、上下水道の一元化と民間委託、おの検定、議会運営、うるおい交流館エクラの管理運営、市民との協働と参画について…など様々でありました。多いときには1日に5件の視察が入ったり、1週間のうち4日間も視察の対応に追われる部署も出てくるなど業務に支障をきたすのではないかと案じる程でしたが、8年前のあの大事件のことを顧みると、このように小野市の知名度が上がってきたことを大変嬉しく思っております。

8年前、「変えよう小野、変わろう小野市」という決意で市政運営に邁進してまいりましたが、「市民の意識も変わり、市の行政も変わり、その結果、小野市も少しは変わってきた」と感じておりますのは、決して私だけではないと思っております。これも市民の皆様方のご理解、ご協力があったからこそであると深く感謝致しているところであります。

いよいよ年の瀬も押し迫り、今年も残すところあと僅かとなりました。
皆様にはくれぐれも健康にご留意され、輝かしい新年をお迎えいただきますことをご祈念申し上げ、年末のご挨拶と致します。

2006年12月20日(水曜日)

また、新たな交流の拠点施設完成!「八ヶ池自然公園」と「龍翔ドーム」

大きなドーム形の建物がある小野八ヶ池自然公園の写真

JR青野ヶ原駅の近くを通りますと、西側に一際目を惹く建物がご覧いただけると思います。一昨年から整備を進めてまいりました「小野八ヶ池自然公園」そして、「龍翔ドーム」がついに完成いたしました。この「小野八ヶ池自然公園」は、ハイキングや散策などが楽しめる「かわい快適の森」の起点となる場所で、市内でも有数の大きさを誇る八ヶ池に面し水と緑に囲まれた大変自然豊かな公園です。

隣接する「かわい快適の森」では地元の約200名以上の方が森林ボランティアとして紅葉を植えたり、下草を刈るなど熱心な活動をされておられますが、その中で、恵まれた自然環境を生かして、人々の交流の拠点や憩いの場を整備してはどうかという提案が出てまいりました。また、これまでにも約5千通を超える市長への手紙などで市民の皆様からの「雨天でも使用できる屋根付きの広場を造ってほしい」といった要望が多く、この「龍翔ドーム」を整備するのにあわせて、地域住民の方も一緒になって公園の整備計画を立てていただきました。

ここには、アスレチックをはじめとしたさまざまな遊具がそろった「こども広場」、水遊びなどができる「親水池」、砂入りの人工芝を敷き、フットサルコートが1面、ゲートボールだと2面とれる広さの屋外グラウンドなどを設けています。小さな子どもさんからお年寄りの方まで幅広く楽しんでいただける公園となっています。

人工芝がひかれ屋根がテント膜構造になっている龍翔ドームの写真

また、公園内にある「龍翔ドーム」は、施設全体がドーム形をした屋根付の多目的広場であります。この地域に昔から伝わる龍伝説に例え、龍が天に昇るように人が集い、地域の中核施設として発展することを願って地域の方々により名付けていただきました。その外観も龍の“うろこ”をイメージしたような、斬新なデザインで、アリーナ中央の屋根はテント膜構造になっていて、昼間は太陽の光を取り入れ、夜間は施設内の照明により、施設全体が浮かび上がったような幻想的な雰囲気になります。そして、こちらも床面には人工芝を敷き、屋外グラウンドと同じ広さがあります。屋内、屋外両方を組合せフットサルやゲートボールを中心に様々なスポーツ、文化行事などに利用していただけます。

市内にはこれまでにも、年間100万人が訪れる「ひまわりの丘公園」をはじめ、「きすみの見晴らしの森」ハイキングコースの整備、オープンしてからわずか2年半で100万人の入浴者数を突破した「白雲谷温泉ゆぴか」、芝とクレーの両方のコースを備えたグラウンドゴルフ場がある「こだまの森」なども整備してまいりました。これらの施設と同様に、「八ヶ池自然公園」と「龍翔ドーム」が多くの方に愛着をもって、そしていつまでも楽しんでいただける施設となることを願っています。

また、現在、小野市におきましては、加古川沿いに約4キロメートルにわたり、西日本最大級の「桜づつみ回廊」を整備中でありますが、この「小野八ヶ池自然公園」でも堤防を利用したウォーキングロードとともに、“水仙”を一帯に植え北播磨最大の水仙郷を目指した整備も徐々に進めています。「小野八ヶ池自然公園」一帯が、小野市だけではなく北播磨地域を代表する新たな観光地となり、多くの方々の交流の拠点として更なる賑わいがもたらされることを願っています。

「龍翔ドーム」の使用は、来年1月に受付けを開始し、2月から一般に使っていただける予定です。皆様のご利用をお待ちいたしております。

2006年12月13日(水曜日)

小野市の10大ニュース決定!

