2011年10月~12月分のバックナンバー

更新日:2022年02月10日

2011年12月28日(水曜日)

「2011年小野市10大ニュース」が決まりました

教室にいる生徒全員が手を挙げている写真
  1. 学習環境の充実と全国から注目を集める小野市の教育
    川島隆太東北大学教授の脳科学理論に基づく「16ヵ年教育」など小野市の教育は、平成17年度以降、41都道府県から、のべ256件もの視察や講演を受けております。また、子どもたちが安心して学べる環境を整えるため、3月に小野中学校新校舎が完成し、6月には幼稚園、小学校の全287教室へ空調設備を導入、11月には市内全ての幼稚園・小学校・特別支援学校に防犯カメラの設置が完了しました。さらに、建替えを予定していた小野東小学校は、耐力度調査の結果を踏まえ大規模改修に方針転換し、国の補助金を受けて1年前倒しで今年度から実施いたします。
  1. 東日本大震災への復興支援
    地震発生直後から消防職員や保健師など延べ317人の市職員を派遣すると共に、水道水ペットボトル「おのみ~ず」や支援物資を送り、市から5000万円の災害見舞金をいち早く被災地へ届けました。義援金も1392万円集まり、被災児童を受け入れるホストファミリーにも80世帯が登録していただくなど、多くの方々のご協力に改めて感謝するところです。
神戸電鉄粟生線の電車がホームに停車している写真
  1. 「神戸電鉄粟生線存続戦略会議」の設置
    神戸電鉄と沿線の神戸、三木、小野の3市、県、小野以北の北播磨3市1町の首長らによる「粟生線存続戦略会議」において、神鉄からの年間約4800万円の固定資産税収入の内4000万円を支援する案を表明しました。鉄道の廃止に伴う軌道周辺の土地評価額の下落や税収への影響を踏まえながら、支援については当然、神戸電鉄自らの経営努力、親会社である阪急阪神ホールディングス、並びに県が支援を行うということが前提であります。
  1. 小野市議選女性最多3人当選
    4月に行われた小野市議選は、定数2減となり、16議席を22人で争う激戦となりました。女性候補者6人のうち3人が当選されましたが、女性の候補者、当選者数ともに市制始まって以来最多となりました。議会のみならず女性が意思決定の場に進出し、ますます活躍されることを期待しています。
2階建ての白を基調としたデザインの福祉総合支援センターの外観の写真
  1. 福祉総合支援センターの本体工事が完成
    福祉支援機能の集約とワンストップサービスを実現するため、旧老人福祉センターみやま荘を改築し、福祉総合支援センターの整備を進めてまいりました。建物は11月に完成し、現在、4月のオープンを目指して周辺整備を進めております。福祉機能を再構築し、超少子高齢化社会に対応した質の高いサービスを提供してまいります。
おの恋ビールとおの恋の2本が横並びに置いてある写真
  1. 「おの恋」を商標登録
    小野まつりのダンスイベント「おの恋おどり」から、様々な商品に使われるようになった「おの恋」を商標登録。「おのみ~ず」と小野産のお米を原料とする「おの恋ビール」、地元産小麦を使った焼酎「おの恋」(35度)、「おの恋Light」(28度)を次々に発売。B-1グランプリ全国大会を目指す「おの恋ホルモン焼きそば」など、小野市をPRする地域ブランドとして広めてまいります。
  1. 北播磨総合医療センターのオープンを見据えた地域医療が充実
    平成25年10月オープンを目指す北播磨総合医療センターの造成工事が12月に完了し、建築工事も10月に入札を終え着手したところです。小野市民病院は、北播磨地域の病院で初めて専門医が常勤する「血液内科」を10月に新設。また、眼科でも「角膜移植術」が可能となり、新病院の開院を見据えた地域医療の充実を図っております。また、新病院の南側に「兵庫青野原病院」が移転することも発表されるなど、新都市中央線の整備を含め市民の利便性を考慮した地域医療の拠点づくりを進めてまいります。
小野中学校男子団体が全国中学校柔道大会で準優勝をし、トロフィーを持っている記念写真
  1. 各種スポーツ競技で大活躍
    • 全国中学校柔道大会で、小野中学校男子が団体で準優勝。
    • 小林祐梨子選手がアジア陸上競技選手権5,000メートルで銅メダル。
    • 山口賢三さんが全国障害者スポーツ大会で2種目(800メートル、立ち幅跳び)優勝。
    • 大部スポーツ少年団女子バレーボールチームが全国大会ベスト16。
    • 全国中学校総合体育大会で下東条小学校6年リレーチームが4×100メートルリレーで7位。山田秀勝君(市場小学校6年)が走り幅跳びで7位。
    • 県小学生陸上競技大会で26種目中7種目優勝、計51人が入賞。
  1. 財政の健全性が更に高まる
    平成22年度決算(一般会計)において、8年ぶりに「実質単年度収支」が黒字になりました。中でも、次世代が負担すべき借金の指標である「将来負担比率」は、-18.9%と県内の市で初のマイナスとなり、将来に「ツケ」を回さない健全な財政運営を行っているところです。
  2. 地域の活動拠点づくりを支援
    高齢者や子どもたちなどの居場所づくりを目的に、公民館のバリアフリー化工事や備品購入費等に200万円を助成。今年度、18の自治会で実施されており、新たなコミュニティの創造や地域力・市民力の向上のため、地域主体の取り組みを支援してまいります。

