小野市とトンガ王国の架け橋「播州そろばん」
令和6年11月21日に「そろばんリユース事業」として小野市からトンガ王国へ200丁の算盤を寄贈しました。

そろばんリユース事業
そろばんリユース事業は、「市長への手紙」をきっかけとして平成22年9月から開始した事業で、家庭や職場で使われなくなった算盤を回収し、海外へ送ることによって、算盤の普及振興と、算盤を使用している諸外国との友好関係を深めることを目的としています。
そろばんリユース事業での送付先
そろばんリユース事業では、令和6年11月現在までに、12ヶ国へ11,195丁ものそろばんを寄贈してきました。
その中で最も多くそろばんを寄贈しているのが「トンガ王国」になります。これまでに寄贈総数の約8割にあたる9,803丁のそろばんを寄贈しています。
寄贈時期 | 寄贈数 |
---|---|
平成22年11月 | 1,000丁 |
平成23年12月 | 1,000丁 |
平成25年6月 | 1,500丁 |
平成26年7月 | 1,400丁 |
平成27年11月 | 1,202丁 |
平成28年6月 | 301丁 |
平成29年4月 | 200丁 |
令和2年3月 | 500丁 |
令和3年6月 | 1,500丁 |
令和4年12月 | 1,000丁 |
令和6年11月 | 200丁 |
計 | 9,803丁 |
トンガ王国と日本のつながり
トンガ王国は非常に親日的な国として知られています。相撲が普及しており、日本でもトンガ人力士が活躍している他、ラグビー選手が多く日本で活躍しているなど、繋がりは深く、平成27年7月には皇太子ご夫婦も訪問されています。
そろばんも両国のつながりを深めた重要なポイントです。当時のトンガ国王が、算数嫌いの多いトンガ人の子供たちが、算数に興味を持つ方法の一つとしてそろばんに着目したことがきっかけとなり、そろばんでの交流が始まりました。現在では、トンガ王国の全ての政府系小学校の教育課程にそろばんが採用されるまでに至っています。そしてそれら小学校で使われているそろばんの中には、小野市がそろばんリユース事業で寄贈したそろばんも含まれています。
つぎのリンクより、トンガ王国の小学生がそろばんの授業を受けている様子を動画で見ていただけます。
動画「寄贈したそろばんでの授業の様子」(Facebookのサイト)
(外部サイト「Facebook」の小野市のページにアップロードしています)
トンガ王国での活動成果
トンガ王国では、82校の小学校で3年生から5年生を対象にそろばんの授業を必須科目としており、生徒たちは毎日15分欠かさず勉強しています。その生徒の内、約100名に「そろばんの学習は好きですか?」とアンケートを取ったところ、82%の生徒が「はい」と答えたそうです。それを裏付けるように、生徒が学期末に行うテストの平均点が、常に上昇傾向にあるという結果も出ています。そろばんの配布が行き渡ってきたことにより、そろばんの検定試験による級位取得者の数も年々増加しています。
級位 | 10級 | 9級 | 8級 | 7級 | 6級 | 5級 | 4級 | 3級 | 2級 | 1級 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
人数 | 28 | 86 | 40 | 43 | 16 | 11 | 6 | 2 | 1 | 0 |
また、現地の教師からも「そろばんの授業を開始して以来、生徒が正しい姿勢で授業を受けるようになった」という意見がありました。さらに、読み上げ算をよく行っていることから「人の話をしっかり聞く」姿勢も身についてきたそうです。
トンガ王国より返礼品が届けられました
このたび、海外のそろばん教育支援と地場産業の振興を目的に、「そろばんリユース事業」を通じたそろばん寄贈のお礼として、日本から約8,000km離れた南太平洋の島嶼国であるトンガ王国から心の込められた返礼品(伝統工芸品)がJICA(国際協力機構)を通じ、小野市に届けられました。なお、JICAの「世界の笑顔のために」プログラムでは、現地からお礼状以外の返礼品は珍しく、本島では手に入らない離島の品々も含まれています。
伝統産業を通して親交のあるトンガ王国でありますが、令和4年1月15日に発生した海底火山噴火による津波の影響によって、人口約10万6千人の半数以上の方が被災されております。当市も地震や風水害など数々の災害を経験した中で、国は違えど、助け合いの精神こそがよりよい社会の構築の磯となるものと考えており、トンガ王国の一日も早い復興を願って、小野市から100万円の災害見舞金と市民や市職員から募金を募り、187,581円の義援金を贈らせていただきました。
(令和6年2月JICA様副市長訪問時の写真)
(令和6年2月トンガ王国からの返礼品)

(令和4年2月JICA様市長訪問時の写真)
(令和4年2月トンガ王国からの返礼品)
リユース事業の今後について
トンガ王国では「日本人」と聞くと子供でも「Solopani!(日本語でそろばんのこと)」と言う程、そろばんの認知度は高くなっています。また、そのそろばんを小学校から使用することで、そろばんを通じて日本を知り、日本や日本人を知るきっかけになっていることが多いようです。
しかしながら、トンガ王国内でそろばんを使う学校が増える一方、そろばんの数には限度があり、9,803丁を寄贈した今でも、1つのそろばんを半分に切って使用している学校も少なくありません。加えて私立の小学校や教会系の小学校についても、今後そろばんを教育課程に組み込む予定があるそうです。
トンガ王国の気候の影響もあり、そろばんの劣化が日本と比べて大きいことも含め、トンガ王国では様々な理由から今後も多くのそろばんを必要としています。
また、トンガ王国でのそろばん教育が成功と見なされれば、他国で同じような取り組みが始まるかもしれません。
これからの世界でのそろばん教育を支援するためにも、引き続き小野市のそろばんリユース事業にご協力よろしくお願いします。
(小野市より寄贈したそろばんによってそろばん大会も開催されています)
この記事に関するお問い合わせ先
地域振興部 産業創造課 商工振興係
〒675-1380 兵庫県小野市中島町531番地
電話番号:0794-70-7137
ファックス:0794-63-2614
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更新日:2024年11月27日