ちゃぶ台

 


 大正時代末から昭和はじめごろに、「箱膳」から「ちゃぶ台」へと食卓風景が移り変わりました。ちゃぶ台の起こりは卓袱といわれます。卓袱台とは、江戸時代に中国料理を日本食化したものを卓袱料理といい、みんなでそれを取り囲んで食べるための台のことです。卓袱料理は外国との通商が許されていた長崎で普及し、現在では長崎の郷土料理となっています。それまでは、ひとりひとり箱膳で食べていましたが、みんなで膳(机)を囲んで食べる習慣が全国へと広がりました。ちゃぶ台の脚は畳むことができたので、使わない時は部屋の隅に置くことができました。懐かしい昭和のアニメやドラマで描かれる茶の間には、ちゃぶ台があり、頑固おやじがひっくり返す場面もよくありましたよね。昭和30年代以降、生活が近代化すると、次第にちゃぶ台は姿を消し、ダイニングテーブルとイスというスタイルが定着していきました。