 その他にも、日本プロゴルフ選手権大会(メジャー大会)、関西オープンゴルフ選手権競技(ツアー競技)の2つの大きな大会が市内で開催されたほか、子育て家庭を応援する中学3年生までの医療費完全無料化は3年間の延長を決定。また、黒川西土地区画整理事業では組合が設立され住みよいまちづくりへの新たな取り組みが始まるなど、様々な事業を展開してまいりました。

 来年以降も、北播磨総合医療センターの建設を始め、セレモニーホールの建設、小野警察署の設置、旧KDDI用地の利活用など、小野市の20年、30年先を見据えた数々の施策を展開してまいります。今年は、東日本大震災や原発事故、台風など多くの災害が起こった年でしたが、来年は、皆さんが夢や希望を持てる年となるように市政運営に全力で邁進してまいります。

(次回の掲載は、日曜日となりますが1月1日(元旦)とさせていただきます。皆様、よいお年をお迎えください。)

2011年12月21日(水曜日)

市内全ての学校環境を整えるため

 この度、小野東小学校の耐震化に伴う校舎整備について、当初の建替えから大規模改修へ計画変更する決断を致しました。小野市では、平成19年度から約60億円をかけて市内すべての学校の耐震化を含む学校整備計画を進めてまいりましたが、今年の3月には小野中学校の改築工事も完了し、次は小野東小学校の改築を進めることに致しておりました。

 小野東小学校は、高度経済成長期の昭和50年(一部は昭和56年に増築)に建てられ、まだ30数年しか経っていませんが、一部でコンクリートがはがれ、鉄筋がむき出しになるなど、外観上老朽化が進んでいますので、早急に建替えが必要であるとの認識のもと改築計画を進めようとしていました。

 その準備段階として、今年度、一級建築士による耐力度調査を行ったところ、3棟中2棟は十分な耐力度が見込めるという評価で、1月末に出る最終の調査結果でもその数値は大きく変わらないであろうという報告を受けました。鉄筋コンクリートの校舎の法定耐用年数は47年であり、建替えを行うなら3棟中2棟は15年~20年後でないと国の補助金すらもらえず、全額市費で行わざるを得ないことになります。

 そのため、私自身上京して、直接文部科学省に要望へ行ったところ、3棟とも耐震補強を含む「大規模改修」という方法であれば、今回の東日本大震災を受けて成立した国の第3次補正予算で対応できるという回答を得ました。なお、15年、20年先に全面的に建替えする場合も、その時の補助メニューに合わせて実施できるとのことです。また、市の実質負担は通常の建替える場合であれば80%程度必要ですが、この補助事業を実施した場合は20%程度で済みます。事業費はこれから精査いたしますが、現時点で試算すれば、市の負担分はおよそ4億円程度少なくて済む見込みです。ただし、今年度の補正予算ですので、本日(12月21日)までに国へ申請しなければなりません。急きょその決断を迫られたところです。

 15年、20年後を待って建替えを行うか。それとも、1年前倒しで大規模改修を実施して、市内全学校の完全リニューアルを目指すかであります。国の財政状況も不安定な中で、果たして今回のような補助メニューが今後も継続されるのか。小野東小学校の老朽化の現状から、このタイミングを逃すと“大いなる反省”となりかねないという思いもあり、思い切って耐震化を含む大規模改修を実施すると決断を致しました。

