2012年10月~12月分のバックナンバー

更新日:2022年02月10日

2012年12月26日(水曜日)

2012年を振り返って ~小野市10大ニュース~

「全国大会優勝おめでとう」と書かれた看板の前での小野中柔道部男子団体の記念写真
  1. 各種スポーツ競技で大活躍
    全国中学校体育大会で小野中柔道部男子団体が、昨年の雪辱を果たし初の全国制覇を成し遂げました。ソフトボール女子の世界選手権大会では大開町出身の古田真輝さんが日本代表として出場し、42年ぶりの優勝を果たしました。陸上競技でも小学生が県予選で3人が優勝、実に27人が入賞するなど好成績が続きました。近い将来、小野市から世界の舞台で活躍する選手がたくさん出てくることを期待しています。
  1. 福祉総合支援センター開設
    4月にオープンした同センターは、お年寄りや障がい者の方などが利用する市役所の窓口を集約。市福祉公社を統合した市社会福祉協議会も配置し、行政サービスとボランティアによる相談から支援までワンストップで一体的に提供しています。
新しくオープンしたONO Ceremony Hallみらいの外観の写真
  1. 「ONO Ceremony Hallみらい」がオープン
    官民共同事業で整備したセレモニーホール(葬祭場)が10月にオープン。家族葬から、北播磨最大となる400人規模の大型葬まで、多様な利用者ニーズに対応できます。民間の資金とノウハウを活用した新たな取り組みです。
犬と電車のイラストとともに「乗って残そう!ASC粟生線サポーターズくらぶ」と書かれたPR画像
  1. 「粟生線サポーターズくらぶ」発足
    神戸電鉄の経営改善努力を前提に、県と沿線3市による40億円の無利子貸し付けに加え、小野市として4千万円の固定資産税相当分を支援することを決定。同線活性化協議会では、利用促進に向けた取り組みの一環としてサポーターズくらぶを設立。会員数5,000人を目指しています。
  1. 5年ぶりに地区別市政懇話会を開催
    県による山崎断層帯地震の被害想定が大幅に拡大し、市内の死亡者や全壊棟数が従来の60倍を超える規模となるとの予測を受け、いち早く市民の皆さんにお知らせし、ご意見をお聞きする懇話会を7、8月に開催。6会場で総勢444人の参加がありました。なお、市役所に隣接した災害時の拠点となる「防災センター」の整備も進めています。
北播磨総合医療センターの完成予想図の外観の写真
  1. 北播磨総合医療センターの新築工事開始
    小野・三木両市民病院を統合し、平成25年10月に開院する「北播磨総合医療センター」(27診療科、450床)の起工式が1月にありました。免震構造の鉄筋コンクリート造り地上7階建てで、ヘリポートも備えます。地域医療の充実を目指した、大学と行政の連携による全国初の先駆的な取り組みです。
  1. 空き家等の適正管理条例を制定
    倒壊して周辺住民や歩行者に危険が及ぶ可能性がある空き家等(廃屋)に対し、県内で初めて最終的に行政代執行を行えることを盛り込んだ条例を制定(平成25年1月施行)。空き家等(廃屋)の所有者への指導、勧告などの手続き開始には地元自治会からの要請を、代執行には市議会の議決を要件とし、市民・自治会・議会・行政が一体となって取り組むものです。
  2. 健全財政を維持
    平成23年度市の決算は、実質単年度収支が2年連続で黒字。預金も80億円に回復。新病院建設など幅広い事業を進めながらも健全財政を維持しています。一方で市税の現年度徴収率は、県の整理回収チームと連携した滞納整理の推進などにより、県内29市でトップになりました。
きよたにいっぷく堂の前で3人の男女が料理などを手に持ち立っている画像
  1. 地域コミュニティレストランの充実
    市内で6か所目となるコミレス「きよたにいっぷく堂」が、国宝「浄土寺」前に3月オープン。また下東条地区においても、にぎわいや交流の拠点とすべく、新たな観光交流施設の建設に向けて地域の皆さんと取り組みを進めています。各地域においてコミレスを通じた特色のある活動が、地域の絆づくり、コミュニティの醸成、さらには防災意識の高揚や女性の社会進出に繋がることを期待しています。
  1. 全国から視察や取材が相次ぐ
    「いじめ」が社会問題となる中、全国に先駆けて平成20年に施行した「小野市いじめ等防止条例」が注目され、他の自治体やメディアなど全国から問合せ・取材が相次ぎました。このほか小野市の行政経営や脳科学理論に基づく特色ある教育なども含め、年間100件を超える視察や問合せがあります。

