2011年1月~3月分のバックナンバー

更新日:2022年02月11日

2011年3月23日(水曜日)

市民の気持ちを一つにして~東北関東大震災に対する支援~

東北関東大震災の発生以来、その被害は日増しに広がっていく中で、小野市では、5,000万円の災害見舞金を全国市長会を通じて被災地に送ることを決めました。また、被災した小中学生を市内のホストファミリーに受け入れるなどの支援策を18日までにまとめました。

小野市における東北関東大震災に対する支援は、その目的を明確にするため、大きく3つのグループに分けております。

  • 第1グループ 物資・人的支援による応急対策
    人的支援では、11日の夜から緊急援助隊(兵庫県隊)として小野市消防署消防隊を派遣(4隊18名)しております。津波の被害が激しかった宮城県南三陸町で生存者の捜索活動を行っておりますが、引き続き隊を交代しながら災害支援に取り組みます。支援物資では、県の要請による防寒着提供の受付を行うと共に、市独自に避難者用飲料水「おのみ~ず」5,000本(ペットボトル500ミリリットル)や、地元企業との災害協定により避難所のプライバシーを保護する間仕切り500枚(ダンボール製)を準備しました。また、市の教育行政顧問の川島隆太教授が被災されている東北大学(仙台市)に市から直接、食料や灯油などを届けると共に、大学周辺で避難所となっている仙台市立七郷小学校にもペットボトル飲料水などの物資を届けたところです。
  • 第2グループ 義援金による生活復興支援策
    戦後最大といわれている大震災の支援として決定したのが、5,000万円の災害見舞金であります。約5万人の小野市民1人あたり1,000円の計算となります。24日の市議会最終日に2010年度の補正予算案として上程する予定ですが、18日の市議会議員さんへの事前説明では全会一致で賛同いただきました。議会の可決後、市民を代表して送りたいと考えています。また、14日から始めた義援金の受付では、自治会などの団体や市役所に来られた市民の方々から募金が寄せられ、現在約230万円が集まっております。19日には、小野市の災害ボランティアに登録された方々(10名)がひまわりの丘公園で募金活動を行ったり、連合区長会でも各自治会へ募金を呼びかけるなど、市民活動も活発になっております。
  • 第3グループ 市内ホスト家庭による被災児童受入れ支援
    震災において被災した小中学生を、市内で受け入れていただくホストファミリーを募集しています。1家庭に同学年の子ども2名程度受け入れる予定で、募集家庭数は100組(約200名)。被災地では、学校が避難所となっており、被災した子ども達が安心して生活できるような環境が整っておりません。従来型の支援ではなく、小野市の市民力を生かした支援をしていきたいと思っています。なお、新聞などの呼びかけで、現在、市内から33世帯の申し込みがありましたが、その反響も大きく市外や県外の方からも問い合わせがありました。(問い合わせ:小野市福祉事務所0794-63-1509)

今回のような災害が何時起こっても不思議ではありません。まさに、明日は我が身であります。阪神大震災を経験してその痛ましさを知る方も多いと存じますが、市民の気持ちを一つにして被災地への支援を行っていきたいと思っています。

2011年3月16日(水曜日)

「地域の安全は地域で守る」の防災意識

3月11日、東北地方三陸沖でマグニチュード9.0という国内最大規模の地震、そして大津波が起こったことは、自然の脅威を改めて痛感させられることとなりました。被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。

小野市では、11日の地震の第一報を受けて直ちに幹部職員による緊急対策会議を開きました。市としてできることを、先手管理で協議したところです。まず、緊急援助隊(兵庫県隊)の要請を予測し、消防士5名とタンク車を直ちに編成し、県からの正式要請を受けるや否や、11日の夜から東北地方へ出発しました。現在、宮城県において被災者の捜索活動を行っておりますが、続いて第2次派遣隊も現地に向かい、交代しながら災害支援を行っているところです。

また、被災地への生活物資として、ペットボトル飲料水5000本や段ボールの避難所用間仕切り500枚などの支援物資を送る準備を整えました。そして、今後、災害復興の人的支援が必要となるため、12日から災害ボランティアの登録の受付を始め、一方では14日から義援金の募集を行い、既に市民の方々から数多くの申し込みをいただいております(ボランティア登録:小野市社会福祉協議会、小野市福祉事務所 義援金:小野市役所市民安全部)。なお、生活物資の寄付の申し入れは、情報をお聞きしておき、被災地からの要請があった時にご協力いただきたいと思っています。