 大規模改修は、建物の骨格は残しますので間取りを変更したり階層を増やしたりはできませんが、市場小学校をご覧いただければわかるように校舎は新築同様に生まれ変わります。今後、PTA役員さんや学校評議員さん、有識者、学校関係者からなる「改築」改め、「改修検討委員会」をはじめ、保護者や地域の方々のご意見をいただきながら、将来を見据えた学校を整備してまいりたいと考えています。

2011年12月14日(水曜日)

寒さに負けない女性パワー

 先週から急に冷え込みが厳しくなり、冬らしい気候となってきました。そのためか、風邪をひいてのどを痛めるなど体調を崩してしまいました。これから、風邪やインフルエンザなどが流行する季節に入りますので、うがいや手洗いなどの予防をしっかりして、体調には十分気をつけたいものです。

うるおい交流館エクラで開催された女性フェスティバルで、ステージの前で3人の女性が舞踊を踊っている写真

 そのような中、10日の土曜日、元気いっぱいの女性たちによる「女性フェスティバル」がうるおい交流館エクラで行われました。主催の小野市女性団体連絡協議会は、男女共同参画社会を推進するための女性リーダーの育成等を目指されており、今年で4回目を迎えます。今回は風邪で欠席しましたが、舞踊や民謡、啓発劇や昔遊びなどのアトラクションが披露されたり、手作りお菓子や加工品などのフリーマーケットやAED心肺蘇生体験などのブースが出店され、多くの方々で大変賑わったと報告を受けております。

 今回は、あの未曾有の東日本大震災を受けて「震災復興と女性」をテーマに、協議会として何かできることはないかという思いから、チャリティバザーを実施されました。会員さんはもとより地元企業からの協力によりたくさんの心あるお金が集まり、この日、講師をされたNPO法人「せんだいファミリーサポート・ネットワーク」代表理事の伊藤仟佐子さんを通じて、被災した子供たちのために役立てていただく予定です。

 伊藤理事さんは、仙台で子育て支援に携わっておられ、震災が起こった当時の様子など講演されました。避難所生活では、授乳や着替え、入浴など女性への配慮がいきとどいていなかったことから、復興活動に多くの女性が加わる重要性を訴えられました。また、普段から地域の人たちとつながりを持っていくことや、実践的な避難訓練の必要性について、阪神淡路大震災の教訓を聞いて理解していたはずなのに、いざ当事者になると実践できなかったことが悔しく、無力さを痛感されたようです。

 小野市では、今年の市会議員選挙で女性議員3名が誕生し、自治会役員でも女性が起用されるようになってきました。どのような場所でも、男女を問わず日頃からお互いに意見が言い合える環境づくりが不可欠であり、そのためにも元気な女性たちが意思決定の場に進出し活躍されることを期待しています。

2011年12月7日(水曜日)

小野市の元気を被災地へ

市役所前の芝生広場に飾られている巨大クリスマスツリーや動物などのオブジェのクリスマスイルミネーションの写真

 今年も市役所前の芝生広場で、毎年恒例となった「クリスマスイルミネーション」が始まりました。1万個以上の青と白の発光ダイオードが輝く高さ約14メートルもある巨大クリスマスツリーをはじめ、動物や乗り物のオブジェが並び、建物の壁面や立ち木にも電飾が飾りつけられ、その光の数はなんと約14万個にも及びます。辺りは様々な光が織り成す幻想的な世界が広がり、連日、訪れた多くの方々を楽しませています。

 このイルミネーションは、「小野地区地域づくり協議会」が主体となり、8年前から取り組まれています。地域元気アップ活動団体、小野地区の小中学校の児童・生徒さん、小野工業高校の生徒さんが一緒になって作られていますが、年々、その内容は進化しております。土曜日の夜(12月10日、24日)にはコミュニティホールで有志によるクリスマスコンサートが行われるなど、クリスマスムードをさらに引き立てています。

 また、今年は電飾の数を増やさず、児童や生徒達がペットボトルを使って来年の干支の辰やお城などのオブジェや、ペットボトルにそれぞれのデザインをペイントした400個の「エコキャンドル」を作り、ほのかな明かりを灯しています(コンサートの日のみ)。節電もさることながら、東日本大震災で亡くなられた方々へのお悔やみと被災地の復興の願いが込められた、子どもたちの手作りの作品がならびました。

