2013年7月~9月分のバックナンバー
2013年9月25日(水曜日)
保育料の更なる軽減に向けて
9月19日の市議会定例会において、保育料に関する方向性について示させていただきました。
現在、市内には認可保育所(保育園)が14施設あり(全て社会福祉法人が運営)、約1,600人の児童が利用しています。保育に要する費用は、国、県、市の負担金と保護者が負担する保育料によって賄われており、保護者が負担する保育料は、保護者の所得税額等に応じて決まっています。小野市では従来から、保護者が負担するべき保育料の総額である約5億円のうち、約20%に当たる約1億円を、保護者に代わって市が独自に負担軽減を図ってきました。
保育料も含め、就学前の育児費用については、本来、国が率先して負担していくべきであると考えています。しかし、世界でも例を見ないペースで進んでいく超少子高齢化、いわゆるジャパンシンドロームの渦中にあって、小野市はこれまでから、独自に「住むなら!やっぱりおの」をキャッチフレーズとして、いち早く様々な子育て対策に取り組んできました。
まず、中学3年生までの医療費について、所得制限無しの完全無料化を県内で初めて実施しました。そして、市内の小・中・特別支援学校は全て耐震化を終えました。加えて、全ての教室に空調設備を導入し、授業に集中できる環境整備を行いました。また、特定不妊治療費や不育症治療費の助成にも取り組んできました。このように、小野市では「言われてからやるのではなく、言われる前にやる。」すなわち「後手から先手管理への転換」という市の行政経営戦略に基づき、子育て施策を行ってきました。
そして、次にどのような子育て対策ができるのかと思案しているところでした。
そこで、提示した結論は、本来保護者が負担しなければならない保育料に対して、更に10%を市が負担し、従来から市が負担してきた保育料と合計して、約30%に当たる約1億5,000万円を、平成26年4月から毎年市が負担する方向で進めていくということです。
新たに市が負担する約5,000万円については、保育所(園)の利用者に一律で分配するのか、あるいは保護者の所得等も勘案し、特定の世帯に対して重点的に配分するのかなどについては、これから検討していきたいと考えています。なお、財政状況については、これまでから小野市は総人件費の削減に取り組んでおり、毎年約6.6億円、累積では67.5億円という年間の市税総額にも匹敵する人件費の削減を行う等、国が示す財政指標でも健全かつ良好な数値を堅持しつつ、新たな施策を展開しているところです。
20年、30年先を見据え、子育て世代の皆さんにも「住むなら!やっぱりおの」をまさに「見える形」で実感していただけるよう、これからもチャレンジをし続けてまいります。
2013年9月18日(水曜日)
「医療」「福祉」「健康」をテーマとした一大集積地を目指して~北播磨総合医療センター完成~
10月1日に開院する小野、三木両市の統合病院、「北播磨総合医療センター」の完成式典を14日(土曜日)、市場町の同病院で行いました。兵庫県並びに神戸大学、三木・小野両市の関係者など約250人の方々にご出席いただき、また引き続き行われた一般向けの見学会にも、16日までの間に1万人を超える皆さんにお越しいただきました。新病院に対する関心の高さ、そして期待の大きさを感じているところです。
さて、この北播磨総合医療センターを建設するに至った経緯を改めて説明します。
皆様もご存知のとおり、「ジャパン・シンドローム」と呼ばれる、人口減少と少子高齢化の同時進行による負のスパイラルの中で、昨今の地方自治体を取り巻く環境は非常に厳しいものがあり、これまで通りに、各自治体が個別に病院経営を続けていくことは、財政面もさることながら、医師、看護師の確保なども含め、今後一層困難になると考えていました。
そのような状況にあった平成19年、ちょうど私が北播磨5市1町の公立病院協議会の会長を務めていた時に、神戸大学から三木、小野市民病院の統合の提案を受けました。その後、様々な議論を重ね、紆余曲折を経た末、平成20年に両市は市民病院の統合に合意し、新病院の建設事業がスタートしました。この事業は、大学と複数の自治体の連携による病院建設という、全国的にも例を見ない、まさに先駆的な取り組みです。
建設場所は、兵庫県の「長寿の郷構想」のエリア内にあるこの地を選定しました。というのも、十分な病院用地を確保できるこの地は、新設する「新都市中央線」により、国道175号から新病院を経由し、平成28年には小野工業団地を抜けて、三木市まで繋がります。