今回の災害で多くの人々が避難して助かったのは、学校や病院、スーパーなど、耐震性のある大型の建物でした。小野市では、約60億円を投じて市内全小中学校の耐震化に取り組みました。今年の3月に竣工する小野中学校の改築で完了となりますが、他の事業に優先して学校整備を行ったことは間違いではなかったと思っています。

また、来年度予算では、地域活動の拠点づくりとして自治会が行う公民館の整備などに対して補助メニューを創設しました。今回の災害では、役所などの公共機関もマヒしている状況であり、公民館に避難して自治会組織が率先して炊き出しなどの支援をしておられるところもあります。公民館整備により災害時には助かったなど、自治会レベルで様々な面から防災対策を考える時代になっていると思います。

もし山崎断層地震が起こった場合、小野市ではほとんどの地域で震度7が予想されていますが、この度の災害を見ますとそれ以上の災害も予測しなければならない状況であります。防災の基本は後手から先手管理でありますが、いざという時に備え、「地域の安全は地域で守る」の精神から自治会も市民の皆さんも、改めて防災意識を高めていただきたいと思っています。

2011年3月9日(水曜日)

進化し続ける地域主体の賑わいづくり

3月5日(土曜日)、6日(日曜日)の2日間、小野地区地域づくり協議会主催の「小野陣屋まつり」が開催されました。小野藩陣屋町として栄えた“おの商店街”の歴史を見直すと共に、商店街の活気を再び取り戻そうと取り組まれ、今年で6回目を迎えます。今や商店街の恒例のイベントとして定着しており、この2日間で約2万人もの方々が訪れ大変賑わいました。

武士の格好をした4人の武魂盛隆士隊の人の全身写真

私も6日に、800メートルある商店街の端から端まで歩き、祭りを見学させていただきました。舞台がある愛宕神社まで、たつの市から有志で参加いただいている武魂盛隆士隊の武者行列と一緒に歩いていきました。途中、暖簾やパネルを飾り江戸町屋を再現した店舗があったり、店の人も着物を着て接客されたりと、約350年前の陣屋町にいるような雰囲気を味わいました。

直径2メートルの大鍋で作られた陣屋鍋をふるまっている写真

舞台に着くと保育所園児のかわいい歌声が聞こえてきました。そして、子ども達の後は、大人達のサークルによる民謡です。皆さん、歌や演奏を、楽しくにぎやかに披露されていました。その隣で長い行列が出来ていたのが「陣屋鍋」です。小野産小麦ふくほのかで作った団子入りの豚汁を直径2メートルの大鍋で作り、約1000食が振舞われていました。

この他、空き店舗を利用してサークル活動の作品を展示したり、道沿いには市民グループによるフリーマーケットや食べ物の屋台が立ち並び、普段は人通りが少なく少し暗い感じがしますが、この日はすれ違うのが大変なくらい大勢の方々で賑わっていました。小野地区地域づくり協議会では、この日のために1年前から計画を立てて、警備の打ち合わせ、出店者への説明、のぼりやチラシの作成なども全て自分達の手で行われています。

このような地域づくり協議会の取り組みは、各地区で行われており、河合地区「里山フェスタ」、来住地区「きすみの祭」、大部地区「おおべの荘」、市場地区・下東条地区「夏まつり」など、地域の特色ある住民参加型のイベントが行われています。まさに「賑わいづくり」が「誇りづくり」となり、その「誇りづくり」が地域を愛する「愛着づくり」へと繋がっております。

小野市では、平成16年度から各地域づくり協議会に用途を制限せずにその活動費の助成を行っていますが、自由な発想と独自の創造力により熱意のある取り組みが市全体に広がっています。それが小野市の市民力であり、それらが元気な小野市をつくっていくものと思っております。

2011年3月2日(水曜日)

次期オリンピック選手を目指して!~小野市スポーツ賞表彰式~

小野市スポーツ賞表彰式で壇上で選手を表彰している写真

先日、平成22年度に各スポーツ大会で優秀な成績を収められた選手と、その指導をされた方の活躍を称える、「小野市スポーツ賞表彰式」を行いました。この表彰式は、スポーツの振興と競技力向上を目的に毎年行っており、今年は、個人、団体を含め、162名の方を表彰いたしました。