その他、市内初となるアフタースクール専用施設が、児童数の増加している小野小学校の敷地内に昨日オープンしたほか、B級グルメ「おの恋ホルモン焼きそば」広め隊の活動や、沖縄国際映画祭での地元CMコンペティションで「おの恋」をテーマにした作品が全国6位になるなど、「おの恋」と小野の魅力を全国に発信しました。

ところで、先週行われた衆議院議員総選挙により再び政権が交代しました。日本の政治がまたしても大きく変わろうとする中、引き続き「今まではこうであったという前例を踏襲することなかれ、かくあらねばならんという固定観念にとらわれることなかれ」という確固たる信念を持って、「更なる創造と変革」に向けてチャレンジしてまいりたいと考えています。

(次回の掲載は、1月1日(元旦)とさせていただきます。皆様よいお年をお迎えください。)

2012年12月19日(水曜日)

若者の意見を市政へ反映~第5回ヤングジェネレーションフォーラム~

先週の土曜日、うるおい交流館エクラにて「ヤングジェネレーションフォーラム」を開催しました。若者たちに行政に関心を持っていただくと同時に、彼らの意見を市政に反映させることを目的としており、今回は5つの高校、5つの大学から25名が参加されて、一般公開で市政への疑問や地域の課題について討論しました。

うるおい交流館エクラで開催されたヤングジェネレーションフォーラムの写真

このフォーラムも今年で5回目を迎えますが、これまで個別に意見を聞いていたものを、今回はテーマにより班編成を行い、グループごとに意見を交わしました。最初のテーマの“教育”では、学生の立場から学習する環境について意見があり、「図書館の開館時間の延長」の要望がありました。図書館については、以前より“民営化の検討”をしており、書店やレンタル業界の参入等によるサービス向上の可能性をお答えしました。ただ、学習環境の向上が学力の向上に直接結び付くかどうかは、本人次第であることを申し上げたところです。

“交通”では、普段、通学で利用している神戸電鉄や北条鉄道について、「電車の便数を増やして欲しい」や「運賃が高い」などの意見がありました。これについては、まさに費用負担の問題で、運賃を上げてでも便数を増やすのかということです。また、“乗って残そう粟生線”のサポーターズくらぶに加入されているか聞いてみると一人もいない状況であり、皆さんには人ごとではなく自分たちの問題として考えて欲しいと呼びかけました。

モニターを前に座って話を聞いている学生たちの写真

そして“地域の活性化”では、商店街活性化が論点となりました。中国からの留学生の宋健(ソウケン)さんが、小野市の商店街で多くの店舗がシャッターを下ろしているのを見て、女性をターゲットにしたカフェやおみやげを販売する観光施設の設置など活性化に向けたプレゼンをされました。商店街活性化については以前から地域と行政が一緒になって協議をしていますが、店舗と住居が一体化しているという構造上の問題などもあり、なかなか前に進んでおりません。でも一方で、宋さんのようにしがらみにとらわれないポジティブな意見こそが、まちの活性化につながっていくものと感じたところです。

今年も若者の率直な意見を聞くことができ大変有意義でした。気が付けば、予定時間を遥かに超え3時間にわたる討論となりました。より多くの若者がこういった場に参加し、市政への意見をぶつけていただきたいと思います。その柔軟で前向きな意見が、これからの新たな小野市を創っていくものと期待するところです。

2012年12月12日(水曜日)

東日本大震災に学ぶ~女性フェスティバル2012~

先週の土曜日、うるおい交流館エクラにて今年で5回目となる「女性フェスティバル」が開催されました。主催された小野市女性団体連絡協議会には、現在、市内32団体(1108名)が加入。男女共同参画の推進と共に、地域や市で活躍できる女性リーダーの育成を目指されています。その活動の一環として、またそれぞれの活動を披露する場として毎年このフェスティバルが開催されています。