また平成27年春には、この病院のすぐ南側に、国立病院機構「兵庫あおの病院」(現兵庫青野原病院)が移転して開院されます。北播磨総合医療センターの30診療科、450床と、兵庫あおの病院の250床を合わせれば、700床もの病床数となり、このエリアは県下でも屈指の医療拠点となります。
加えて、県により正式にルート決定された東播磨南北道路が開通すれば、この医療拠点と三次救急病院である県立加古川医療センターとが高規格道路で僅か5~6分で結ばれ、まさに「命の道」として病院同士の連携が強化されることになります。
北播磨総合医療センターの病院長には、前神戸大学副学長の横野浩一氏に就任いただくことが内定しています。勤務していただく医師については神戸大学にお願いしてあり、十分な医師が確保できる見込みです。
また看護師については、関西国際大学にご協力いただき、今年の4月、三木キャンパスに看護学科が新たに設置されました。今後、その卒業生の皆さんがこの病院に勤務され、身につけられた能力やスキルを発揮していただけることを期待しています。
新病院の運営については、「医療に市境はない」という考えのもと、近隣の病院や地域の開業医の方々と連携を取り、地域医療の充実をさらに進めながら、患者様にも医療人にも魅力のある、人材と設備のそろった理想の医療を提供できるマグネットホスピタルとして全国に冠たる病院を目指してまいります。加えて患者の方々を顧客と捉えた「患者満足度(CS)志向」を徹底してまいります。
近い将来、このエリアが「医療」と「福祉」、そして「健康」をテーマとした、ここしかない、まさにオンリーワンの新たな集積地として進化し、発展していくことを夢見つつ、この新病院の完成を契機として、新たなチャレンジをしていきたいと考えています。
2013年9月11日(水曜日)
「ホテル ルートイン小野」がいよいよ着工
9月9日(月曜日)、小野市が誘致を進めていたホテルの出店にあたって、ルートインジャパン株式会社との協定書の調印式を執り行い、引き続きホテル建設地である「うるおい交流館エクラ」西隣の市有地で起工式が行われました。
これまで多くの市民の方々や地元企業から、市内でのホテル立地について強い要望が寄せられていましたが、ようやくその夢が実現することになり、まさに感無量です。
平成20年、全国で200店舗以上のホテル事業を展開しているルートイングループの永山勝利代表から「小野市にホテルを出店します。」とお話をいただいた当時は、5階建て約100室でしたが、この度10階建て207室と規模を大幅に拡大されています。
驚きと共に当市への期待を感じる一方で、小野市としても、「この期待と熱き思いに何としても応えなければ」と決意を新たにしているところです。
さて、ホテルが建設されるこのエリアは、うるおい交流館エクラを整備して以降、目まぐるしく発展してきました。
「みなと銀行小野支店」の移転、官民共同による「セレモニーホール」の整備、図書館駐車場の拡張などを次々に実施し、さらにエクラとホテルの間において、披露宴や式典などに利用できる「市民交流ホール」の建設にまもなく着工します。
加えて、エクラの北側では、小野警察署の新設計画が着々と進んでいます。
これらの施設とホテルとの間に相乗効果が生れることを期待するとともに、「ホテルルートイン小野」が、小野市のみならず北播磨の魅力を倍増させ、地域の活性化の起爆剤となるべく、新たな人の流れを生み出していただけるものと確信しています。
なお、ご承知のとおりこのホテルは、小野市が建設するのではなく誘致するもので、市から出資も補助も行いません。誘致の条件は、市有地の賃借料、建物の固定資産税、都市計画税、そして下水道料金のそれぞれ10年間の減免です。賃借料や固定資産税、都市計画税はもともと無かったものですから減免しても市にとって特にマイナスにはなりません。
ホテルは来年8月の小野まつりまでに、完成する予定です。商談や機器メンテナンスに伴う出張等のビジネス利用に、また冠婚葬祭の帰省時の滞在先として、あるいは観光やスポーツ、レジャーに合わせた宿泊プランなど、様々なシーンで利用していただきたいと思っています。
来夏には、新たに誕生するホテルを「小野まつりの5千発の花火」でお祝いすることを楽しみにしています。
2013年9月4日(水曜日)
世界へ羽ばたく子どもたちの新たな学び舎に
小野東小学校校舎の大規模改修工事が終了し、先週、竣工式を行いました。思い出いっぱいの夏休みを終え、待ちに待った子どもたちも、2学期の学校生活を新しい校舎で元気にスタートしていることと思います。
小野東小学校の校舎は、昭和50年に完成。まだ耐用年数は経過していませんでしたが、長い年月とともに、老朽化が進んでいました。
