2014年4月~6月分のバックナンバー

更新日:2022年02月10日

2014年6月25日(水曜日)

意識改革を促す「職員提案制度」

今年も6月6日から1ヶ月間、職員提案の募集を行っています。毎年この時期を強化期間と位置付け、市民サービスの向上や業務の合理化につながることなど、職員が日常業務を通して考えているアイデアを受け付けています。

今年のテーマは、従来からの「政策提案部門」、「アイデア提案部門」に加え、「おの」を全国に発信する「情報発信戦略提案部門」、人口増(維持)対策の「人口増加(維持)対策提案部門」の4部門です。

例年、800件程度の提案があり、その中から1次、2次審査を経て、最優秀賞1件と部門ごとに優秀賞それぞれ1件を選びます。1次審査は一般職員で構成する審査会で、2次審査は部長全員の審査会で行います。

審査基準は、問題意識、着眼点、創造性、実現性、そして効果などです。昨年の最優秀賞には、先日オープンした「市民交流ホール」の利活用に関する提案が選ばれました。

最優秀賞には賞状と賞金3万円、優秀賞には、賞状と、政策提案部門には賞金2万円、その他の部門には賞金1万円を贈呈しています。インセンティブを与える意味で、賞金をもう少し引き上げてやれば、という声もありますが、民間と異なり公務員への支給には制約があります。

また、優秀な提案については、事業化の検討も行います。これまでに事業として採用した一例を紹介しますと、防犯灯LED化のための補助金創設、乳幼児健康診査時におけるBGM、受付カウンターやトイレへの杖ホルダーの設置、拠点避難所への備品配置などがあります。

これらはいずれも些細な「気づき」から生まれたものです。日頃から絶えず問題意識を持ち、前例に捉われることなく、ゼロベースの発想で市の業務を見つめ直す、職員提案制度はそのための訓練であり、まさに「職員の意識改革」を促すツールであります。

民間企業では、一人、1日1提案を目標にされているところもあります。職員には、一人年間200件以上の提案をするくらいの意気込みで取り組むよう檄を飛ばしているところです。

2014年6月18日(水曜日)

災害対応の一歩は『情報のトリアージ』

6つの大画面がある部屋で四角く並べられたテーブルにつき、災害危機管理訓練を行っている様子の写真

梅雨、台風シーズンを迎え、4月にオープンした「小野市防災センター」において、先週、「災害危機管理訓練」を実施しました。「梅雨前線による長雨の影響と局所的な雷雨で市内の河川が増水し、堤防の洗掘や浸水被害が発生した」との想定によるロールプレイングによる訓練でした。

「防災センター」のオープン直後、三木市から発生した山火事により、いきなり本番の「災害対策本部」を設置しましたが、災害の情報収集、指揮命令や避難情報の伝達などに課題が見えたところでありました。このたびはそれらも踏まえての訓練でありました。

災害対策室に設置された6つの大画面(60~70インチ)のモニターには、河川の水位、気象データ、災害の情報、避難所の状況、消防車に搭載されたビデオカメラからの現場の映像などが映し出されます。一方、電話連絡により避難者の状況、道路の冠水、道路への倒木、橋脚の洗掘、家屋の浸水など、様々な情報が次々と寄せられました。

今回は、訓練でありましたので事前にシナリオが用意されていましたが、それでも膨大な情報量でありました。いったん災害が発生すると様々な情報が一挙に押し寄せてきます。そのような中で的確な指揮命令を行うためには、情報を整理し、優先順位をつけることが何より不可欠であります。

重要なことは、多くの情報が交錯するなかで、内部より現場からの情報を最優先にすること。避難者に病人やけが人など要援護者がいるかどうかなど、早急に手を打たなければならない情報を先ず報告させることであります。すなわち、『情報のトリアージ(優先度の決定)』ということです。

従来型の報告では、例えば、「避難者は何世帯、何人で、うち男性何人、女性何人」となりがちですが、「要援護者がいるかいないか、いればいかに対応しているのか」という報告こそ真っ先になされるべきことです。このたびは、訓練ではありましたが、シナリオには全く目を通さずに臨みましたので、職員は想定外の指摘で戸惑ったと思いますが、多少なりとも緊張感のある訓練ができたものと考えています。

2014年6月11日(水曜日)

「男性社会からの脱却」を目指して

「ジャパンシンドローム」、世界有数のスピードで進む人口減少、少子高齢化により日本が直面する負のスパイラル現象をNHKが名付けた言葉です。とりわけ深刻なのが、消費や生産の中心となる生産年齢人口(15~64歳)の減少で、現在の約8千万人から、50年後にはおよそ4千万人に減ってしまうといわれています。