平成18年の小野市の10大ニュースが決定しました。

  1. 「みんなが主役の小野市流の感動国体!」~のじぎく兵庫国体の開催~
    子どもからお年寄りまで、延べ1万人以上の市民の方に様々な形で協力していただきました。特に“民泊”を行ったことで、市民、観客、選手が一体となった小野市流の感動国体を実現することができました。この国体がきっかけとなって地域住民どうしの新たな交流も生まれ、参画と協働は更に発展しようとしています。
  2. 県下で初めて小学3年生までの医療費完全無料化
    他市の方から「小野市での小学3年生までの医療費の無料化をうらやましく思います」といったご意見や、市民の方からも「子育て支援がゆき届いているので毎日安心して働くことができます」といったご意見を頂きました。また、小野市民病院では、北播磨地域での小児救急拠点病院となったことにあわせ、北播磨地域では一番多い7名の小児科医により診療体制の充実を図るとともに、院内学級も設置しております。小児科の充実や子育て支援をばらばらに考えるのではなくリンケージした問題と捉え、引続き様々な施策を展開してまいりたいと考えております。
  3. 小児科・眼科の北播磨の拠点病院に指定(小野市民病院)
    その小児科に次いで、眼科でも北播磨地域の拠点病院に認定されました。北播磨では最も多い4名の眼科医により小児科、眼科に特化した特色ある病院経営を推進しております。加えて、経営改善も進め、黒字経営への転換を実現いたしました。
  4. 全国から注目!「おの検定」
    基礎学力の向上を目指した小野市独自の小中一貫教育の「おの検定」。NHK、朝日小学生新聞でも紹介されたほか、文部科学省からも先導的な取り組みとして高い評価をいただきました。また、テレビなどでもおなじみの東北大学のあの川島隆太教授にも賛同をいただき、小野市の教育行政顧問としてアドバイスもいただいています。その効果も目に見える形で数字に表れてまいりました。更に、年間5000人以上の市民の方も受験され、市民の生きがいづくりや、認知症の予防など脳の健康づくりへも広がっています。
  5. 旭丘中学校女子駅伝チーム5年連続近畿中学校駅伝競走大会出場
    ~2年ぶり3度目の優勝~
    今年は、惜しくも全国大会出場は逃しましたが、年々培われきたその素晴らしい伝統を引き継ぎ市民に勇気と感動を与えてくれています。
  6. 「白雲谷温泉ゆぴか」100万人達成
    各地で次々と新しい温泉がオープンし、近隣全ての市町に温泉ができた中で、オープンしてから2年半という最も短い期間で100万人を達成しました。
  7. 小野八ヶ池自然公園に「龍翔ドーム」が完成
    市民からの特に要望が多かった雨天でも利用が可能な多目的広場。床面には人工芝を敷き様々なスポーツや文化行事に利用できます。いよいよ、今月16日(土曜日)に竣工式を行い、来年から使用が可能となります。
  8. らんらんバス 高齢者・子ども運賃の無料化と乗客数の大幅アップ
    利用者数は昨年と比べ40%以上アップ、乗車数は延べ11万人を突破しました。今後、交通弱者が益々増えていく中で、市民の足として定着してまいりました。
  9. 日経パソコン誌調査 e都市ランキング2006で全国1613自治体中20位にランキング 兵庫県下では第2位
    平成15年は44位、平成16年46位、平成17年46位、そして、平成18年は20位となりました。年々調査項目も見直される中、時代を見越した情報化の推進を図ってまいりたいと考えております。
  10. 災害に強いまちづくり ~ハザードマップ・防災備蓄倉庫完成~
    小野市では平成15年に近隣市で一番早く災害時におけるハザードマップを作成しておりましたが、新たに台風23号の被害状況なども加えた小野市洪水ハザードマップを作成しました。また、これまで様々な公共施設などで保管していた発電機や毛布、非常食など防災関連の備蓄品や水防関連の資機材を一元管理し迅速な資機材の調達を図るとともに、県が公表している山崎断層地震の被害想定に基づき約2300人分を備蓄する予定です。市が率先して取組むことで、次々と自主防災組織も立ち上がり、市内に90ある自治会のほぼ全てで組織されるなど市民の間でも防災意識は高まっています。

この他にも、JR加古川線4駅の周辺整備の完了や、それに伴いJR加古川線の利用者数が年間5万人も増加しましたが、その60%は市内の駅からであります。また、ALT(外国語指導助手)の全小学校への配置、ネット公売の実施、などもありました。このほかにもご紹介したい項目はまだまだたくさんあります。こういった数々の取り組みが注目を浴び全国各地から小野市へ来られる行政視察の数も年間50団体を超えるまでになったことも大きなニュースであります。行政関係者だけではありません。市民の行政への関心も高まっており、これまでに寄せられたご意見ご要望など市長への手紙は延べ約5000通を超えております。

今後も引続き市民の皆様の声に真摯に耳を傾け、「住んで良かったと思えるまち、住んでいることを誇りに思えるすばらしいまち」すなわち『21世紀のエクセレントシティおの』の実現を目指して、市民の皆様とともに小野市の新たな1ページを綴ってまいりたいと考えております。

なお、10大ニュースについては、詳しくは新年1月号の広報をご覧ください。

2006年12月6日(水曜日)

ますます活発に! 地域づくり協議会活動

市役所前に飾られているクリスマスツリーなどのクリスマスイルミネーションの写真

今、市役所前の広場では青と白の発光ダイオードで作られた高さ14メートルのクリスマスツリーをはじめ、約14万個ものイルミネーションが輝いています。ちょうど市長室からも見ることができ、夜になると綺麗な光景が窓の外に広がっています。
また、12月9日(土曜日)と23日(土曜日)には19時からコミュニティホールで、ミニコンサートとカフェも行われます。是非、皆さんもクリスマスの雰囲気を味わいにお越しいただきたいと思います。