 ところで、今年、東日本大震災のために夏祭りや花火大会を中止されたところもありました。花火は、1733年(享保18年)、前年の大飢饉と疫病(コレラ)の大流行による死者の慰霊と悪霊退散祈願のため、8代将軍吉宗が両国大川(隅田川)で大花火を打ち上げたのが始まりと言われています。小野まつりでは、全国に元気を発信しようと5000発の花火を盛大に打ち上げましたが、このイルミネーションも花火と同じような意味を持つと思うところです。

 テーマは「光でつなぐ 人の輪 心の和」。光は、訪れた人たちの心を和ませ、希望を与えてくれます。被災地でもイルミネーションが始まっているようですが、この小野市から東日本大震災で被災された方々へ向けて光のメッセージが届くことを願っております。

2011年11月30日(水曜日)

防災意識の向上が地域を守る~地域教育防災訓練~

 27日の日曜日、「河合小学校区地域教育防災訓練」を実施しました。大規模地震や水害等の災害時における、地域の防災対応能力と防災意識の向上を目的に、毎年、市内の小学校区ごとに順番に行っております。

河合小学校で親子が消火訓練を行っている様子の写真

 河合小学校には、早朝から児童や保護者、先生方をはじめ、自治会、自主防災組織、消防団、消防署、社警察署、青野原陸上自衛隊など、総勢約900人が集まりました。訓練は、小野市を通る山崎断層で震度6強の地震が発生し、住宅等の倒壊や火災などにより市内に甚大な被害をもたらしたという想定で行われ、少し肌寒いなか、皆さん避難訓練や児童引渡し、消火器等による初期消火、炊き出しや土のうづくりなど、数多くの訓練や作業に熱心に取り組んでいただきました。

兵庫県消防防災航空隊のヘリコプターを見学している小学生たちの写真

 今年は、高所に取り残された人を救助するスノーケル車や救急車、県警のパトカーに加え、兵庫県消防防災航空隊のヘリコプターも訓練に参加し、子どもから大人まで興味深く見学をされていました。このヘリコプターには河合小学校出身の小野市消防職員が搭乗しております。東日本大震災では、実際現地で救助活動を行っており、その時の状況を児童たちに熱心に語ってくれました。

 ところで、今年の9月に大雨を降らせた台風は、この河合地区にも浸水などの被害をもたらしました。台風12号では、河合地区で641世帯、1650人の方に避難勧告も発令しましたが、地域の方々が迅速に対応されたことで人的被害はありませんでした。また、フェニックス共済(兵庫県住宅再建共済制度)では、河合地区の平均加入率は25%(県目標15%)と高く、11の自治会の中で5つが30%を超えるなど、防災意識の高さがうかがえます。

 フェニックス共済の加入率は、ある意味で自治会の役員さんを中心とした「地域力」を測る1つのバロメーターであります。災害時には、この「地域力、市民力」が何と言っても重要であり、今回の訓練を通して、さらに地域における防災力を高めていただきたいと思います。

2011年11月23日(水曜日)

市民に身近な病院をめざして

先週の土曜日、小野市民病院において「病院ハートフルフェスタおの2011」を開催しました。地域住民の皆さんに市民病院をもっと知ってもらいたい、また、身近で親しみやすい病院でありたいという思いを込めて、病院職員の手作りのイベントとして昨年から行っております。

ブースで看護師と向かい合って話している人たちの写真

当日は雨天にも関わらず多くの方々にお越し頂きました。「きて・みて・ふれて」をテーマに様々な体験ブースを設け、参加された皆さんは電気メスや腹腔鏡(ふくくうきょう)手術の練習器を使ってみたり、人体模型を使って採血や点滴をするなどの体験をされました。また、子ども達も子供サイズの白衣や看護服を着て記念写真を撮ったり、看護師の指導でモデル人形に心臓マッサージをするなど、会場は大変賑わいました。

また、医師によるギターとバイオリンのドクターズコンサートでは、ドクターの意外な一面が見られたり、健康相談コーナーでは、普段聞けないことも気軽に聞けたり、患者と医師という枠に捉われないふれあいを楽しんでいただけたと思います。

小野市民病院では、現在ベッド数220床、16の診療科があり、安全かつ、より高品質な医療サービスの提供に努めています。平成10年には、眼科、泌尿器科、耳鼻咽喉科を、平成19年には、形成外科を設置しました。また、今年の10月から、眼科では北播磨で初めて「角膜移植手術」が出来るようになり、更に、北播磨地域の病院では初めて専門医が常勤する「血液内科(白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫、貧血など)」を新設しております。