働き手が減る中で、女性の就労は経済成長にとって不可欠であり、国の方では、女性の就労や社会進出を促すために配偶者控除の議論や女性活用企業の優遇が検討されています。男女共同参画社会基本法が制定されてから15年、ようやく実効性のある政策立案へ向けた議論がはじまりました。

地方においても、人口が減り高齢化率が高まることで一人暮らしや空き家が増え、地域コミュニティーが維持できなくなるおそれがあります。これからは、あらゆる分野で、男性だけでなく女性も活躍する社会を目指さなければなりません。小野市では、昨年度より自治会役員への女性の登用を後押しする「自治会役員女性参画推進事業」を開始しました。

この事業は、地域で意思決定を行う役員メンバーに女性を2人以上登用する自治会に対して10万円を補助し、さらに、登用された女性が自治会長、副会長、会計の「3役」の一角を占めれば10万円を上乗せするという制度です。市内には89の自治会がありますが、これまで自治会の「3役」は男性が占め、女性の起用はゼロに近かったのが実情でした。

制度開始以降、これまでに市内全自治会の20%を超える19の自治会が手を挙げられ、そのうち9つの自治会が「3役」に女性を登用されました。女性を登用するために総会決議や自治会規約の改正をされ、新たに女性枠の副会長をおかれたところもあります。つまり、一過性ではなく、継続的なルールを作られたわけです。

少子高齢化が進む中で、住民同士がお互い助け合い連携する自治会機能はますます重要となりますが、地域防災や高齢者への支援などにあたっては、女性ならではの細やかな発想は欠かせません。「男性社会からの脱却」こそが「新たな価値観の創造」につながるものであり、「自治会役員女性参画推進事業」は、身近なところの自治会運営に女性参画を促す気運づくりなのです。

2014年6月4日(水曜日)

「うるおい交流館エクラ」に「市民交流ホール」がオープン

赤い絨毯がひかれた市民交流ホールの内装の写真

6月1日、市民活動の拠点施設「うるおい交流館エクラ」に「市民交流ホール」がオープンしました。この施設は「エクラ」の機能を拡充させるために整備したもので、食事を伴う会議や各種パーティー、展示会など様々な利用が可能です。披露宴や各種レセプションにも使用できるように、これまでの市の施設と違って、少し豪華な仕様にしました。

施設は、ホールのほか、食事を提供するためのパントリー、主催者や来賓用の控室などを備え、立食スタイルで約400名、正餐スタイルで約200名の利用が可能です。民間の施設を含めて、これまで市内にはこのような施設がありませんでしたので多くの市民や企業が市外のホテルなどを利用されていたと思いますが、これからは身近なところで利用していただくことができます。

市の行事以外に、すでに26件の予約が入っており、その内訳は、結婚式4件、同窓会2件、パーティー7件、企業のレセプション5件、団体利用8件となっています。運営管理は、「うるおい交流館エクラ」の指定管理者であるNPO法人へ全面委託し、ケータリングでご希望の料理も提供します。

「エクラ」は市民活動の拠点施設として、市民等の活動や交流促進を目的に整備した施設であり、そこへ「市民交流ホール」が加わることにより、利用形態のバリエーションが広がります。8月にはすぐ隣に、市が誘致したホテルも完成します。

さらに、来月からはエクラの北側に「小野警察署」の建設も始まります。ようやく「都市としての機能」が揃うことになり、これら施設の相乗効果で、小野市だけでなく、周辺地域を含めた賑わいの核となるものと考えております。各種会合、懇親会、同窓会、披露宴、商談会、忘年会、新年会など、ぜひ、「市民交流ホール」をご利用ください。『営業本部長?』としてのお知らせでした。

2014年5月28日(水曜日)

「いじめ」対応のポイントは『情報の共有』と『情報の水平展開』

先週、本年度第1回目の「いじめ等防止市民会議」を開催しました。委員は、専門のアドバイザーのほか、市民、学校、福祉、企業、警察等幅広い分野からの計15名で構成し、いじめ等の防止に向けた対策を協議していただいています。この市民会議は、平成20年4月に施行した全国初の「小野市いじめ等防止条例」に基づき設置しているもので、今年で7年目になりました。