今回の大規模改修により、校舎は新築同様に生まれ変わりました。その特徴ですが、主な照明器具をLED化したほか、校舎南側にソーラーパネルを設置。さらにトイレ・廊下といった共用スペースの照明を感知式に替え、新たに雨水貯留タンクを設けてトイレ洗浄に利用するなど、より一層環境に配慮した造りになっています。
一方、児童の安全対策として、市内で初めてモニターカメラを校舎内に設置するとともに、各教室と廊下にインターホンを備え付けることで緊急時の連絡体制を強化しています。
小野東小学校校舎の大規模改修工事が完成した記念のテープカットの写真 拡大画像 (JPEG: 88.4KB)
また、機能面だけではなく、教室や廊下の内装に木質系の素材を使用することで、見た目にも温かな校舎となっています。
加えて、今年6月には地域の拠点避難所の機能も備えた「体育館」の改築工事に着手し、来年の卒業式に間に合うよう建設を進めているところです。
市では、子どもたちが安心して学べる環境を整えるため、平成19年度に「学校整備事業中期計画」を策定。約60億円をかけて学校の耐震化を含む整備を進め、すでに市内全ての小学校、中学校、特別支援学校の耐震化工事を終えています。
また、一昨年には、全国に先駆け、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校の全287教室に「空調設備」を導入したところです。
竣工式の後に行われた見学会には、200名近くの方がお越しになり、「太陽光パネルも設置され、見違えるようになりましたね」と感想を述べられていました。この新校舎は、児童はもとより、保護者や地域の皆さん、教職員の方々の思いがまさに結実したものと考えています。
この新しい校舎でしっかりと勉強やスポーツに励んでもらい、ここで学んだ多くの子どもたちが世界へ羽ばたいてくれるような新たな拠点となることを期待しています。
太陽光パネルが設置された小野東小学校の全景の写真 拡大画像 (JPEG: 238.3KB)
2013年8月28日(水曜日)
健全財政を維持し、積極的に事業を推進 ~平成24年度決算~
平成24年度の決算がまとまりました。「不景気な時にこそ積極投資を」との考えから、「安全・安心の推進」「子ども・子育ての支援」「市民力・地域力の創造」「都市と自然の調和」の4つを重点項目として、様々な事業に取り組みました。
「安全・安心の推進」では、今年の10月にオープンする北播磨総合医療センターの建設推進や防災センターの整備、コミュニティバスの増車(全5台)等を行い、危機管理の強化と暮らしの利便性の向上に取り組みました。
「子ども・子育ての支援」では、中学3年生までの医療費の完全無料化の継続、明日竣工式を行う小野東小学校校舎の大規模改修に加え、小野小学校敷地内に市内初のアフタースクール専用施設を整備しました。また、県内で初めて不育症治療費の助成を開始しました。
「市民力・地域力の創造」では、下東条地区活性化の拠点となるコミュニティレストラン「誉田(よでん)の館いろどり」の実施設計に取り組んだほか、老人クラブ活動の補助金の拡充等を行いました。
「都市と自然の調和」では、神戸電鉄粟生線を維持するため経営支援を行いました。また、市民の宿願であったセレモニーホールを官民共同で整備しました。
このように、大型事業に積極投資をしながらも、一般会計では約4億8千万円の黒字となりました(実質単年度収支も3年連続で黒字)。また、基金(貯金)残高は3年連続で増加し、過去最高となる85億1千万円になりました。市債(借金)残高は約157億5千万円と2年連続で増加しましたが、これは後に大部分を国から補てんされるため、市の実質負担は約46億円になります。
収支の健全度を表す「実質赤字比率」、「連結実質赤字比率」は赤字が出ることなく極めて良好な数値です。そして、実質的な借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は11.1%と起債許可基準の18%を大幅に下回っています。更に、「将来負担比率」は-12.7%とこちらも健全化基準を大きく下回るなど、昨年度に引き続き健全財政を維持していることを示す数値となっています。
小野市はこれまでから「行政も経営」という基本理念のもと「見える成果」を出すべく取り組んできました。人口減少、超少子高齢化の進展など、いわゆるジャパンシンドロームの渦中にあって、地方財政は厳しい状況が続くと予想されます。今後の社会情勢を見極めると共に、更なる行財政改革を着実に進めてまいりたいと考えています。