また、医療安全の取り組みでは、平成18年から院内に医療安全管理委員会を組織し、ヒヤリハット事例の分析・検討、安全教育研修、業務改善等を行っております。この取り組みを10月の「小野市研究発表会」で委員会の方々が発表されましたが、審査委員をされた民間会社の工場長さんも「是非、人間ドックに行きたい」と申されていました。

これから北播磨総合医療センター(450床、27科)本体の建築工事が始まります。これまでに市民病院で培われてきた高度な医療技術や医療安全意識を更にレベルアップして、平成25年10月にオープンするこの新病院に引き継ぎながら、医療者と患者(住民)が一体となって将来の地域医療を構築していきたいと思っています。

2011年11月16日(水曜日)

公共交通を多面的に考える

 先週の月曜日、東播磨、北播磨の各市の首長と神姫バスの社長が出席した「東播、北播地域バス交通懇話会」が加古川市で開催され、バス事業を始め、今後の公共交通のあり方について意見交換が行われました。

 まずバス事業の経営状況でありますが、路線バスの乗客数は、全国的に減少傾向にあるなか、神姫バスも例外ではなく、昭和40年に全路線で約9000万人の利用があったのが、現在では半分の4500万人になっております。この背景には、自家用車の普及のほか、団塊の世代の退職による通勤需要の減少や少子化による通学利用の減少が考えられます。

 バスの利用者数が減少するなかで、神姫バスの一般路線バスの赤字は年々増加し、平成22年度で約9億円になっております。そのうち、東播磨、北播磨県民局管内では、229系統ある路線の内175系統(約76%)が赤字路線であり、約6億1千万円の経常損失が出ております。しかしながら、国、県、市からの赤字路線への運行補助金約3億5千万円があるため赤字総額は約2億6千万円となっております。なお、赤字路線の175系統だけを見ると、経常損失は約11億円であり、補助金を入れて約7億5千万円の赤字となります。

 一方で、神戸電鉄粟生線では年間約12億円の赤字がありますが、それに対する補助金は一切出ていないのが現状であります。住民の足となる公共交通を守るためには、バスと同様に国や県の公的支援もあってしかるべきだと考えるところです。

 小野市では、神戸電鉄の更なる経営改善及び県の支援を条件に、神鉄からの年間4800万円の固定資産税収入の内4000万円(市民一人当り年間800円)の支援を表明したところであります。仮に「神戸電鉄粟生線」が廃線となった場合、周辺の土地の価値が下落することが予想されますが、その影響で小野市の固定資産税などの税収入も約1億1千万円が減収になると試算しております。沿線市に関わらず周辺市町にも、通勤通学する住民の足がなくなることだけにとどまらず、市の財政を大きく圧迫することになりかねません。

 鉄道しかり、バスしかり、まず事業者の更なる経営努力(経費節減)は言うまでもありませんが、関係市町や県、国が連携して支援していくことが、私たちの公共交通を存続するために必要不可欠であると考えます。

2011年11月9日(水曜日)

若者たちと小野市について徹底討論

高校生や大学生18名が参加し、丸く並べたテーブルについて話し合っている写真

先週の5日、うるおい交流館エクラにて「ヤングジェネレーションフォーラム」(若い世代の討論会)を開催しました。一般公募により高校生や大学生18名が集まり、普段の生活での疑問や市政の課題など、一般公開のなかで討論を行いしました。若者たちに行政に関心をもってもらうとともに、彼らの意見を市政に反映することを目的としております。

このフォーラムも今年で4回目を迎えますが、若者たちが繰り広げる討論は年々活発になっており、毎年、どの様な意見が出てくるのか楽しみにしております。そのような中、参加者の多くが通学などで利用している「神戸電鉄粟生線」の存続についての質問が数多く出ました。

粟生線は年間12億円の赤字が続いており、年々進む少子化や車での移動の増加などから、今後、黒字転換することは難しい状況であります。そのような赤字路線の粟生線が廃止になるかもしれない現実を市民が直視して、誰かがやってくれるのではなく、何としても存続させるという市民意識の変革が重要であることをお話ししました。