この、クリスマスイルミネーションとコンサートは、小野地区の地域づくり協議会が中心となって実施されているものです。
地域づくり協議会は平成16年に市内6つの地域で発足しました。地域住民の方々によって運営され、それぞれの地域の活性化を目指して自主的に様々な事業を展開されています。
小野市では、その仕組みづくりとして、平成12年からコミュニティセンターを順次リニューアルして地域における市民活動の拠点施設として整備をしてまいりました。そして、そこを拠点に意欲ある活動をされている各地域づくり協議会に対して、用途を規制せずにその活動費の助成を行ってまいりました。平成16年度には1地区100万円、平成17年度には200万円へ、そして平成18年度には300万円に増額したものです。

こういった支援を行政が行うことにより、地域の方々が規制にとらわれない、すなわち、それぞれの地域が自らの自由な発想をもって取組まれ、年々その活動は活発になっております。

例えば、河合地区や、来住地区では地域の自然を活用した「かわい快適の森フェスタ」や「きすみの山の祭り」が行われましたが、地域内だけにとどまらず市内各地から市民が集まるイベントとなり昨年以上の賑わいが生まれています。
また、小野地区では、小野藩陣屋町の歴史遺産を活用した「おの陣屋まつり」は、昨年2万人近い人で賑わいましたが、今年度は新しい催しを増やされるなどより盛大なものにする計画(来年3月開催予定)をされているようです。大部地区では今週末、12月10日(日曜日)に広渡廃寺跡の歴史公園を利用して、地域の方々が様々な模擬店などを出す「おおべのショー(荘)」が行われます。
市場地区でも地域の方々の手による模擬店や、芸能サークルなどの発表会を行う「いちばふれあいの祭典」が行われました。
下東条地区では、地域をあげて行っている夏祭り、体育祭、ソフトボール大会、バレーボール大会などが更に規模を拡大して行われています。

こういったイベントだけではありません。子どもたちを守る「児童見守り隊」や、地区内のパトロールを行う「安全パトロール隊」を発足する協議会も出てまいりました。
更に、今年は国体が開催されたことにあわせ、各地区では、駅や公共施設などに花の植栽を行う、花いっぱいの美しいまちづくり運動が行われましたが、クリーンキャンペーンの回数を増やされたり、ゴミの不法投棄防止の看板を設置されるなど地域の美化、環境全般にまでその活動は及んでいます。この他にも、広報誌を発行されたり、ホームページを開設しようとされているところもあり、平成18年度は昨年より12件も多い47件の事業が行われています。延べ参加人数も16年度は約24,000人だったのが、17年度は2.3倍の約56,000人、そして18年度は更に増える見込みです。

地域づくり協議会の発足から3年近くがたち、「ことおこし、ものおこし、そしてそれらを支える人おこし」の「3つのおこし」が継続して行われてきたことで、様々な取り組みに対するノウハウも蓄積され、徐々にその成果が出てまいりました。加えて、今年は国体が開催され、民泊を行ったことで地域のコミュニティがますます発展する大きな起爆剤となりました。
多くの人達によって造られたこのクリスマスツリーを眺めながら、キラキラと光る情景の中に、市民自らが考え、そして自ら活動をするという地域づくり活動をとおして、市民の皆様が明るく輝き、ますます元気な小野市となることを願うと共に、「新たな創造と変革」への思いを更に強くしたところです。

2006年11月29日(水曜日)

更なる定住人口の増加を目指して ~大島土地区画整理事業が完了~

先週11月25日に「大島土地区画整理組合」の解散総会が行われ、小野市で4つ目の土地区画整理事業が完了しました。この大島地区は、小野市の中心市街地の南西部に位置し、神戸電鉄小野駅やJR小野町駅に近く交通の利便性に優れ、また、学校などにも近く、宅地としてのポテンシャルが非常に高い地域であります。そのような好条件を生かして、大島地区の地権者が平成12年に土地区画整理組合を設立され、約15ヘクタールもの区域で、自らをもって主体的に新しいまちづくりを行政と共にスタートしたものであります。

区画整理事業においては、全国的に見てもその保留地がなかなか売れない状況にあって、破綻するところもあります。兵庫県でも現在34地区において組合施工により区画整理事業が行われていますが、約3分の1で10年以上が経過しており、20年近く経ってもその保留地が売れずに事業を終えることができないといったところもあるようです。

そのような中にあって、小野市では、これまでにも神戸電鉄小野駅周辺地区や黒川地区、黒川南地区等約40ヘクタールにおいて区画整理事業が進められてまいりました。それぞれの地区ではその保留地も完売し、まちの形成も進み、すでに400軒以上の家が立ち並んでおります。また、アメニティくろかわの分譲地では31区画中すでにあと1区画を残すのみとなりました。そして、現在、新たに王子町でも約8ヘクタールで王子南土地区画整理事業がスタート致しました。

土地区画整理事業をはじめとしたまちづくりは、ハード面の整備だけで成り立つものではなく、そのまちの魅力、すなわち、そこに住みたい、住んでよかったと思っていただけるような行政の施策と一体となった事業であることは言うまでもありません。