うるおい交流館エクラで開催された女性フェスティバルで1人の女性が前で発言している写真

今回のテーマは「防災・減災を考える」でした。今年、県の防災計画が見直され、山崎断層帯で地震が発生した場合、市内のほとんどの地域で震度7となることは、地区別市政懇話会などでお話ししたところです。これを受けて協議会では、防災・減災を他人事ではなく自分のこととして捉え、家庭での備えや女性の参画等について考えていこうという思いから、このテーマを決められたようです。

100名を越える市民が参加した防災・減災ワークショップの写真

会場には東日本大震災の被災地支援を目的とした物産展を始め、賛同企業による防災グッズ、避難所用簡易ベッド・仕切りの展示、また、女性消防団によるAED心肺蘇生法の体験コーナーも設けられました。そして、今回初めて実施されたのが、地域での災害への備えを考える「防災・減災ワークショップ」です。当初、50~60名で予定されていましたが、実際には100名を越える市民が参加されました。

ほとんどの方があの阪神淡路大震災を経験されていますが、実際には日頃から災害に備えて水や食糧の備蓄、避難場所や経路の確認などの準備をされている方は少ないということが分かりました。また、自治会単位での防災訓練や公民館などでの備蓄、普段からの近所付き合いなども重要であるとの意見もあり、特に東日本大震災における避難所生活では、男性のリーダーがほとんどで女性への配慮が行き届かなかったところもあったことから、地域役員に女性を積極的に登用することの必要性など、約2時間にわたり熱心に討論されました。

まさにこれらの取り組みが、災害に対する危機管理意識の向上に繋がります。何度も繰り返し言っておりますが、防災の基本は「悲観的に準備をし、楽観的に対応する」であります。この女性フェスティバルを通して、女性だけに関わらず市民全体の意識が変わり、小野市の「防災力」、「地域力」がますます高まることを願うところです。

2012年12月5日(水曜日)

発電所でエネルギー施策を激論!~第2回東播・北播・淡路市長会~

先月26日、堺市の関西電力株式会社堺港発電所にて、「第2回東播・北播・淡路市長会」を開催しました。この会議は、東播磨、北播磨、淡路島の11市の持ち回りで行われており、今回は小野市が当番市でした。そこで、今注目されているエネルギー政策をテーマに、関西電力株式会社の協力を得て発電施設の視察を企画しました。

視察は専用のバスで現場を回りました。最大出力約1万キロワット、約7万4千枚のソーラーパネルが並ぶ西日本最大級の「堺太陽光発電所」や、最新式のコンバインドサイクル発電(ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた効率のよい発電方式)で総出力200万キロワットを誇る「堺港発電所」を視察し、各市長さんは効率性やコスト面等について職員の方々にいろいろと質問されていました。

市長会議で大きなモニターの前で市長が発言している写真

視察後、引き続き市長会議を行いました。「各市の再生可能エネルギーの利活用に向けた取り組み」という議題でしたが、各市から出た取り組みのほとんどはメガソーラー関連事業でした。産廃処理場の跡地等を利活用したり、企業がビルの屋上や壁面を利用するなど、太陽光発電の取り組み事例はたくさんありました。

しかし、問題としてあがったのは国の固定価格買取制度の不透明さで、売電価格は毎年見直されることとなっており、現行の1キロワットアワーあたり42円がいつまで続くのか、また、国は20年という期間を払い続けることが出来るのかなどの意見が出ました。更には、制度として価格を保証することで電気代が上がり、太陽光パネル等の設備投資が出来ない消費者は、その恩恵を受けることはできず、結局、高い電気代を払うことになるという指摘もありました。

先進地のドイツやスペインでは、買取価格の設定が設備導入コストとのバランスを欠いたために、大きな混乱を招き、制度の見直しを余儀なくされています。一方、太陽光発電はCO2排出量を削減できるエネルギーとして大変有効であり、一般住宅への補助はやっていきたいという意見もありました。議論は尽きませんでしたが、エネルギー問題については継続的に協議を重ねていく必要があるというところで時間がきました。

このように市長さんが集まって意見を交わす機会は多くなく、久しぶりに皆さんと熱の入った話し合いをすることが出来ました。今回、各市のトップの様々な考え方をお聞きできたことが何よりの収穫で、そこから互いに切磋琢磨することで強い自治体が生まれてくるのではないかと思うところです。
(今回の市長会の開催にあたり、ご尽力いただきました関西電力株式会社の関係者の皆様に改めて感謝申し上げます。)