「小野市いじめ等防止条例」は、言われてからやるのではなく、言われる前にやるという「先手管理」の一つでありますが、2年前、大津市でいじめが原因とされる痛ましい出来事があり、昨年ようやく国の方で「いじめ防止対策推進法」が制定されました。ただし、「いじめは許されない」ということは誰でも分ることで、問題解決のためには、具体的な行動指針に落とし込むことが必要であります。

小野市では、地域や学校のほか企業も巻き込んだ様々な啓発活動のほか、庁内に「ONOひまわりほっとライン」という窓口を設け、いつでも相談できるように「ひとりで悩まないで(62-4110)」というカードを市内小中学生全員に配布しています。昨年度の子どものいじめに関する相談は十数件あり、学校や関係機関と連携しながら個別に対応したところです。このたび、小野市のこのような取り組みが内閣府発行の地方分権改革事例集で紹介されることが決まりました。

一方、学校における「いじめ」に対しては、「いじめ」の疑いがあるものを見つけた教師は「情報共有シート」により校長を経て教育委員会へ報告し、教育委員会は市長部局のいじめ担当部門へ連絡するというルールを構築しています。重大な事案は、その「情報共有シート」で市長まで報告される仕組みです。

学校内では、校長を中心に教職員間で情報の共有を行い、議論された内容や対応状況も教育委員会へ報告されることになっています。いずれもプライバシーは当然守られています。大津市のいじめ問題に端を発して、教育委員会制度の見直しが議論されていますが、ポイントは、「情報の共有」と「情報の水平展開」であります。

「いじめ」対応を学校や教育委員会のみに委ねるのではなく、市長部局も入って組織をあげて取り組むことが不可欠であります。大事なことは、問題をいち早くキャッチし、その情報を共有して深刻になる前に対応するということであり、まさに「先手管理」とその「仕組みづくり」ということです。

2014年5月21日(水曜日)

時間を管理するということ

人事部門から職員全員の超過勤務時間とその支給額の報告書が定期的にあがってきます。個人ごとに多い順から並べた一覧表になっていますので、特定の職員が常に上位にあがっていると、「いつもこの課のこの職員が多いが、職員が何人もいるのに、なぜこの職員だけが遅くまで残っているのか」と目につきます。

その職員を責めるのではなく、「その部署の管理者は実態を自覚しているのか。仕事の配分はきちんとできているのか。仕事のやり方を改善できないのか。マニュアルを作成して誰でもできるように標準化できないのか」といった具合に、そこの管理者の管理能力が見えてくるわけです。

『市長が見ている』と言っただけで、超過勤務時間は年々減ってきました。市長就任当時の平成11年度は、市役所全体で年間10万時間を超えていましたが、平成25年度は6万時間にまで減少しました。支給額も当時に比べると、昨年度は約1億3千万円減少しました。これまでの削減効果は9億6千万円になります。

超過勤務の縮減は、効率的な業務遂行や職員の健康管理のために当然必要なことです。小野市では、毎年、対前年度比3%の時間削減目標を掲げ、月間の上限時間を設けたり、毎週水曜日をノー残業デーと決めたりして取り組んでいます。ノー残業デーを徹底するために、今年からは、遅くまで庁内に留まっていると警報システムが鳴るようにもしました。

一方、小野市の職員数は市長就任時に比べると30%減り、人口100人当たりの職員数は県内10万人以下の市では最少の人数で業務を遂行していますが、全体の業務量は以前より増加しています。

職員は減り、逆に業務量は増加しているなかで、毎期毎期、目標を達成するためには、掛け声ではなく、仕事のやり方、仕組み自体を変えていかなければなりません。人員配置の見直しも必要となります。「時間を管理する」ということの本質は、仕事のやり方、仕組みを変えることです。まさに、タイムマネジメントであり、タイムバジェット(時間の予算化)の実践であります。

2014年5月14日(水曜日)

県内29市で最も高い年少人口(0歳~14歳)割合

先月、総務省から国の人口推計が発表され、日本の総人口が対前年比約22万人減り、生産年齢人口は8,000万人を下回ったと報じられました。65歳以上の老年人口は、約110万人増加して総人口に占める割合が25%を超えました。

一方、15歳未満の年少人口は約16万人減って、総人口に占める割合は過去最低の12.8%となりました。まさにジャパンシンドロームという実態が浮き彫りになったわけです。

小野市の人口は、60年前の市制施行時の35,184人から増え続け、平成12年には5万人を超え、平成16年にはピークの50,653人となりましたが、全国的な人口減少の中で、今年3月末には49,903人と5万人を割り込みました。

