令和3年度から適用される個人住民税(市・県民税)の主な改正について

更新日:2022年03月28日

令和3年度(令和2年1月1日から令和2年12月31日の間に得た収入)の個人住民税から適用される改正点をお知らせします。

  1. 給与所得控除の見直し
  2. 公的年金等控除の見直し
  3. 基礎控除の見直し
  4. 扶養控除等の所得金額要件の見直し
  5. 非課税基準の合計所得金額の要件等の見直し
  6. 未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)の見直し
  7. 家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の見直し
  8. 調整控除の改正
  9. 新型コロナウイルス感染症に関する税制支援

給与所得控除の見直し

  1. 給与所得控除額が一律10万円引き下げられます。
  2. 給与等の収入金額が850万円を超える場合、その控除額が220万円から195万円に引き下げられます。

 なお、子育て世帯や介護世帯には、負担が生じないよう緩和措置(所得金額調整控除)があります。

所得金額調整控除

  • 給与等の収入金額が850万円を超える所得者で、つぎの(1)~(3)のいずれかに該当する場合は、所得金額調整控除を給与所得から控除します。
    1. 本人が特別障害者に該当する者
    2. 年齢23歳未満の扶養親族を有する者
    3. 特別障害者である同一生計配偶者もしくは扶養親族を有する者
      所得金額調整控除の額=(給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円)-850万円)×10%
  • 給与収入等及び公的年金等収入を有する所得者で、給与所得と公的年金等にかかる雑所得の合計金額が10万円を超える場合は、つぎの算式による所得金額調整控除を給与所得から控除します。
    所得金額調整控除の額=(給与所得+公的年金等に係る雑所得)※-10万円(上限額は10万円)
    ※それぞれの所得が10万円超の場合は10万円として計算
改正後(令和2年分から)給与所得速算表
給与等の収入金額 給与所得金額
550,999円以下 0円
551,000円~1,618,999円 収入金額-550,000円
1,619,000円~1,619,999円 1,069,000円
1,620,000円~1,621,999円 1,070,000円
1,622,000円~1,623,999円 1,072,000円
1,624,000円~1,627,999円 1,074,000円
1,628,000円~1,799,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×2.4+100,000円
1,800,000円~3,599,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×2.8-80,000円
3,600,000円~6,599,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×3.2-440,000円
6,600,000円~8,499,999円 収入金額×0.9-1,100,000円
8,500,000円~ 収入金額-1,950,000円

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

改正前(令和元年分まで)給与所得速算表
給与等の収入金額 給与所得金額
650,999円以下 0円
651,000円~1,618,999円 収入金額-650,000円
1,619,000円~1,619,999円 969,000円
1,620,000円~1,621,999円 970,000円
1,622,000円~1,623,999円 972,000円
1,624,000円~1,627,999円 974,000円
1,628,000円~1,799,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×2.4
1,800,000円~3,599,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×2.8-180,000円
3,600,000円~6,599,999円 収入金額÷4(1,000円未満切り捨て)
算出金額=A
A×3.2-540,000円
6,600,000円~9,999,999円 収入金額×0.9-1,200,000円
10,000,000円~ 収入金額-2,200,000円

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

公的年金等控除の見直し

  1. 公的年金等控除額が一律10万円引き下げられます。
  2. 公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の公的年金等控除額は195.5万円が上限になります。
  3. 公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、公的年金等控除額が引き下げられます。

公的年金等雑所得速算表

前年の12月31日時点で65歳未満の方

改正後(令和2年分から)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額(A) 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
1,299,999円以下 (A)-60万円 (A)-50万円 (A)-40万円
1,300,000円~4,099,999円 (A)×75%-27.5万円 (A)×75%-17.5万円 (A)×75%-7.5万円
4,100,000円~7,699,999円 (A)×85%-68.5万円 (A)×85%-58.5万円 (A)×85%-48.5万円
7,700,000円~9,999,999円 (A)×95%-145.5万円 (A)×95%-135.5万円 (A)×95%-125.5万円
1,000万円~ (A)-195.5万円 (A)-185.5万円 (A)-175.5万円

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

改正前(令和元年分まで)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額(A) 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
1,299,999円以下 (A)-70万円 同左 同左
1,300,000円~4,099,999円 (A)×75%-37.5万円 同左 同左
4,100,000円~7,699,999円 (A)×85%-78.5万円 同左 同左
7,700,000円~ (A)×95%-155.5万円 同左 同左

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

前年の12月31日時点で65歳以上の方

改正後(令和2年分から)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額(A) 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
3,299,999円以下 (A)-110万円 (A)-100万円 (A)-90万円
3,300,000円~4,099,999円 (A)×75%-27.5万円 (A)×75%-17.5万円 (A)×75%-7.5万円
4,100,000円~7,699,999円 (A)×85%-68.5万円 (A)×85%-58.5万円 (A)×85%-48.5万円
7,700,000円~9,999,999円 (A)×95%-145.5万円 (A)×95%-135.5万円 (A)×95%-125.5万円
10,000,000円~ (A)-195.5万円 (A)-185.5万円 (A)-175.5万円

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

改正前(令和元年分まで)公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額
公的年金等の収入金額(A) 1,000万円以下 1,000万円超2,000万円以下 2,000万円超
3,299,999円以下 (A)-120万円 同左 同左
3,300,000円~4,099,999円 (A)×75%-37.5万円 同左 同左
4,100,000円~7,699,999円 (A)×85%-78.5万円 同左 同左
7,700,000円~ (A)×95%-155.5万円 同左 同左