預金(基金)残高の推移のグラフと、借金(地方債)残高の推移のグラフ 拡大画像 (JPEG: 79.1KB)
2013年8月21日(水曜日)
姉妹都市提携40周年記念。リンゼイ市公式訪問団が来市
前回このコーナーでお知らせしたとおり、先週末、恒例の「第36回小野まつり」が開催されました。天気にも恵まれ、圧巻の5,000発の花火、125チーム・総勢約3,000人が参加した熱気あふれる「おの恋おどり」も無事終えることができました。(35度を超える猛暑の中でしたが…)
来場者も2日間で14万人に達するなど、市内外の多くの皆さんに楽しんでいただけたと思います。まさに“進化し続ける小野まつり”を実感したところです。改めて、まつりを運営し、ご協力いただいた市民スタッフの皆さん、関係者の方々にお礼を申し上げます。
さて、今年の小野まつりの時期に合わせ、姉妹都市提携40周年を記念して、米国カリフォルニア州リンゼイ市からパディーラ市長をはじめ、副市長、姉妹都市親善委員会の皆さんら10名の訪問団が来市され、まつりにもスペシャルゲストとして参加していただきました。今年の4月に、私が小野市国際交流協会の皆さん達とリンゼイ市を公式訪問させていただいた際、今度はリンゼイ市の皆さんを是非小野市にお招きしたいと約束してきたことが実現しました。
リンゼイ市との最初の交流が始まったのは1973年。以来両市の訪問団の相互派遣は40回以上、述べ700人を超える市民の方々が、お互いの文化を肌で体験されました。しかし最近は、社会情勢の変化により、個人で自由に海外へ行くことができるなどグローバル化が進み、インターネットなどを利用した海外の情報収集や発信も身近なものになっています。そのような中で「姉妹都市交流が本当に必要なのか」と考えたこともありました。でも4月の訪問の際、人と人との心の交流を通じ、これまでの歴史の中で、多くの人の努力により培われてきた両市の友好関係の深さを、改めて感じることができたところです。
今回の訪問のメインとなったのは小野まつりの舞台上での「姉妹都市提携40周年記念協定書」の調印式でした。
この協定書は、今後もリンゼイ市と小野市が姉妹都市を継続していく証であり、会場に来られた多くの市民の皆さんの目の前で、一緒になって40周年を祝う絶好の機会となりました。
歓迎会の席では訪問団の皆さんから、「このような美しいまちに来られて幸せ。小野市の皆さんのおもてなしに感謝している」とうれしいお言葉を頂戴したほか、パディーラ市長直々に、自慢のダンスも披露(元プロダンサーとのことです)していただきました。また、まつりの花火をご覧になり、「So Nice! Beautiful!」と大変感激され、おの恋おどりにもノリノリで拍手喝采されていました。日本の夏のひとときを楽しんでいただくと共に、小野市の元気、活力、そして市民力を実感していただいたのではないかと思っています。
40周年記念におけるお互いの交流で、私はリンゼイ市民と小野市民の関係が強い絆で結ばれていることを確信しました。両市民の皆さんが主体的に交流する姉妹都市交流事業がさらに発展し、進化していくよう市行政も積極的に支援していきたいと考えています。
2013年8月14日(水曜日)
華やか夏の祭典! 今週末は小野まつりへ
毎日、ほんとうに厳しい暑さが続いていますが、皆さんいかがお過ごしですか。お盆休みで帰省されたご家族と一緒に、くつろいでおられる方も多いのではないでしょうか。
さて今週末は、この暑い夏を乗り切るべく、恒例の「第36回小野まつり」が開催されます。平成12年、「まつりを通して小野市を変えよう」と、ゼロベースで小野まつりを見直しました。そのためには、行政主体ではなく、市民が中心となってやってもらいたい。その思いに多くの市民の皆さんの賛同をいただき、計画立案から運営まで市民自らの力で実行されてきました。
以来、年々来場者が増え、今では2日間で14万人の集客を誇る県内有数のイベントへと成長しました。
毎年毎年、改善を繰り返し、進化を続けながら「小野市のまつりは違うんだ!」と、市民が主体となって前向きにチャレンジされてきた賜です。また、まつりの協賛金についても市民や企業のご協力をいただいています。行政の下請けだと思われていたら、こうはいきません。改めて、市民の方々に感謝申し上げたいと思います。
小野まつりは、単なる夏のまつりではありません。「まつりを変えよう」という市民の熱い思いが、市民自らの意識を変え、行動を変え、まちの姿までも変える。「賑わいづくり」が「誇りづくり」となり、その誇りづくりが郷土を愛する「愛着づくり」となる。まさに小野まつりこそ「小野市を変える」という一つの象徴であると捉えています。
