離婚後の子の養育に関する民法等改正(共同親権等)

更新日:2026年03月30日

令和6年5月17日、民法等の一部を改正する法律(令和6年法律第33号)が成立しました(同月24日公布)。

この法律は、父母の離婚等に直面する子の利益を確保するため、子の養育に関する父母の責務を明確化するとともに、親権・監護、養育費、親子交流、養子縁組、財産分与等に関する民法等の規定を見直すものです。

この法律は、令和8年4月1日に施行されます(令和7年10月31日閣議決定)。

法改正の主なポイント

親の責務に関するルールの明確化

親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確にされました。

こどもの人格の尊重

こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

こどもを養う責任があります。こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

こどものために、お互いを尊重して協力しなければなりません。次のような行為は、この義務に違反する場合があります。

  • 暴力や暴言など、相手を怖がらせるような言動
  • 他方の親によるこどもの世話を不当に干渉すること
  • 理由なく他方の親に無断でこどもの住む場所を変えること
  • 取り決めた親子の交流を拒むこと
こどもの利益のための親権行使

こどもの利益のために、こどもの面倒をみたり、こどもの財産の管理を行ったりしなければなりません。

親権に関するルールの見直し

1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。

父母の離婚後の親権者

親権者の定め方

協議離婚の場合

父母の協議により、単独親権か共同親権を選択します。

父母の協議が調わない場合

さまざまな事情やこどもの利益の観点から、家庭裁判所が決定します。

虐待やDVのおそれがあるときなどは、家庭裁判所は必ず単独親権を選択することとされています。

親権者の変更

こどものために必要があると認めるときは、家庭裁判所が、こどもや親族の請求により、親権者の変更をすることができます。

親権の行使方法(共同親権の場合)

監護教育に関する日常の行為

日々の生活に必要なこと、例えば食事や着る服を決めること、短期間の観光旅行などは、父母のどちらか一方が決めることができます。

こどもの利益のため急迫の事情があるとき

暴力や虐待等から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらか一方が決めることができます。

親権行使者の指定

こどもの転居や進路先の決定などで父母の意見が対立するときは、家庭裁判所が、父母のどちらかを単独で親権を行うことができるように決めることができます。

監護についての定め

監護の分担

離婚するときは、こどもの利益を最優先に考え、こどもの監護をする分担について決めることができます。

監護者の権限

共同親権とした場合であっても、父母どちらかを「監護者」と定め、こどもの監護を委ねることができます。

養育費の支払確保に向けた見直し

こどもの生活を守るために、養育費を確実に受け取れるように、ルールの見直しが行われました。

合意の実効性の向上

文書で養育費の取り決めをしていれば、支払が滞った場合に、一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。

法定養育費

離婚時に養育費の取り決めがなくても、こどもと暮らす親が、こどもと暮らしていない親へ、一定額の「法定養育費」を請求できるようになります。法定養育費は、養育費が決まるまでの暫定的・補充的なものです。

裁判手続の利便性向上

家庭裁判所は、養育費の額を算定する手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができます。また、養育費を請求する民事執行の手続では、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえ手続きを行うことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

こどものことを最優先に、親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に、親子交流を試行的に行うことができます。家庭裁判所は、こどもの利益を最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し、親子交流の試行的実施を促します。

婚姻中別居の場合の親子交流

婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらないときは家庭裁判所の審判等で決定します。

父母以外の親族とこどもの交流

祖父母などこどもとの間に親子関係のような親しい関係があり、こどものために特に必要があるときは、家庭裁判所は、こどもが父母以外の親族との交流を行えるようにできます。

参考

詳しくは、下記の法務省のホームページや法務省作成パンフレットをご確認ください。

改正法による新しいルールやひとり親家庭への支援施策について

この記事に関するお問い合わせ先

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