さて、小野市の名誉市民であり、元小野市長の井上増吉氏が昨年10月24日に96歳でご逝去されました。小野市スポーツ賞表彰においては、昭和15年の東京オリンピック(戦争のため返上)の出場候補でもあった井上増吉氏の陸上競技選手時代の数々の栄光や県内外スポーツ界での指導者としての功績を称え、小野市スポーツ賞の最高の賞として、平成14年に「井上増吉賞」が制定されました。私にとって小野高校陸上部の大先輩でもあります井上氏が残されたスポーツにおける功績は偉大なものであり、改めて会場の皆さんと哀悼の意を表し、ご冥福をお祈りしたところです。

その「井上増吉賞」は、ウエイトリフティング競技で「国体6連覇」を果たされた門脇創一さんと、小野市初のオリンピック選手であり、昨年クロアチアで行われた「コンチネンタルカップ女子3000メートル」で見事入賞された小林祐梨子さんに贈りました。お二人とも国内トップレベルであることはもちろんのこと、国際大会においても十分に通用するレベルにあり、次期ロンドンオリンピックへの大きな期待を抱いております。

また、小野市における小中高校生の活躍は、一年を通して素晴らしく、本年度も、陸上競技や野球、柔道競技をはじめ数々の競技において、県内だけでなく近畿大会や全国大会において素晴らしい成績を残されています。更には、日本代表として国際大会に出場する選手も出ており、市民に大きな感動と勇気、そして夢を与えてくれています。小野市の子どもたちが、次世代のトップアスリートとして羽ばたく日を心待ちにしています。

小椋久美子選手が学生にバドミントンの実技指導をしている写真

表彰式の後には、北京オリンピックなどで「オグシオ」旋風を巻き起こした、バドミントンの小椋久美子選手をお迎えして、実技指導をしていただきました。私も最初にデモンストレーションで小椋選手と打ち合いましたが、バドミントンが激しいスポーツだということを痛感しました。小椋選手は「楽しいことが基本」として、和やかな雰囲気の中でプロの実技と適切な指導をされて、参加者の皆さんも大変喜ばれていました。数日後の新聞でご結婚されると知りましたが、お幸せになっていただきたいと思います。

小野市のスポーツのレベルは年々上がってきております。受賞された皆さんには、更に大きな舞台を目指してチャレンジし続けていただきたいと思います。そして、オリンピックなど世界で活躍する選手がどんどん出てくることを期待するところです。

2011年2月23日(水曜日)

景気低迷の中で3年連続の積極型~平成23年度予算案~

平成23年度当初予算案がまとまりました。厳しい経済情勢の下、一般会計は、前年比5.0%増となる193億2千万円とし、ここ10年間で2番目に多い積極型予算としました。

市税収入では法人市民税等若干の回復傾向が見られるものの、依然として厳しい行財政環境にあります。そのような中、パフォーマンスではなく、一貫したぶれない理念に基づき、「安全安心」、「子育て支援・教育」、「地域の活性化」、「都市基盤整備」を重点に、約50件にも及ぶ新規事業を含め、市民ニーズに対応した事業に積極的に取り組んでまいります。

まず、小野市と三木市の統合病院「北播磨総合医療センター」の建設では、造成工事に引き続き、建築工事にも着手いたします。将来の地域医療の拠点として、平成25年10月のオープンを目指し着々と進めてまいります。また、福祉における相談から支援までワンストップサービスを図る「福祉総合支援センター」の建設や、小野中学校においては校舎、体育館の新築に引き続き運動場等を整備するなど、20年30年後を見据えた大型事業を推進してまいります。

また、安心して暮らせるまちづくりの推進として、平成16年のパトロール開始以来、刑法犯罪認知件数が半減するという見える成果があらわれた「安全安心パトロール」の継続実施をはじめ、小野高校や小野工業高校周辺において生徒等の安全を守る防犯灯(約100基)の設置や、市内全保育所(14園)へのAED等の設置補助、市内全小学校・特別支援学校・幼稚園の安全の強化を図る防犯カメラ設置など、更なる安全安心に取り組みます。

