小袖(こそで)~着物のなりたち~

 

今年も師走となりました。今年1年「服飾」の連載をしてきましたが、日本人の衣服【着物】の成り立ちに欠かせない「小袖」の話をシリーズのトリとしましょう♪その昔「小袖」は、【十二単(じゅうにひとえ)】や【束帯(そくたい)】などのように袖口の大きく開いた「大袖」の貴族装束に対して、袖口の小さく縫い詰まった衣服をさしていました。貴族が下着として着用した小袖は、庶民にとっては日常着でした。庶民が着ていた一枚の衣服は、中世から世間に広まり、室町時代後期以降に表着として着られるようになりました。今年の大河ドラマ『功名が辻』の千代(山内一豊の妻)が着ているのも「小袖」です。武家の奥方は、合理的で動き易い衣服を好んで身にまといました。このころから「小袖」は、身分に関わらず着られ、現在の着物の原型となりました。室町時代末より、桃山、江戸時代初期にかけて独特の模様が生み出され、そこから友禅染が発展し、華麗な着物が愛用されるようになりました。布の質・デザインの違いはあっても着物(小袖)の形状は同じであり、400年経った今でも私たち日本人を象徴する衣服なのです。この平成の時代、着物を現代風にアレンジして着ているのは、長い歴史の上で、流行・世相によって変化してきたように感じます・・・。ちなみに、来年1月には「大袖」の【十二単】【束帯】を着る体験日がありますよ♪