高齢者の入浴事故にご注意ください

寒い季節になると浴室や脱衣所において突然意識を失ったり、最悪の場合は心肺機能が停止する状態に陥ってしまう危険性が高くなります。これは気温差による急激な血圧の上昇等が原因の『ヒートショック』といわれるもので、特に高血圧や心不全の現病歴のある方はその危険性が一層高くなります。
当市におきましても平成26年に79件も心肺機能停止状態によって亡くなられていますが、うち浴室や脱衣所で心肺機能停止状態になった救急事案が14件もあります。発症年齢は80歳前後の高齢者が多く、発生時期でみると11月から4月の気温が低くなる時期に集中して発生しています。
特に気温が低くなる深夜や早朝に入浴した場合は日中よりも体調に異変をきたしやすくなるうえ、家族等による発見が遅れるのでとても危険です。入浴の際には下記のとおり浴室や脱衣所を温める等して身体に無理のかからないようにして入浴して下さい。
- 浴室や脱衣所に専用の暖房設備がある場合はあらかじめ室内を暖めておく
※暖房器具の使用を誤ると感電や一酸化炭素中毒等の原因となりますので必ず浴室等に付属する専用のものを使用して下さい。 - 入浴前にシャワーで浴槽にお湯を入れて室内を暖める
- 浴室内温度が低く、水温が高温になりやすいため高齢者の一番風呂は避ける
- 高温のお風呂に長時間入浴しない
- 早朝深夜の入浴を避け比較的気温の高い日中に入浴する
- 服薬、飲酒、体調不良の場合は入浴を控える
- 突然、意識が消失した場合、溺水しにくくするために浴槽の水位を低くする
- 脱水症にならないために水分補給をしてから入浴する
- 家族が入浴中にこまめに声掛けをしてあげる
もし、入浴事故が発生した場合は、傷病者を浴槽から救出して救命手当を実施していただきたいのですが、傷病者を持ち上げることが出来ない場合は、浴槽の栓を抜いて水位を下げて救急隊が到着するまで出来る範囲で救命手当を実施して下さい。
更新日:2024年10月31日