平成11年2月に小野市長に就任し、今年で早や5期20年目を迎えております。平成30年は、奇しくも明治維新から150年という節目の年であり、今年の世界における「10大リスク」の首位は、中国の影響力の拡大と言われております。AIなどの最新テクノロジー分野や「一帯一路」などの広域経済圏構想により世界的に影響力を行使する機会が増えると予測され、アメリカの存在感が低下し、日本の置かれる立場も、より複雑になってまいります。
日本経済は、平成29年、景気回復局面が1960年代後半の「いざなぎ景気」を抜いて戦後2番目の長さとなったほか、いくつかの指標が「バブル期超え」を記録しました。雇用においても、生産年齢人口が大きく減少する中で就業者数が増加したものの、バブル期とは異なり、生産年齢人口の絶対数が人口に占める比率として低下する「人口オーナス(重荷)」現象の中で、いかに一人当たりの生産性を高めるかが問われる時代になっております。
さて、就任2年目の19年前から「生き残りではなく勝ち残り」のキーワードとして「ア・イ・ウ・エ・オ」の話を、機会を捉えて繰り返ししてまいりましたが、明治の大変革期にも似たこの「時代の大転換期」に際し、改めて「新たな創造と変革」のキーワードを申し上げるなら、同じく「ア・イ・ウ・エ・オ」であります。
すなわち、
『ア』とは、「アイデンティティ」であり、「アメニティ」であります。加えて、最近では「AI」であります。
『イ』とは、「イノベーション」、「インフォメーション」であり、「インターナショナル」であります。加えて、最近では「インバウンド」、「インフラ」、「IoT」であります。
『ウ』とは、「ウエルネス」であり、「ウエルフェア」であります。
『エ』とは、「エコロジー」であり、加えて「エデュケーション」であります。
『オ』とは、「オリジナリティ」であり、「オンリーワン」であります。
世界では、「イノベーション」、「インフォメーション」により、「大変革の時代」に突入しております。自動車業界では「電動化」やAI(人工知能)等による「自動化」、インターネットでつなぐ「コネクティッド化」により、大きく変化し、これまでの自動車メーカーでなくとも車が作れる時代がすぐそこまできております。
小野市では、市長就任以来、生き残りではなく勝ち残りを目指すため、絶えず「新たな創造と変革」にチャレンジし続けてまいりました。その基本理念は『行政も経営』であります。この一貫した基本理念はそのままに、「前例を踏襲することなかれ、かくあらねばならんという固定観念に捉われることなかれ」との強い意思を持ち、時代の変化に柔軟に対応しつつ、「新たな価値観の創造と変革」にチャレンジし続ける所存でありますので、皆様のより一層のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。