県内29市で唯一実施している「中学3年生までの医療費完全無料化」は引き続き実施すると共に、「小児細菌性髄膜炎(Hib、肺炎球菌)」、「子宮頸がん」の予防接種助成、「子ども手当て」の支給(月額1万3千円、3歳未満2万円)、保育所の施設整備助成など、子育て環境の更なる充実を図ってまいります。なお、「子ども手当て」の支給については、法案の成立が前提ですので国の動きを注視しております。

教育面では、平成22年度の継続事業として来年6月までに市内小中学校、特別支援学校、幼稚園への空調設備を導入し、ICT教育の推進ではプロジェクター等の機器を市内全クラスに配備、おの検定では「漢字」、「計算」、「体力」に加え新たに「英語検定」のテキストを作成するなど、小野市の特色ある教育を展開します。

そして、自治会が行う高齢者や子ども等の居場所づくり(自治会館等のバリアフリー化等)への助成をはじめ、地域主体の取り組みを支援してまいります。一方、統合病院建設にリンクして国道175号市場東交差点から工業団地へ伸びる新都市中央線の整備や、5年間で約10億円をかけて生活道路等を舗装する「道路舗装整備5ヶ年計画」の継続など、住環境向上に向けた都市基盤整備も進めてまいります。

このように積極的に事業展開を進める一方で、預金にあたる基金残高は横ばいの78億円を確保し、借金である地方債は将来を見据えた大型事業の実施により前年比6%増の148億円となりますが、人口一人当たりの借金の少なさは県内でも上位となる見込みです。また、財政健全化指標では、実質的な借金返済の割合を示す「実質公債費比率」は更に下げて12.7%に、また、将来支払う借金等の負担割合を示す「将来負担比率」は7.4%と、いずれの指標も基準を大きくクリアーする見込みであります。

目まぐるしく変化する経済情勢の中、財政の健全性を維持することはもちろんのこと、時代の大きな流れや情勢をしっかり見極めながら、市民が住んでよかったと思えるまちづくりを目指してまいります。

2011年2月16日(水曜日)

災害対策も後手から先手管理

11日の夜、加東市で野鳥の死体から鳥インフルエンザの陽性反応が検出されたことを受けて、小野市では、12日に「小野市高病原性鳥インフルエンザ警戒本部会議」を開催しました。鳥インフルエンザや口蹄疫などの家畜の防疫については、県が主体となって取り組まれていますが、小野市としての対応を協議いたしました。

小野市では、12農場で約44万羽の採卵鶏や肉用鶏等が飼育されており、直ちにこれらの養鶏場において異常がないか確認を行いました。12日の朝から県の姫路家畜保健衛生所が、発生地点より半径10キロメートル圏内の100羽以上を飼育する市内9農場の立ち入り検査が行われていましたが、小野市では対象外となる市内の3農場についても市独自で確認するように指示したところです。更に、マガモやコハクチョウ等の渡り鳥が飛来する鴨池など市民が立ち寄るため池についても、同様に調査いたしました。

一方、住民の皆さんに瞬時に的確な情報をお伝えするため、「安全安心メール」の配信やホームページでの掲示を行うと共に、早急に高病原性鳥インフルエンザの問い合わせ窓口を設置するなど、住民からの情報を収集する態勢を整えました。また、鳥を飼育している市内保育所や小中学校等へ呼び掛けをしたり、住民向けの啓発用ビラを作成し区長さんを通じて回覧をお願いしたところです。

大事なことは情報が交錯するのを防ぎ、「情報の一元化」を図ることです。災害時において情報のやり取りは大変重要であり、一つ間違えると命に関わる事態になりかねません。県の取組みについての情報は、県民局を通じて市に入ってきますが、いち早く情報を得るため県民局に担当職員を常駐させて連絡を取り合いました。

結果として、市内の農場やため池等において異常はなかったわけでありますが、依然予断を許さない状況は続いております。県では、県内すべての養鶏場に消石灰を配布し消毒等の指導をされ、養鶏業者も防鳥ネットを設けるなどの対策をとられていますが、完全に感染を防ぐことは困難であります。万が一を想定して、県には定期的な情報の提供と発生した場合に必要な資材等の手配をお願いしたところであります。

小野市の防災に対する基本的な考え方は、「治に居て乱を忘れず」、「悲観的に準備をし、楽観的に行動する」であり、後手から先手管理を基本に、災害が起きる前から対策を行うことです。市民の皆さんには、身近で発生したことを想定して行動できるよう準備いただくと共に、異常を発見された際には早急にご連絡いただきますようお願いします。

