2011年7月~9月分のバックナンバー

更新日:2022年03月16日

2011年9月28日(水曜日)

想定外を想定した防災対策を

先週、大型の台風15号の影響により、台風12号に引き続き、再び近畿地方は大雨に見舞われました。そのような中、今年2度目となる避難勧告を発令しました。

小野市では、20日の朝方から時間雨量20ミリメートルを超える雨が降り続き、万勝寺川では決壊の可能性が高まったことから、周辺住民に対して午前10時45分「避難準備情報」を発令し、続いて午前11時には37世帯106人に「避難勧告」を発令しました。住民の皆さんへ早めに準備情報を連絡していたこともあり、災害時要援護者や1人暮らしの高齢者なども含め、民生委員や自治会の協力を得て、迅速に避難が行われました。

避難所となった市場小学校には、一時15世帯59人が避難されました。夜に台風15号が近畿地方に最も接近するという予報もあり、避難者の皆さんに避難所で一夜を過ごしていただくことと致しました。その間、隣接する市場保育園による豚汁の炊き出しや、地域企業からのおにぎり等の食料提供などの自発的な災害支援がありました。これらの御協力に心からお礼を申し上げるとともに、改めて災害時には地域の力が重要な役割を果たすものと実感したところです。

一方、大雨による土砂崩れや強風により樹木が道路を塞ぐなど、次々と報告が入ってきました。東日本大震災や台風12号でも、被災地の道路が寸断されたことにより災害復旧に大きな影響を及ぼしたことから、安全を第一としながらも素早く対処することを職員に指示したところです。即座に土砂や樹木を撤去するなどの復旧を行い、安全が確認できた箇所から通行止めを解除していきました。浸水や土砂崩れをはじめ、河川や道路などの被害が多く見られましたが、この度も人的被害がなかったことは幸いであります。

今回の災害で堤防が崩落した万勝寺川については、河川管理者である県へ早急に災害復旧を要請していきます。また、10月には加古川改修促進期成同盟会の会長として、国交省や財務省へ要望にまいりますが、加古川流域の住民の方々が安心して暮らせるよう、早期改修を強く働きかけてまいります。

昨今、大きな災害が発生した場合、「想定外」という言葉が良く聞かれます。防災においては、その想定外を考慮した対策を講じる必要があると考えます。「悲観的に準備をし、楽観的に対応する」という防災の基本を再確認し、「後手から先手管理」で災害に立ち向かっていきたいと思っております。

2011年9月21日(水曜日)

小野警察署の設置に向けて

いよいよ市民の皆さんの念願が叶いそうであります。今まで幾度となく県及び県警本部に要望してまいりました「小野警察署の設置」については、今年6月の県知事との面談で同意を得て用地の先行取得を進めておりましたが、この度、地権者の方々のご協力により用地を取得することが決まりました。

小野警察署の設置が動きだしたのは、昨年の8月、「県都及び神戸市周辺部における警察署の在り方懇話会」の委員さんが本市に視察に来られてからでした。その場で私自らその必要性を説明させていただき、その2ヶ月後の10月、同懇話会から県警察本部長へ「小野市に警察署の新設を検討すべきである」との答申がなされました。それに対して県警本部は、財政面など慎重に検討を進めるとのことでした。

小野警察署用地は、市役所やエクラなどを含む「シビックゾーン」内で、国道175号線などの主要道路とのアクセスに優れ、市民の誰もが利用しやすい場所とするなかで、この度、地権者の方々と仮契約に至ったところです。

これまで、小野市では安全安心なまちづくりを目指すため、平成15年に現職警視を部長に迎えた「市民安全部」を設置し、警察官OB12名を含む全15名・青色防犯パトロール車7台体制による「安全安心パトロール」を実施してきました。同時に、地域においても防犯意識の高まりにより、自治会や老人クラブ等が中心となって児童の見守り隊が発足されるなど、市民参画の取り組みが増えてきました。

