浄土寺大般若経【黄檗版】(市指定)

更新日:2022年01月15日

  • 所在地:小野市浄谷町
  • 所有者:浄土寺
  • 市指定年月日:平成22年5月1日
大般若経黄檗版を上下に5帖ずつ並べた写真

京都宇治の万福寺の鉄眼によって開版されたもので、黄檗版(おうばくばん)と呼ばれている。本経は折本装で、10帖ずつ帙に納め、その5帙を一合の経櫃に納めるタイプと推測される。本来、経櫃が12合で1セットとなるはずであるが、現在確認できているのは4合のみである。これらの経櫃は、桐材を用い、表面を漆塗りしたものである。大きさは、長辺側約50センチメートル、短辺側約30センチメートル、高さ約27センチメートルで、箱の下まで蓋を被せる形態となっている。現在、経典の巻二~巻五十、巻二百一~巻三百、巻四百五十一~巻五百の199帖が残されている。各経典は、縦約275ミリメートル、横幅85ミリメートルもので、一頁の行数は5行、一行が17文字で、「一柳土佐守越智末英候御寄附」と墨書で奥書がなされている。

 一柳土佐守末英は、宝暦8年(1758)に生まれ、安永8年(1779)22歳の時に小野藩一柳家の藩主となっている。小野藩の藩政記録の「旧例見出」(『前田家文書』)の中に寛政8年(1796)に浄土寺へ大般若経を寄付という記述があることから、奉納時期はこの年と考えられる。

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