問い合わせ先:小野市高病原性鳥インフルエンザ警戒本部
(市役所産業課 電話番号直通:0794-63-1928 夜間:0794-63-1000代表へ)

2011年2月9日(水曜日)

市長として4度目の初登庁

女性から大きな花束を受け取っている市長の写真

2月7日の月曜日、市長4期目の初登庁をいたしました。市役所玄関では市議会議員さんや職員の出迎えを受けました。「いよいよ4期目が始まった」という実感と、「新たな気持ちで市政に取り組むぞ」という使命感が湧いてきました。

思い起こせば12年前、あの未曾有の大混乱の中での市長選が小野市再生の「ラストチャンス」と新聞等で言われ、とにかく「小野市を変えよう、変えるんだ」という確固たる決意で選挙に挑みました。その時、「太陽は夜が明けるのを待って昇るのではない。太陽が昇るから夜が明けるのだ」という教育の先達、東井義雄先生のことばを引用して、「太陽とはそれすなわち市民である」、「市長独りが力んでみても小野市の夜明けは来ない。市民と共に意識改革にチャレンジしていく、それが小野市の新しい出発である」と、酷寒の中、訴えたことを鮮明に覚えております。

そして、3期12年間、全力で市政運営を行ってきましたが、この度小野市始まって以来となる3回連続無投票となりました。これはひるがえって思えば、ある意味では大変なプレッシャーであります。初心を忘れず、市民の目線に立って、更には、声なき声に耳を傾け、これからの4期目にあたっていきたいと、改めて気を引き締めたところです。

そのような中、これまで幾度となく言ってきましたが、「行政もまさに経営」であり「行政経営4つの柱」という基本理念は今後も貫いていきたいと思っています。特に大事なことは「いかに市民満足度を達成するか」と「いかに成果を出すか」ということであります。いくら大きな声で立派な話をしても、結果として「見える形の成果」が出せないときは、それは去る時であります。市民が本当に幸せを実感できる社会を実現していくためには、それこそが政治に求められていることではないかと思っています。

リーダーに求められるのは、大きな流れや情勢をしっかり見極め物事の本質を見抜く「洞察力」、目指す目標を達成するために行動につなげ新しい価値観を生み出していく「構想力」、そして、それらを踏まえて、市民の負託を受けた者としての責任ある「決断力」であると思っています。この「洞察力」「構想力」そして「決断力」の3つを自らしっかりと肝に銘じて市政運営を行ってまいります。そして、小野市の発展のため、「更なる創造と変革」へ向けて、「もっと小野市を変えてみせる」という強い決意で頑張ってまいりたいと思っています。

2011年2月2日(水曜日)

65歳。まだまだこれから

1月に「2つの成人式」を行いました。一つは、10日の「二十歳の成人式」です。11年前から新成人自らが実行委員となって全て自分達で行う「手作りの成人式」で、新成人式研究会が主催する全国コンテスト(文部科学省後援)では、2009年に成人式大賞に選ばれるなど、7年連続で入賞しています。

スクリーンに思い出の写真を映し、トークショーを行っているエイジ・ルネサンス・パーティの写真

もう一つは、19日にうるおい交流館エクラで行いました65歳の第2の成人式「エイジ・ルネサンス・パーティ」であります。65歳を迎えられた方に、これからの人生においても「生涯青春」であることを再認識していただき、「新たな人生の再出発」となることを願い、小野市にしかないオンリーワン事業として実施しております。もちろん、式典の企画や準備は12名の実行委員さんが中心となって行われています。

この趣旨に、第6代目上方落語協会会長である桂三枝さんが、芸能人としてではなく、一人の人間として快く賛同いただき、11年前からトークコーディネーターとして毎年小野市に来ていただいております。このパーティのメインであるトークショー「サンステージ」では、65歳を迎えた出演者の方々の体験を、思い出の写真やエピソードを交えて語り合っていただきました。

まさに、「新婚さんいらっしゃい」のような感じで、三枝さんが客席の方に出演者について聞いてみたり、出演者からのおみやげのいちごを会場の皆さんに配ったりするなど、ステージと客席は一体となり、会場は大きな笑いに包まれました。