その結果、刑法犯罪認知件数が半減するという数字の変化と共に、「地域の安全は地域で守る」、「高齢者や子どもなどの弱者は社会で支えあう」など、市民意識も少しずつ変わってきたように思います。しかしながら、小野市が「県内29市で唯一警察署のない市」であるということが、市民の不安として現れていることも事実であります。

安全安心なまちづくりは、市民、行政、そして警察が三位一体となって取り組んでいくことが重要であります。より良い治安体制を整えるためにも、拠点となる「小野警察署の設置」は必要不可欠であり、用地の確保が出来た今、積極的に県や県警へ働きかけてまいりたいと思っています。

2011年9月14日(水曜日)

小野産小麦「ふくほの香」、全国へ

市長から河井博大選手におの恋1年分の大きな酒瓶を贈呈している写真

5月に小野東洋ゴルフ倶楽部で行われた「第79回 日本プロゴルフ選手権大会」と、8月に小野ゴルフ倶楽部で開催された「第77回 関西オープンゴルフ選手権競技」において、優勝者に小野産小麦「ふくほの香」を使ったプレミアム焼酎「おの恋」1年分を贈呈しましたが、この「ふくほの香」を皆さんご存知でしょうか。

「ふくほの香」は、独立行政法人「近畿中国四国農業研究センター」で育成された小麦の早生(わせ=早く実る)品種で、「収穫量が多い」「穂発芽(収穫前の穂に実った種子から芽が出てしまう)しにくい」「病気に強い」などの特徴があり、最初に小野市の「きすみの営農組合」で試験的に栽培しました。そして、平成16年から市内で本格生産するようになり、今では約40ヘクタールまで作付面積が増えています。

栽培開始と同時に、生産者、消費者、加工業者からなる市民グループ「小野産小麦を広めよう会」が結成され、「ふくほの香」の小麦粉を使った冷凍うどんや菓子類を商品化するなど、普及啓発も行ってこられました。(イベント等で販売されるドーナツは絶品です!)また、平成20年にJR河合西駅の手打ちうどんの店「太閤の渡し」、平成22年に神戸電鉄樫山駅の細麺うどんの店「ちょっとかしやま」がオープンし、地域の特色あるうどんを食べようと、地元の方々に加え、遠方からのお客様で賑わっているところです。

さらに、平成20年には、酒販組合や飲料組合、生産者、商工会議所、市で「小野産小麦ふくほの香焼酎振興協議会」を立ち上げ、同年に「おの想い」(25度)、平成22年にプレミアム焼酎「おの恋」(35度)の製造を開始し、市内の酒店や量販店などで販売されるようになりました。

私も営業本部長として、これらの焼酎を小野市に来られた方々にご賞味いただくなど、広くPRを行っているところです。現在、「おの想い」の第2弾として、「おの想い」より少しアルコール度が高く、味わいも少し違った新たな焼酎を作っています。より多くの皆さんに味わっていただくことで、小野市の「ふくほの香」を全国に広めてまいりたいと思っています。

2011年9月7日(水曜日)

被害を最小限にするために

先週末から日曜日にかけて、大型の台風12号は、近畿や四国、中国地方を中心に長時間にわたり暴風と大雨をもたらし、小野市でも浸水や土砂崩れの被害を受けました。

台風の接近に伴い、金曜日の午後1時の段階で私を含め幹部職員による「災害対策会議」をいち早く開催し、防災体制を確認しました。そして、夕方の暴風警報発令と共に「災害対策本部」を設置し、市内巡回を強化するなど、職員約90名が夜通し警戒にあたりました。しかし、改めて自然災害の恐ろしさを見せ付けられたのは、次の日の大雨でした。

9月3日(土曜日)、夕方から降り続いた強い風雨により、夜に入って大雨・洪水警報が発令されたため、危険箇所の巡回や河川水位の確認など、情報収集を強化しました。その後、万願寺川の上流である加西市の1時間あたりの雨量が50ミリメートルを超え、水位が上昇したため、9月4日のちょうど日付が変わった頃に、再び幹部職員を招集し、「災害対策本部会議」を開きました。