2012年11月28日(水曜日)

訓練ではなく“命の勉強”という意識で ~地域・教育防災訓練の実施~

18日の日曜日、「大部小学校区地域教育防災訓練」を実施しました。大規模地震や水害等の災害時における、地域の防災対応能力の向上と防災意識の高揚、そして被害の軽減を目的として、毎年、市内の小学校区で順番に行っています。

大部小学校で行われた消防車による防災訓練の様子の写真

訓練会場となった大部小学校には、早朝から児童や保護者、先生方をはじめ、自治会、自主防災組織、消防団、消防署、社警察署、青野原陸上自衛隊など、総勢約900人が集まりました。訓練は、小野市を通る山崎断層帯で震度7の地震が発生し、住宅等の倒壊や火災などにより市内に甚大な被害をもたらしたという想定で行われ、少し肌寒いなか、皆さん避難訓練や児童引渡し、消火器やバケツリレーによる初期消火、土のうづくりなど、数多くの訓練や作業に熱心に取り組んでいただきました。

今年は県の防災計画が見直され、山崎断層帯で地震が発生した場合、市内ほとんどの地域で震度7(前回平成10年県発表では6強)となり、死者数約1,000人(同15人:67倍)、全壊建物約17,000棟(同283棟:60倍)、避難者に至っては約29,000人(同2,300人:13倍)と大きく変わりました。このことについては、いち早く市民の皆さんにお知らせする必要があると考え、7月の下旬の地区別懇談会の場で説明をさせていただいたところです。

消火器を使って消火訓練を行っている人たちの写真

市では、約18億円をかけ市役所に隣接して災害時の拠点となる「防災センター」の建設を進めておりますが、防災は行政(公助)だけでできるものではありません。今回の訓練のはじめに、神戸校長先生から児童らに「今日は訓練ではなく、命の勉強だと思って行動しましょう」という一言がありました。そして、あの阪神大震災の際、実に97%の人が「自分で脱出した」、あるいは「家族・隣人に救助してもらった」等、いざという時、最も大きな力となるのは、まさに自分の命は自ら守る「自助」と、向こう三軒両隣で共に助け合う「共助」であることが証明されています。

これからも「悲観的に準備し、楽観的に対応する」ことを念頭に、地域の皆さんとともに防災意識を高めるとともに、助け合い、支え合う「地域力」「市民力」の向上に取り組んでまいりたいと考えています。

2012年11月21日(水曜日)

「あれから50年」~金婚夫婦を祝う集い~

「あれから50年」。先週の15日、エクラで結婚50年を迎える58組116名のご夫婦にお集まりいただき、「金婚夫婦を祝う集い」を催しました。参加された方々が結婚された昭和38年というと、高度経済成長の真っ只中であり、まさに経済大国ニッポンを創り上げてこられた方々であります。

エクラで開催された58組116名が参加した金婚夫婦を祝う集いの写真

アトラクションのハワイアン音楽の演奏やフラダンスでは、皆さん歌って踊ってとても元気で、私も見よう見まねで一緒に楽しみました。フラを踊りながら、ふと私も結婚してから40年を過ぎていることに気づきました。10年後、参加された方々のように夫婦仲良く元気に金婚式が迎えることができればと思いました。

ところで、我が国における少子高齢化は止まるところを知らず、小野市でも、65歳以上の高齢者が1万1,500人を超え、高齢化率が23%に達しようとしており、既に超高齢化社会に突入しています。

そのような中、小野市では、高齢者を対象とした様々な施策を展開しており、この度の「金婚夫婦を祝う集い」を始め、“三枝”改め“桂文枝”さんがコーディネートする65歳の第2の成人式「エイジルネサンスパーティ」、温泉や買い物などで外出する元気な高齢者が増えたという福祉施策としての「らんらんバス(65歳以上無料)」の運行など、市独自の事業を行っています。

さらには、すでに今年の4月にオープンしました、福祉のワンストップサービスを実現する「福祉総合支援センター」を始め、平成25年10月に開設予定の「北播磨総合医療センター」の建設、災害時の拠点施設となる「防災センター」の整備、「小野警察署」の設置など、20年、30年先を見越した事業を着実に進めているところです。

「あれから50年」。二人で厳しい社会を乗り越えてこられたことこそ、何事にも代え難い宝です。“色々あったけど小野市に住んでいてよかったね”と言って祝っていただけるように、これからも独自性と先見性のある施策を展開し、皆が安心して暮らせるまちづくりを行っていきます。

2012年11月14日(水曜日)

基金で対応可能なのに、何故、賞与を遅らせようとしたのか!