そして、打ち合わせに無かったのですが「最後に市長から出演者への言葉をお願いします」と、急に三枝さんから指名されましたので感想を申し上げました。この度の出演者は普段お見かけしている方々ですが、苦労話や体験談をお聞きする中で別の一面を知ることができました。日頃お付き合いしている友達やお隣さんでも、お互いに知ることが大事であり、この式典が知り合いの輪を広げる契機となればと申し上げたところです。

65歳。まだまだ元気です。「第2の成人式」は、これからの人生における新たな出発点であります。長寿社会において、65歳を迎える方々が豊かな人生経験と知識を活かし地域の主役として益々活躍されることを期待します。

ところで、三枝さんが「11年前はこのステージで年上の方とトークをしていましたが、一昨年65歳を向かえ、今では参加者の皆さんの年齢を追い越してしまった」という話を客席で聞いていましたら、突然「来年は市長がステージ側に座ることになりますね」と言われました。来年は65歳の対象者として出席したいと思います。

2011年1月26日(水曜日)

見える成果を出すことが責務

この度、小野市政の舵取り役として引き続き任していただくこととなり、その責任の重大さを痛感しており、身の引き締まる思いであります。

振り返ってみますと、あの未曾有の汚職事件から立ち上がるべく、「市政に民間の感覚と感性を」との思いで、無名の民間サラリーマンが市長選挙に出馬したのが12年前でありました。当時は、選挙カーで回ってもなかなか手を振っていただく方もいなかったのですが、今回は、「期待しとるぞ」とか、「しっかり仕事しろよ」などの、多くの激励をいただき、大きな励みと心の支えとなりました。

また、「小野市も随分変わった」と言う声もお聞きいたしますが、市長就任時から「変えよう小野、変わろう小野市」というスローガンを掲げ、3期12年、全力で市政運営に邁進し、市民の皆さんに「見える成果」として御理解いただけたのではないかと思っています。

この度、1期以降3期連続無投票になりました。これは、ある意味では、市民からの「頑張れ」という激励と、加えて「やってもらわなければ困る」という大いなる期待でもあると思っています。そういう面では、これまでと違ったプレッシャーを感じますが、市民の皆さんの声なき声をしっかりと受け止め、より謙虚に対応していく所存であります。また、常に市民の目線に立ち、まさに見える成果をきっちりと出すことが私の責務であると考えております。

今、病院を取り巻く環境は非常に厳しいなかで、三木市と小野市と両市が統合病院を建設しているところですが、大学と連携を取りながら、将来の地域医療の拠点として、必ずや成功させたいと思います。更には、高齢者社会に向けたワンストップサービスを実現する「福祉総合支援センター」の建設、3月に完成する小野中学校改築工事に引き続き小野東小学校の建替等の教育環境整備を進めるなど、20年後30年後を見据えた「新たな未来への挑戦」が既に始まっています。

今回の選挙で感じたことは市民の方々が大変元気であると言うことです。それは小野の強みでもあり、小野の地域力であり、小野の市民力であります。そして小野市の誇りであり、その市民の皆さんと一緒に、これからも「新たな創造と変革」にチャレンジし、住んでよかったと思える小野市にしていきたいと思います。

2011年1月19日(水曜日)

自分達の地域は自分達で守る~地域教育防災訓練を実施~

16日の日曜日、「来住小学校区地域・教育防災訓練」を行いました。毎年、各小学校区で順番に実施しておりますが、今年は県が定めた「ひょうご安全の日(1月17日)」に合わせて、地域の防災対応能力の向上と防災意識の高揚を目的に実施いたしました。

小学生が消火器を使って消火訓練を行っている写真

訓練は、小野市を通っております山崎断層で震度6強の地震が発生し、住宅等の倒壊や火災などが同時に発生し、市内に甚大な被害をもたらしたという想定で行われ、地域の小学生をはじめ、自治会、自主防災組織、消防団、消防署、社警察署、青野原陸上自衛隊の協力を得て、総勢約650人が集まりました。

この日は、前日からの強い寒波により、朝の気温はマイナス4℃まで下がり雪がちらつく中での訓練となりました。それにも関わらず、皆さん早朝から避難訓練や児童引渡し、消火器等による初期消火、炊き出しや土のう作成等、様々な訓練に熱心に参加していただきました。