一方、小野市では、今年から若い世代における子育て支援策として、県下の市では初めて小学校3年生までの医療費の所得制限なしの完全無料化を実施致しました。教育の面でも小野市独自の「おの検定」は子どもの基礎学力低下が懸念される中での先導的な取組みとして、文部科学省から高い評価をいただくとともに、その成果も目に見える形で表れてきています。また、市内には、年間100万人を越える「ひまわりの丘公園」をはじめとして、先月オープンしてからわずか2年半で100万人を突破した「白雲谷温泉ゆぴか」や、市民自らの手により市民活動、文化活動等が活発に展開されている「うるおい交流館エクラ」などもあります。それらを中心に市内だけでなく市外からも多くの方が来られるようになり、その数は実に市の人口の50倍以上の260万人を突破しています。更に、「小野工業団地」、「小野流通等業務団地」においても充足率が100%となり産業、雇用の面でも賑わいが生まれ、現在、工業団地の拡張についても検討を進めているところです。

地域と行政が一体となったこれらの取組みにより、昨年の国勢調査では、近隣市の人口がどこも減少した中にあって、この北播磨地域では小野市の人口だけは僅かですが更に増加しているのが実状であります。

約5,000通を超える「市長への手紙」などでも「小野市に住みたい」「小野市に住んでよかった」といったご意見も多く寄せられています。そのような皆さんの声にお応えするためにも、今後も引続き良好な住環境の整備を行い、更なるまちの賑わいづくり、誇りづくり、愛着づくりを三位一体で進めてまいりたいと考えております。

2006年11月22日(水曜日)

市民の力による小野市流感動国体。今後は地域の更なる活性化の原動力に

大きな感動と興奮のドラマを残した国体が終わり、2ヶ月近くが経ちました。現在、それぞれの民泊協力会では、反省会を兼ねた集会が開催されています。「市長さんも是非に」と声をかけていただき、各地区へお礼にお伺いさせていただいていますが、どの民泊協力会でも、「せっかく「民泊」に向けて心を一つにして一致団結して取り組んだのだから今度はその力を地域づくりに生かしていきたい」という思いをお聞きしました。

協力をいただいた市民の方からも多くの感想をいただいています。先日も、こんなお手紙を頂戴いたしました。「この度国体で、選手2名の民泊をさせて頂きましたものです。今年度初めに民泊協力会会長より民泊のお話があり、不安ながらにもみなさんの助けが出来ればと思い引き受けました。日が近づくにつれ一層の不安と引き受けた事への後悔の日々でしたが、いざ国体が始まり終わってみると日の経つことの速いことと、選手たちが帰った後の淋しさと空虚感は言葉では言い表せない程のもので、妻も私もせみの抜け殻のようになっているこの頃です。こんな素敵な経験をさせて頂いた皆様に感謝、感謝です。「一期一会」の素晴らしさを改めて知りました。素敵な思い出が出来たこと、不安があったけれど引き受けて良かったこと、感謝の気持ちを市長様に分かっていただきたく手紙を書いてしまいました。また何か地域に貢献できることがあればやっていきたいと思います。」

こういった声を聞くたびに、あの感動がよみがえるとともに、「本当に「民泊」をやってよかった。「小野市流の感動国体」をありがとう。」そんな思いであります。
この他にも、「来年の秋田国体に行って、もう一度国体の感動を味わいたい」「せっかく沢山の仲間ができたのだから、今後もいろいろな活動に参加したい」「受け入れた選手たちとの交流を続け、地域ぐるみの交流の輪を広げていきたい」など、どの民泊協力会からも同じような思いをお聞きしました。また、「みんなで協力して花を植えたあの経験が楽しかった」と新たにガーデニングのボランティアグループに入られた方もおられます。

国体をきっかけとして生まれた地域住民どうしの新たな交流や、参画と協働は更に発展しようとしています。「民泊」という大きな賑わいづくりを市民の手により実現できたことで、多くの方々に、地域への誇り、そして、愛着が生まれつつあるように思います。皆様の「今後は地域づくりに生かしたい」という熱い思いを小野市の更なる活性化に繋げてまいりたいと思います。

2006年11月15日(水曜日)

加古川流域6市を代表して国へ要望に行ってきました

先週、加古川改修促進期成同盟会の会長として、東京の国土交通省、財務省へ加古川の早期改修の要望に行ってきました。ご存知のとおり加古川は上流部から西脇市、加東市、小野市、三木市、加古川市、高砂市を経て瀬戸内海に注ぐ、総延長96キロメートルの兵庫県で一番大きな河川です。一級河川であるため、その管理は国である国土交通省が行っています。

近年、徐々にその改修工事も進み、昔に比べて随分と水害も減ってまいりましたが、無堤地区を含めまだまだ改修を行わなければならない所も多くあります。そういったこともあって、毎年7月と11月には、6市を代表して、築堤や、川の容積を増やすため川底の土砂の除去、など、それぞれの市の意見を取りまとめ、国土交通省や大阪の近畿地方整備局、また、財務省等へ要望を行っています。国土交通省では、大臣をはじめ技監、河川局など20箇所以上の要望を行います。

今回、事前に冬柴大臣は国会があって出会えないと聞いていたのですが、国土交通省に着いたとき、ちょうど国会に向かわれるため公用車に乗られたところでした。冬柴大臣とは以前から面識があったこともあって、私の姿を見て、「やあ、やあ」と言ってわざわざ車から降りていただき大変恐縮いたしました。