国の予算執行に必要な赤字国債を発行するための「特例公債法案」が成立せず、地方交付税の配分が遅れている。これを受け、小野市では収入不足の対応として、国からの支払いの遅れが続いた場合、特別職、議員及び市職員等の12月のボーナスの支給を遅らせる方針を決めた。

地方交付税は、県や市など地方公共団体間における財源の不均衡を調整し、全ての団体において必要な財源を確保するため、国税から一定の基準で各団体へ配分される。毎年4回(4月、6月、9月、11月)に分けて支払われるが、小野市では11月2日交付予定額の約6億2000万円が延期となった。

ところで、交付税の支払いが先延ばしになるということは、敢えて民間の支払条件に当てはめれば、現金支払いが手形払いに変更になったということで、通常ではあり得ないことである。その場合、支払を実施するために、取引先への支払いを手形期日まで待つか(支払延期)、手形を銀行に持ち込むいわゆる手形割引して現金化して払う(予定期日通り)のが通例であり、それに伴う割引金利負担は全て自らが対応するのが当然のことで、ましてや相手方の国に負担させるのはあり得ないことである。

小野市では、歳入の不足分については基金等の自己資金で一時的に立て替える「繰り替え運用」で補うことは十分可能であるが、基金運用益の減少などを極力抑えるため、私や議員、職員等の12月の期末勤勉手当(約5億円)の支給日を遅らせることとした。もちろん事業を遅延するなど行政サービスを低下させるわけにもいかず、他の支払いを優先させたが、これらの措置については議会や職員組合等にも理解を求めた。

地方自治体においては、積極的な行財政改革や職員削減等を進めているものの、税収入の減少等により自治体経営はどこも非常に苦しい状況が続いている。都道府県では、既に交付税の支払いの遅れにより、基金の繰り替えや金融機関からの一時借入などの対応を迫られ、損失が生じている。国は金利負担の補てん等の配慮をするとのことだが、これ自体がおかしなことであり、まさに甘えの構造で結局は国民の税金で賄うにすぎない。

地方交付税は、国民に標準的な行政サービスを提供するための地方公共団体の固有財源であるが、政局の駆け引きの材料に使われ、配分が遅れることは誠に遺憾であり、仕組みの欠陥である。いずれにせよ、このような混乱で「つけ」を払うのは国民であり、それらを念頭において与野党とも政治を進めていただきたいと願うところである。最終的には一転して、2015年度まで、予算案の成立と同時に赤字国債の発行を認める規定を盛り込んだ修正案で合意するようであるが…。

2012年11月7日(水曜日)

「河川と道路」、2つの要望を携えて

先月の29日、加古川改修促進期成同盟会及び、東播磨南北道路建設促進期成同盟会の会長として、国土交通省を訪れ「加古川の早期改修」と「東播磨南北道路の早期整備」に向けて要望を行いました。今回、南北道路整備の会長になってから初めての要望でしたが、加古川改修の要望先と同じでしたので、同時に要望をしてまいりました。

若井康彦政務官と市長が資料を見ながら話し合っている写真

今回は、国土交通省の若井康彦政務官や橋本清仁政務官にお会いし、加古川改修について、平成16年の台風23号や昨年の台風12号、15号のような災害が起こらないようにとお願いしました。「1級河川で無堤地区があることは国家の恥である」と、会長就任から14年間毎年言い続けてきましたが、加古川流域では未だに無堤地区(小野市、加東市)が残っており、近年のゲリラ豪雨や集中豪雨などに対応するためにも、直ちに改修が必要です。

南北道路建設については、加古川流域の都市を結び、活力ある地域づくりの骨格をなす道路であることを強調しました。南北道路は、国道175号(小野市池尻町)と国道2号加古川バイパス(加古川市野口町)までの全長約12.5キロメートルで、現在、加古川バイパス中央ジャンクションから八幡南インターチェンジの区間が整備中であり、平成25年度末に開通する予定です。