今年も、北播磨最大級5,000発の花火「ファイヤーファンタジア」、そして県内最多の125チーム、約3,000人が参加する「おの恋おどり」、市内各地区の代表チームが踊りを披露する「市民夏の夢舞台」など見どころがたくさんあります。加えて、姉妹都市提携40周年を記念して、米国カリフォルニア州リンゼイ市から市長ら10名が来市され、スペシャルゲストとして小野まつりに参加されます。
今年の小野まつりのテーマは「瑞兆(ずいちょう)」。何か良いことが起こる予感という意味で、市民の皆さん、そして小野市にとって、素晴らしいことがたくさん生まれてくることを願っています。
ぜひ8月17日(土曜日)、18日(日曜日)の小野まつりにご家族お揃いでおこしください。
2013年8月7日(水曜日)
夢ここにあり ~小中学生 近畿・全国大会出場激励会開催~
夏の風物詩ともいえる全国高校野球選手権大会が、明日8日から甲子園球場ではじまります。今年の兵庫県代表は西脇工業高校が、創部50年目で春夏通じて初の甲子園出場を決めました。同じ北播勢として是非頑張ってほしいと思います。
小野市の小中学生も負けてはいません。先週、コミュニティセンターおので、近畿大会や全国大会に出場する小中学生への激励会を行い、柔道や陸上競技など、その大舞台で戦う総勢21人の生徒・児童に出席してもらいました。
まず、柔道では、県大会で団体戦初優勝に輝いた小野中学校女子柔道部が、兵庫県代表として全国大会と近畿大会に、同じく団体戦で惜しくも準優勝となった、小野中学校男子柔道部が近畿大会に出場することになりました。小野中男子柔道部は昨年全国制覇を成し遂げ、2連覇を目指していただけに少し残念ですが、選手達は、悔しさをバネに近畿大会で大暴れしたいと意気込みを語ってくれました。
また、個人戦でも男子66キログラム級で村上優哉(ゆうや)君、73キログラム級で嶋田将人(まさと)君、81キログラム級で藤原崇太郎(そうたろう)君、90キログラム級で安田夢飛(ゆうひ)君が全国大会と近畿大会に、60キログラム級で溝渕勇也(ゆうや)君が近畿大会に出場。女子個人戦には、44キログラム級で藤本彩月(あづき)さん、48キログラム級で安田夢姫(ゆめ)さん、70キログラム超級で謝 小紅(しゃ こべに)さんが全国大会と近畿大会に、同級で吉峰芙母絵(ふもえ)さん、52キログラム級で内藤久留弥(くるみ)さんが近畿大会に出場するなど、県大会で男女各8階級中、男子4階級・女子3階級を制覇した小野中柔道部の活躍が大いに期待されるところです。
陸上競技では、小野南中の田中希実(のぞみ)さん(800メートル・1500メートル)と榎 真菜(えのき まな)さん(200メートル)が、そして小野中の小東ゆいさん(100メートル・200メートル)と稲田拓真(たくま)君(1500メートル・3000メートル)がそれぞれ標準記録を突破して全国大会出場権を獲得しました。また、卓球で旭丘中の面田瑛奎(おもだ てるき)君、水泳で小野中の岸本拓也(たくや)君(200メートル平泳ぎ)がそれぞれ近畿大会への出場を決めました。
小学生も頑張っています。陸上競技交流大会兵庫予選会で小野東小の山田愛実(まなみ)さん(ハードル)と小野小の西尾晃太(こうた)君(100メートル)が、見事優勝を飾り全国大会に挑みます。激励会で西尾君は課題のスタートを練習して全国大会でいい走りをしたいと語ってくれました。
この激励会に出席した選手達をいつもうらやましいなと思っています。私も学生時代に陸上をやっていましたので、近畿大会や全国大会に出ることがどれだけ難しいか分かっています。選手達の快挙は、言うまでも無く選手自身が誰にも負けないほどの努力をしてきたことが見える形で表れたものです。でも一方で顧問の先生方の熱心な指導、また、家族や学校、地域の方々の暖かい支援を忘れてはなりません。
大会では自分の力を思う存分に発揮し、そしてスポーツを通して多くのことを学び、大きな夢をつかんでいただきたいと思います。2020年には東京で夏季五輪が開催されるかもしれません。北京五輪に出場した陸上の小林祐梨子さん、世界ソフトボール選手権大会優勝メンバーの古田真輝さんらに続いて、小野市から世界で活躍する選手がどんどん出てくることを期待するところです。
2013年7月31日(水曜日)
安全安心の「見える成果を追求」
小野市の「安全安心パトロール」が開始から早や10年目を迎えました。