このように、毎年要望活動を行っていますが、特に、一昨年の台風23号では、加古川流域では大規模な災害が起こりましたが、直ちに国土交通省や関係省庁へ出向きました。その結果、死者も出るなど最も被害の大きかった西脇市では、いち早く約150億円の予算がつき、平成16年から6年間にわたり築堤工事や、河川の掘削工事が行われています。また、加古川市や加東市でも川底に堆積した土砂の除去や、河川敷きの樹木の伐採等が行われる予定です。樹木の伐採などを行うと水鳥などに影響が出るといった意見もありますが、大学教授などの専門家の意見では、今、河川敷に生えている木は本来森に生えている木であって、そこに住んでいる鳥たちも水鳥ではなく野鳥であるために生態系には影響がないということでした。

また、申し上げるまでもなく、小野市についての要望も行っています。台風23号では加古川、東条川の増水により河合、来住、市場、下東条地区で半壊、床上床下浸水の被害が多数発生しました。そういったことから、国のほうでは昨年は加古川と万願寺川の合流地点や東条川との合流地点での川底の土砂の除去や、樹木の伐採が行われました。更に、加古川と万勝寺川の合流地点で護岸工事も行われました。そして今年は、加古川の下大部から葉多町にかけて土砂の除去や樹木の伐採、護岸工事がもう間もなく行われます。また、懸案であった無堤地区である市場町の広島地区においても一部で築堤工事が始まる予定です。

今年の7月には、一昨年の台風23号と同程度の降雨量があり大変心配しましたが、このような整備のおかげで大事には至りませんでした。

下流域の市長さんからは、「災害などもあって上流で先に改修が進んだため、流速が早くなり、下流域でゴミがたまりやすくなった。ゴミを捨てないでほしい」という声もあります。河川に関する問題は影響も大きく1市だけの問題にとどまりません。それぞれがバラバラに活動するのではなく、関連する市が協力して取り組んでいくことも大事であります。小野市の行政運営だけではなく、このような広域的な立場での取組みも行っています。

2006年11月8日(水曜日)

年々レベルが向上!職員研究発表会

先日、小野市職員研究発表会を開催いたしました。職員が自主研修で市政に関して研究したことをパソコンのパワーポイントというプレゼンテーション用ソフトを使ってスクリーンに映し出し、多くの職員の前で発表して、その内容、技能を競うものです。仕事が終わってからの勤務時間外で行っていますが、職員だけではなく市議会議員や、NPOの職員、商工会議所からも自主的に聴きに来られるなど市役所の枠を越えて、昨年より70人以上も多い約250名の参加となりました。

この研究発表会のねらいは3つあります。まず1つ目は職員の仕事に対するモチベーションを高めることであります。課題を深く掘下げ研究し、またその発表を聞くことにより、各自の仕事においてその果たしうる役割を見直し、自己啓発への取組みや、仕事に対する動機付けを行っていくことであります。また2つ目は市民に対して理解してもらうためにいかに解りやすい説明を行うかという職員の説明能力・プレゼンテーション能力の向上であります。そして、3つ目は、発表者のみならず参加した職員の知識の習得や公務遂行能力の向上であります。

今回、発表は全部で5件ありました。「安全安心パトロールの成果と今後の展望」、「おの検定の活性化をめざして」、「生涯スポーツの更なる展開」、「これからの土地区画整理事業」、「職員全員に税金の広報マンとなってもらうための住民税の基礎知識」など各自が現在行っている仕事に関しての発表でしたが、テーマについてわかりやすく説明をした説明型のプレゼン、課題を見つけ出し問題提起を行った課題抽出型のプレゼンなど、発表方法はそれぞれ創意工夫を凝らしたものでした。パワーポイントを使ったのが初めてという職員もいましたが、それぞれに、絵や写真、ビデオ、グラフなどを用い、解りやすい発表であったと思います。どれも一度市民の皆様にも見ていただきたいような内容ばかりでありました。

こういった研究発表ではどれだけ問題点を深く掘り下げて、それをどう聞いている人たちに解りやすく説明するか、また、自分がどれだけそのことについて理解しているかといったことが重要となってきます。
そのためには、それぞれのテーマに対してPDCAのCすなわちチェックをどううまく使うか、いかに深く問題点の掘り下げをやるか、そして課題の抽出力、これからの課題がどこにあって、これからどうやってチャレンジしていくのかといったことがポイントとなってくると思います。

採点については、そういった発表内容やパワーポイントの使い方、話し方や進行の仕方など、全部で15項目にわたるきちっとした採点基準を設けて採点しています。審査員は私を含めた4名の特別職、市議会議長に加え、今年は市民の方からもコミュニティセンターのパソコン教室の先生に入っていただき専門家としての立場から技術的な面も採点していただきました。6名による採点の結果、僅差でしたが、税務課の職員による「TAX広報マン=サイフにひびく税制」についての発表が最優秀賞となりました。

こういった発表会を行うことによって、職員のプレゼンテーション能力も年々驚くほどあがってまいりました。市民に対し行政のアカウンタビリティつまり説明責任を果たす中で、解りやすく説明し、市民に聞いてもらい、理解してもらうことは行政の大切な使命であります。この研究発表会をとおして、それぞれの職員が市民に信頼される職員となり、更なる市民サービスの向上へとつながっていくことを期待しています。