逢坂誠二民主党総括副幹事長と市長が資料を見ながら話し合っている写真

それより以北の国道175号(小野市)までの区間については、来年春の都市計画決定に向けて手続きを進めております。完成により小野と加古川を約10分で行き来できるなど、東播磨臨海部との時間短縮や渋滞緩和、安全性の向上のみならず、来年10月完成予定の北播磨総合医療センター(2次救急)と県立加古川医療センター(3次救急)との連携や地域経済の活性化など、様々な効果が期待されます。最後に元北海道ニセコ町長の逢坂誠二民主党総括副幹事長とも会い、事業の促進について国と地方自治体の両方の側面から理解を求めたところです。

「地域住民の安全安心」、「加古川流域都市の活性化」を進める2つの事業は、北播磨・東播磨地域の発展のため大変重要な役割を担います。今後も両同盟会の会長として広域的な観点に立って、国、県と連携を取りながら事業促進に取り組んでまいりたいと考えています。

2012年10月31日(水曜日)

結果とプロセスを評価~小野市研究発表会~

今月の17日、伝統産業会館で「小野市研究発表会」を開催しました。平成16年度から実に9年目を迎えますが、昨年より職員に加え、市民の方々にも発表していただいており、誰もが気軽に参加できる開かれた発表会となっています。

小野市研究発表会で写真が映し出されているスクリーンの前に着ぐるみを着た人が立っている写真

発表者の皆さんは、パソコンのパワーポイント(プレゼン用ソフト)を用いて、これまで市政に関して自主的に研究してきたことなどを発表し、その内容や技能を競い合います。今年は職員以外からコミュニティレストラン「きよたにいっぷく堂」の谷口代表と常深副代表が参加され、また、オブザーバー参加(審査対象外)として昨年審査委員をしていただいた「株式会社アマダ小野工場」の酒井工場長さんと樫山管理部長さんにも発表していただきました。

あいにくの雨で足元が悪い中、一般市民を含め約300人の方々の参加がありました。自治会や地域づくり協議会、NPO法人北播磨市民活動支援センター、商工会議所、社会福祉協議会などの団体関係者、9月12日の雑感でご紹介した関西国際大学准教授の服部先生、また、南あわじ市議会議員の方々も視察のためにお越しいただくなど、職員以外の参加者が年々増えています。

審査は、小野高校情報教育担当の先生、前年度最優秀賞受賞者(市職員)、市議会議長、私(市長)に加え、今年から小野商工会議所の専務理事さんにもお願いし、専門的かつ客観的に行いました。その結果、今年は、総務部税務課の職員が発表した「市税徴収率向上の取り組みについて」が最優秀賞に選ばれました。税金の“徴収”という一つのテーマに絞り込んで、データ分析や業務改善等を誰にでもわかるように表現し、今求められている「見える成果」を徹底的に追及した発表でした。

他の発表も結果とプロセスは十分評価できるものであり、表彰式では参加された方々から発表者に惜しみない拍手が送られました。今後も発表会を通して、市民の方々に行政の取り組みを広く知っていただくと共に、職員の知識習得や業務遂行能力を高め、行政手法のイノベーションによる更なる市民サービスの向上に取り組んでいきたいと考えています。

2012年10月24日(水曜日)

Challenge the ONO POWER 産フェスおの開催!

先週の20日(土曜日)と21日(日曜日)、「小野市産業フェスティバル(産フェスおの)2012」が開催されました。2日間とも秋空のすばらしい天候に恵まれ約8万人もの来場者で賑わいました。

並んでいるそれぞれのブースを沢山の人がのぞいている小野市産業フェスティバルの写真

この産業フェスティバルは、昭和59年に伝統産業会館で第1回が開催され、今年で28回目を迎えましたが、会場をエクラ周辺に移した4年前から、産業フェスティバル本来のあり方に立ち戻り、まさにゼロベースの発想でリストラクチャリング(再構築)する中で、エクラ屋内において企業展を開催し商談やリクルーティング、マーケティングを行うなど「産業」の紹介に重点を置いたオンリーワンのイベントへと変化してきました。