来住地区では、「自分達の地域は自分達で守る」という考えのもと、自主防災組織が中心となり地域の防災倉庫を設置したり、防災訓練を行うなど、地域が一体となって積極的に防災に取り組まれています。また、「共助」の仕組みとなるフェニックス共済(兵庫県住宅再建共済制度)では、来住地区全体の加入率が県の目標とする15%を遥かに上回る30%を超えており、防災への意識もさることながら、地域の連帯意識も高いようです。

先日、神戸新聞で「今後10年間に震度6以上の巨大地震が地域で起こらないと考える兵庫県民は約7割を占めている」との記事を見ました。あの阪神淡路大震災を経験してから16年が経ち、当分は大きな地震は来ないだろうと、徐々に災害の意識が薄れてきているのではないかと思っています。まさに「治に居て乱を忘れず」であり、災害に対しては常に先手管理で備えることが必要です。

防災の基本は「悲観的に準備し、楽観的に対応する」ことであります。災害は誰もが起こって欲しくないものですが、万が一起こったときに本当に役に立つのは地域力、市民力であります。これらの力を高めていくことで、さらなる安全安心なまちづくりが進んでいくものと考えています。

2011年1月12日(水曜日)

新成人による新成人のための成人式

振袖やスーツを着た新成人達がステージの上に並び、発言している成人式の写真

1月10日の成人の日、市民会館大ホールは色鮮やかな振袖やはかま、スーツで着飾った新成人でいっぱいになりました。2011年、新成人による新成人のための成人式のはじまりです。

小野市では、11年前から新成人が実行委員となって式典の企画から準備、当日の進行も含め全て自分達でやる「手作りの成人式」を行っています。その主体性、独自性のある取り組みが評価され、新成人式研究会が主催する全国コンテスト(文部科学省後援)では、2009年に成人式大賞に選ばれるなど、7年連続で入賞しております。

今年も新成人の代表である18名の実行委員さんが中心となって、学業や仕事の合間に十数回にわたる打ち合わせをされました。また、実行委員OBも自主的に参加してアドバイスするなど、内容は更に進化し続けています。今年のテーマは「ぼくらのキセキ~7,300日ありがとう~」。過去・現在・未来と関わる全ての人たちに、そして成人式を迎えたことに感謝しようと、新成人たちの大人としての自覚を感じさせる式典となりました。

私も参加しました「インタビュー&トーク」では、抽選(くじ)で選ばれた新成人たちが「いまだから言えるありがとう」を語りました。けんかもしたけれどずっと一緒にいてくれた友達、小学校から一人で育ててくれた父親、悪さをするたびに叱ってくれた先生に対して、普段なら口に出来ない感謝の気持ちを皆さんから素直に表現されたことが素晴らしいと思いました。

そして、今年もポリオワクチンを海外で病に苦しむ子ども達に送るため、100万個という目標を立ててペットボトルキャップを集められました。実行委員がスーパーやクリーンセンターを回って回収されたほか、学校や地域の方々にも協力を頂くなど、その数は回収を始めた一昨年の10倍となる約110万個(ワクチン約1400人分)を越えました。社会貢献や環境問題に携わると共に、目標を立ててそれを達成することは社会人としても立派なことであり、取組まれた皆さんを誇りに思いました。

新成人の皆さんには、大変厳しい社会情勢であるからこそ、ネガティブではなくポジティブに物事を捉え、様々なことにチャレンジしていただきたい。そして、一人ひとりのビジョンが将来の日本を変えていくものと期待するところです。

2011年1月5日(水曜日)

小野市らしさを追求した施策を展開

昨年は、歴史的な「政権交代」から一変、参院選で国会はねじれ状態を迎えるなど、国政の先行きは不透明さを感じさせる状況となりました。年末に行われた国の予算編成では、所得税増税等の税制改革や、子ども手当ての地方負担の継続、新たな高齢者医療制度、ひもつき補助金の一括交付金化など、地方に大きな影響を与える政策について協議が行われました。

私も近畿市長会会長として国に対して幾度と無く足を運び、要望を行ってきました。市民が安心して暮らせる社会の実現のためには、地方分権の推進は必要不可欠であり、国と地方の協議の場においてそれぞれ対等に議論されてこそ、その実現に向かうものと考えるところです。同時に、市民に一番近いところで行政サービスを提供する各自治体が、主体性や独自性を持って取り組まなければならないことは言うまでもありません。

