鰹節削り器

 

鰹節は、魚の鰹を原料とする日本の保存食品です。和食の調味料の基本となる出し汁の素材として使われたり、また料理の仕上げに振りかけられるほか、祝い事で贈られたりもします。昔は、各家庭に「鰹節削り器」があり、鰹節を使う前に削っていました。削り器は、大工道具のカンナの刃を上向きにして小箱に据え付けたもので、その面に鰹節を走らせると小箱の引き出しに削り節がたまります。大正時代には削った鰹節を紙袋に包装した商品がありましたが、昭和44年、風味を保つことのできる現在の「フレッシュパック」包装の削り節が登場し、これが大ヒットしたことで、家庭で削り器を利用しなくなっていきました。