まず、住民の避難に備えて、直ちに全職員召集の体制に切り替え、準備にあたるように指示しました。その後、万願寺川が避難判断水位を上回る恐れが生じたので、西脇町、粟生町に対して「避難勧告」を発令しました。断続的に降り続く雨の影響で加古川本流の水位も上昇し、市内の加古川沿いの地域に対しても勧告を行い、全部で1,419世帯、3,896人に対して避難を呼びかけました。

並行して、避難勧告を出した地域において避難所(小中学校、コミセン等)の開設を行い、防災備蓄倉庫から毛布や水なども搬入しました。また、災害時要援護者(一人で避難が困難な方)全てに対して連絡をとり、繋がらない場合は直接訪問するなど、安否確認と避難所への誘導を行ったところです。最終的に、168世帯、409人の方が避難されましたが、平成16年の台風23号の教訓もあり迅速に避難していただくことが出来ました。

これまでの報告では、幸いにも死傷者はなくほっとしておりますが、床下浸水25件、小規模な崖崩れ5箇所、農地被害3箇所、道路冠水15路線などの被害がでました。被害に遭われた方々には心よりお見舞い申し上げます。

この度は各地で記録的な豪雨に見舞われましたが、平成16年の台風23号の経験を踏まえ、加古川の河道掘削、樹木の伐採、粟生樋門や樫山の桜谷・広島樋門の設置など、国に働きかけ積極的に取組んでいったことが、結果的に被害を抑える要因の一つになったのではないかと思っています。とは言うものの、これから台風シーズン全盛期を迎えるにあたり、更に警戒を強化しなければなりません。被害を少しでも軽減するため、今回の災害対応を検証し、より実践的な防災対策を構築していきたいと考えています。

2011年8月31日(水曜日)

健全財政、更に高まる~平成22年度決算

平成22年度決算がまとまりました。先行き不透明な社会経済情勢の中、徹底した経費削減により健全財政を堅持しつつ、「安全・安心社会の推進」「子育て支援」「教育環境の整備」「環境にやさしいまちづくりの推進」「地域活性化の推進」を重点項目として、様々な事業に取り組みました。

「安全・安心社会の推進」では、小野市と三木市の統合病院「北播磨総合医療センター」の建設に向けて、基本設計・実施設計を行いました。現在、造成工事を行っており、今年中に建設工事に着工します。また、社会福祉協議会、福祉公社、地域包括支援センター等の福祉組織を再編し、多機能集約によるワンストップサービスを実現する「福祉総合支援センター」の建設に着手し、平成24年4月のオープンに向けて順調に進めているところです。

「子育て支援」では、妊娠期から子育て期まで継続した支援を行っており、県内唯一の中学3年生までの医療費完全無料化や妊婦健診14回分の助成に加え、特定不妊治療の助成(年間10万円)、保育所の施設整備等の補助、そして、小児細菌性髄膜炎予防接種費の助成等を実施しました。

「教育環境の整備」では、小野中学校の校舎、体育館等の新築工事が完了すると共に、市内の小中学校、特別支援学校、幼稚園の全教室に空調設備を設置し、学校環境衛生基準に基づき、より良い学習環境づくりを進め、また、「環境にやさしいまちづくりの推進」では、北播磨地域初となる一般住宅への太陽光発電設備設置助成を行う一方で、「全国ハーブサミット小野大会」を開催し、ハーブを活かしたまちづくりを全国に発信しました。

「地域活性化の推進」では、下東条地区の地域特産品の研究・開発や、浄谷地域の農産物加工販売施設の建設に向けた実施設計を行うなど、地域のやる気を支援しております。また、国道175号市場東交差点から工業団地につながる「新都市中央線」の整備、浄土寺周辺の遊歩道整備、山田の里公園や王子区画公園の整備など、地域の活性化を図るべく多様な事業を行いました。