平成16年に、警察官OB4名で結成したパトロール隊は、現在は15名に増員し、市民の安全安心のために活動しています。小野市が県内で初めて導入した青色回転灯をつけたパトロールカーも、当初は2台でスタートしましたが、現在は8台体制で朝8時45分から21時30分まで市内全域を巡回しています。パトロール隊の活動は、パトロール車での巡回、交通安全講習等の実施、事件・事故を予防するためのチラシの配布など幅広く、特に、(1)地域住民の防犯意識の醸成(2)犯罪抑止(3)児童・生徒保護について重点的に取り組んでいます。
これらの活動の成果として、市内の刑法犯の認知件数は減少し続け、平成15年に1,170件だったものが、平成24年には452件(61%減)に減りました。また、人身事故についても、平成24年は286件となり、平成19年と比較して86件減少(23%減)し、まさに「見える成果」を出しています。
市長就任以来「行政も経営」と捉え、「何をやっているのか」ではなく、「何をもたらしたか」という成果を追求して業務を遂行しており、それはこの安全安心パトロール活動についても同じであります。
今月12日には、用水路に足を滑らせ自力では上がれなくなってしまった小学生を発見し、隊員が救助するという出来事がありました。夏場の用水路は水田に必要な水が勢いよく流れており、もしも転落すれば子どもやお年寄りにとっては大惨事となりかねず、特に警戒が必要です。今回は安全安心パトロールが有効に機能し、幸い無事に救助できました。今後の対応として、これらの情報を共有し、水平展開を図ることが不可欠であります。
このように、安全安心パトロール隊は警察や行政の目が届かない、市民の皆さんの生活に直結した「ニッチ(隙間)戦略」で活動を展開しています。今年度の市長方針においては、「安全・安心な暮らしの確保」を重点項目に掲げています。市民生活に定着してきた安全安心パトロールの機能をしっかりと果たしながら、これからも「見える成果を追求」してまいります。
安全安心パトロールの活動は市ホームページ(次のリンク参照)で公開していますので、是非ご覧ください。
小野市の刑法犯認知件数のグラフと、小野市の交通事故件発生件数のグラフ 拡大画像 (JPEG: 114.3KB)
2013年7月24日(水曜日)
地域ぐるみの加入で災害に備えましょう
兵庫県住宅再建共済制度(フェニックス共済)の小野市の加入率(持家)が23%を超え、県内41市町で高い方から3番目になりました。県の目標である15%を大幅に上回る加入率です。
フェニックス共済は、兵庫県が全国で初めて「共助」の仕組みとして創設した制度で、阪神・淡路大震災等の災害の教訓を踏まえ、「自助」「公助」では限界のある自然災害に対して、「共助」による助け合いの精神を普及させるといった高い理念に基づいたものと捉えています。
年5千円の掛け金で住宅が半壊以上なら給付金が支給され、(1)建設や購入の場合は600万円、(2)補修の場合は全壊で200万円、大規模半壊で100万円、半壊50万円などとなっており、家財再建共済制度も設けられています。
小野市では、加古川の改修や防災センターの建設(来年3月完成予定)などハード面で災害に備える一方で、フェニックス共済への加入を各種集会など機会あるごとに呼びかけてきました。特に区長(自治会長)さんに対しては、町ごとの加入率を一覧表にした資料も配り、住民の皆さんに対して積極的に加入促進していただくよう強く要請をしています。
平成18年度からは、3年間限定ではありましたが、自治会が加入を取りまとめると1件につき掛け金の半額をその自治会に対して助成する、市独自の制度も設けて加入を促しました。
東日本大震災の例を挙げるまでもなく、地震はいつ発生するかわかりません。また毎年のように全国各地で記録的な豪雨の被害が報告されています。そのような現状をしっかり認識し、市民一人ひとりに普段から危機意識をもっていただくことは言うまでもありませんが、それ以上に、各町のリーダーである区長(自治会長)さんには、住民の意識改革と、いざというときには住民同士がお互いに助け合えるよう、防災に関する気運を高めていただきたいと願っています。
その取り組みは、防災面にとどまりません。要援護者に対する支援など福祉の向上やその地域の活性化など、いわば、「地域力」を高めることにもつながります。フェニックス共済の加入率は、ある意味でその「地域力」を測る1つのバロメーターであり、住民の危機意識はもとより、町のリーダーとしての区長(自治会長)さんの意識の高さを物語っているとも言えます。
小野市では「見える成果」を出すため、加入率の目標を30%としています。北播磨平均で13.5%、県全体では10.5%(持家)と、他市町で伸び悩んでいる加入状況と比較すると、小野市は現時点でも高い加入率ですが、市の目標にはまだ届いていません。