2006年11月1日(水曜日)

小野市への行政視察が急増!でも、そんな甘いものでは…

小野市に来られる視察団がどんどんと増えてまいりました。「新聞で小野市の入札制度改革についての記事を読んだ。自分達の市でも参考にしたい」、「小野市長さんがパネリストとして出演されていたフォーラムに参加していたが、感銘を受けた。小野市に行財政改革の研修に伺わせてほしい」といった、全国各地の市や町の首長さんをはじめ議員さんからの視察の申込みは、平成16年度は16団体でしたが、平成17年度は45団体、今年度はもうすでに42団体となっています。

視察に来られる目的も、入札制度改革や方針管理制度、上下水道の一元化、おの検定、議会運営、うるおい交流館エクラの管理や運営、市民との協働と参画について…など様々であります。

最近の分を少しご紹介いたしますと…

小野市への視察日程の表組

小野市では兵庫県下29市の中で市民100人あたりの職員数が、最も少ない人数で仕事をしております。そのような中で、多いときには1日に5件の視察が入ったり、1週間のうち4日間も視察の対応に追われる部署もでてまいりました。また、視察に来られた方の中には、「是非もう一度視察に伺わせてほしい」「今度は他の議員さんも一緒に連れてきたい」と言われるところもあります。

これだけ視察が入ってまいりますと、その対応に追われて市の業務に支障をきたすのではと案じるほどで、これ以上の視察はご勘弁いただきたいというのが正直なところであります。実際、あまりにも多すぎて対応しきれずにお断りをしているような状況です。
私自身、人口わずか5万人の小さな市で身の丈にあった改革を進めてきたにすぎませんが、このような反響の大きさに大変驚いています。

これからの地方自治体は、好むと好まざるとにかかわらず自治体間競争に生き残りではなく勝ち残るための行政運営の力量が問われる時代を迎えています。視察に来られる方も十分にご理解をいただいていると思いますが、「行政もまさに経営」であり、一片だけをとらえ、自分達も同じようにやってうまくいくといったようなそんな甘いものではありません。視察に来られる中には、人口2~3万人の町から人口何十万人といった大きな市もあります。加えて、地域にはそれぞれに特徴もあり、また歴史、風土、習慣、市民意識といったバックグラウンドも異なっています。

市政運営においては、まず何よりも「画一的横並びの仲良しクラブ」から脱皮し、その地域の良さ、持ち味を追求していくことが最も重要ではないかと考えております。
今後も小野市の持っているポテンシャルを最大限活かして、現状に満足することなく「もっと変えよう小野、もっと変わろう小野市」という思いで「新たな創造と変革」にチャレンジし続けてまいりたいと思います。

2006年10月25日(水曜日)

「市長への手紙」回答までの処理日数が大幅に短縮!

市内40箇所に設置いたしました「市長への手紙」、今年も多くのご意見・ご提案をいただきありがとうございました。毎年7月・8月にご意見・ご提案の強化月間として実施をしていますが、今年は、昨年度より97件も多い298件、246通のご意見をいただきました。

今回の「市長への手紙」は、女性からが54.1%(133通)、男性からが27.6%(68通)で、特に女性から多くいただきました。また、その中でも、20~40代の女性のご意見が全体の30%以上も占めていて、幼稚園や保育所などの育児支援に関することや、医療、道路、公園、図書館、交通安全といった生活に密着したご意見が多く寄せられました。中には新聞記事などを見られて、他市の方から「小野市での小学3年生までの医療費の無料化をうらやましく思います」といったご意見や、市民の方からも「子育て支援がゆき届いているので毎日安心して働くことができます」といったご意見もありました。

また、それぞれのご意見に対して、各部署が回答を作成するのに要した日数も昨年度の平均5.6日から3.8日へと大幅に短縮されました。職員一人ひとりの顧客満足度志向に対する意識や、一般の市民の方に対してわかりやすい文章を作成するという能力も向上してきたのではないかなと思っています。

この「市長への手紙」は単なる聞きっぱなしの目安箱ではありません。ねらいは2つあります。まず1つ目は、いうまでもなく、市民の皆様からの意見を市政へ反映させること、そして2つ目は、職員の問題解決能力の醸成であります。いわば、市民の皆さんから添削問題をいただき、それに対して、文書で回答するということは、アカウンタビリティ、つまり説明責任を果たし、そして、きちんと対応する能力を養うことであります。

小野市では、「情報は市民の財産」という認識のもと「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を実施し、皆様からのご意見は、年間を通して市民サービス課で受付けております。今回の「市長への手紙」や、メール、電話など様々な方法でお聴きし、その都度コードナンバーを付けて内容をカードに記入しています。そして、まず私が全て拝見させていただいたうえで、全庁的に検討して、「長期的に検討するもの」「短期的に実施するもの」、「直ちに対応するもの」、「国や県に権限があり市ではできないもの」、「住民自らが行なっていただくもの」、「対応できないもの」などに分類して対応しております。また、回答については、記名であろうと匿名であろうと、全てに文書で回答を作成し、私が全て内容をチェックしたうえで皆様にお返事するという仕組みを構築しています。