ただし、平成12年当時の小野市の人口は、県内29市12町の41市町中、多い方から22番目でありましたが、現在は18番目と4ランクアップしています。また、国勢調査の結果に基づく県の発表によれば、0歳~14歳までの年少人口割合は、県内29市中最も高い数値であります。県の平均が13.7%であるのに対して、小野市は、15.4%でありました。

僅かではありますが人口が減っているなかで順位が4ランクアップしたからといって手放しでは喜べませんが、年少人口割合が高い数値を示していることは、これからの小野市にとって大いに希望が持てます。

県内41市町に先駆けて実施した中学3年生までの医療費の完全無料化や、市内全ての幼稚園、小、中学校、特別支援学校への空調設備の設置など、先手管理で子育て支援や教育環境の充実に取り組んできたことがそのような数値に現れたものと考えています。

今年度より保育料の更なる軽減を図り子育て支援を拡大します。子育てするなら小野市、「住むなら!やっぱりおの」の実現に向けて、ここしかない小野らしさを追求してまいりたいと考えているところです。

2014年5月7日(水曜日)

成り行き管理からターゲティングワークへ

4月23、24日と部長職を対象に1日半かけて、方針管理のヒアリングを行いました。4月2日の「市長の部屋」でご紹介したように、年度当初に市長方針を発表します。その市長方針を達成するために、部長はいつまでに何をするのか、部長方針を達成するために課長はいつまでに何をするのか、…のために、…のためにと続くわけです。目的→手段→目的→手段という目標の連鎖です。下位へ行くほど目標がより細かく、具体化していきます。

その内容は、各自が「方針実行書」というA4サイズの紙1枚にまとめます。記入要領は、「○○を○○する」という表現に統一し、具体的に何をどうするのかということを明確に記入することにしています。目標が曖昧では、できたのか、できなかったのかの検証ができません。各自の目標は、部ごとの方針体系表という形に整理され、組織の目標を明らかにします。

市長ヒアリングでは、「あなたはこの目標をどうやって決めたのですか。その意図と背景は何ですか」という具合に尋ねます。10月には、上期の検証と下期目標のヒアリングを行います。「上期は何故できなかったのですか。どうして上期の目標を止めて、下期はこの目標に変えたのですか。具体的なデータを示してください」となります。

ただし、できなかったからといって責めているのではありません。できなかったといっても、その「プロセスを検証して評価」します。難易度が高く、通常では実施が困難な目標もあります。敢えて難易度の高い目標にチャレンジすることは、それ自体が評価できることでもあります。行政は計画を立てて実行することは強いが、チェック、検証することは弱い。しっかり検証しないと成果には結びつきません。いわゆるPDCAのマネジメントサイクルを展開することです。

「方針管理制度」のねらいは、「成り行き管理からターゲティングワークへ」ということです。かつての役所仕事のように漫然と仕事をするのではなく、常に目標意識を持ち、時間管理を行いながら業務を遂行することであります。小野市では、方針管理による評価を人事評価にも連動させています。「成果と報酬が連動しない社会」という公務員制度に一石を投じているところでもあります。

2014年4月30日(水曜日)

区長(自治会長)さんの関心事

今年も市内全ての区長(自治会長)さんが一同に会される「小野市連合区長会総会」が開催されました。毎年、ご挨拶を兼ねて市長自らその年度における主要事業などのプレゼンテーションを行い、また、「区長さんのための便利帳」を配布して、市行政に対する要望の仕方なども説明しています。

区長さんの関心事は、やはり、町内の生活環境を良くすることであり、毎年、多くの要望が寄せられています。市民からの要望や意見は、年間700~800件程度ありますが、そのうち区長さんからの要望は約20%近くを占めています。内容は、主に道路、河川、農道等に関することで、特に、道路に関することは区長さんからの要望全体の約35%を占めています。

市道舗装率の推移のグラフ

平成11年の市長就任当時、小野市の市道舗装率は全体で72.1%であり、市内6地区間で大きなひらきがありましたので、そのデータをグラフ化して「見える形」にし、格差是正に努めてきました。市全体の市道総延長は約456キロメートルありますが、平成25年度末の舗装率は96%まで上がり、また、各地区とも90%を超えて主要なところはほぼ完了しました。

平成18年度からは、生活道路までその対象を拡大しました。整備順位は、声が大きいところを優先するのではなく、客観的な基準に基づき、優先順位を決めて実施しています。その整備基準というのは、舗装工事が可能な幅員があること、民家が隣接していること、日常的な利用頻度が高いことなどであり、道路を拡幅したり新設する場合は、地権者全員の同意が前提です。