このように病院事業や学校整備等の大型事業など積極的に事業を展開しながらも、一般会計では、2億8千万円の黒字となりました(8年ぶりに実質単年度収支も黒字)。市債残高は約138億4千万円に減少した一方、基金残高は77億7千万円で3.5億円増加し、財政の健全性は更に高まりました。ちなみに、人口1人当たりで見てみますと、貯金は1人当たり15万6千円で県下29市中8番目、借金は27万7千円で県内において一番少ない数字となっています。

平成22年度の小野市の財政健全化判断比率表

財政健全化判断比率を見ても、「将来負担比率」が-18.9%と初めてマイナスに転じるなど、全ての指標において早期健全化基準を大きく下回っており、引き続き財政の健全性を維持しております。

しかし、東日本大震災や長期的な不況等により、地方財政は依然厳しい状況が続いております。昨日、新しい首相が決まりましたが、福島原発問題や財政再建をはじめ、残された課題は山積みです。今後、新政権の動きも注視しながら、行財政改革を着実に進めてまいりたいと考えています。

2011年8月24日(水曜日)

感動の日々を終えて

前回のこのコーナーでお知らせしましたとおり、先週末は小野市で、大きなイベントが2つありました。

第34回小野まつりで打ち上げられた「奏夢」をテーマにした花火の写真

まず、1つ目のイベント「第34回 小野まつり」は、‘みんなの夢を融合させたオーケストラのように、実現へのシンフォニーを奏でよう’ということで、今年のテーマは『奏夢(そうむ)』でした。土曜日は5,000発の花火を打ち上げることができるかどうかやきもきさせられ、また、日曜日は悪天候による室内への会場変更もありましたが、2日間にわたり躍動感とオリジナリティあふれる市民参加型のまつりが繰り広げられ、小野市の人口の2倍以上にもなる、11万人もの方々にお越しいただきました。

結局、花火も予定通り行い、元気を発信することができました。メインイベントの「おの恋おどり」では、県下最大となる123チームのエントリーがあり、見事、三田市の「Windy Best」が最優秀の「おの恋大賞」に輝きました。受賞デモンストレーションを見させていただきましたが、素晴らしいダンステクニックに圧倒されました。

市長からチョ ミンギュ選手にプレミアム版焼酎おの恋1年分の大きな酒瓶を贈呈している写真

そして、2つ目の「第77回 関西オープンゴルフ選手権競技」は、チョ ミンギュ選手の涙の初優勝で幕を閉じました。チョ選手のお兄さんがキャディーを務められ、まさに、二人三脚でつかみ取った勝利でした。また、会場内のギャラリープラザでは、JR加古川線の小野町駅にある、そば工房「ぷらっときすみの」が穴子ちらしや巻き寿司を販売するなど、多くの人で賑わいました。

表彰式が行われた日曜日は、小野まつりと重なっており分刻みのスケジュールでしたが、優勝の副賞として、地元産の小麦「ふくほの香」を使用したプレミアム版焼酎「おの恋」1年分を贈呈致しました。一方で、主催者である「関西ゴルフ連盟」から、開催地の小野市への記念品として、プロジェクター1台をいただきました。講演や会議など利用頻度が高い「うるおい交流館エクラ」に配置して、有効に使わせていただきたいと思います。

2つのイベントを盛り上げ、また、支えていただいた多くの市民の方々や団体の皆さんには、本当に深く感謝致しております。これらのイベントが象徴するように、市民自らがまちづくりに参画していこうとする機運がますます高まっていますので、これからも、市民と行政が一体となって、元気で魅力あるまちづくりを進めていきたいと思います。

ちなみに、「おの恋」というブランド名はNPO法人 北播磨市民活動支援センターと小野商工会議所により、今年の6月に商標登録を完了していますので、センターや会議所と連携しながら、統一ブランドイメージの向上を図ってまいります。なお、「小野まつり」の模様が、今月28日(日曜日)お昼12時30分から1時間半にわたってサンテレビで放映されますので、是非、ご覧ください。

2011年8月17日(水曜日)

今週末は2大イベントが競演

毎日、暑い日が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。今週は、この暑い夏を乗り越えるべく、熱いイベントが2つ、小野市で開催されます。