そのような流れの中で、昨年から同時開催されている北播磨地域の総合企業展「北はりまビジネスフェア」に加え、今年は新たに「北播磨じばさん元気市」や「エコフェスティバル」等のイベントも開催されるなど盛りだくさんの内容となりました。会場にはそろばんの作成体験、杉原紙や播州織、刃物製品の販売、エコ工作教室など過去最大となる127の団体(昨年94団体)がブースを構えたほか、北播地域のゆるキャラによるダンスや猿回し、バナナのたたき売り、さらにはアカペラグループのライブやおの恋おどりなど幅広い年代の方に楽しんでいただける催しが目白押しでした。

様々な屋台が出ている間を沢山の人が行き交っている写真

私も式典に出席したあと、会場をひと回りしましたが、出展者やボランティアの皆さんの熱気のすごさに圧倒されました。またちょうどお昼時でしたので、小野市のご当地グルメ“おの恋ホルモン焼きそば”のブースに立ち寄ったのですが、お客さんの長蛇の列で残念ながらあきらめました。別の機会にぜひ食べたいと思っています。

ところで今回の会場となった一画に、地域活性化の拠点となるホテル誘致が決定しており来秋にも着工される予定ですが、小野市の魅力発信と更なる賑わいづくりのため、エクラとホテルとをリンケージさせる形で、バンケットホール(宴会場)の整備も同時に進めていきたいと考えています。今後、このホテル誘致が起爆剤となり更なる産業発展につながることを期待すると共に、市民、企業、行政が連携しながら、ますます元気な小野市の創造に向けて皆さんと一緒にチャレンジしていきたいと考えております。

2012年10月17日(水曜日)

神戸電鉄粟生線60年の歩み

企画展「神戸電鉄の歩み」の展示物を眺めている人たちの写真

先日、小野市立好古館で開催しました企画展「粟生線誕生60周年記念 神戸電鉄の歩み」の見学に行きました。この企画展では、開通当時の資料や写真を紹介するなど、今一度その歴史を振り返り、来場された方々が粟生線の未来を考えるきっかけになればと開催しました。

当時の写真を見ていると、昔の記憶が少しずつ蘇りとても懐かしくなりました。神戸電鉄粟生線が小野の粟生駅まで全線開通したのは昭和27年4月10日で、私は小学校に入る前でした。粟生駅舎の風景などは今でも幼いころの記憶に残っています。また、今まで知らなかったのですが、よく川遊びに行って何気なく見ていた加古川に架かる橋梁は、実は明治21年に英国から輸入されたもので、日本土木学会の「歴史的鋼橋」に指定されているそうです。

私が学生時代、大阪の大学まで通学に利用していた当時は、確か“神有(しんゆう)”(神戸有馬電気鉄道:設立当初の名称)と呼んでいた記憶があります。この頃から、高度経済成長が進むにつれて神戸方面に通勤するサラリーマンが増加し、沿線で新興住宅地の開発が進みましたが、昭和30年ごろの写真を見ると三木の緑が丘駅や志染駅周辺はまだ草野原でした。

神鉄の最新車両のミニトレインを運転している親子たちの写真

現在、粟生線の利用者は、平成4年の1420万人をピークに減少し、今ではその半数以下となっています。平成22年度から沿線市と県、神戸電鉄による「粟生線活性化協議会」を中心に、“乗って残そう未来の粟生線”をスローガンに利用促進を呼び掛けると同時に、粟生線存続のために小野市として4千万円の固定資産税相当分の支援や、沿線市と県で40億円の無利子貸付なども行っています。

今回の企画展では、展示のほかに神戸電鉄の社員が作られた神鉄電車模型の走行会や、来場者が乗れる神鉄の最新車両のミニトレインの運転会などもあり、鉄道ファンのみならず、子供から大人まで約3000人(1ヵ月間)の方々に楽しんで頂きました。「神戸電鉄粟生線」のことをもっと多くの方に知っていただくため、今後もこのような展示会を様々な場所で開催していきたいと考えています。

2012年10月10日(水曜日)

多種多様な広報広聴を展開

おのコミュニティホールで開催された小野ひまわりライオンズクラブとの座談会で市長が発言している写真

先週、おのコミュニティホールにて、毎年恒例となりました「小野ひまわりライオンズクラブ」との座談会を行いました。「市政について市長に直接お聞きしたい」とのご依頼を受け今年で8回目になりますが、皆さんからの幅広い質問にお答えするため、各部署の担当課長も同席させるなど、議会さながらの懇談会でした。

