鴨猟

更新日:2022年01月17日

所在地:小野市来住町

Y字型に網が張られている、鴨漁に使う大きな網の写真

鴨猟の歴史はきわめて古く、昔は書付や制札もあったという。かつては返し網猟も行われたが、明治25年、池が禁猟区に指定されたため中止となり、投げ網猟だけとなっている。この猟は地形に左右されるため、わが国において珍しく、県下ではこの地以外にはない。投網は、2メートルほどの取っ手を具えたカスミ網の一種で、2本の「ほ竿」の間に、縦2.5メートル、横2メートルほどの長方形の網が大小3つの「コザル」によって取りつけられている。網が獲物を捕らえると、その衝撃で「もとよせ」が離れ、網は「みなわ」の中央にたぐり寄せられ、大きな袋となって鳥の自由を奪い、後のほうへ落ちて行く。狩猟者は、網を2セット用意し、カモの通り道である山の鞍部で身を沈め、鴨が稜線上に飛来した瞬間に投げあげる。しかし、神技に近い早業も、その日の天候や風向きなどの左右され、確実に獲られるとは限らない。勘と僥倖とスリルに富んだものである。

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