一つは、20日(土曜日)、21日(日曜日)の「第34回小野まつり」です。「まつりを通して小野市を変えよう」という熱い思いを持たれた、小野まつり実行委員会の委員の皆さんが、12年前から小野まつりの改革に取組んでこられました。それまで3~4万人であった来場者が、昨年は13万人に増え、今や播磨地域を代表する祭りへ進化してまいりました。

今年も、県下最大123チーム、約2600人が参加する「おの恋おどり」をはじめ、プロ顔負けの「のど自慢大会」や、市内各地区の代表チームが踊りを披露する「市民夏の夢舞台」など見どころがたくさんあります。中でも、初日の夜空に打ち上がる5,000発の花火「ファイヤーファンタジア」は、小野まつりの名物となっており、あの感動をもう一度、と楽しみにされている方々がたくさんいらっしゃいます。東日本大震災を受けて、加古川市や三木市など花火大会を中止されるところもありますが、小野市では花火を盛大に打ち上げることで、全国に「元気」を発信していきたいと思っています。

もう一つは、明日から21日までの「第77回関西オープンゴルフ選手権競技」です。小野市では、5月に「日本プロゴルフ選手権大会」が開催されており、このように大きな大会が同じ市で年に2回も行われることは珍しいことです。本大会は、秋に行われる「日本オープン選手権」の予選大会でもあり、国内外のトッププロやアマチュア予選会通過者による白熱したプレーが繰り広げられます。

そして、大会を支えているのが300人以上のボランティアの皆さんです。市内の中学生も参加しており、キャリングボードによる各選手のスコアの掲示、選手と一緒に移動するギャラリーの誘導、練習場での選手へのボール渡しなど、大会運営上、大変重要な役割を担っています。

このように「市民力」が創り上げる「小野まつり」や、ボランティアも活躍する「関西オープン」が、皆さんに感動と元気を与えてくれるものと思っています。ご家族お揃いで小野市に是非ともお越しください。

2011年8月10日(水曜日)

北条鉄道への経営参画

北条鉄道株式会社は、JRの廃線に伴い、加西市、兵庫県、小野市の地方自治体や、バス会社、金融機関、地元企業などが出資した第三セクターとして、昭和59年10月に設立されました。小野市の粟生(あお)駅から加西市の北条町(ほうじょうまち)駅までの、わずか13.6キロメートルの路線ですが、起点の粟生駅でJR加古川線や神戸電鉄粟生線と結節する、地域の重要な公共交通機関であります。

しかしながら、加西市の歴代市長がその北条鉄道株式会社の社長に就任されてきたというルールを、前加西市長が市長当選後に拒否されたため、危機管理体制が最優先されるべき鉄道経営にもかかわらず、社長不在という異常事態がずっと続いていました。こちらから再三、申し入れも行ったのですが、社長就任への動きが一向に見えないため、これに抗議する形で、平成17年11月に取締役を辞任致しました。

その1ヶ月後、結局、前加西市長は社長に就任されましたが、このことについて関係機関への説明責任を果たされないばかりか、従来からの経営陣の非難を公然と市広報に掲載されました。複数の自治体等が出資する第三セクターですから、協力体制を築いてこそ堅実な経営がなされるのですが、信頼関係を一方的に壊されましたので、平成18年6月に、市議会全会一致のもとに、全面撤退という苦渋の決断を致しました。

それから5年経ち、先の選挙で加西市長が交代され、新しく就任された加西市長から北条鉄道の経営への参画を要請されました。北条鉄道だけでなく、今後、小野市と加西市が良好な関係を築いていくためにも、是非、北条鉄道の経営に協力させていただきたいとお答えしたところです。

そして、このたび、臨時株主総会が開催され、私を含め、3人の新取締役が全会一致をもって同意されました。私は、総会後の取締役会で、経営者側としての責任のある立場から、「駅はコミュニティの場でもあり、整備を検討してはどうか。」「利用しやすいダイヤに見直すべき。」と申し上げました。さらに、「取締役による経営状況をチェックする会議を毎月、開催してはどうか。」と提案し、これは即座に採用していただき、早速、開催されることになりました。

