庭訓往来(ていきんおうらい)                  ~寺子屋の読み書きそろばん~


当時の教科書表紙(左)と内容(右)
 

明けましておめでとうございます。今年から、学校生活の必需品である「教科書」を取り上げていきますので、よろしくお願いします!
皆さんがランドセルを背負って通学されたように、江戸時代の子どもも6~8歳になると、学校【寺子屋】へ行って勉強しました。【寺子屋(てらこや)】では、お坊さんやお医者さん・庄屋さんが、読み・書き・そろばんを教えていました。江戸時代に日本人の識字率が高かったといわれる理由は、この寺子屋が全国に広まったことと関係します。小野市にも、江戸時代終わりごろにかけて、寺子屋が31か所あったんですよ。子どもが使っていた教科書は『庭訓往来(ていきんおうらい)』をはじめとする往来物(おうらいもの)が多かったようです。往来物とは、本来、手紙のやり取りを綴ったもので、江戸時代には約7,000以上の『○○往来』と題した教科書が作られるくらい人気があったとか。勉強の仕方は、先生から手紙形式に書かれた文字を習字(手習い)し、読みやさまざまな知識を学んでいました。教科書の内容は、一人前の人間になるために修得すべき教養・知識・技術といったものが多く、手紙の書き方、家業に必要な言葉、そして道徳などが記されていました。寺子屋では、生活していくために必要なことを勉強していたんですね。