小野市では12年前より、「行政も経営」であり、「より高度でより高品質なサービスをいかに低コストで提供するかを追求すること」が行政の使命であるとの基本理念を掲げ、市民=顧客と捉えた「顧客満足度志向」、何をやっているのかではなく何をもたらしたかを問う「成果主義」、ここしかない小野らしさを追求する「オンリーワン」、言われてからやるのではなく言われる前にやる「後手から先手管理」への転換という「行政経営4つの柱」を基軸に様々な施策を展開してまいりました。

これから、小野・三木統合病院「北播磨総合医療センター」や、福祉における相談から支援までワンストップサービスを図る「小野市福祉総合支援センター」の建設をはじめ、小野東小学校の建替えと小野南中学校の大規模改修を行う学校整備事業、また、北播磨地域住民の足である神戸電鉄粟生線の活性化など取り組むべき事業は沢山ございます。

そのような中、「市長への手紙」など毎年約700件に及ぶ市民からの意見を見ると、そのニーズは社会情勢の変化と共に年々多様化しております。また、年が明けて自治会長・区長さんと面談する機会が多くなります。道路の拡幅、池の改修、公園の整備など様々な要望もお聞きします。もちろん、全て応えられるものでなく、財政の健全性を保ちながら必要なものから順次進めています。

様々な施策を展開していく中で重要なことは役割分担です。国、県、市、また市民、地域の役割を明確にし、それぞれの役割を果たすことで、事業が円滑に進むものと考えます。
今年も数多くの大きな事業がありますが、小野市らしさに磨きをかけて、益々住みよいまちになるよう全力でチャレンジしてまいりたいと思っております。

2011年1月1日(土曜日)

「更なる創造と変革」に向けて

新年あけましておめでとうございます。輝かしい新春の門出を皆様お揃いでお迎えのこととお慶び申し上げます。

一昨年の歴史的政権交代から一転、昨年の参院選で再び国会はねじれ状態になっております。課題が山積する国政の先行きは未だ混沌としておりますが、そのような中、我々自治体には、生き残りではなく勝ち残りを目指し、ぶれない一貫した理念で「見える成果」を残すことが求められています。

小野市では、「行政も経営」という基本理念のもと、「行政経営4つの柱」、市民=顧客と捉えた「顧客満足度志向」、何をやっているのかではなく、何をもたらしたかを問う「成果主義」、ここしかない小野らしさを追求する「オンリーワン」、言われてからやるのではなく、言われる前にやる「後手から先手管理」への転換を基軸として、市政の「MM(見えるマネジメント)」を進めてまいりました。

地域医療の拠点として平成25年のオープンを目指す三木市との統合病院「北播磨総合医療センター」は、いよいよこの1月から用地造成に着手します。神戸大学の提案により実現するこの統合病院は、全国的にも前例のない先駆的な取組みであり、そのモデルとなるよう進めてまいります。

地域の活性化では、地域づくりの拠点として整備した神戸電鉄樫山駅に、昨年地元住民の方々による食事処「ちょっとかしやま」がオープンしました。また、浄谷町浄土寺周辺や下東条地区でも特産品開発を行う新たな活動が芽吹いてくるなど、市民活動は益々活性化してきております。

安全安心な教育環境整備のため総額60億円をかけて進めている学校整備事業は、耐震補強工事を終え、小野中学校の建て替えも、この春に完了します。今後、小野東小学校の建て替えに取り組みます。

さらに、県内で初めて猛暑対策として市内小中学校、特別支援学校、幼稚園へ空調設備の設置を行います。これは今年から実施される新学習指導要領により授業時間が増加するため、先手管理で学習環境の改善を行い、学習効率の向上を図るものです。また、合わせて地域経済の活性化にも繋げます。

このように様々な施策展開を行いながらも、人事制度改革や入札制度改革に取り組み、財政の健全性を計る指標では、全てにおいて高い安全水準を維持しております。特に、将来市が返済する借金負担の割合を示す将来負担比率は、県下で最も高い安全性を確保しております。

これからも、市民の皆様が、「住んで良かったまち小野」を実感していただけるよう「更なる創造と変革」に向け、ポジティブシンキングでチャレンジし続けてまいりますので、皆様のより一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

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