小野市としての今後の対応は、一旦廃止した、北条鉄道株式会社の経営助成を目的とする基金を復活させる条例案を9月定例市議会に上程する予定です。さらに、鉄道の安全性を高めるための整備事業に対する補助金交付を再開できるよう、要綱を整えてまいります。

公共交通機関の確保というのは、単に、交通手段としての足の確保だけが目的ではありません。その地域の文化や、地域住民の皆さんの誇りや愛着心にも深く関わっていることであります。これからも、進むべき方向性が一致した、広域的な協力体制の下で、誰もが納得できる、公共交通機関のあるべき姿を追求してまいります。

2011年8月3日(水曜日)

広がる「色と香りのまちづくり」

8月1日に第6期となる「おのフラワーマイスター」の認定式を行い、2年間のガーデニングインストラクター養成学習会を受講された第6期生の18名の皆さんに、認定証とバッジをお渡ししました。

小野市では、平成14年の「ひまわりの丘公園」のオープン以来、「ガーデニングシティおの」を目指し、市民の参画と協働のもと、「色と香りのまちづくり」を推進しています。現在125名の方が登録されている「おのガーデニングボランティア」により、花の苗を種から育て、その苗を市内の公園やポケットパーク等に植栽し、管理もしていただいております。

おのフラワーマイスターによる講習を受けている人たちの写真

その中でも「おのフラワーマイスター」の皆さんは中心的存在として、学習会で習得された知識や経験を活かして、市内の公共施設の花壇デザインや、ボランティアの指導等で活躍いただいています。また、その活動が広がり、今年の6月にはNPO法人「ひょうごグリーンスタッフ」を立ち上げて、北播磨地域を中心に講習会や指導者育成などの活動を展開されています。

そして、ガーデニングを中心とした市民活動の集大成が、昨年の「全国ハーブサミット小野大会」です。ハーブにゆかりのある自治体が一同に会し、「食と健康」をテーマとした他にはないオンリーワンのサミットを開催しましたが、これを契機に、小野産ハーブを用いたエコ商品や、ハーブを用いた学校給食メニューを開発するなど、新たな広がりも見せています。

このような「おのガーデニングボランティア」の取り組みが評価され、今年の2月には「第3回ゆめづくりまちづくり賞奨励賞」を国土交通大臣より授与されました。まさに、市民が主体となったまちづくりが見える成果として表れたものであると思っています。また、この学習講座は今年度から三木市と共同で開催しており、今後、「色と香りのまちづくり」が北播磨地域全域に広がることを期待しています。

なお、先ほどハーブの話をしましたが、ひまわりもハーブの一種であることをご存知ですか。今年もひまわりの丘公園の南側農地でひまわりを栽培していますが、開花率は約50%です(8月1日現在)。見ごろは8月6日(土曜日)、7日(日曜日)ですので、3.4ヘクタールの農地一面に咲く壮大なひまわりをご覧ください。また、この度、東日本大震災の1日も早い復興を願って、メッセージを添え、このひまわりの種を被災地に送る予定をしています。種を取って一緒に気持ちを届けていただけるボランティアの方を募集していますので、ぜひ参加ください。

ひまわりの開花状況

2011年7月27日(水曜日)

交通安全への取り組みについて

7月15日から24日までの10日間、「夏の交通事故防止運動」が実施されていましたが、それに合わせて、このたび「平成23年度 小野市交通安全対策委員会総会」を開催しました。「小野市交通安全対策委員会」とは、私自らが会長を務め、市議会議長、小野警視派出所長、小野交通安全協会会長の3名が副会長となり、さらに、連合区長会、連合PTA、老人クラブ連合会などの組織から派遣された方々を常任委員とする、交通安全対策全般についての情報の共有化や、具体的な実施計画を協議する場です。