「市長への手紙」の期間中は、私の机の上に、届いた手紙やその回答が山のように積まれています。皆さんに少しでも早くお返事を差し上げたいと思い、コピーをとって移動中の新幹線の中で目を通したり、場合によっては出張先のホテルにファックスを送ってもらったりしています。また、回答の中で、「この担当は○○課ですので○○課に聞いてください」といった他人任せのようなものは「ダメ」と、書き直しをさせています。
全てに目を通し、対応策を指示し、回答を行うことは実際のところ大変なんですが…。

これまでにいただいた、皆様からのご意見は5,000件を超えています。きちんとした広聴の仕組み、システムが確立しているからこそ、ご意見の一つひとつが大きな財産となっています。ご意見、ご要望等がありましたらいつでもお申出下さい。

2006年10月18日(水曜日)

大学、地域、行政が共同で開催。特別展「太閤秀吉と河合郷」

現在、小野市立好古館において、特別展「太閤秀吉と河合郷」を開催しています。この特別展は、昨年の「青野原俘虜収容所の世界」に続いて神戸大学や河合地区地域づくり協議会と共同で取組んだ成果発表としての展示会第2弾です。

小野市ではこれまでにも、好古館を中心に平成14年から毎年地域と連携して文化遺産の掘り起しと、その成果発表としての展示会(平成14年度 阿形展、15年度 中番展、16年度 黍田展)を開催してきました。このような地域と連携した企画展は、全国の博物館などではあまり例のない取組みだそうで、文化庁からも高く評価されていると聞いています。

また、このような取組みを神戸大学の方からも評価していただき、昨年、神戸大学と社会文化に関わる連携事業を進めるための包括協定を結びました。小野市にとって大学との初めての包括協定で、また、神戸大学にとっても自治体との包括協定第1号と伺っています。単なる協定で終わってしまうのではなく、その成果を目に見える形で継続して発表できたことをうれしく思っています。

今年のNHK大河ドラマでは土佐藩の藩祖山内一豊をテーマにした「功名が辻」が放送されていますが、今回の特別展はまさにその時代の人々の生活や河合地区に残る豊臣秀吉とのかかわりなどを表した資料などを展示しています。

特別展「太閤秀吉と河合郷」に展示されている大きな渡し船の太閤丸の写真

今から約400年前、羽柴秀吉が三木城に立て篭もった別所氏を攻めるため、河合の地に軍を進めましたが、この時、加古川を渡るのに地元の船頭がいかだを出すなどの手助けを行ったそうです。喜んだ秀吉は船頭達の人夫役を免除し、渡し舟の運行の権利を与えています。これが新部の渡しのはじまりといわれています。新部の渡しは別名「太閤渡し」とも呼ばれ、代々「太閤丸」と名づけられた渡し舟が昭和30年代まで運行していました。実際に使われていた舟なども展示しています。

特別展では、このような河合地区に伝わる秀吉の伝承や加古川の水運の歴史の他にも、地元の小学生や中学生が自分達でテーマを決め、夏休みを利用して地域のお年寄りから聞き取りを行ったり、実際に史跡を訪ねて調査を行った“地名の由来”や“地域の歴史”などの展示もあわせて行っています。

行政と地域住民との連携に大学の高度な知識と指導が加わることで、地域のことをより深く知るとともに、その良さを再発見することにも繋がったものと思っています。

この取組みは、単に歴史調べや展示会を行なったというだけではなく、小中学生から高齢者の方までが展示会という目標に向って、共同で活動することによって世代間の交流が活発になるなど、活動過程も参加した方たちにとって貴重な体験となったことと思います。このような活動を通して、地域への誇りが生まれ、更に自分達の生まれ育った故郷への愛着づくりへと繋がっていくことを願っています。

この特別展は11月26日(日曜日)まで行っています(ただし、月曜日休館)。
皆さんも豊臣秀吉や山内一豊が活躍していた時代へタイムスリップしてみませんか。是非、好古館へお越しください。

2006年10月11日(水曜日)

感動をありがとう。「小野市流の感動国体」

スピード、高さ、パワー溢れる国体「成年男子6人制バレーボール」競技が幕を閉じました。小野市中が燃えに燃えた4日間でした。

小野市総合体育館アルゴで開催された国体で満員の観客席の写真

会場となった小野市総合体育館アルゴでは、随所で日本一を目指した迫力プレーが展開され、どの試合も観客席は満員で、民泊協力会を中心に白熱した応援合戦が繰り広げられるなど、選手と会場、観客が一体となったまさに感動の舞台、感動の結晶でした。

この国体を大成功に終えることができましたのは、準備の段階から約5年間にわたり、本当に多くの市民に協力をしていただいたおかげです。大会運営や式典、競技補助から、民泊、花の植栽、警備、など例をあげるときりがありません。この国体に協力をいただいた市民ボランティアの数は実に2000人以上延べ1万人を超えています。

市内10地区で結成された民泊協力会では、それぞれ受け入れたチームの食事の用意や地域をあげての歓迎会、応援団の結成、広島県チームの応援には“しゃもじ”を使ったり、秋田県チームの応援には手作りの“なまはげ”も登場するなど、それぞれが創意工夫を凝らし、市民1人ひとりが主役となって、創りあげた感動の舞台でした。民泊協力会からも「選手以上に興奮、感動した」、「民泊をしてよかった」と多くの感想も聞かれました。