「小野ひまわりライオンズクラブ」は、女性だけのライオンズクラブとして普段はボランティアを中心に活動されていますが、皆さん市政に大変興味を持っておられ、今回もほぼ会員全員となる23名の方がこの座談会に参加されました。まず、私から小野市政の概要として「小野市の行政経営」や「主要プロジェクト」の説明を申し上げ、更には、小野市域を通る山崎断層帯で大地震が発生した場合の県から示された被害想定や、最近話題となっている「いじめ問題」や「空き家条例」等の説明もさせていただきました。

すると皆さんからは、「市長さん、ちょっとお聞きしたいのですけれど…」と普段の生活の中での疑問や気付いたことなど質問がたくさん出ました。「小野まつりなどで着る浴衣の市公認の統一デザインを作成しては」、「災害時の独居老人への対応をどうしたらいいか悩んでいる」、「総合体育館の水洗トイレのボタンが固い」など、どれも現場現物に基づくものばかり。皆さんのご意見に対して私もその場で率直にお答えしましたが、関係部署で協議が必要なものは市民サービス課の「受付カード」に登録し、多面的に検討するように指示しました。

このような「団体別座談会」は希望があればその都度開催させていただいており、市民の方々からの提案や意見を直接聞く、また、市政の情報発信を行う場となっています。12月15日(土曜日)には、うるおい交流館エクラで学生など若者たちと公開討論する「ヤングジェネレーションフォーラム」を開催する予定ですが、世代が異なる彼らの鋭い意見に毎回驚かされています。一般公開していますので是非ともご覧ください。

出来るかぎり市民の皆さんとこのような機会を持つことで、アカウンタビリティ(説明責任)を果し“説得ではなく納得”していただくと共に、いただいたご意見は「市民の財産」として、どんどん市政へ反映していきたいと思っています。

2012年10月3日(水曜日)

「おのセレモニーホールみらい」がオープン

“お葬式”と言えばひと昔前まで自宅や公民館で行われていましたが、最近では、核家族化の進展もあってか、葬祭場を利用される方が急激に増えています。現に、小野市でも半数以上の方が葬祭場を利用されており、“葬儀”のあり方も時代と共に大きく変貌してきました。ちなみに、昨年の小野市の葬儀件数は465件で、そのうち葬祭場を利用されたのは241件にも及びます。

おのセレモニーホールみらいのオープンを記念するテープカットの写真

これまで市内には多様なニーズに対応できる施設がなく、また施設利用者の8割がやむなく市外の施設を利用される中、以前より市民の皆様から“市内での葬祭場の設置”が望まれていましたが、いよいよ10月1日に新葬祭会館「ONO Ceremony Hallみらい(小野市敷地町)」がオープンしました。

この施設は、官民共同事業として、市が用地の取得と施設の整備を行い、公募により共同事業者に決定したJA兵庫みらいが、建設資金の提供と用地の賃借料を負担する、いわゆる「民間の資金とノウハウを活用」した今までにない取り組みでありました。そこでは、市が業務委託するのではなく、共同事業者であるJA兵庫みらい自らが主体的に管理運営を行います。

外観は「本当に葬祭会館?」と思わせるような近代的なデザインで、家族葬から一般葬、そして北播磨最大となる400人規模の大型葬まで、利用者の希望に沿った葬儀を執り行うことが出来ます。場所は北播磨の中心地で、斎場の「湧水苑」まではわずか10分足らずです。さらに、すぐ南側には来年9月から民間企業によりホテル建設が着工され、遠方から来られた方も安心して泊っていただけるようになります。

400人規模の大型葬を行える大ホールの部屋の写真

完成に至るまでは、施設の色彩やイスの座り心地、植栽の種類や位置など細かくチェックしてきましたが、それだけ思いを込めて進めてきたわけです。しかし、ハードが出来て終わりではありません。やはり原点は「顧客満足度志向の徹底」であり、顧客ニーズにどのように応えるのか、これからが正念場です。利用者の方に「おのセレモニーホールみらいを利用して本当に良かった」と思っていただける施設になるよう、JA兵庫みらいに強く申し入れたところです。

最後にご協力いただきました地権者の皆さま、及び関係者の方々に厚く御礼申しあげます。

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