シートベルト着用率の推移のグラフ

委員会としてこれまでから重点的に取り組んだ項目の一つに、「シートベルト着用の徹底」があります。そこで、過去5年間の小野市のシートベルト着用率を北播磨平均、兵庫県平均と比べてみました(右表)。
ご覧のとおり、小野市のシートベルトの着用率は、北播磨や兵庫県より下回っていましたが、平成20年度以降は逆転しています(小野市の平成22年度は98.0%で目標達成)。

これは、平成16年度から開始して、現在、警察OB12名を含む15名8台体制としている「安全安心パトロール」や、2回受講すれば、白雲谷温泉ゆぴかの入浴料が3回分半額になる、高齢者向けの交通安全講習「いきいき湯快スタンプ講習」などの実施により、「見える成果」が如実に表れたものと思っています。

また、入札参加資格者に対するCSR(企業の社会的責任)の一環として、シートベルト着用を指名条件の一つに採用(県下初)するなど、様々な施策を展開しているところです。

今年度は、着用率の目標を99%としました。目標の達成に向けて、企業、行政が一体となって取り組んでまいりますが、このことに加えて、市民一人ひとりがなお一層、交通安全に対する意識を高めていただくことを期待します。

2011年7月20日(水曜日)

神戸大学で「行政経営」について講義しました

7月6日、神戸大学の六甲台キャンパスにて、「小野市の行政経営」についての講義を行いました。これは、神戸大学大学院法学研究科の「地域ジャーナリズム・ワークショップ」という講座の一環であり、兵庫県で活躍する各分野の専門家が講義を行い、受講者が各自、新聞記事の原稿を作成し、最も優れたものが神戸新聞に掲載されるというものであります。

この度、この講座を指導されている神戸新聞社から、小野市は行財政改革も進んでおり、「中学3年生までの医療費完全無料化」や「おの検定」など独自の取り組みも数多くされているということで、是非、私に講師をお願いしたいとの依頼がありました。実は、神戸大学で講義するのは、4年前に文学部で「歴史遺産を活用したまちづくり」というテーマで行って以来2回目になります。

講義は、ジャーナリスト等を目指す大学院生や学生たちを対象に、約1時間30分、パワーポイントを使って、民間企業や行政での経験などを踏まえながら、ざっくばらんにお話をさせていただきました。また、出来る限り質疑応答の時間を多く取りました。

あっという間に時間が過ぎてしまいましたが、各受講生からは、やはり政策関連の質問が多く、「小野市の独自施策は?」、「人事制度の今後の展望は?」、「新たな施策に対する財政措置は?」など、核心をついた、いい質問がありました。

神戸大学の六甲台キャンパスで小野市の行政経営について講義している市長の写真

また、「市長の信念は?」というような個人的な質問もありました。「経験こそ我が最良の教訓なり」として、物事に対して認識学ではなく、体験学による生き様を貫くことが私の信条であると申し上げました。さらに、銀行や大企業が潰れない時代ではないという中で、「Another one(もう一人の自分)」を持って、自分の持ち味をいかに見つけていくことが大事であるかということもアドバイスしました。

今回の講義でもお話しをしましたが、これから社会に出て行かれる皆さんには、日本を変えていくという強い意志を持って、自らの「生き様」を見つけていただくことを望みます。

2011年7月13日(水曜日)

いざ、全国大会の舞台へ

小野市には、8つの小学校区ごとに「スポーツ少年団」があります。小学3年生から6年生までを対象に、スポーツ活動を通じて健全な心身を養い、集団活動の中で連帯感を高める仲間づくりを目指そうというものです。野球、サッカー、少女バレーボールの3つの種目でそれぞれ練習を重ね、各種大会はもちろんのこと、他のスポーツイベントにも積極的に参加するなど、活発に活動しています。

その中の一つ、『大部(おおべ)スポーツ少年団 少女バレーボール部』は、小学4年生が4人、5年生が3人、6年生が5人の計12人という、少ない部員にもかかわらず、このたび、「第31回全日本バレーボール小学生大会 兵庫県大会」で初優勝し、全国大会出場の切符を手に入れました。小野市のスポーツ少年団として結成してから32年になりますが、全国大会への出場は初の快挙です。