年間5千円の掛け金は、日額にすると13円余りです。決して高いとは言えないと思います。市民、自治会と市が協力して目標達成に向けて頑張りたいと考えています。
平成25年5月末の県内市町のフェニックス共済の加入率の表 拡大画像 (JPEG: 47.8KB)
2013年7月17日(水曜日)
市民と協働で運行する「らんらんバス」
先頃、厚生労働省が発表した2012年の国民生活基礎調査によると、65歳以上の高齢夫婦だけの世帯や、高齢の単身世帯などの「高齢者世帯」が、1千万世帯超え、全世帯の2割以上を占めるなど、全国的に世帯の高齢化が一段と進んでいることが示されました。
高齢者世帯は社会で孤立するリスクが高く、これを防ぐためにも、家にこもらず、買い物や通院などで外出する際に、日常的に利用できる移動手段を確保する必要があります。
そのような中で、小野市のコミュニティバス「らんらんバス」は、自動車等の移動手段をもたない高齢者や子ども、障がい者等の日常生活の足として、平成16年1月から運行を開始し、今年で10年目を迎えました。当初はバス3台、市内10ルート、111箇所のバス停からスタートし、現在ではバスを5台、バス停も153箇所に増やして、市内のほぼ全域で運行しています。
運賃も65歳以上の高齢者と小学生以下は無料としているほか、利用者の多い大規模商業施設にバスターミナルを整備するなど、できるだけ多くの方に乗っていただけるよう利便性の向上に努めています。また、ルート変更やダイヤ改正など利用者から寄せられる要望についても、利用状況や安全性を把握し、市民の方も加わった検討会議で、フレキシブルに運行計画の見直しを行っています。
利用者数も年々増加し、一昨年からスクールバスとしての機能を充実させたこともあって、昨年度は、市の人口の2倍に相当する年間10万人を超える方に乗車していただくなど、身近な交通手段として定着してきたと思っています。
今秋には北播磨総合医療センターがオープンしますが、市民の皆さんが利用しやすいよう現運行ルートの大幅な変更はせずに、新病院を経由するルートの構築を行う方向で、開院に合わせて10月のダイヤ改正を進めているところです。
小野市では「らんらんバス」を単なる交通施策ではなく、福祉施策の一環と位置付けています。公共施設や様々なサービスを充実させる一方で、誰もが気軽に利用しやすい環境を併せて整えていくことも、「ハートフルシティおの」の実現を目指す小野市が取り組むべき使命であると思っています。
「らんらんバス」が、高齢者や子どもに限らず、現役世代も含めすべての市民に、より身近な存在になることで、それぞれの活動範囲とコミュニケーションの輪が広がり、人と人を結ぶ、まさに「コミュニティバス」としての役割を担っていくことを願っています。
らんらんバス利用者数の推移のグラフ 拡大画像 (JPEG: 76.0KB)
2013年7月10日(水曜日)
「市長への手紙」で ご意見、ご提案を
7月1日から、市民の皆様のご意見やご提案をお聴きする「市長への手紙」が始まりました。毎年7、8月を広聴の強化月間として実施しており、今年で15回目を迎えます。
意見等を募集する専用のはがき(切手不要)は、8月31日までの間、市役所や図書館などの公共施設、コンビニ、スーパー、銀行のほか、昨年からコミュニティレストランも加え、市内68か所に設置しています。日ごろ感じておられることをお気軽にお寄せいただきたいと思っています。
ちなみに昨年は「らんらんバス、デマンドバスをもっと便利にしてほしい」、「危険な交差点を改良してほしい」など235件の意見が寄せられました。
小野市では、皆様からのご要望や苦情、そして様々なご提案などをお聞きする窓口を一本化するため、平成11年に「市民サービス課」を設置しました。「市民=顧客」と捉えた顧客満足度志向の一環として「情報は市民の財産」という認識のもと「広報広聴の多様な展開とシステムづくり」を構築しています。
「市長への手紙」や「市長の部屋へのメール」などでお聴きした意見は、すべてにコードナンバーを付けて受付カードに登録します。そして、まず私が拝見させていただいたうえで全庁的に検討し、記名・匿名に関係なく回答を作成し、文書で返事しています。また、すぐに対応するものや長期的に検討するもの、対応できないものなどに分類し、いつ受付していつ回答したか、どのような回答をしたのかなど、回答までの期間を含め、全てデータベースで管理して情報の一元化を図っています。