※1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

基礎控除の見直し

  1. 基礎控除額が10万円引き上げられます。
  2. 合計所得金額が2,400万円を超える場合は、その合計所得金額に応じて控除額が段階的に減少し、合計所得金額が2,500万円を超える場合は、基礎控除は適用されません
基礎控除額の改正
合計所得金額 改正後 基礎控除額 改正前 基礎控除額
2,400万円以下 43万円 33万円(所得制限なし)
2,400万円超2,450万円以下 29万円 33万円(所得制限なし)
2,450万円超2,500万円以下 15万円 33万円(所得制限なし)
2,500万円超 適用なし 33万円(所得制限なし)

扶養親族等の所得金額要件の見直し

同一生計配偶者や扶養親族等の合計所得要件が10万円引き上げられます。

扶養親族等の所得金額要件の改正
要件等 改正後 合計所得金額 改正前 合計所得金額
同一生計配偶者の合計所得金額の要件 48万円以下 38万円以下
扶養親族の合計所得金額の要件 48万円以下 38万円以下
配偶者特別控除に係る配偶者の合計所得金額の要件 48万円超133万円以下 38万円超123万円以下
勤労学生の合計所得金額の要件 75万円以下 65万円以下

非課税基準の合計所得金額の要件等の見直し

非課税基準の合計所得金額の要件等の改正
要件等 改正後 合計所得金額 改正前 合計所得金額
障害者、未成年者、寡婦、ひとり親に対する非課税措置の合計所得金額の要件 135万円以下 125万円以下
均等割の非課税限度額の合計所得金額 28万円×(扶養人数+1)+10万円+扶養親族を有する場合16.8万円 28万円×(扶養人数+1)+扶養親族を有する場会16.8万円
所得割の非課税限度額の総所得金額等(繰越控除後) 35万円×(扶養人数+1)+10万円+扶養親族を有する場合32万円 35万円×(扶養人数+1)+扶養親族を有する場合32万円

未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直し

  1. 婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一にする子(総所得金額等が48万円以下)を有する単身者について、ひとり親控除(控除額30万円)を適用できます。
  2. 1.以外の寡婦について、引き続き寡婦控除(控除額26万円)を適用し、所得制限(合計所得金額が500万円以下)が設けられています。
    ※ひとり親控除及び寡婦控除とも住民票の続柄に夫(未届)、妻(未届)の記載がある場合は対象外となります。
本人が女性の場合の控除額(カッコ内は個人住民税控除額)
配偶関係
本人合計所得金額
死別
500万円以下
死別
500万円超
離別
500万円以下
離別
500万円超
未婚のひとり親
500万円以下
扶養親族:「子」あり
(ひとり親控除)
35万円
(30万円)
35万円
(30万円)
35万円
(30万円)
扶養親族:「子以外」あり
(寡婦控除)
27万円
(26万円)
27万円
(26万円)
扶養親族:なし
(寡婦控除)
27万円
(26万円)
本人が男性の場合の控除額
配偶関係
本人合計所得金額
死別
500万円以下
死別
500万円超
離別
500万円以下
離別
500万円超
未婚のひとり親
500万円以下
扶養親族:「子」あり
(ひとり親控除)
35万円
(30万円)
35万円
(30万円)
35万円
(30万円)
扶養親族:「子以外」あり
扶養親族:なし

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の見直し

必要経費に算入する金額の最低保証額が10万円引き下げられます。

家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例の改正
要件等 改正後 最低保証額 改正前 最低保証額
必要経費に算入する金額の最低保証額 55万円 65万円

調整控除の改正

合計所得金額が2,500万円を超える場合は適用外となります。

調整控除の改正
合計所得金額 改正後 調整控除 改正前 調整控除
2,500万円以下 ※下記計算方法参照 一律
※下記計算方法参照
2,500万円超 適用外 一律
※下記計算方法参照

計算方法

課税標準額が200万円以下の場合

つぎのいずれか少ない金額×5%(市民税3%、県民税2%)

  • 人的控除額の差の合計額
  • 住民税の課税標準額

課税標準額が200万円超の場合

(人的控除の差の合計額ー(住民税の課税標準額ー200万円))×5%
※この金額が2,500円未満の場合は2,500円(市民税3%、県民税2%)

(注)人的控除に係る税額控除(調整控除)とは

個人住民税(市・県民税)と所得税を計算する際には、配偶者や子ども、両親などを扶養にする場合、配偶者控除や扶養控除など一定の額が控除されます。このような、人に着目した控除のことを人的控除といいます。
個人住民税(市・県民税)と所得税との人的控除を比較すると、個人住民税(市・県民税)の方が所得税よりも人的控除が低く設定されています。同じ収入でも個人住民税(市・県民税)の課税所得金額は所得税よりも高くなるため、個々の納税義務者の人的控除の適用状況に応じて、個人住民税(市・県民税)の所得割から一定の額を控除する税額控除(調整控除)が設けられています。

新型コロナウイルス感染症に関する税制支援

中止イベントのチケット料金の払い戻しを受けていない場合の寄附金税額控除の適用

政府の自粛要請を踏まえて中止等となった、文化芸術・スポーツイベントのチケット等の払い戻しを請求しなかった場合、放棄した金額(上限20万円)が寄附金税額控除の対象となります。(県や市が条例で定めるものに限る。)

住宅ローン減税の適用要件の弾力化(居住開始日の延長)

住宅ローン減税の控除期間13年間の特例措置について、新型コロナウイルス感染症の影響により入居が期限(令和2年12月31日)に遅れた場合でも、一定の期日までに住宅取得契約を行っている等の要件を満たしていれば、特例措置の対象となります。

この記事に関するお問い合わせ先

総務部 税務課 市民税係
〒675-1380 兵庫県小野市中島町531番地
電話番号:0794-63-1009
ファックス:0794-70-9070

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