また、小野市と三木市が合わせて年間1億円を支援することに対しては、「12億円もの赤字があるのに、1億円を出しても焼け石に水ではないか」という意見が出ましたが、これは、粟生線存続に向けた市の姿勢を明確にしたものであります。鉄道を廃止すると、鉄道周辺の土地の評価が下がり結果的には税収にも影響することを踏まえながら、支援については当然、神戸電鉄自身の経営努力、親会社の阪急阪神ホールディングの支援、そして又、県も同様に支援を行うということが前提であります。

次に、「北播磨総合医療センター」の質問がありました。「ドクターヘリの運航はされるのか」という内容でした。新病院の屋上にヘリポートは設置しますが、ドクターヘリの運航については市単独での計画はなく、現在、関西広域連合で都府県を超えた取り組みを行っているところです。ちなみに、この質問をされた方は看護師志望だそうで、そこで働きたいという若者の期待に添えるよう新病院を整備してまいりたいと思います。

更に、「きらら通りの照明について」の質問がありました。「実際に歩いてみると足元は暗い」という意見や、「自転車に乗って走ると眩しい」という意見がありました。前回のフォーラムで、通学路に防犯灯を設置してほしいとの提案を受けて、今年度、設置することとなりましたが、同様にこれらの意見を踏まえて照明のあり方を再検討したいと思います。

このフォーラムも小野市の多様な広報広聴の手法の一つです。直接若者たちの声を聞く中で、もっと市民の方々とこのような協議の場を持つ必要があるのでないかと思いました。幅広い意見に耳を傾け、20年30年先にこの小野市を担う若者たちが住みたいと思えるまちを目指してまいりたいと思います。

2011年11月2日(水曜日)

河川改修は広域連携が不可欠

今年9月の台風12号、15号では、断続的に続いた集中豪雨により、近畿や四国、中国地方に大きな被害をもたらしました。この加古川流域においても、多くの地域で避難勧告が発令され、浸水や土砂崩れなどの被害を受けました。

五十嵐文彦財務副大臣と市長が資料を見ながら話し合っている写真

そのような中、先月の27日、加古川改修促進期成同盟会の会長として、国土交通省、財務省へ加古川の早期改修に向けての要望を行ってきました。今回も佐藤国土交通省技監や五十嵐財務副大臣にお会いして、平成16年の台風23号や今年の台風12号、15号のような災害が起こらないよう、更なる改修促進をお願いしました。

加古川の河川改修は、加古川流域に甚大な浸水被害をもたらした平成16年の台風23号により、西脇市域から上流域において行われていた河川激甚災害対策特別緊急事業が完了したところですが、激特事業以外の区域での災害防止対策も急務となっています。加古川流域においては、いまだ無堤地区(小野市、加東市)が残っており、また、近年に見られる長時間にわたる集中豪雨に対応するためには、現在の整備状況ではまだまだ不十分であります。

佐藤直良国土交通省技監と市長が資料を見ながら話し合っている写真

一方、国においては事業仕分けなどによる予算削減が行われており、治水対策においても計画通りに進むかどうか懸念されるところであります。先月、本会の要望活動とは別に、姫路河川国道事務所長や国土交通省近畿地方整備局河川部長にお会いすることがありましたが、改めて加古川の無堤地区の整備や河道掘削の必要性について申し上げました。もちろん、加古川の状況は十分理解されておられ、早期改修に向けて計画に沿って整備を進めていきたいとのことでした。

近年、想定外の自然災害が頻繁に起こっており、広域的な被害を受けております。加古川も例外ではなく、それらの災害を未然に防ぐため、国、県、関連自治体の連携が不可欠であります。加古川流域の住民が安心して暮らせるよう、行政が一体となって取り組んでまいりたいと思っています。

2011年10月26日(水曜日)

「小野市研究発表会」に名称が変わりました

先週の21日、小野市伝統産業会館にて「小野市研究発表会」を開催しました。平成16年度から実施しており今年で8回目を迎えましたが、「職員研究発表会」から名称を変え、さらに気軽に市民の方々が参加できる発表会となりました。

約300人の人が参加した小野市伝統産業会館で開催された小野市研究発表会の写真

この発表会では、職員が自主研修で市政に関して研究したことを、パソコンのパワーポイント(プレゼンテーション用ソフト)を用いて発表し、それぞれの内容や技能を競い合います。今回から職員の枠を取り払い、誰でも発表が出来るようになり、今年はNPO法人北播磨市民活動支援センターや小野市議会からも発表していただきました。もちろん、一般市民の方々も自由に観覧することができ、今年も会場は立ち見の方が出るほど満員で、自治会や地域づくり協議会の役員さん、一般の方では市外からもお越しいただくなど、約300人の方々が参加されました。