ガーランドなどで飾り付けられた部屋で撮影した民泊した人たちの集合写真

“民泊”は、単に選手に各家庭に泊まってもらうというものではなく、地域全体が選手の故郷となり、家となり、そして家族となります。選手からは、「最初民泊と聞いて気を使うし嫌だなぁと思っていたけれども、多くの地域の方々、そして子どもたちにまで歓迎されて地域に溶け込むことができた」「試合の時には民泊協力会の応援は心強かった」「あんな応援を受けて試合をしたのは初めて」と言われたチームもありました。そして、試合が終わり選手が小野市を発つ時には、選手、民泊協力会の方ともに目を潤ませる場面も多くありました。

50年ぶりに兵庫県で開催されたこの国体で、参加された多くの方とともに感動をわかちあえたことを大変嬉しく思っています。日本バレーボール協会の役員さんの話では、“民泊”を行っていない他市のバレーボール競技ではこんなに盛り上がった会場はなかったようです。“民泊”を行ったことで、市民、選手にとっていつまでも思い出に残る「小野市流の感動国体」が実現できたものと確信いたしております。

みんなの心が一つになり国体を成功へと導いたその力を、新たなまちづくりの力に変え、そして、小野市の更なる活性化に繋げてまいりたいと思っています。本当に“民泊”をやってよかった。参加した全ての人に、そして全国各地から小野市に来られた方々に感謝します。本当にありがとうございました。

2006年10月4日(水曜日)

「小野市の行政経営」学会で発表

先日9月24日、東京で開催された「政策分析ネットワーク 政策研究・教育カンファレンス」という学会の「地方分権特別セッション」にパネラーとして出席いたしました。「政策分析ネットワーク」は、竹中平蔵慶応大学教授(当時)を初代代表として設立された政策系大学、中央省庁・地方自治体、シンクタンク、マスコミ、民間企業、経済団体の関係者などが参加する政策研究者と政策実務者のプラットフォーム(討論会)です。

内容は、これからの地方分権改革へ向けて、これまでの分権改革の評価と感想、自治体運営の責任者としての目指すべき理念や今までの経験の紹介、そして、新しく安倍内閣が発足したわけですが、その新政権に望むことなどの発表でした。

冒頭、自己紹介において「交付税が10%ぐらい減らされたからといって予算が組めないというような泣き言を言うな」と日経ビジネスで紹介されたと言うと皆さん驚かれたようでしたが、民間企業であれば毎期毎期、経費を下げられるのが当たり前です。「財政が苦しい」ということであればわかります。
小野市でも交付税が減らされることには反対です。しかし、「予算が組めない」というような泣き言は、社長である市町長が言うべきことではありません。

三位一体改革や「国から地方へ」、「官から民へ」というこれまでの分権改革は、地方の自立への意識改革の契機となったということは事実です。
ところが、地方分権の推進においてすら国依存の体質から抜けきれず、全国一律の画一的横並びの仲良しクラブから脱却できていないと思います。

真の地方分権は、自己実現、自己責任の世界です。そこでは、自治体間競争は避けて通れません。このことははっきりと認識すべきだと思いますし、何よりも重要なことは、市町長自ら成果を出すための目標をはっきりと明快に打ち出し、そして、その目標を達成するためのツールを構築することです。

小野市では、「行政も経営」と捉え「行政経営4つの柱」を基本理念として、それを実現するためのツールとして「小野市型方針管理制度」を構築し、行財政改革をはじめ様々な施策を展開していることを紹介いたしました。

そして、最後に、次の3つのことを申し上げました。
まず1つ目は、「成果と報酬が連動する公務員制度」を構築すること。仕事をしてもしなくても給料が変わらないという今の公務員制度を総務省が中心となって何としても改革していただきたいということです。

2つ目は、「官から民へ」ということがさも改革改善といわれる風潮がありますが、全て「官から民へ」ではなく、本来官がやらないといけないことは徹底して官がやる。民でもよいものは民に任せたらいい。加えて、官の中でも公務員という身分がある者しかできない仕事とその資格がなくてもできる仕事をきちんと区分することが重要だということです。

現在、どの自治体も指定管理者制度を導入しようとされていますが、行財政改革の視点から経費の効率化のみに重点がおかれているように思います。しかし、公共サービスというのは、単なる丸投げではなく、Plan Do Check ActionのC すなわちCheckの部分は官が責任を持ってきちんと見ていかないと駄目だと思っております。

そして、3つ目は、「画一的横並びの仲良しクラブからの脱却」です。
あの自治体でやっているから自分の自治体もやるというのではなく、それぞれ地域ごとに違いはあるし特徴も異なります。良いところも、悪いところもあるわけです。いかにそれを知って、自らを持って主体的にその自治体の行政を運営していくかは、その市町長の手腕にかかっています。リーダーはいてもリーダーシップを発揮しなければ真のリーダーとはいえないということです。今からが市町村の正念場だと思います。

パネリストとして、以上のようなことを申し上げ、小野市の取り組みの情報発信をしてまいりました。傍聴者には、霞ヶ関の官僚、大学の教授、雑誌の編集者、経済界の方、自治体関係者、そして大学生などがおられたようです。講演後、ある大学の教授などから、「非常に面白かった。良い勉強をさせていただいた」という評価をいただき、小野市の進むべき方向性が間違っていないことを改めて確認することができたと思っております。

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