火のしと炭火アイロン~熱源となる炭~

 


 炭は暖房の他に衣類のしわをのばす道具「火のし」や「炭火アイロン」に必要でした。「火のし」は、片手鍋みたいな形で、炭火を入れた底に当てて使いました。明治時代中ごろから登場した「炭火アイロン」も炭火を中に入れ、その熱気と容器の重さを利用して布地のしわを伸ばしました。
今の電気アイロンと形にさほど違いはありませんが、煙を出す煙突や、火加減を調節するための空気取り入れ口がありました。
 アイロンがけが終われば、炭火は火消し壷へ。使っていた途中の炭(消炭)は最初の火つけの時よりも火がつきやすいので捨てることなく、とことん再利用していました。