行政に求められるのは、しっかりとしたアカウンタビリティ、すなわち説明責任を果たすことであり、一方、各町(自治会)においては、地権者全員の同意を得ていただくなど、自らの地域は自らの手で良くするという認識で、それぞれが役割を果たし連携してこそ、更なる生活環境の向上が図られるものと考えております。

2014年4月23日(水曜日)

小野市防災センターの完成

沢山のモニターが並んでいる小野市防災センターの内部の写真

先日の4月13日(日曜日)、小野市防災センターの竣工式を行いました。鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積は約3,000平方メートルです。北播磨総合医療センターに次ぐ、小野市で2つ目の免震構造の建物で、震度7の大地震にも耐えられるようになっています。

1階は、緊急出動に対応できるよう消防署員の仮眠室を配置し、2階は、消防本部と住民データを保管する情報管理部門を、3階は、災害対策室(オペレーション室)、消防指令センター、そして、防災のための市民ギャラリーや研修室を設置しています。総事業費は約14億円で、そのうち約9億円分は、あとから地方交付税という形で国から補填され、市の実質の負担額は5億円程度です。

消防署機能を含むこのような施設を設置している自治体はまだまだ少ないと思いますが、東日本大震災を契機に、国の方で創設された「緊急防災・減災事業」をいち早く活用し、建設決定から完成までわずか2年間という異例のスピードで進めました。

災害対応の基本は「悲観的に準備し、楽観的に対応すること」です。すなわち、後手から「先手管理」を実践することであります。幸いにもこれまで、小野市では大災害にみまわれることはありませんでしたが、起こってからでは遅いのです。

今後30年以内に70%の確率で起こるとされている南海トラフ巨大地震では、小野市は震度6弱と想定され、防災対策推進地域に指定されました。やはり大事なことは、将来を見据えた「洞察力」、それを実行するための「構想力」、そしてスピーディな「決断力」であると考えています。

災害対応においては、情報の共有と一元化、指揮命令系統の一本化が何より重要です。拠点施設は完成しました。本当の正念場はこれからです。模擬訓練の早期実施を担当部門へ指示するとともに、青野原駐屯地司令をはじめ竣工式に臨席していただいた関係者の方々へ、更なるご協力を要請したところであります。

2014年4月16日(水曜日)

全国からの行政視察が10年間で850件

視察受け入れ状況が掲示してある「視察にお越しになられた市町」と書かれた掲示板の写真

小野市への行政視察が相次ぎ、統計をとり始めた平成16年度から平成25年度末までの10年間で、視察件数は850件にのぼりました。受け入れた視察は、佐賀県を除く全国46都道府県からで、年間133件もの受け入れをした年もあります。その視察受け入れ状況は、市庁舎2階のロビーに掲示しています。

視察の主なテーマは「小野市の行政経営」や「小野市独自の教育」ですが、最近では、全国初の「いじめ等防止条例」、「空き家等の適正管理に関する条例」、そして、「福祉給付制度適正化条例」が注目されています。これら3つの条例は、全国どこでも起こり得る課題に対して、「言われてからやるのではなく、言われる前にやる」という「先手管理」を実践したものです。

小野市では「行政も経営」と捉え、「顧客満足度志向」「成果主義」「オンリーワン」「先手管理」という「行政経営4つの柱」を基本理念に市政運営を進めてきました。その基本理念をもとに、地に足を着け、常に成果を出すことを目標に様々な施策を実施してきました。そのような取組の成果の一つが、全国からの行政視察という形に現れたものと考えております。

今年の夏には、市が誘致した地上10階建て207室のホテルが完成します。これまでは、遠方から来られた場合、神戸や姫路などでしか宿泊場所を確保できず、十分な説明時間がとれませんでしたが、これからは、小野市にお泊まりいただき、より詳しく小野市を知っていただきたいと考えています。

とはいうものの、視察に来られて、小野市流のやり方を持ち帰られてもうまくいくとは限りません。地域にはそれぞれに特徴があり、歴史、風土、習慣、それに市民意識も異なります。「画一的横並びの仲良しクラブ」から脱却し、その地域の良さ、持ち味を追求していくことこそがこれからの自治体経営に求められることであると確信しています。

2014年4月9日(水曜日)

