奥田家住宅(市指定)
- 所在地:小野市中番町
- 所有者:個人
- 入母屋造茅葺
- 市指定年月日:平成14年4月1日

奥田家は代々農業を営み、小野藩の惣庄屋を務めた旧家である。住宅の外観は、当地方に古くから見られる典型的な入母屋造、葺きおろしで古式で素朴な外形を良く残している。
建築当初は、桁行八間、梁間四間半の規模で、平面は土間付き四間取りで、正面側には半間の縁を設けていたらしい。現状では、玄関を入って右手には庭に沿ってクチノマ、オクノマ、裏側に沿って土間側からナカノマ、ナンド、オクザシキと続き、六間取りとなっている。オクノマには神棚と床を置き、ナンドとの境側には仏壇が配されている。オクノマとクチノマの外に設けられた縁側は、一間ごとに柱が並び、古い様式を留めている。また、天井は、梁を十文字に組んだ迫力のある大和天井となっている。正確な建築年代ははっきりしないが、各部屋の指鴨居をはじめ、各部材の大きさや仕上げの丁寧さから見て、江戸中期末頃と推定されている。全体的に見ても大きな改変が無く、当初の原型を保っており、当地方における古民家の代表例といえる。
更新日:2022年03月28日