今年の発表者一覧表

審査委員には、小野高校情報教育担当教諭、前年度最優秀賞受賞者(職員)、市議会議長、私(市長)に加え、今年から地元企業の株式会社アマダ小野工場長にも加わっていただき、専門的かつ客観的な審査を行っていただきました。審査方法は、発表内容やパワーポイントの使い方、話し方などを総合的に判断し、1位から4位の順位を付け、5名の審査員から最も多く1位の評価を得た発表者を最優秀賞とします。

その結果、今年は“小野市民病院 医療安全管理委員会”の「小野市民病院における医療安全の取り組み」が最優秀賞となりました。医療現場の現状をプレゼンや演劇で分かりやすく発表され、見ている者を「説得」ではなく「納得」させる内容でした。また、初めて職員以外で参加された北播磨市民活動支援センターの皆さんは、最後に「多くの皆さんにセンターのことを知っていただける良い機会になりました」と感想を申されましたが、うるおい交流館エクラの管理運営や指定管理者制度など、職員にとって学ぶことが多かったと思います。

この発表会は、職員の知識習得や業務遂行能力を高め市民サービスの向上を目的に始まりましたが、今や市民や企業等を巻き込んで市全体の発表会として発展しようとしています。多くの方々が色々な分野の研究を発表され、市民、企業、そして行政がお互いに情報交換することで、小野市全体がますます活気づくことを期待しております。

2011年10月19日(水曜日)

節目となる年を祝う

小野市では、高齢者数が1万人(高齢化率22%)を超え、超高齢社会に突入しております。そのような中で、高齢者を対象とした様々な施策を展開し、高齢者が元気でいきいきと暮らせる社会づくりを目指しております。

黄色い衣装を着た女性たちがステージの上でフラダンスをを踊っている写真

その一つとして、昨日、エクラにて「金婚夫婦を祝う集い」を催しました。今年はここ数年では一番多い、73組146名のご夫婦にお集まりいただき、結婚50周年のお祝いをいたしました。今から50年前の昭和37年は高度経済成長期であり、参加された皆さんは、日本経済の急成長を実現した立役者であります。そのような厳しい時代を二人三脚で乗り越えられてきたこともあり、皆さんとても仲睦まじく、懇親会ではお互いに感謝の言葉を言い合ったり、2人で記念写真を撮られたりする光景もありました。

また、9月1日には、市内の高齢者宅や福祉施設を訪れ、長寿を祝いました。満100歳以上と白寿(99歳)、米寿(88歳)、喜寿(77歳)を迎える方にお祝い金を手渡しております。今年100歳になられた方々とお出会いしましたが、皆さんお元気で、多くの人に囲まれてのお祝いに大変喜ばれておられました。ちなみに、100歳以上の方は年々増えており、今回も30名の方々をお祝いさせていただきました。

一方、来年2月には、毎年恒例となりました第2の成人式「エイジ・ルネサンス・パーティ」を行います。65歳を迎えられた方々を対象に、これからの人生においても「生涯青春」であることを再認識していただき、「新たな人生の再出発」となることを願って開催しています。この取り組みに賛同していただいた第6代目上方落語協会会長の桂三枝さん(来年、大名跡「文枝」を襲名されます)には、開始当初の11年前からトークコーディネーターとして毎年来ていただいております。私も65歳の節目を迎えますが、今一度振り返ることで自分自身の棚卸を行い、これからの方向性を見つけてみたいと思っています。

今や「人生100年時代」といわれており、老後の長い人生をどう生きていくのか問われる時代となっています。高齢者の方々は実社会で培われた経験や技術を持っておられます。こうした財産を眠らせず、住み慣れた地域社会の中で、もうひと花咲かせることにより、充実した人生を過ごしてほしいと思います。

2011年10月12日(水曜日)

広報広聴をフレキシブルに展開

おのコミュニティホールで開催された小野ひまわりライオンズクラブの人たちとの座談会の写真

先週、おのコミュニティホールにて、「小野ひまわりライオンズクラブ」との座談会をもちました。この座談会も恒例となり、今年で7回目となりますが、「小野市政について市長に直接お聞きしたい」とのご依頼から毎年お受けしております。