小野市流の職員採用方法

新年度を迎えた4月1日、小野市でも入庁式を開催しました。今年採用したのは行政職では7名です。消防職を除く正規職員数は、昨年より1名減の267名となりました。市民100人当たりの職員数は、昨年度と同じ0.534人で、引き続き、県内人口10万人以下の市では、最も少ない職員数となっています。

また、期限付嘱託職員も15名採用しました。この職員も試験により採用します。期限付嘱託職員というのは、嘱託という身分ですが、業務内容は、補助的な業務ではなく、最長3年間という期限をきって、正規職員と同様の仕事をしていただく職員です。

人の採用というのは、高度な知識があっても、実際の職場で仕事ができるか、成果を出しうるのか、短時間の面接試験で見極めることはなかなか困難です。そのような観点から生み出したのが、期限付嘱託職員制度で、小野市独自のONO New Personnel Management計画(ONPM計画)と名付けています。

最長3年間の勤務実績をもとに一般職員の試験を受けて、正規職員になる道も設けています。ある意味では、3年間かけて実務と面接試験を行い、テストの点数に現れない実務能力のある人材を発掘することにつながります。制度創設の平成16年度からこれまでに正規の公務員になった人は、102名中25名に及びます。

正規、嘱託を問わず、職員は市民に対する奉仕者であり、その採用における手順や基準は、誰がみても客観的に公平、公正なものでなければなりません。小野市では、副市長や部長ら13名で構成する職員採用委員会において採点し、合格者を決定するというルールを確立しています。市長は、それに関与できない仕組みになっているわけです。

職員の任命権は確かに市長にありますが、市長の使命は、人を選ぶことではなく、将来を見据えた職員採用計画であり、優秀な人材を選ぶための仕組みづくりとその仕組みを確実に実施させていくことであります。

今年は、市制60周年という記念すべき年です。新たに入庁した職員にとっても記憶に残る年だと思います。それらの方が定年退職を迎える頃は、市制100周年間近となります。「出る杭は打たれるのではなく、出ない杭は地中で腐るしかない」という意気込みで、それぞれが自らの持ち味を生かし、将来の小野市発展のために業務に精励されることを期待しているところです。

2014年4月2日(水曜日)

新年度方針は、「未来に向けた『新たな価値観の創造』へチャレンジ」

いよいよ新年度がスタートしました。今期の小野市の方針は、「未来に向けた『新たな価値観の創造』へチャレンジ」です。

小野市では、行政経営の管理手法・ツールとして、「小野市型方針管理制度(TQC)」を実施しています。まず、その年度の主軸となる“市長方針”を私自らが真っ先に示します。この市長方針を頂点とし、それを実現するために部長、課長、係長そして主務へブレイクダウンして其々が具体的方針をたて、PDCAのマネジメントサイクルを展開して、「結果とプロセス」を評価し、改善を進めながら組織全体として市長方針の達成を目指すというシステムです。

いわばその年度の経営方針である市長方針を達成するために、それぞれのセクションにおいて、部長は何時までに何をどうするのか、その部長方針を達成するために課長はどうするのか、その課長方針を達成するために係長は、そして主務はどうするのか、組織内でしっかりと議論をしながら、目標を自ら考え、ひとつ一つ実行していきます。大切なことは、職員全員が絶えず目的意識を持ち、ベクトルを合わせながら「目標設定」と「管理項目」を明確にすることです。

今、我が国は世界で例を見ない、人口減少や少子高齢化がもたらす社会の負のスパイラルに陥りつつあります。いわゆる「ジャパンシンドローム」と言われる現象です。今後、小野市においても人口は確実に減り、高齢化の進展は避けられません。生き残りではなく、勝ち残りを目指し「住むなら!やっぱりおの」を実現するためには、ここしかないオンリーワンへの政策転換が不可欠です。

「変えよう小野、変わろう小野市」をスローガンに掲げ、市長に就任以来、4期16年目を迎えました。その間、「行政も経営」という基本理念と「顧客満足度志向」「成果主義」「オンリーワン」「後手から先手管理への転換」という「行政経営4つの柱」を基軸として、様々な施策を実施し、一定の成果を収めてきました。また、将来の小野市発展の礎を築くため、北播磨総合医療センター、防災センター、市民交流ホールの整備に加え、ホテルの誘致も進めてきたところです。

これまで培ってきたこれらの行政資源をフル活用するとともに、現状に慢心することなく、今一度原点に立ち戻り、ゼロベースの発想で、未来に向けた「新たな価値観の創造」へチャレンジしてまいります。

平成26年度市長方針の画像

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