雨具あれこれ


蓑【みの】(左はシュロ製、右はワラ製)と笠(左上)
 

6月は梅雨の季節。ここ数年梅雨前線そっちのけでカラッと晴れることが多いですが、昔からこの季節には雨具が大活躍!雨に濡れないよう身にまとうものをあげれば、笠(かさ)・傘(かさ)・蓑(みの)・合羽(カッパ)・レインコートなどです。それぞれ呼び名が違いますが、「カサ」は「カサ」でも、【笠】は頭にかぶる帽子みたいなもの。【傘】は体を覆いさすものです。【蓑】は、撥水性のある稲ワラ・茅・藤・シュロなどの植物で作られ、雨雪や寒風などを避けるための仕事着であり、旅装束としても使われていました。【合羽(カッパ)】は、16世紀(室町時代末~戦国時代)ごろ、来日したキリスト教の宣教師が着ていた上着(マント)からきています。【レインコート】は、1823年(江戸時代末)にゴムを使った防水布が発明され、ロンドンで流行したのが発祥のようです。中でも特に古くから使われていた【蓑】で思い浮かぶのは、「隠れ蓑」という言葉。身につけるとその人の姿が隠れるという想像上の蓑で、昔話に出てきます。また、「なまはげ」のような民俗行事(お祭り)では、神の使いや非日常的な存在を表現したりと、神秘的な一面もあります。