「小野ひまわりライオンズクラブ」は、平成16年に女性だけのライオンズクラブとして新たに発足し、ボランティアを中心に活動されています。今回は23名の方がこの座談会に参加されました。まず、小野市政の概要として、「北播磨総合医療センター」や「福祉総合支援センター」の進捗を始め、「セレモニーホール建設」や「小野警察署の誘致」、「神戸電鉄の活性化」の状況など、小野市の主要プロジェクトについてご紹介しました。

皆さん、大変市政に関心をもっておられ、普段の生活の中で疑問や気付いたことを率直にご質問されました。「小野まつり“夏の夢舞台”の衣装(ゆかた)を揃えては」、「新病院建設後の現市民病院を介護施設にしてはどうか」、「災害時の要援護者への連絡方法は」など、前向きな質問や提案が出されました。私も皆さんのご意見に単刀直入にお答えすると共に、協議が必要なものは「受付カード」に登録し、関係部署で多面的に検討するように指示したところです。

このような団体別座談会も広報広聴の手法の一つであり、市民の方々から直接ご意見を聞き、また、情報発信をしているところです。11月5日(土曜日)には、エクラにて学生など若者たちと公開討論する「ヤングジェネレーションフォーラム」を開催します。若い方々の考え方や思いが聞けると楽しみにしております。(観覧席有、入場無料)

様々なところで様々な年齢層の方とこのような機会を持ち、アカウンタビリティ(説明責任)を果すと共に、皆様からのご意見は「情報は市民の財産」であるという認識をもって、多くの意見を市政へ反映していきたいと思っています。

2011年10月5日(水曜日)

神戸電鉄粟生線の存続に向けて

先週の市議会本会議において、赤字が続く神戸電鉄粟生線の存続問題についての質問がたくさんありました。「神戸電鉄粟生線を存続しよう」という思いは皆さん同じであると思います。しかし、掛け声だけでは実際のところ問題の解決に繋がりません。

もっと厳しい現実を直視しながら、神戸電鉄粟生線を絶対に廃止しないという思いと、神戸電鉄全線で4億円(粟生線で12億円)という赤字を解消するために具体的にどうして行くのかという私の考えを申し上げました。

まずは、神戸電鉄自らの経費削減であります。人件費削減や資産売却などの経営努力により、全体赤字の30%にあたる約1億2千万円を捻出していただきます。そして、やはり皆で残そうということから、住民の方々にも負担していただく意味で、運賃3%値上げ(例:小野-湊川間640円で20円アップ)であります。神戸電鉄の鉄道事業の収入から計算して、賃上げ分そのまま増えるのではなく仮にそのうちの20%乗客数が減ったとしても約2億4千万円の増収が見込まれます。

次に、粟生線の沿線市である小野市、三木市、神戸市の支援策として、神戸電鉄に課税している固定資産税を30%減免します。3市の固定資産税の合計が年間約2億1千万円ですので、その3割の6300万円を免除することとなります。これに、神戸電鉄を利用される沿線以外の北播磨の西脇、加西、加東、多可の3市1町にも700万円の補助をいただき、関係市町で7000万円を支援します。

一方、広域的な視点から県の支援も欠かせません。県も市町が負担する同額の7000万円を補助していただきたいと思います。例えば、北播磨地域で播磨中央公園やフラワーセンターなど県立公園の維持管理費(年間約7億円)のうちの10%を削減していただくなど、播磨地域の交流促進のために財源を捻出していただければと思っています。

神戸電鉄の経費削減、運賃3%値上げ、関係市町と県の支援を合わせ、総額5億円の赤字を解消することが出来きます。神戸電鉄は、鉄道部門では4億円の赤字ですが、全体では約200億円の売り上げがあり、約8000万の黒字経営となっておりますので、この経営改善により会社全体として経常利益約6億円が確保できることにもなります。

この再建案(私案)は、今月下旬、県や沿線市、北播磨市町で協議する「神戸電鉄粟生線存続戦略会議」で提案させていただく予定です。しかし、この案が通ることは恐らく困難でしょう。まさに「誰が意思決定をするか」にかかっています。先行きは不透明な中、神戸電鉄には最大限の経営改善を求めると共に、県や関係市町、そして住民にも応分の負担をしていただくことで、神戸電鉄粟生線を存続していきたいと思っています。

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