この広聴の仕組みには、2つの目的があります。1つ目は、言うまでもなく、「市民の意見を市政へ反映」させること。2つ目は、「職員の問題解決能力の醸成と意識改革」です。様々な意見に文書で回答するということは、アカウンタビリティ(説明責任)を果たし、納得していただけるよう、きちんと対応する能力を養うことに繋がります。
このように全庁的な仕組み、システムとして運用していますので、議員さんや自治会長さんからの要望も、小学生、保育所の子供さんの質問も、すべて平等に「市民からの意見」として取り扱っています。これまでお寄せいただいた意見は1万2千件を超えました。皆様からのご意見が小野市を変えていくものと思っています。
「市長への手紙」お待ちしています。
(回答文をお送りしますので匿名ではなく、お名前、ご住所をご記入ください。)
2013年7月3日(水曜日)
将来を見据えたごみ処理体制の構築
新聞報道でご存じのとおり、先月、加西市長から、小野クリーンセンターへの加西市のごみ搬入の申し入れがありました。これは、昨年の8月に小野市から提案していたことですが、加西市が加東市を加えた3市による共同運営ではなく、北播4市1町によるより広域的なごみ処理体制の構築を希望されていたこと、ごみ収集の中継点を設けるかどうかで折り合いがつかなかったことにより、一旦保留されていた案件です。また、加西市クリーンセンターの老朽化が進んでおり、全面的に改修するには約20億円が必要であるとの背景もあります。
天神町にある小野クリーンセンターは、平成元年に小野市、旧社町、旧東条町のごみを処理するために設置しました。平成10年にはその処理能力を高めるために増改築を行い、現状は3つの炉で年間約2万トン(1日90トン)のごみを焼却している状態です。そして、運営は小野市と加東市が共同で設立した「小野加東環境施設事務組合」が担っているところです。
現在、クリーンセンターの焼却炉は月曜日から金曜日まで稼働し、土曜日と日曜日には運転を休止しているため、炉の温度の上げ下げに手間とコストがかかっています。ここに、新たに加西市のごみが年間約1万2,000トン(1日40トン)搬入されると、週末も炉を休めることなくフル稼働させることになります。つまり、炉の稼働効率が上がり、加えて、負担金も3市で分割できるため、おおまかに計算すれば小野市だけでも年間約6千万円、共同で運営する加東市についても経費を削減できる見込みです。また、途中で火を消さずに燃焼温度で連続運転することで炉の長寿命化にもつながるなど、多くのメリットがあると考えています。
ところで、我が国は世界で例を見ない超高齢社会を迎えており、今後も少子高齢化が進むと予想されています。いわゆる「ジャパンシンドローム」と言われる現象です。明治維新(NHK大河ドラマ“八重の桜”の時代)の頃には3,300万人だった人口は、第2次世界大戦終結時には7,200万人になり、今は1億2千600万人に増加しました。しかし、これまで増え続けてきた人口も既に減少が始まっており、昨年の人口推計では年間に28万人減っています。実に北播磨の5市1町の総人口(26万人)が消えている計算になります。
ただし、私はこのような人口が減少していく社会を必要以上に悲観的に捉えることは無いと考えています。日本と国土面積がほぼ同じであるイギリスとイタリア、そして面積が日本の1.5倍もあるフランスの人口が約6,000万人で、これは今の日本の約半分です。また、日本と国土面積がほぼ同じドイツは約8,200万人です。それでも、これら西欧諸国は、先進国としての地位を保ち続けています。そして、日本も2060年には8,000万~9,000万人になると予想されています。
つまり、好むと好まざるとに関わらず、これら人口減少が与えるインパクトを抜きに自治体経営の将来を展望することなど出来ないということで、これからの行政は人口減少を基軸とした戦略を構築していく必要があります。三木市との市民病院統合もその一つです。我々は将来の世代のためにも次なるステップに進まなければなりません。
この度の申し入れは、小野加東環境施設事務組合への加西市の加入が前提であり、加東市長も了承されています。詳細はこれから関係市の議員の皆さんや、住民の方々と情報を共有しながら協議を進めていくことになります。また、15年後には北播磨全体で、ごみ処理体制の更なる広域化を図ることを視野に入れています。
これからの時代、ありとあらゆる公共事業、行政サービスについても人口減少をベースに考える必要があります。次代を担う子ども達のためにも、20年、30年先をしっかりと見据えつつ、今年度の市長方針である「未来への布石、将来の礎」の見える成果を追求していきたいと考えています。
更新日:2022年02月10日