市長と表彰状を持った大部スポーツ少年団の少女バレーボール部の人たちの記念写真

先日には激励会を開催して、はっぱをかけたところです。参加した部員たちは、力強く全国制覇に向けた意気込みを語ってくれて、とても頼もしく感じました。私が「小野市を挙げて、できるかぎりの応援をしたい」と話すと、「ありがとうございます!」と大きな声で清々しく、お礼を言ってくれました。

8月10日から東京体育館などで行われる全国大会で、全国の強豪に正々堂々と挑み、限られた人たちしか味わえない、そして大人になっても絶対に忘れることのない、数々の貴重な体験から多くのことを学び、今後の輝かしい人生に存分に活かしてもらいたいと思います。

ちなみに、小野市出身で1,500メートル日本記録保持者の小林祐梨子選手(小野市立旭丘中学校卒、豊田自動織機)が、先週、神戸総合運動公園 ユニバー記念競技場で開催された、「第19回アジア陸上競技選手権 兵庫・神戸大会」で5,000メートルに出場し、見事、銅メダルを獲得されました。

実は、小林選手は「大部スポーツ少年団 少女バレーボール部」の出身です。中学校から陸上部に入部し、前回の北京大会では小野市初のオリンピック選手として出場され、来年のロンドン大会への出場を目指されています。小林選手に次ぐ、第2、第3のオリンピック選手を小野市から輩出していきたいものです。

2011年7月6日(水曜日)

皆様の意見が小野市を変える~「市長への手紙」強化月間~

小野市では、市役所へ直接来られたり、この「市長への手紙」や「市長へのメール」などでお聞きした、要望や苦情、ご提案等を受付する窓口を一本化するため、平成11年に「市民サービス課」を設置しました。そして、「情報は市民の財産」という認識のもと多様な広聴システムを構築しております。

今年も7月1日から、市民の皆さんのご意見やご提案をお聞きする「市長への手紙」が始まりました。7、8月は強化月間としており、今年で13年目を迎えます。昨年は172件のお手紙をいただき、そろばんを回収して海外へ寄贈する事業や、危険箇所へのカーブミラー設置などの、皆さんの貴重なご提案を市政に反映いたしました。

ご意見ご提案の方法は、市内59箇所に設置された「専用はがき」に記入してポストに投函していただくだけです(切手不要)。このはがきは、市役所や図書館などの公共施設、コンビニ、スーパー、郵便局に加え、今年から新たに市内の金融機関にも設置しております。

皆様からいただいたご意見は、全てにコードナンバーを付けて受付カードに登録します。そして、まず私が拝見させていただいたうえで全庁的に検討し、すぐに対応するものや長期的に検討するもの、対応できないものなどに分類します。その後、全て文書で回答を作成し、私が内容をチェックしたうえで皆様にお返事をしています。また、いつ受付していつ回答したか、どのような回答をしたのかなど、全てデータベースで管理して情報の一元化を図っております。

例えば、私が市民の方から直接お聞きしたことも一つの意見として登録します。つまり、議員さんや自治会長さんからの要望も、小学生や保育所の子どもさんからの要望も、すべて平等に「市民の皆様からの意見」として取り扱っており、これまでお寄せいただいたご意見は8,500件以上にものぼります。

こうした広聴の仕組みには、「市民の皆様からの意見を市政へ反映」させることと、「職員の問題解決能力の醸成」の2つの目的があります。様々な意見を放っておかないで必ず文書で回答することは、アカウンタビリティ(説明責任)を果たし、きっちりと対応する能力を養うことであり、その本質は「職員の意識改革」にあるわけです。

皆様の意見がこれからの小野市を変えていきます。日頃お気づきになられたことなどをどんどんご提案いただき、手紙を通してまちづくりに参加していただければと思っています。

この記事に関するお問い合わせ先

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電話番号:0794-63-1002
ファックス:0794-63-6600

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