ほうらく

 

「ほうらく」(「ほうろく」ともいう)とは、素焼きの浅い皿形の土鍋(土色)で豆・ごま・茶などを煎るときに使いました。素焼きの土鍋は、こわれやすいという欠点がありますが、鉄鍋のようにこげるようなことがないため、行商人がよく売り歩いていました。しかし、昭和30年代から急速にその姿を消していきます。その理由は、農家でのごまの栽培量が減り、ごまを煎るよりも買うようになったことや、こわれやすい土鍋から鉄鍋へと需要が移り変わったからです。
 ちなみに、京都では、「ほうらく灸」といって、火をつけたもぐさを入れたほうらくを頭に載せ、木の剣で九字を切る(9つの字(呪文)を唱える)と病が治ると言い伝えられています。